結論
VLCセキュリティは、企業向けのサイバー攻撃訓練、脆弱性診断、セキュリティ体制の構築支援を手掛ける会社だ。筆者の結論は明確な「割高」である。防衛需要そのものには長い成長余地があるが、その需要が同社の株主利益になるという証拠はまだ弱い。2026年3月期は売上高13.66億円に対して営業損失3.88億円であり、約38億円の時価総額を正当化するには収益構造の大幅な転換が要る。
魅力は実践的な攻撃演習を提供するCYBERGYMの看板と、専門家による企業の防衛体制づくりにある。日本企業のセキュリティ人材は不足しており、実際の攻撃を想定した訓練や重要な事故対応は10年後も必要とされるだろう。しかし同社の収益の大部分は、人が教え、調べ、報告書を書き、助言する仕事から生まれる。AIエージェントがこれらの作業を直接こなす時代には、業界市場が拡大しても、受託件数や単価が同じ勢いで増えるとは限らない。
会社は2027年3月期に売上高30億円、営業利益3億円という急回復を計画している。しかし、その出発点となる2026年4〜6月期も営業損失1.61億円だった。データセクションとのデータセンター関連事業が収益に結び付けば見方は変わるが、現時点では大型案件の実現と利益率を十分に検証できない。保有するデータセクション株式も財務を支える一方、評価額の変動が自己資本を大きく揺らしている。
10年後の事業と売却可能資産を五つの筋書きで評価すると、確率加重した現在価値は約3.22億円となり、基準時点の時価総額約37.98億円を約91.5%下回る。楽観の筋書きですら10年後の時価総額は現在に届かない。厳しい評価だが、将来の黒字化と大型提携の成功を先払いせず、すでに株主のものになっている稼ぐ力だけを重んじた結果である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が最初に問うべきことは、サイバー防衛が10年後も必要かどうかではない。それは必要だろう。問うべきなのは、この会社が10年間にわたって顧客から十分な対価を受け取り、費用を払い、なお再投資できるだけのオーナー利益を残すかどうかである。現時点の答えは厳しい。
人材と訓練環境への投資は、成功すれば顧客との信頼を積み上げる。しかし人材が退職すれば知識が会社の外へ流れ、顧客がAIを使って検査や文書作成を内製化すれば、受託する工数も減る。法令対応の実績やブランドだけでは、長く続く価格決定力の証拠にならない。受講料の値上げは歓迎できる事実だが、それが全社の利益率を改善させたという検証はこれからである。
増分の投下資本利益率にも慎重になるべきだ。直近では提携、新サービス、組織強化に先行投資した結果、売上が計画より伸びず営業損失が拡大した。将来、追加の専門家や施設を増やさずに売上を拡大でき、営業キャッシュフローが安定して初めて、再投資の質が変わったと認められる。大型案件一つの採算改善だけでは十分ではない。
安全域の評価では、保有株式を現金と同じように扱わないことが重要である。株価の含み益は受託事業の競争力ではなく、売る時期によって消えることもある。事業価値と処分可能な資産を分けて考えれば、今の株価は複数の好材料が実現することを前提にしている。株主として10年付き合う確信を得るには、継続的な営業黒字、資本効率、現金還元の三つがまだ足りない。
何で稼ぐ会社か
事業の柱は三つある。サイバートレーニングは、CYBERGYMを通じて技術者や経営幹部に実践的な演習を提供する。セキュリティ診断・調査は、脆弱性診断、模擬攻撃、外部から見える脅威の調査などを請け負う。コンサルティングは、情報セキュリティ認証の取得支援、リスク評価、CSIRTと呼ばれる事故対応組織の整備、インシデント対応を担う。
2026年3月期の売上高は、訓練3.89億円、診断・調査4.39億円、コンサルティング5.38億円だった。会社の正式な報告セグメントはセキュリティ事業一つであり、三つの区分は収益認識の注記に基づく。参加者数、診断件数、案件別単価、区分別営業利益は開示されていない。このため数量と単価は、CYBERGYMの公表受講料や競合サービスの料金を手掛かりとした推定であり、実際の受注件数を示すものではない。
