結論
クックビズは飲食業の人材採用を支える会社から、水産加工と冷凍惣菜も営む食産業の複合企業へ姿を変えている。筆者の結論は「割高」である。飲食店が人を採る需要は十年後も消えないが、その需要を仲介業者の人手と専用の操作画面で満たす必然性は弱まる。2025年11月期の営業赤字を受け、2026年11月期も10月に通期営業損失2.93億円へ下方修正された。採用事業と食品事業の両方が利益を確保できていない。
強みは、飲食の実務に詳しい紹介担当者、約30万人の登録会員、取引先約1万1500社という専門性と接点である。紹介決定は入社までの調整と定着支援を伴い、完全な自動化は容易ではない。ただし独占的な求人データや、高い解約率に耐えられる値上げ実績は確かめられない。採用広告・スカウト・労務管理ソフトの画面を生成AIが迂回するなら、過去の売上成長を十年後に延長することはできない。
しかも北海道の子会社ではホタテ価格の下落と在庫評価損が表面化した。調理済み食品には実物の需要がありAI代替を受けにくいものの、原料調達、冷凍設備、季節性に利益を左右される。現金と借入の差は2026年8月末に純負債へ傾き、二期連続の営業赤字を禁じる借入条件にも注意が要る。これは利益成長の前に資本を守れるかという課題である。
2036年の中立では、採用単価の上昇を認めても仲介・操作画面型の取引数量を縮小させる。惣菜の通年寄与と構造改革がその一部を補い、会社全体で再び黒字になる筋書きは残すが、株主の手に渡る利益は厚くない。複数の将来を慎重に合わせた現在価値は約4.6億円で、株価に対応する時価総額約18.2億円より約75%低い。企業が存続することと、現在の価格で長く持つに値することは別である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場では、会社の使命への共感より、十年後に自由に使える現金が残るかを問う。飲食店が調理人や店長を必要とする事実は揺るがない。しかし人材紹介の会社がその取引から今と同じ手数料をもらえるかは別だ。登録会員数や取引企業数は参入の足掛かりにはなるが、広告宣伝費を投じなくても顧客が残るという証拠にはならない。販促費と紹介担当の人件費を引いた後に余る利益を基準にしたい。
食品加工への展開はAIに取られない現物の価値を持つ一方、仕入れ資金、冷凍設備、在庫、工場の更新に資金が要る。2026年に起きたホタテ在庫評価損は、帳簿上の売上高が伸びても株主の現金にならない例である。既存の設備の減価償却は一斉に物価上昇分だけ増えないが、更新投資には値上がりした機械代がかかる。増分投資利益率が資本コストを上回る確証はまだなく、新規取得先に資本を継続投下する姿勢には慎重になる。
経営陣が重い固定費を減らし、不採算案件から退き、借入を減らすことができれば、収益の質は大きく変わる。逆に買収したソフトがAIエージェントに置き換わり、食品が低採算のままなら、顧客基盤が残っても普通株主の取り分は細る。純現金が無く、営業赤字が続く局面では、帳簿の自己資本をそのまま最低価値と考えるのも危険だ。筆者は堀の証拠と資本配分の実績が揃うまでは、将来の成長に高い値を払わない。
何で稼ぐ会社か
収入の根は食産業の採用活動にある。求人企業が正社員の採用に成功すると、年収に応じた紹介手数料を受け取る。2025年度は紹介決定912人、紹介関連売上9.59億円を開示しており、この事業が単一の商品として最も大きい。求人広告は有料掲載の四半期延べ1367社から2.68億円、スカウトは利用企業の延べ2463社から3.47億円を稼いだ。求職者には無料で利用してもらい、採用企業から料金を得る仕組みである。
ワールドインワーカーは特定技能外国人の紹介と、ビザ・入社・定着の支援を担う。研修とCASTのシフト・勤怠管理を含むその他の事業は1.61億円である。CASTは店舗の登録ユーザー数に応じた月額課金であり、従業員の勤務管理の操作画面そのものを売る性格が強い。紹介や研修の人手作業と、月額ソフトの席課金を同じ成長率では扱えない。
2022年に買収した北海道の「きゅういち」は、漁協や商社からホタテ・魚を仕入れ、鮮度を維持して冷凍加工して仲卸に売る。2025年度のホタテ売上は約5.82億円、その他の魚介・附帯収入は約4.12億円に達した。2025年9月に取得したマルヒロ太田食品は北海道産ジャガイモのコロッケなどを作り、百貨店の催事や卸で売る。同社の連結寄与は2025年度には約3か月、約1.31億円だけである。仕入れるキログラムと加工する数量、出荷単価が損益を決め、人材事業とは資本の使い方がまったく異なる。
2026年には労務管理SaaSのTECH CREWを取得し、採用サイト作成サービス「採用係長」のネットオンも条件付きで連結子会社化する方針を示した。両社の取得前の年間売上は合計約4.23億円あるが、いずれも営業赤字であった。2025年度のクックビズ連結売上には含まれず、今後の収益は買収が完了してから初めて評価すべきものである。顧客基盤を一括販売に使える利点はあるが、増えた売上の全額を利益とみなせない。
優良さと弱いところ
食業界に絞った集客基盤は本物の資産だ。2026年2月時点で会員約30万人、その九割以上が飲食経験者という開示には意味がある。約1万1500社の取引先は一社依存を避ける利点も持つ。料理人の経験や職場の繁閑を理解する人間の判断は、単純な検索結果より役に立つ場面が残る。しかし大量の履歴書を持つことと、顧客が競合へ切り替えられないことは違う。
強い堀、つまり値上げしても収益を守れる力を示す証拠は足りない。解約率5%未満、法令対応による移行障壁、値上げの継続実績といった数字が見つからず、職業紹介の成功報酬は競争の中で決まる。人材紹介は会員から直接採用する企業と競ううえ、AIエージェントが候補者探索、面接調整、広告文の作成を大幅に安くできる。CAST、採用係長、人事CREWも「業界の記録の正本」であることを裏付ける独立した証拠が二つ以上確認できず、画面・席課金の型にとどまる。
実際の資本効率は不安定である。2020年と2021年はコロナ禍で赤字、2022年と2023年は黒字化したが、2025年に再び大きく損失を出した。過去10年のROE中央値は8.2%でも、現在の利益をそこへ戻せる保証はない。北海道の加工子会社には買参権、低温加工設備、地元調達網という現場の優位があるが、水産相場の下落に価格決定権は及ばない。規模とブランドから長期に超過利益を確実に得る企業とはまだ呼べない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
需要の底には飲食店の慢性的な人手不足がある。会社資料で2026年の調理職の有効求人倍率は2.31倍、接客・給仕は2.21倍と、全職種の1.06倍より高い。一方、採用需要は景気と出店件数に左右され、店舗数が減れば空席数も減る。全国求人情報協会の調査では2024年度の求人情報提供市場は6661億円で、2025年の求人広告件数は2887万件だった。この全国値は全産業・全媒体を含み、飲食専業の市場規模を表す数字ではない。
