結論
パソナグループは、人材派遣と業務の請負(BPO)を軸に、官公庁や大企業の事務を肩代わりする会社だ。創業者の南部靖之氏の一族が議決権の約半分を握る。筆者の結論は割高だ。帳簿は厚いが、稼ぐ力が細く、その稼ぐ力が AI エージェントに最も近い所にあるからである。
売上は約 3,000 億円あるが、2026 年 5 月期の営業利益は 12 億円の赤字だった。売上の 86% を占める BPO・派遣は利益率が 4% 弱で、その利益を本社費用と地方創生の赤字が食う。事務の肩代わりは、AI エージェントが最初に置き換える仕事だ。中立の数量は今の 0.585 倍と置いた。価格は 1.28 倍で、物価に届かない。
自己資本は 1,269 億円と時価総額の 2 倍あるが、中身は淡路島の施設のように利益を生みにくい資産が多い。中立の 10 年後は、純利益がほぼゼロまで細る。そこで価値は、事業の稼ぎでなく、定期預金と有価証券に移した余った現金で決まる。10年先の名目で見ると、この額は今の時価総額を大きく下回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、これは稼ぐ力が足りず、持ち続けたくない会社だ。創業家が議決権の半分を握るため、少数株主が資本の使い方に口を出しにくい。自己資本が時価総額の 2 倍あるのに、中身は淡路島の施設のように利益を生みにくい資産が多く、帳簿どおりの値打ちは付けにくい。
本業の BPO・派遣は薄利で、AI エージェントに置き換えられやすい事務が中心だ。成果で値段を決める契約へ移れた証拠も、AI を自社の売り物にして金額が出た開示も確かめられない。本社費用は売上の縮みに連れて削れるが、削りきれない固定費が利益を食う。
オーナー利益はゼロに近い。値打ちの床は、余った現金270億円と売れる資産の見込みで、悲観の10年後には今の値段の4割弱にとどまる。安全域は無い。資本の使い方に少数株主が口を出せない点が、価値を割り引く理由になる。
何で稼ぐ会社か
事業は三つに分かれる。いちばん大きいのは BPO とエキスパートソリューションで、売上の 86% を占める。派遣は人を送り込んで時間で稼ぐ仕事、BPO は業務を丸ごと請け負う仕事だ。官公庁・自治体の窓口や事務、大企業の総務・経理の代行などが中心で、利益は売上の 4% 弱と薄い。2026 年 5 月期は大型の受託案件がピークを過ぎて減収になった。
二つ目はキャリアソリューション。人材紹介と、企業が人を減らす時の再就職支援だ。売上は 140 億円と小さいが、利益率は 30% と高い。利益は BPO の 4 割強を稼ぐ。ただし景気で件数が振れる。2026 年 5 月期は、期初から続く生産性の低下の回復が遅れた。
三つ目が「その他」で、地方創生・観光とライフ関連だ。淡路島のホテル・劇場・飲食などを持ち、本社機能の一部も 2020 年から淡路島へ移した。2025 年の大阪・関西万博には自前のパビリオンを出し、約 215 万人が訪れた。この秋には、その展示を再び見せる複合施設を淡路島に開く予定だ。売上は 283 億円で、利益は 7 億円の赤字である。
セグメント利益の合計は約 135 億円だが、連結の営業利益は赤字になる。差の約 147 億円は全社の費用などとみられる(開示の差額からの推定)。ここが利益を押し下げている。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは薄い。派遣も BPO も参入しやすく、官公庁や大企業の入札・相見積もりで値段が決まりがちだ。長い取引、全国の拠点網、大量の登録人材という足場はある。だが、それが利益率に表れていない。
数字がそれを示す。営業利益率は 2015 年から 2020 年まで 1〜3% の間だった。2021〜22 年に 6% へ跳ねたが、その後は戻り、直近 2 期は赤字だ。ROE の過去 10 年の中央値は 6.2% で、資本コストを下回る。
経営の計画精度にも疑問が残る。2026 年 6 月には、営業黒字 5 億円の予想を 11.5 億円の赤字へ引き下げた。人材紹介の回復の遅れ、派遣の稼働の伸び悩み、新規のゲーム事業の未達が理由だ。
資本の使い方も気になる。2024 年に上場子会社ベネフィット・ワンの全株を売り、1,120 億円の特別利益を得た。この大金が本業の稼ぎを増やす形で使われたとは、まだ言えない。筆者は、事業の質よりも、資本の使い方を厳しく見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の人材サービスは、紹介・派遣・求人広告を合わせて約 10 兆円で、年 3% 前後の伸びが続く。働き手が減るので、企業は人を確保するために派遣や外注を使い続ける。需要の底は堅い。
ただし伸びは、人の数ではなく単価に頼る面が大きい。人口が減る国内で、派遣の稼働人数を大きく増やすのは難しい。パソナの場合、数量は横ばい、価格は賃金に連れて物価並みと置くのが素直だ。
競争は厳しい。派遣ではリクルートスタッフィングやパーソルテンプスタッフが規模で先を行く。BPO ではトランス・コスモスやベルシステム 24 などが、コールセンターと事務の受託で争う。官公庁案件は大型で利益は出るが、案件が終われば売上が抜け、次を取り続けなければならない。