競争相手はIndeedを含む大手求人検索網、リクルート、マイナビ、ディップだけではない。飲食に特化する求人飲食店ドットコムやフーズラボも求職者・飲食店の同じ財布を狙う。クックビズの飲食採用に限った売上シェアと競合各社の正確なシェアは公表されていない。取引先約1万1500社は飲食関連事業者の一部であり、累計の接点を有料契約の継続シェアと取り違えてはいけない。求職者発見をAIが横断的に行うほど専用サイトへの流入とスカウト利用料が減り、仲介の料金も成果に見合う分へ圧縮されると考える。
水産物の市場は量の増加より需給の変動が大きい。農林水産省の2025年統計では全国のホタテガイ漁獲量は26万3000トンで前年比17%減少した。きゅういちの加工販売トン数は非開示で、推計した300トンを全国の殻付き原料生産量と直接比較して市場シェアと呼ぶことはできない。仲卸と加工業者が競う市場では、原料高や輸出相場の下落が先に利益を奪う。
冷凍食品は実物の需要が続く市場である。日本冷凍食品協会による2025年の国内生産額は約8577億円、コロッケの生産量は15万5920トンだった。マルヒロの百貨店催事と個性的な商品には小さいながら差別化の余地があるが、ニチレイフーズや味の素冷凍食品を含む大手との販路・調達力の差は大きい。現状のシェアは推計でも1%に遠く、シェアを伸ばすには通年の棚と製造能力の確保が欠かせない。
資本政策と M&A
資本配分の評価は厳しくなる。2022年のきゅういち、2025年9月のマルヒロと、採用仲介から加工設備を要する食品事業へ投資対象を広げた。2026年には赤字のTECH CREWを取得し、同じく赤字で純資産がマイナスのネットオンを条件付きで取り込もうとしている。買収が収益の平準化につながるのか、それとも赤字拠点と資金需要を増やすのかは未証明だ。
2026年2月の成長可能性資料は、2028年度のHR売上25億円を目標に掲げた。内訳は人材紹介13億円、求人広告3億円、スカウト4.5億円、その他4.5億円である。しかし2026年10月には直近通期の売上見通しを28.26億円、営業損失を2.93億円へ下方修正し、約20人の希望退職者を募ると発表した。ROE、DOE、配当性向、総還元性向、自社株買い額について中期の数字の約束はない。
創業以来の無配が続き、株主還元より再投資を優先してきた。2025年12月のOICグループとの提携は販路を広げる可能性があるが、持ち株の一部取得が直ちに全株買付けを意味するわけではない。2026年8月末には現預金11.97億円に対し、社債を含む有利子負債が約18.37億円に達した。財務制限条項には2025年度と2026年度の連続営業赤字を避ける条件があり、今後は金融機関との協議と資金保全が優先課題となる。
2026年には将来の権利行使で最大12万8500株が増えるストック・オプションも付与された。事業が好転し行使価額を超えた場合には、その分だけ既存株主の持分が薄まる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
食に特化した長年の顧客関係は、規模の大きな総合求人サイトには真似しにくい。2026年2月時点で約30万人の登録者があり、企業と求職者双方の現場事情を理解する相談員がいる。仕事の良し悪しは履歴書だけでは分からず、料理技術やシフトの実情まで確かめる紹介には人間の価値が残る。2026年第3四半期の紹介件数が前年同期比で増え始めたことも、会社が採用の仕組みを修正できる証拠になる。
さらに経営が不採算の広告施策を止めて人件費を削り、顧客の入社後の勤怠や給与まで一括して扱えれば、営業利益率が回復する可能性がある。ネットオンとTECH CREWの既存商材は、食産業以外の顧客とも接点を持つ。AIエージェントが顧客業務を助ける時代でも、適切な採用結果に責任を持つ担当者と現場の労務手続きを束ねる提供価値があれば、競争の激化に耐えられる。もっとも、開示済みのAI製品売上を伴わない成長は、ここでは期待の根拠にしない。
物の事業も評価すべきだ。きゅういちは道南の仕入れ網や鮮度維持の設備を持ち、マルヒロには独自の製法と催事販路がある。OICグループとの提携から流通先が広がり、冷凍食品を通年販売できれば、取得時に連結期間の短かった子会社の利益が増える。売上構成が仲介から実物の加工へ移ることで、AIによる業態崩壊をある程度和らげられる。構造改革の固定費削減が実行され、事業が生む現金を買収ではなく返済と還元に回せれば、2036年の利益は2025年よりはるかに大きくなり得る。
慎重な見方
同社のいちばんの弱さは、競争優位を証明する前に事業の幅を広げていることだ。人材紹介は成功報酬を得られても、多くの候補者と会社が独立の検索サービスやAIエージェントで直接つながれば、紹介担当者に払う手数料の根拠が薄れる。求人広告の自社サイトに足を運ぶ理由も弱まり、スカウト操作画面は他社の共通AIに代替されかねない。大手求人媒体と違って開発費・集客費を分散する規模は小さい。
会社は採用収入の循環を避けるため、2022年以降に水産加工を、2025年には惣菜を買い入れた。だが、2026年にはホタテの販売価格が下がり、棚卸資産評価損が発生した。原料の買い付け、加工、冷凍保管には現金が先に必要で、売上の見かけの厚さより資本の回転を問わなければならない。季節要因と在庫評価が重なると、買収先は採用事業の損失を埋めるどころか重ねる側になる。
さらにTECH CREWとネットオンは取得前の営業赤字が確認できる。画面中心のSaaSを買い増して継続課金を得る戦略は、AIが人の操作を飛ばしていく流れと逆向きに見える。赤字が続けば営業権の減損、資金流出、第三者割当増資による希薄化が起こりうる。2026年8月末の現金が減り、銀行との契約には連続営業赤字を避ける条件まで付いている。金融機関の同意や追加出資に依存する局面では、十年後の株主利益を現在の時価総額に見合うまで大きく育てる確実性は乏しい。
どちらに重みを置いたか
人手不足の持続、飲食に特化した登録会員、現物の冷凍食品という長所は認める。しかし下方修正後の二期連続の営業赤字見通しと銀行借入条件、食品在庫の評価損、営業赤字のソフト会社の買収が重なる。強気の利益回復を中央にするには実績が足りない。確率は楽観・やや楽観の合計24%より、やや悲観・悲観の合計44%を厚くした。AI代替による数量の減少は中立にも織り込み、確率を悲観側へ寄せる追加の理由は財務と買収の実行リスクに絞った。長く持つ株主に求められる安全域は、現時点では確認できない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/11 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 408 円11 億円(+ 還元の換算額還元の合計 10 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 164 円5 億円、今との差 −73.4%、 期待の年率 −3.8%(資本コスト 10.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 1,425 円40 億円 | 69 円2 億円 | +143.2% | +9.6% | 119 円3 億円 |
| やや楽観 | 16% | 779 円22 億円 | 28 円1 億円 | +31.4% | +2.8% | 129 円4 億円 |
| 中立 | 32% | 412 円12 億円 | 0 円0 億円 | −32.8% | −3.9% | 132 円4 億円 |
| やや悲観 | 27% | 90 円3 億円 | 0 円0 億円 | −85.4% | −17.5% | 24 円1 億円 |
| 悲観 | 17% | 79 円2 億円 | 0 円0 億円 | −87.1% | −18.5% | 13 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 408 円11 億円 | 10 円0 億円 | −31.9% | −3.8% | 418 円12 億円 |
今の株価時価総額 614 円17 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 改革成功と加工品の通年販路拡大 利益 4 億円 · PER 10.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,425 円40 億円
構造改革が早期に効き、2027年度以降の赤字拠点が減り、採用の顧客獲得費用も下がる。料理人や店長など、本人の意思確認と就業後のフォローが必要な紹介に専念し、2036年度の紹介決定は年900人を確保する。AIで紹介人数が無条件に伸びるとは考えず、今の仕事を高い成果率で維持する構図である。広告とスカウトは大幅な顧客離れを食い止め、飲食店の人事部門から複数の商品をまとめて受注する。
買収した人事CREWと採用係長は継続利用先を保ち、採用の前後をつなぐ販売で四半期延べ2800件の課金を維持する。ただし画面操作の付加価値はAIに削られるため、単価上昇には明確な限界がある。きゅういちはホタテの出荷量を年420トンまで広げ、マルヒロのコロッケは通年の販路を得る。OICグループとの提携が販路を広げるが、流通側に価格を押し付けるほどの優位はない。
工場の老朽化に応じた更新投資、返済、運転資金の増加を賄っても、連結営業利益は約6.8億円、純利益は約4.1億円へ到達する。累積利益を社内に残し、再建後に小規模な還元を始められる。過去の山を超える営業利益率であるため、この筋書きには低い確率だけを認める。
- 飲食業界向け成功報酬の人材紹介:数量 900(紹介決定者数(年間・人))× 価格 0.01(1人当たり実現紹介収入(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。紹介決定は今の9割強。現場フォローを高付加価値化
- 求人広告の掲載枠:数量 1,300(有料掲載顧客数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。自社媒体への来訪維持、単価はCPI近辺
- スカウト・ダイレクト採用システム:数量 2,450(契約企業数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。既存IDの減少を最小化、価格引上げは1.15倍以内
- 外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST:数量 160(複合契約の年間換算件数(推計))× 価格 0.01(複合契約1件当たり平均収入(億円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。現場支援が一部残るが工数販売の大幅成長は想定しない
- きゅういちのホタテ冷凍加工品:数量 420(加工品販売量(トン・推計))× 価格 2,600(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。道南工場の調達力と新販路で数量増
- きゅういちの鮮魚・その他水産加工:数量 540(加工品販売量(トン・推計))× 価格 1,100(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。販売先拡大と歩留まり改善
- マルヒロ太田食品のコロッケ等:数量 350(惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計))× 価格 2,250(惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。通年卸・催事販路を大きく開拓
- TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後):数量 2,800(有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。実績ある有料契約を維持し営業黒字化
倍率:2036年度のROEは14.16%、資本コストは10.0%、長期名目成長率gは1.0%。堀の残存割合を3分の1とする。新規投資利回りRONIC=k+(ROE−k)÷3=11.39%で、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=10.1354倍。楽観〜中立は上限そのものを使用する。純利益は営業利益の約6割で、2025年度までの中央値0.63に近い。自己資本の流れ:2025年末10.40億円−2026年度純損失3.38億円+2027〜2036年度累積純利益22.93億円−累積還元2.00億円+オプション払込約1.00億円=2036年度自己資本約28.95億円。
確率:人材紹介の需要を現状維持しつつ加工品の数量を増やし、費用改革、銀行の同意、SaaS統合を全て成功させる必要があるため8%に限定する。
やや楽観 16% 顧客基盤を守りながら緩やかに回復 利益 2 億円 · PER 10.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 779 円22 億円
飲食店の採用需要は緩やかに戻るが、AIによる候補者照合と広告制作の自動化は止まらない。紹介決定は2025年度の912人から2036年度740人へ縮み、単価の改善と手厚い最終面談で売上を保つ。自社求人広告とスカウトは常連の飲食店を維持し、価格競争を受けながらも総合求人媒体から一定の独自顧客を守る。求人票の運用を減らす施策が定着し、販売費の伸びを売上より低く抑えられる。