最大の変数は生成 AI だ。問い合わせ対応、書類の入力、初級の事務は AI に置き換わりやすい。派遣・BPO の仕事の総量が 10 年で縮む筋書きは、現実的に起こりうる。逆に、AI を組み込んだ高度な BPO を作れた会社には、単価を上げる余地が生まれる。
観光・地方創生は、訪日客の増加が追い風になる。ただし、施設を持つ事業は稼働率で収益が決まり、固定費が重い。業界の中で、パソナだけがここに大きな資産を投じている。
AI エージェントとの関係では、BPO と派遣は人月で売る型(売上の 86%)、紹介は画面型、観光は現場の体が要る型として、型ごとに別の置き方をした。本社費は売上の縮みに連れて縮むと置いた。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、年約 29 億円を 3 期続け、中間配当はない。2027 年 5 月期の会社予想は純損失 10 億円なので、配当は利益を上回る。続けるなら自己資本を削ることになる。
2024 年 5 月期はベネフィット・ワンの売却益 1,120 億円で、純利益が 959 億円に跳ねた。その後、純現金は 957 億円から 163 億円まで減った。2026年5月期は現金及び預金が1,248億円から768億円へ減った。顧客からの預り金の減少268億円と、固定資産の取得約180億円(淡路島の建設仮勘定が中心)が主な理由で、有価証券の取得240億円も出ている。定期預金と有価証券に移した分は、決算短信の現金同等物と純現金163億円に入らない。
2026 年 7 月には、投資ファンドのマーキュリーが、創業家の保有分約 1,826 万株を会社が買い取るよう求める株主提案を出した。取締役会は反対した。総会は 8 月 28 日で、結果は確認できていない。
買収される可能性は低い。南部靖之氏が約 39%、関連会社を合わせると議決権の約 48% を創業家が握る。創業家が売らない限り、TOB は成立しにくい。M&A はパナソニック HD との総務 BPO の合弁のように、提携型が中心だ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
労働力不足は国内で構造的に続き、企業は人を確保するために派遣と外注を使い続ける。BPO は、単純な事務の代行から、専門性の高い業務の一括受託へ移りつつある。パナソニック HD との合弁のような大企業の総務の受託は、一度取れば長く続き、利益率も上がりやすい。官公庁・自治体の事務も、人手不足の中で外注が増える。
会社は 2030 年 5 月期に売上 4,000 億円、経常利益率 5% を掲げる。2026 年 5 月期の赤字は、万博関連の費用と人材紹介の一時的な不調が大きい。万博が終われば特別損失は消え、秋に開く淡路島の複合施設は、展示を引き継いで集客できる。観光は訪日客が追い風だ。
さらに、創業家に自社株買いを迫る株主提案が出て、資本効率を問う圧力が初めて本格化した。上場子会社を手放した前例もあり、淡路島の資産の整理や、全社費用の削減に動く余地がある。自己資本が 1,269 億円と厚いので、動けば利益の改善幅は大きい。生成 AI も、事務を外注する需要を増やす面がある。AI を使いこなす BPO は単価を上げられる。
BPO の官公庁案件は、長期の契約と実績が堀になる。エージェントを取り込んで処理量を増やし、本社費も削れば、小さくても黒字を保てる。
慎重な見方
直近 2 期は赤字で、会社の予想は何度も下振れしている。2026 年 6 月には営業黒字の予想を赤字へ引き下げた。2027 年 5 月期の予想も営業利益はわずか 15 億円で、純損失が続く。目標の経常利益率 5% は、今の延長線上では遠い。
事業の構造も向かい風だ。BPO の大型案件はピークを過ぎ、次の案件で穴を埋める必要がある。派遣は稼働人数が伸び悩み、有給取得の増加がコストを押し上げた。人材紹介は景気に弱く、回復が想定より遅れた。そして生成 AI は、事務・問い合わせ対応という BPO の核を、いちばん先に置き換える。
淡路島への投資は、収益を生んでいない。「その他」は 3 期続けて赤字で、新規のゲーム事業も未達だった。固定資産は 625 億円に膨らみ、稼働率が上がらなければ減価償却と固定費が利益を削る。
ガバナンスの問題もある。創業家が議決権の約半分を握り、株主提案は取締役会が退けた。株主の声で資本の使い方が変わる保証はない。配当が利益を上回る状態が続けば、自己資本は静かに減っていく。
事務の肩代わりは AI エージェントが最初に置き換える仕事で、売上の 86% が該当する。すでに赤字の会社が売上を減らせば、固定費が重くなり赤字が深まる。創業家支配で資本の使い方も変わりにくい。
どちらに重みを置いたか
官公庁案件の実績と厚い資産では強気の見方が上だが、売上の 86% が事務の派遣・BPO で、すでに赤字である点では慎重な見方が上だ。事務の割合が最も高い会社として、やや悲観と悲観を合わせて 42% と、他社より重く置いた。価値は余った現金が決める。足したのは、預り金と運転資金を除いた現金だけで、淡路島の固定資産は悲観の床にだけ入れた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/05 期)