きゅういちでは相場の山谷があっても加工歩留まりの改善が進み、ホタテを年350トン、鮮魚を年520トンほど販売する。マルヒロは百貨店催事だけでなく食品卸への通年出荷を伸ばし、惣菜は年間240トンに達する。2026年に加わる人事CREWと採用係長は統合費用を吸収し、追加費用の少ない顧客へ契約を広げる。ただし席課金画面がAIに代わる圧力は残り、目立った値上げはできない。
借入条件は銀行の同意を得て乗り越え、研究開発費ではなく既存ソフトの維持費を中心に投資する。2036年度は営業利益約3.7億円、純利益約2.25億円と回復するが、累積損失を埋めてからの配当・自社株買いは限定的である。
- 飲食業界向け成功報酬の人材紹介:数量 740(紹介決定者数(年間・人))× 価格 0.01(1人当たり実現紹介収入(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。営業組織を絞り実現単価で回復
- 求人広告の掲載枠:数量 1,160(有料掲載顧客数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。独立媒体の顧客を部分的に維持
- スカウト・ダイレクト採用システム:数量 2,100(契約企業数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。画面機能の差別化が一部残る
- 外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST:数量 145(複合契約の年間換算件数(推計))× 価格 0.01(複合契約1件当たり平均収入(億円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。特定技能人材の現場需要は続く
- きゅういちのホタテ冷凍加工品:数量 350(加工品販売量(トン・推計))× 価格 2,430(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。冷凍品の輸出・外食向けが堅調
- きゅういちの鮮魚・その他水産加工:数量 520(加工品販売量(トン・推計))× 価格 1,075(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。複数魚種で稼働率が改善
- マルヒロ太田食品のコロッケ等:数量 240(惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計))× 価格 2,195(惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。2025年は一四半期分、通年が寄与
- TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後):数量 2,500(有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。両社の先行損失を固定費削減で縮小
倍率:2036年度のROEは12.11%、資本コストは10.0%、長期名目成長率gは1.0%。堀の残存割合を3分の1とする。新規投資利回りRONIC=k+(ROE−k)÷3=10.70%で、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=10.0730倍。楽観〜中立は上限そのものを使用する。純利益は営業利益の約6割で、2025年度までの中央値0.63に近い。自己資本の流れ:2025年末10.40億円−2026年度純損失3.38億円+2027〜2036年度累積純利益11.43億円−累積還元0.80億円+オプション払込約0.93億円=2036年度自己資本約18.58億円。
確率:飲食の専門ネットワークと惣菜の通年寄与を生かせるが、2026年の下方修正で回復の証明が足りないため16%とする。
中立 32% 採用の数量は減るが現物事業が支える 利益 1 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 412 円12 億円
人手不足そのものは残るが、企業が候補者の発掘、求人広告の制作、面接日程の調整をAIエージェントで行うため、仲介の仕事量は減る。2036年度の紹介決定は年593人と2025年度の約65%に縮み、手数料単価は人件費と物価を受けて上がるものの収入は低下する。求人広告は四半期延べ約1025社、スカウトは約1970社となり、サイトへ来なくても企業が採用できる変化を反映する。
外国人材の支援と研修も事務部分は自動化され、その他の契約換算数は約120件となる。一方、現場で魚を仕分け・凍結する仕事はAIで置換されない。ホタテ加工品270トン、鮮魚など450トンを販売し、原料相場の悪化を見込んだ低い利益率を受け入れる。2025年度は買収後の短期間しか連結していなかったマルヒロが、十年後には約160トンの通年販売へ移る。赤字の労務SaaS買収先は顧客数が伸びず、収益貢献を急がない。
本社費と人員を削る改革がある程度成功すれば、営業利益約1.85億円、純利益約1.15億円へ戻る。しかし営業利益率は好況期より低く、金融債務と工場の更新負担が残る。蓄積した自己資本に対するROEは資本コストにほぼ届かず、高い成長の値札を付けることはできない。
- 飲食業界向け成功報酬の人材紹介:数量 593(紹介決定者数(年間・人))× 価格 0.01(1人当たり実現紹介収入(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AI代替の人月型:人数0.65倍、単価1.20倍
- 求人広告の掲載枠:数量 1,025(有料掲載顧客数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。自社媒体:AI検索で有料掲載件数0.75倍
- スカウト・ダイレクト採用システム:数量 1,970(契約企業数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。画面型SaaS:件数0.80倍、単価1.08倍
- 外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST:数量 120(複合契約の年間換算件数(推計))× 価格 0.01(複合契約1件当たり平均収入(億円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。事務支援・研修の件数0.75倍。複合単価1.26倍は現場支援の物価転嫁を含み、CAST単体の席単価には適用しない
- きゅういちのホタテ冷凍加工品:数量 270(加工品販売量(トン・推計))× 価格 2,460(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。国内需給と取扱能力を踏まえ数量0.90倍
- きゅういちの鮮魚・その他水産加工:数量 450(加工品販売量(トン・推計))× 価格 1,070(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。供給数量は横ばい弱、価格は1.25倍
- マルヒロ太田食品のコロッケ等:数量 160(惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計))× 価格 2,195(惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。通年で160トンの販売。2025年は一四半期分のみ
- TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後):数量 2,320(有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。取得前売上4.23億円相当の延べ社数の0.82倍、価格1.08倍、なお小赤字
倍率:2036年度のROEは9.90%、資本コストは10.0%、長期名目成長率gは1.0%。堀の残存割合を3分の1とする。ROEは資本コスト以下なので成長で価値を作れず、PERの上限は1÷k=10.0倍。これをそのまま使用する。純利益は営業利益の約0.62倍で、歴史的中央値0.63に沿う。自己資本の流れ:2025年末10.40億円−2026年度純損失3.38億円+2027〜2036年度累積純利益4.60億円−累積還元0.00億円=2036年度自己資本約11.62億円。
確率:AIで仲介作業は減っても現物の加工・惣菜販売と現場に残る紹介ニーズがあり、抜本的な再編を伴わない緩やかな回復を中心とするため32%。
やや悲観 27% AI代替と景気停滞で規模が縮む 利益 0 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 90 円3 億円
食産業に人手不足は残るものの、中小飲食店の廃業と採用経費の節約が重なり、有料の紹介決定は年420人まで減る。企業はIndeedなどの求人検索とAIエージェントで採用候補を直接探し、自社サイトの広告掲載やスカウトシステムの契約を整理する。掲載企業は四半期延べ800社、スカウトは1500社に下がり、サービスの値上げで数量減を取り戻せない。外国人材の登録支援も、作業が自動化される部分の請求額が小さくなる。
北海道の冷凍加工は稼働を続けるが、ホタテ加工量240トンと需要が弱い。マルヒロは催事・卸の販路を維持して一定の黒字を出すものの、物流費とエネルギー費が上がり、利益は限られる。買収したSaaSは画面中心の機能を差別化できず、固定費削減の重荷となる。経営は不採算の拠点や商材を閉じ、ようやく損益分岐を上回る状態になる。
初期数年間の赤字と返済で自己資本は約5.2億円に細る。2036年度には営業利益を約0.31億円まで戻しても純利益は約0.12億円にとどまり、株主還元は行えない。債権者の同意を得られるかが価値を決める。
- 飲食業界向け成功報酬の人材紹介:数量 420(紹介決定者数(年間・人))× 価格 0.01(1人当たり実現紹介収入(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。採用の直接化で決定数0.46倍
- 求人広告の掲載枠:数量 800(有料掲載顧客数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。四半期掲載社数が大きく減少
- スカウト・ダイレクト採用システム:数量 1,500(契約企業数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。操作画面を顧客の汎用AIが代替
- 外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST:数量 100(複合契約の年間換算件数(推計))× 価格 0.01(複合契約1件当たり平均収入(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。行政事務の自動化が収入を圧縮
- きゅういちのホタテ冷凍加工品:数量 240(加工品販売量(トン・推計))× 価格 2,100(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。相場低迷・在庫回転鈍化
- きゅういちの鮮魚・その他水産加工:数量 400(加工品販売量(トン・推計))× 価格 980(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。原料と冷凍電力コストの上昇
- マルヒロ太田食品のコロッケ等:数量 140(惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計))× 価格 1,925(惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。コロッケの販売網を維持するだけ
- TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後):数量 1,800(有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。画面型SaaSの契約数減・コスト残存
倍率:構造的な事業縮小で2036年度のROEは2.31%となり、純利益0.12億円を資本コスト10.0%で資本還元すると稼ぐ力は1.20億円にすぎない。一方、2026年8月末の有形純資産から換価損と売却費を引いた回収可能資産の床は2.50億円と見込まれるため、より大きい資産床2.50億円を時価総額とする。2025年末自己資本10.40億円を評価の分母としたPBRは0.240384615倍。過去の株価やPBRの底から倍率を選んでいない。自己資本の流れ:2025年末10.40億円−2026年度純損失3.38億円−2027〜2036年度累積純利益1.83億円−累積還元0.00億円=2036年度自己資本約5.19億円。
確率:下に寄せる理由:2026年10月に二期連続赤字見通しへ下方修正し、銀行との借入条件が初回判定を迎える。水産在庫評価損と赤字SaaS買収も重なるため27%。
悲観 17% 仲介の優位喪失と事業整理 利益 0 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 79 円2 億円
雇用の需給が改善しないまま、仲介サービスの差別化だけが失われる。AIエージェントは求人媒体を横断して候補者と企業を直接つなぎ、クックビズの紹介決定は年300人まで減る。求人広告は四半期延べ500社、スカウトは1000社に縮み、規模が小さい同社は集客費に耐えられず、事務型の外国人支援も縮小する。残った登録会員が多くても、再度料金を払う企業がいなければ堀は存在しない。