確率で加重した株価時価総額 779 円298 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 362 円138 億円、今との差 −75.6%、 期待の年率 −6.2%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 1,738 円665 億円 | 25 円10 億円 | +18.9% | +1.7% | 88 円34 億円 |
| やや楽観 | 15% | 1,131 円433 億円 | 0 円0 億円 | −23.7% | −2.7% | 170 円65 億円 |
| 中立 | 38% | 768 円294 億円 | 0 円0 億円 | −48.2% | −6.4% | 292 円112 億円 |
| やや悲観 | 28% | 551 円211 億円 | 0 円0 億円 | −62.8% | −9.4% | 154 円59 億円 |
| 悲観 | 14% | 546 円209 億円 | 0 円0 億円 | −63.2% | −9.5% | 76 円29 億円 |
| 加重平均 | 100% | 779 円298 億円 | 1 円0 億円 | −47.4% | −6.2% | 781 円299 億円 |
今の株価時価総額 1,483 円568 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 5% 事務の BPO を取り込み黒字を保つ 利益 35 億円 · PER 18.8 倍 · 株価時価総額 1,738 円665 億円
AI エージェントを道具に取り込み、BPO の処理量を増やして黒字を保つ筋書き。BPO・派遣の数量は今の 0.81 倍、価格は 1.34 倍。紹介は画面型で 0.95 倍。本社費は売上に連れて縮み、観光の赤字は小さくなる。数量が今を超えないのは、AI を売り物にして金額が出た開示が確かめられないからだ。10 年後の売上は 3,649 億円(今の 1.18 倍)、純利益は 35 億円。 内訳はBPO・エキスパートソリューション(売上 2,889 億円・数量 0.81 倍・価格 1.34 倍)、キャリアソリューション(売上 153 億円・数量 0.95 倍・価格 1.15 倍)、その他(売上 607 億円・数量 1.60 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 120 億円(利益率 3.3%)、10 年の還元は計 10 億円、時価総額は 552 億円になる。
- BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行):数量 4.8(派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定))× 価格 605(1 人当たり年間売上(万円))→ 売上 2,889 億円・営業利益 108 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.81 倍・価格 1.34 倍・利益率 3.8%(AI エージェント代替で置き直し)
- キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援):数量 1.0(人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定))× 価格 161(1 件当たり売上(万円))→ 売上 153 億円・営業利益 46 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.95 倍・価格 1.15 倍・利益率 30.3%(AI エージェント代替で置き直し)
- その他(地方創生・観光・ライフ):数量 224(地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定))× 価格 2.71(1 人当たり売上(万円))→ 売上 607 億円・営業利益 61 億円。現場の体の型。数量 1.60 倍・価格 1.34 倍・利益率 10.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 32 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.2% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)270 億円。全体の PER 18.79 倍、時価総額 665 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:AI を売り物にして金額が出た開示は確かめられない。楽観でも数量は今を超えず、黒字化も小さく、5%。
やや楽観 15% 事務が縮むが本社費も縮む 利益 17 億円 · PER 25.8 倍 · 株価時価総額 1,131 円433 億円