きゅういちは加工品の販売単価が十分に上がらず、在庫評価損を繰り返す。マルヒロの製造量も伸びず、工場設備と冷凍保管の固定費を吸収できない。ネットオンの子会社化が不成立になるか、TECH CREWと併せて採用ソフトの整理・減損を迫られる。金融機関の借入条件には特別な同意が必要となり、必要なら不採算資産を売って事業規模を縮める。株主に有利でない資本政策の可能性も高い。
2036年度の売上は約13.6億円まで減り、営業利益はほぼゼロ、純損益は小幅赤字にとどまる。存続を優先した保守的な整理価値を評価の上限とし、過去の黒字期の利益を戻すことは想定しない。
- 飲食業界向け成功報酬の人材紹介:数量 300(紹介決定者数(年間・人))× 価格 0.01(1人当たり実現紹介収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI採用で決定数0.33倍
- 求人広告の掲載枠:数量 500(有料掲載顧客数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。自社媒体の流入減、値下げも進む
- スカウト・ダイレクト採用システム:数量 1,000(契約企業数(四半期の延べ社数))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。システムの価値がほぼ失われる
- 外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST:数量 60.0(複合契約の年間換算件数(推計))× 価格 0.01(複合契約1件当たり平均収入(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。現場の支援以外ほとんど契約が残らない
- きゅういちのホタテ冷凍加工品:数量 150(加工品販売量(トン・推計))× 価格 1,800(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。価格低下と数量半減
- きゅういちの鮮魚・その他水産加工:数量 260(加工品販売量(トン・推計))× 価格 850(加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。低採算の魚種撤退で数量減
- マルヒロ太田食品のコロッケ等:数量 90.0(惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計))× 価格 1,800(惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。通年販路を獲得できず縮小
- TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後):数量 900(有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計))× 価格 0.00(延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。買収失敗・再編・契約喪失
倍率:構造的な優位喪失により2036年度のROEはマイナス3.36%、当期純損失は0.10億円となり、継続事業の稼ぐ力をプラスに評価できない。冷凍加工品の販売縮小と金融機関との交渉に伴う強制的な資産売却を見込んで、回収可能資産床を2.20億円と推計し、時価総額も同額とする。2025年末の自己資本10.40億円を分母としたPBRは0.211538462倍であり、過去のPBRの安値を基にしていない。自己資本の流れ:2025年末10.40億円−2026年度純損失3.38億円−2027〜2036年度累積純利益4.04億円−累積還元0.00億円=2036年度自己資本約2.98億円。
確率:下に寄せる理由:現預金減少と借入超過、マルヒロの閑散期損失、AIによる営業画面の代替、条件付きの赤字会社取得が同時に悪化する危険を17%とする。ただし継続企業注記は現時点で付いていない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
飲食業界向け成功報酬の人材紹介
飲食店やホテル等の調理・接客・店長候補を紹介し、採用成立・入社時の成功報酬を得る。
| 数量紹介決定者数(年間・人) | 価格1人当たり実現紹介収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 912 | 0.01 | 10 | −2 |
| 10 年後 中立 | 593 | 0.01 | 7 | 1 |
取り方:2026年2月の成長可能性資料54頁で2025年度紹介912人、売上959百万円、表示単価99万円。表示単価×人数と開示売上には差があるため開示売上959百万円÷912人=実効105.15万円として換算した。2026年10月資料27頁の四半期KPIとも差があるが原因は非開示で、架空の紹介人数を足さない。AIエージェント代替の人月・工数型。商品別営業利益の配賦は会社の非開示領域であり、各行の営業損益は便宜的な推計である。合計のみ添付の連結営業損失3.7億円と照合した。
求人広告の掲載枠
cookbiz自社媒体の求人掲載枠と掲載期間・表示順位を採用企業に販売する。
| 数量有料掲載顧客数(四半期の延べ社数) | 価格延べ1社・1四半期の実現掲載収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 1,367 | 0.00 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,025 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:同資料54頁は2025年度の有料掲載社数を四半期累計1367社、売上268百万円、成約単価18.5万円と開示。人数×表示単価と売上の差は実効単価19.61万円で調整し、業界全体の求人広告市場6661億円との関係は飲食サブ市場が非開示なためシェア不明。自社媒体型だがAI検索による来訪減を数量に反映する。
スカウト・ダイレクト採用システム
飲食企業が登録求職者を検索しスカウトするダイレクト採用機能。
| 数量契約企業数(四半期の延べ社数) | 価格延べ1社・1四半期の平均契約収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 2,463 | 0.00 | 3 | −1 |