BPO・派遣は今の 0.72 倍に縮むが、官公庁の長期の案件は残る。紹介は 0.88 倍、価格は 1.12 倍。本社費も売上に連れて縮み、黒字は小さいが保たれる。10 年後の売上は 3,142 億円(今の 1.02 倍)、純利益は 17 億円。還元は黒字が小さいため出ない。 内訳はBPO・エキスパートソリューション(売上 2,511 億円・数量 0.72 倍・価格 1.31 倍)、キャリアソリューション(売上 138 億円・数量 0.88 倍・価格 1.12 倍)、その他(売上 493 億円・数量 1.30 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 57 億円(利益率 1.8%)、10 年の還元は計 0 億円、時価総額は 351 億円になる。
- BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行):数量 4.2(派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定))× 価格 591(1 人当たり年間売上(万円))→ 売上 2,511 億円・営業利益 90 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.72 倍・価格 1.31 倍・利益率 3.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援):数量 0.9(人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定))× 価格 157(1 件当たり売上(万円))→ 売上 138 億円・営業利益 40 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.88 倍・価格 1.12 倍・利益率 28.8%(AI エージェント代替で置き直し)
- その他(地方創生・観光・ライフ):数量 182(地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定))× 価格 2.71(1 人当たり売上(万円))→ 売上 493 億円・営業利益 25 億円。現場の体の型。数量 1.30 倍・価格 1.34 倍・利益率 5.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 13 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 1.4% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)270 億円。全体の PER 25.76 倍、時価総額 433 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:事務の置き換えが緩やかで、本社費の削減も進む筋書き。15%。
中立 38% 売上は 2 割減、純利益はほぼゼロ 利益 6 億円 · PER 51.6 倍 · 株価時価総額 768 円294 億円
BPO・派遣は事務が肩代わりされ、数量は今の 0.585 倍、価格は 1.28 倍。紹介は 0.8 倍、価格は 1.08 倍。観光は旧来どおり。本社費は売上に連れて縮む。10 年後の売上は 2,531 億円(今の 0.82 倍)、純利益は 6 億円とほぼゼロ。価値は事業に要らない資産の売却見込みが決める。 内訳はBPO・エキスパートソリューション(売上 1,993 億円・数量 0.59 倍・価格 1.28 倍)、キャリアソリューション(売上 121 億円・数量 0.80 倍・価格 1.08 倍)、その他(売上 417 億円・数量 1.10 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 20 億円(利益率 0.8%)、10 年の還元は計 0 億円、時価総額は 231 億円になる。
- BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行):数量 3.5(派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定))× 価格 578(1 人当たり年間売上(万円))→ 売上 1,993 億円・営業利益 64 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.59 倍・価格 1.28 倍・利益率 3.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援):数量 0.8(人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定))× 価格 151(1 件当たり売上(万円))→ 売上 121 億円・営業利益 32 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.80 倍・価格 1.08 倍・利益率 26.7%(AI エージェント代替で置き直し)