| 10 年後 中立 | 1,970 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:同資料54頁の2025年度利用企業四半期延べ2463社・売上347百万円・表示単価13.6万円を採る。単価は四半期延べ企業で割った実効14.09万円。利用者が操作画面にログインして候補者を選ぶため、AIエージェント代替の画面・席課金型として2036年中立の数量0.80倍、単価1.08倍。
外国人人材紹介・定着支援・研修・CAST
外国籍の特定技能人材紹介、在留・定着手続き、店長等の研修、CASTの労務管理を束ねる小型事業。
| 数量複合契約の年間換算件数(推計) | 価格複合契約1件当たり平均収入(億円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 160 | 0.01 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 120 | 0.01 | 2 | 0 |
取り方:同資料54頁のその他売上160百万円に資料全体とセグメント集計の丸め差0.01億円を割り当てて計1.61億円。受託件数・外国人支援人数・CAST課金IDは非開示なので、登録支援契約と紹介1件の複合サービスを年間約160件、年約100.6万円と仮定する推計値であり実数ではない。事務・研修の人月型とCASTの画面課金型が混在し、AI対象を中心に数量0.75倍に抑える。
きゅういちのホタテ冷凍加工品
道南の漁協などで買い付けたホタテを冷凍し、加工して仲卸・商社へ販売する。
| 数量加工品販売量(トン・推計) | 価格加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 300 | 1,940 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 270 | 2,460 | 7 | 0 |
取り方:2026年10月の決算説明資料19頁の2025年度四半期ホタテ売上198+147+208+29=582百万円を起点とした。出荷トン数は非開示。国内のホタテ原料生産26万3000トンという2025年農水省統計を需給背景に、加工品300トン×実効1940円/kg=5.82億円と推計する。原料の殻付き重量と加工品重量が違うため市場シェアの計算には使わない。AI対象外の実物加工品。
きゅういちの鮮魚・その他水産加工
北海道のホッケ・サバなどの鮮魚を仕入れ、凍結・加工して業者へ出荷する。
| 数量加工品販売量(トン・推計) | 価格加工品1キログラム当たり平均出荷単価(円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 480 | 858 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 450 | 1,070 | 5 | 0 |
取り方:同決算資料19頁の2025年度鮮魚売上154+74+29+126=383百万円に、その他売上24百万円と四半期集計の丸め分約5百万円を加えて4.12億円とする。出荷量非開示につき480トン×約858.33円/kgを仮定。量は水産供給統計の一部、単価は複数魚種の平均とした推定で公式値ではない。AI対象外、仕入れ価格の市況変動を利益率へ反映する。
マルヒロ太田食品のコロッケ等
北海道産ジャガイモを使ったコロッケ等の製造、百貨店催事・卸への販売。
| 数量惣菜出荷量(トン・2025年9〜11月分、推計) | 価格惣菜1キログラム当たり平均売上(円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 80.0 | 1,638 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 160 | 2,195 | 4 | 0 |
取り方:マルヒロは2025年9月買収で、同年の連結売上は第4四半期131百万円のみ。出荷量非開示につきその3か月間を80トン×1637.5円/kgと推計し、十年先の通年数量では季節性の平準化と販路拡大を別途織り込む。2025年国内冷凍コロッケ生産15万5920トン(日本冷凍食品協会)、仮に通年160トンでもシェア約0.1%にすぎない。AI対象外。
TECH CREW人事CREW・neton採用係長(買収後)
取得済みの人事CREWと取得予定の採用係長。採用ウェブサイト、労務・勤怠画面を継続課金で提供する。
| 数量有料契約企業数(四半期の延べ社数・推計) | 価格延べ1社・1四半期当たり売上(億円・推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,320 | 0.00 | 4 | 0 |
取り方:TECH CREWは2026年7月にBSだけ先行連結、ネットオンは2026年12月頃の71%取得が条件付き。いずれも2025年度のクックビズ連結売上には含まないためnow売上・契約数は0とした。取得前各社の年間売上1.64億円+2.59億円=4.23億円を、推定15万円/社四半期で割ると約2820契約社四半期に相当するが実際の課金顧客数は非開示。中立ではその0.82倍の契約社数、単価1.08倍。解約率5%未満・年単位の規制移行など2証拠が無く、記録の正本でなく画面SaaS型と判断。
リスクと懸念
AIエージェント代替と採用手数料の低下
最も大きなHR事業では、人が候補者を探して面談を調整するほど工数収入と手数料が生じる。生成AIが求人票の作成、検索、スカウトと日程調整を自動化すれば、企業が仲介を介さず採用する比率が高まる。中立の人材紹介件数を2025年度比65%へ縮め、画面課金のスカウトと新規SaaSにも数量・価格の減少圧力を置く。2025年の登録会員30万人だけでは、規制対応を伴う記録の正本や乗り換え障壁を示したことにならない。
銀行借入条件と自己資本の減少
2026年8月末の金融負債は約18.37億円で、現預金を約6.4億円上回る。徳島大正銀行との1.48億円の融資契約は、2025年度と2026年度に二期連続の営業赤字を出さない財務制限条項が初回判定となる。10月に開示された通期営業赤字見通しが続けば、金融機関の同意・契約変更を必要とする可能性がある。GC注記は現時点でないものの、資本調達や借換えの条件が既存株主を不利にする危険がある。
水産原料相場と在庫評価損
きゅういちはホタテ・魚を先に買い付け、加工・冷凍して販売するため、原料価格と販売価格が逆行すると含み損が一気に出る。2026年第3四半期には実際にホタテ販売価格の下落と在庫評価損が発生し、投資事業が赤字になった。全国のホタテ漁獲量は2025年に前年比17%減ったが、供給減なら必ず加工業者が儲かるわけではない。数量と平均販売単価に加え、棚卸残高・評価損・在庫回転日数を監視する。
赤字企業の買収と減損
TECH CREWは取得前に営業損失約0.46億円、ネットオンも約0.65億円の赤字を計上した。買収によって継続課金の売上が増えても、営業赤字と純債務がそれを上回れば株主価値は減る。両社の採用・労務管理ソフトは人が画面で入力する機能を主に売るため、AIの代替を直接受ける。2026年8月末ののれん約1.18億円やソフトウエア約3.05億円には減損リスクがある。
固定費・冷凍設備・新リース会計
2025年度の本社・東京・名古屋の賃借料だけでも年約0.62億円に達する。2026年は約20人の希望退職募集で費用を減らすが、紹介人数が落ちても家賃と設備維持費はすぐには消えない。冷凍工場の設備を更新する時にはインフレ後の新しい機械価格を払い、借金には借換金利が効く。新リース会計で使用権資産と負債が表示されても家賃を二重に引かず、実際の固定支払額を見る必要がある。
飲食店顧客の景気・人口減少
飲食業の求人倍率が高くても、零細店の廃業や飲食支出の縮小によって有料採用の件数は減りうる。Indeedや大手人材グループは求人企業へ安価な広告と広い求職者網を提供でき、飲食特化という専門性だけで手数料を上げられるとは限らない。人材紹介と求人広告には人件費を含む顧客の採用予算という上限があり、物価上昇分を無条件に転嫁できない。
株式希薄化と少数株主への還元不在
同社は過去に第三者割当による資金調達を行い、2017年度と2021年度に株数が大きく増えた。創業以来無配で、自社株買い・増配による過去5年の株主還元実績も乏しい。買収や返済のため追加増資を選べば、会社の売上が守られても既存株主の取り分は薄まる。創業者など上位株主への集中が強く、余剰現金が出ても少数株主へ直ちに戻るとは想定しない。2026年確定のオプション最大12万8500株は、777円・807円の各行使価額を超えた株式だけを希薄化に算入した。
今後の分かれ目
- 2026年度の営業赤字予想が確定し、銀行の連続赤字禁止条項に抵触する可能性が表面化したら
- 返済期限の変更・担保・同意条件を優先して確認する。追加の希薄化や資産売却が必要なら、基準より悲観の比重を増やし、株主に残る床を下げて再評価する。
- 2027年度の年間紹介決定が800人を超え、紹介単価と広告効率が同時に改善したら
- 人材紹介の数量減を緩め、コスト削減とともに利益率を引き上げる。AIによる縮小の想定は撤回せず、同じ改善が翌年度にも続くかを見て中立の変更を判断する。
- TECH CREW・ネットオンの統合後に有料契約数と解約率が開示され、5%未満の年解約率や法対応の切替障壁など2つの独立した証拠が揃ったら
- 証拠があるソフト部分だけを「記録の正本」と再分類してg_longと契約維持率を上げる。契約社数が減るだけならSaaSの数量と利益をさらに下げる。
- ホタテの平均販売単価の回復と在庫評価損の解消が四半期で確認できたら
- 加工品の実現単価と利益率を上げる。一時的な相場高だけでは強い堀と見ず、冷凍設備の更新後も増分ROICが資本コストを超えるかを検証する。
- マルヒロが通年稼働して惣菜出荷数量を増やしながら営業黒字を定着させたら
- 2025年の3か月分の売上を単純に年換算せず、四半期ごとの実績数量と単価へ置き直して中立と楽観の利益を更新する。
- 2027年度以降も純負債が増え、現預金が減るのに次の赤字M&Aを発表したら
- 増分ROICが負となる懸念から会社の再投資価値を下げる。銀行条件と既存株主の希薄化リスクが先に立つため、悲観の床も現金の回収可能額で点検する。
- 純利益の黒字定着後に明確な配当性向や自己株取得枠が公表され、実際の還元が始まったら
- 余剰現金の株主への戻り方を0.5から0.75ないし1.0へ再評価する。ただし増配原資が借入や資産売却だけなら持続可能なオーナー利益とみなさない。
見ておくもの
- 2026年11月期通期決算での営業赤字額と銀行1.48億円の財務制限条項への対応・免除の有無
- 人材紹介の年間成約人数と実現単価(資料の表示単価・売上との定義差も確認)
- 求人広告の四半期延べ有料掲載社数とスカウトの四半期延べ利用企業数
- 2027年以降の人員削減後の販管費総額と紹介1件当たり獲得費用
- きゅういちのホタテ実現販売単価・棚卸資産・評価損・冷凍設備稼働率
- マルヒロの季節別コロッケ出荷量と通年営業利益
- TECH CREWとネットオンの子会社化確定日、のれん額、契約社数、解約率と営業損益
- 純負債と株主資本の推移、既存株主を希薄化させる資本政策、正式な還元目標
倍率と資本コストの決め方
財務の起点は添付factsの2025年度売上28.6億円、営業赤字3.7億円、自己資本10.4億円であり、2026年10月の下方修正を受けた純損失3.38億円を翌年の流れに入れた。紹介人数と有料社数には実効単価を掛け、水産加工数量は非開示のため明示的に推計した。
倍率は現在の株価や同業PERから逆算していない。資本コスト10%、弱い堀、新規投資利回り、AI代替を反映した長期成長1%から正当化した。中立はROEがk以下なのでPER10倍である。やや悲観の稼ぐ力は純利益0.12億円÷k10%=1.20億円だが、現預金と借入の純額や無形資産を考慮した売れる資産の床2.50億円が大きく、時価総額をこの床に合わせた。悲観では在庫処分と設備売却の追加損失を考慮して床を2.20億円とした。両者のPBRは現在の自己資本に対する表示値であり、過去の安値から決めていない。
新リース会計後も家賃を二重計上せず、事業費用として従来どおり比較する。償却費を物価上昇率で一律に増やさず、更新投資と借換金利の負担は利益率に反映した。強気側だけ行使価額を超える新株予約権を希薄化に含めた。基準日差による自己株54株の差は些少である。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 0.5%。国債3%+株式リスクプレミアム4.5%を基準に、循環0.5%・値決め力0.5%・最新の借入負担1.0%・継続赤字による資金調達難0.5%を加える。
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読んだ資料
- クックビズ 2026年11月期第3四半期決算説明資料・KPI(2026年10月14日)
- クックビズ 2026年11月期第3四半期決算短信・財務諸表(2026年10月14日)
- クックビズ 事業計画及び成長可能性に関する事項・2028年度KPI(2026年2月26日)
- クックビズ 2025年11月期有価証券報告書・融資契約・配当政策(EDINET本文)
- 全国求人情報協会 2024年度求人情報提供サービス市場規模調査(2026年2月公表)
- 農林水産省 令和7年漁業・養殖業生産統計(2026年5月公表)
- 日本冷凍食品協会 令和7年冷凍食品の生産・消費(2026年4月公表)
- クックビズ大株主情報・保有比率(株探)
- クックビズ 2026年1月14日ストック・オプション発行内容確定(12万株)
- クックビズ 2026年3月12日ストック・オプション発行内容確定(8500株)