- その他(地方創生・観光・ライフ):数量 154(地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定))× 価格 2.71(1 人当たり売上(万円))→ 売上 417 億円・営業利益 8 億円。現場の体の型。数量 1.10 倍・価格 1.34 倍・利益率 2.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 0.2% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)270 億円。全体の PER 51.58 倍、時価総額 294 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:事務の数量が 0.585 倍に縮み、本社費も売上に連れて縮む筋書きを中立とし 38%。
やや悲観 28% 事務の BPO が顧客に内製される 利益 −21 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 551 円211 億円
官公庁と大企業の BPO がエージェントで内製され、数量は今の 0.5 倍、価格は 1.15 倍にとどまる。紹介は 0.68 倍。本社費の縮みが追いつかず、赤字に落ちる。10 年後の売上は 1,917 億円(今の 0.62 倍)、純利益は -21 億円。のれんと施設の減損も出る。 内訳はBPO・エキスパートソリューション(売上 1,515 億円・数量 0.50 倍・価格 1.15 倍)、キャリアソリューション(売上 95 億円・数量 0.68 倍・価格 1.00 倍)、その他(売上 306 億円・数量 0.81 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は -19 億円(利益率 -1.0%)、10 年の還元は計 0 億円、時価総額は 220 億円になる。
- BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行):数量 2.9(派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定))× 価格 519(1 人当たり年間売上(万円))→ 売上 1,515 億円・営業利益 37 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.50 倍・価格 1.15 倍・利益率 2.4%(AI エージェント代替で置き直し)
- キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援):数量 0.7(人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定))× 価格 140(1 件当たり売上(万円))→ 売上 95 億円・営業利益 20 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.68 倍・価格 1.00 倍・利益率 21.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- その他(地方創生・観光・ライフ):数量 113(地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定))× 価格 2.71(1 人当たり売上(万円))→ 売上 306 億円・営業利益 −6 億円。現場の体の型。数量 0.81 倍・価格 1.34 倍・利益率 -1.8%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:悲観側の床は稼ぐ力でなく、余った現金と売れる資産の税後(floor_assets_oku 211 億円)で、今の自己資本 1269 億円に対する 0.17 倍。事業は続くので固定資産は売らない。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PBR 0.166 倍・時価総額 211 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:官公庁と大企業の BPO が内製され、赤字に落ちる筋書き。28%。
悲観 14% 売上が半分以下で赤字が続く 利益 −38 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 546 円209 億円
事務の BPO・派遣が崩れ、数量は今の 0.4 倍、価格は 1.0 倍。売上は 10 年で半分以下の 1,283 億円、純利益は -38 億円の赤字が続く。値は稼ぐ力でなく、純現金と売れる資産の床で測る。淡路島の施設を急いで売る筋書きだ。 内訳はBPO・エキスパートソリューション(売上 1,078 億円・数量 0.41 倍・価格 1.00 倍)、キャリアソリューション(売上 63 億円・数量 0.50 倍・価格 0.90 倍)、その他(売上 142 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)。 営業利益は -35 億円(利益率 -2.7%)、10 年の還元は計 0 億円、時価総額は 200 億円になる。
- BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行):数量 2.4(派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定))× 価格 451(1 人当たり年間売上(万円))→ 売上 1,078 億円・営業利益 10 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.41 倍・価格 1.00 倍・利益率 0.9%(AI エージェント代替で置き直し)
- キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援):数量 0.5(人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定))× 価格 126(1 件当たり売上(万円))→ 売上 63 億円・営業利益 7 億円。席・画面が価値の中心の型。数量 0.50 倍・価格 0.90 倍・利益率 10.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- その他(地方創生・観光・ライフ):数量 70.0(地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定))× 価格 2.02(1 人当たり売上(万円))→ 売上 142 億円・営業利益 −1 億円。現場の体の型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 -0.7%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:悲観の床は稼ぐ力でなく、余った現金と売れる資産の税後(floor_assets_oku 209 億円)で、今の自己資本 1269 億円に対する 0.16 倍。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PBR 0.165 倍・時価総額 209 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:事務が崩れ、固定費が重く赤字が続く筋書き。14%、やや悲観と合わせて 42%。売上の 86% が事務なので、他社より重く置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
BPO・エキスパートソリューション(派遣・請負・事務代行)
官公庁・大企業の事務の代行と、派遣・請負で人を出す事業。売上の 86%。
| 数量派遣・請負・BPO の稼働人数(万人、推定) | 価格1 人当たり年間売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 5.9 | 451 | 2,662 | 100 |
| 10 年後 中立 | 3.5 | 578 | 1,993 | 64 |
取り方:セグメント売上 2,662 億円(the-shashi 有報由来)を、稼働人数の推定約 5.9 万人(派遣と請負・BPO を合わせ、国内の 1 人当たり年間売上を約 450 万円と置いた推定)で割った。人数は開示が確認できないので推定。数量は人口減と人手不足が相殺して中立で横ばい、価格は賃金に連れて 10 年 1.34 倍とした。【AI エージェント代替】人月で売る型(売上の 86%)。10 年の数量は中立で今の 0.585 倍、価格は 1.28 倍。
キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)
人材紹介と、人員整理時の再就職支援。小さいが利益率が高い。
| 数量人材紹介・再就職支援の成約・支援件数(万件、推定) | 価格1 件当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 1.0 | 140 | 140 | 42 |
| 10 年後 中立 | 0.8 | 151 | 121 | 32 |
取り方:セグメント売上 140 億円を、成約・支援件数の推定約 1 万件(1 件約 140 万円、年収の 3 割強の手数料と再就職支援の混合)で割った。件数は開示が確認できないので推定。景気で振れるが、中立では緩やかに増えるとし、価格は物価並みに上がるとした。【AI エージェント代替】画面型(売上の 5%)。10 年の数量は中立で今の 0.80 倍、価格は 1.08 倍(物価の 1.34 倍を下回る。エージェントが画面を飛ばし、値下げ圧力が掛かるため)。
その他(地方創生・観光・ライフ)
淡路島のホテル・劇場・飲食などの地方創生・観光と、ライフ関連。赤字。
| 数量地方創生・観光・ライフの延べ利用者(万人、推定) | 価格1 人当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 140 | 2.02 | 283 | −7 |
| 10 年後 中立 | 154 | 2.71 | 417 | 8 |
取り方:セグメント売上 283 億円を、淡路島のホテル・劇場・飲食・ライフ関連の延べ利用者の推定約 140 万人(1 人当たり約 2 万円)で割った。利用者数は開示が確認できないので推定。価格は物価並みに上がるとした。【AI エージェント代替】現場の体が要る型(売上の 9%)。旧来の置き方を基本にした。
リスクと懸念
AI エージェント代替で事務の BPO・派遣が縮む
売上の 86% は、官公庁や大企業の事務を肩代わりする BPO・派遣だ。AI エージェントが最初に置き換える仕事で、数量は今の 0.585 倍、価格は物価の 1.34 倍に届かない 1.28 倍と中立で置いた。すでに営業利益は赤字で、売上が縮むと固定費の重さで赤字が深くなる。本社費の縮みは売上に連れて進むと見たが、追いつかない筋書きもある。
生成 AI による事務の置き換え
問い合わせ対応・書類入力・初級の事務は、AI に置き換わりやすい。BPO と派遣の核が、いちばん先に影響を受ける。仕事の総量が縮めば、稼働人数も単価も落ち、薄い利益率が赤字に変わりうる。
官公庁・大型案件の剥落
利益の高い大型の受託案件は、終われば売上が抜ける。2026 年 5 月期も BPO は減収だった。次の案件を継続して取れなければ、利益率が元に戻らない。入札の価格競争も重くのしかかる。
淡路島・観光への投資の回収
固定資産は 625 億円に膨らんだが、「その他」は 3 期続けて赤字で、新規のゲーム事業も未達だった。稼働率が上がらなければ、減価償却と固定費が利益を削る。万博後の集客の持続が課題になる。
計画の未達と配当の持続性
会社は 2026 年 6 月に営業黒字予想を赤字へ引き下げた。2027 年 5 月期も純損失の予想で、年約 29 億円の配当は利益を上回る。続ければ自己資本が減り、減らせば株主の期待を損なう。
創業家のガバナンス
創業家が議決権の約半分を握り、2026 年 7 月の株主提案は取締役会が反対した。少数株主の声が資本の使い方に届きにくく、資産整理や費用削減の動きが遅れるおそれがある。後継者の計画も開示が乏しい。
人材紹介の景気感応度
人材紹介と再就職支援は、景気で件数が大きく振れる。2026 年 5 月期は、期初から続く生産性の低下の回復が遅れた。景気後退が来れば、利益率の高いこの事業が先に縮む。
今後の分かれ目
- 官公庁の大型案件を AI エージェント込みの成果契約で受注し、金額が開示される
- 人月から成果へ移れた証拠になり、数量と価格の置き方を上げられる。やや楽観に近づく。
- BPO の大型案件を新たに取り、BPO の利益率が 5% を超えて続く
- 強気の筋書きに近づく。全社費用の削減と合わせれば、営業利益は 100 億円を超えうる。
- 2027 年 5 月期の営業利益が会社予想の 15 億円を下回る
- 計画未達の連続と受け止められ、慎重な筋書きの確率を上げる。
- 淡路島の複合施設が秋の開業後、早期に黒字化する
- 「その他」の赤字が消え、固定資産の回収に目処がつく。中立より上の筋書きに近づく。
- 創業家が保有株の一部を会社に売る、または資産整理や還元の方針を開示する
- 資本効率の改善が進む可能性が出る。強気の筋書きの確率を引き上げる材料になる。
- AI を使った事務の自動化が、派遣・BPO の受注に目に見えて響く
- 稼働人数と単価が落ち、10 年の悲観・やや悲観の筋書きに近づく。
見ておくもの
- BPO・エキスパートソリューションの利益率(四半期ごと)
- 人材紹介の回復と、キャリアソリューションの利益
- 淡路島の複合施設の稼働と、「その他」セグメントの損益
- 配当と自己資本の水準、創業家と株主提案の動き
- 官公庁・大企業の BPO の新規受託と、生成 AI による事務の自動化の影響
倍率と資本コストの決め方
今の株価や過去・同業の倍率は見ずに、型ごとの数量・価格・利益率から 10 年後の利益を積み、倍率は式(正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g))で置いた。k は 7.5% に quality +1.75% を足した 9.25%、名目 g は人月・席の型で 0% 以下(事務の派遣・BPO は人月型、紹介は画面型、観光は現場)。余った現金270億円は、現金及び預金と流動の有価証券から借入金・社債と預り金と運転資金を引いた額で、配当と自社株買いの実績から戻り方を1.0とした。固定資産(簿価625億円)の売却見込みは余った現金に入れず、悲観側の床にだけ置いた。本社費は売上に連れて縮むと置いた。自己資本は今の値に期間の純利益を足して還元を引いて流した。リースの会計は新基準で 2028/03 期から BS に載るが、10 年後の数字は今と同じ形にそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 17.28→18.79 倍・やや楽観 PER 24.45→25.76 倍・中立 PER 51.02→51.58 倍)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。