売上の約4割を占めるコンサルティングには、人が顧客ごとの規程を読み、リスクを評価し、対応計画を作る工数が必要となる。診断業務も自動スキャンだけでなく専門家の検証があるが、報告書作成や標準的な検査は自動化しやすい。訓練では実際に演習環境を使う価値が残るものの、座学、教材、一次的な指導はAIとの競争にさらされる。この違いを無視して、全事業を継続課金型ソフトウェアとして評価することはできない。
2024年には旧マーケティング子会社MSSをデータセクションの傘下へ移し、経営資源をセキュリティに集中した。現在の成長構想では、データセクションが展開するAIデータセンターへの包括的なセキュリティ支援が大きな役割を担う。会社の説明資料には、対象データセンターの稼働後の売上に連動する構想もある。ただし顧客側の建設・稼働時期に左右される事業であり、施設の売上見通しを同社の確定受注と同一視してはならない。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が容易に奪えない強みは、CYBERGYMの実践的な訓練ブランドと専門家の経験にある。訓練には環境を整え、演習を設計し、受講者の対応を評価する仕事が残る。2026年10月にはCYBERGYM名古屋の公表受講料が複数講座で引き上げられた。これは一定の値上げ余地を示す具体例だが、同社グループ全体で単価上昇が定着したことや、値上げ後も参加人数が減らないことを証明するものではない。
本物の継続的な堀を認めるには、解約率の低さ、年単位の切替負担、独占的なデータ、法改正ごとの値上げ実績などが欲しい。現時点でこれらの定量的証拠は十分に開示されていない。自社が顧客の記録の正本を保管する共同利用基盤でもなく、外部製品や提携技術を組み合わせてサービスを提供する比率もある。専門性は価値を生むが、その専門性だけで長期の超過利益が守られるとは判断できない。
資本効率の実績は厳しい。直近3期は連続営業赤字で、2025年3月期の最終黒字には子会社売却益が大きく寄与した。顧客獲得や新サービスのために投じた人件費が、現時点では資本コストを超える増分利益を生んでいない。会社が過去に赤字と増資を繰り返したことも、再投資した資本が長期株主に十分な利回りをもたらしたとは評価しにくい理由である。
財務面では、2026年3月末の自己資本約5.8億円に対し、預金と有利子負債の差は約0.1億円しかない。一方で上場株式約4.94億円を保有し、その評価額は翌四半期に大きく上昇した。これは事業が現金を生んだこととは別の話だ。株式の価格変動、税負担、売却時期が株主価値に強く影響するため、自己資本比率だけを見て財務が盤石だとは言えない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
サイバーセキュリティは、企業が支出を止めにくくなる分野である。矢野経済研究所は国内市場を2025年度約1兆9,471億円、2026年度約2兆1,220億円と推計・予測している。ただし、これは製品、ソフトウェア、サービスを合計した大きな市場だ。人による訓練や診断を主力とするVLCセキュリティが、その成長率をそのまま享受できるわけではない。
より近い物差しとして、富士キメラ総研の国内ネットワークセキュリティサービス市場は2024年度3,042億円、2029年度3,982億円と見込まれる。公表期間の名目成長率を2036年度まで機械的に延長すると約5,800億円になるが、これは長期の参考値であり調査会社の2036年予測ではない。物価を年3%とする共通前提の下では、拡大する市場の実質成長率は名目よりかなり低い。模擬攻撃・高度診断という狭い市場にも成長余地はあるが、訓練、一般診断、監査を一つの市場規模にまとめて正確なシェアを出すことはできない。
競争の相手は広い。グローバルセキュリティエキスパートはセキュリティ教育・訓練を大きな事業として育て、ブロードバンドセキュリティは脆弱性診断と監査・コンサルティングの双方で同社を上回る売上を持つ。NRIセキュアテクノロジーズや大手通信・システム会社も顧客基盤を持つ。2026年3月期のVLCセキュリティの売上高は、2024年度の広義のサービス市場の約0.45%に相当するにすぎない。この比率は年度と市場範囲が揃わない概算であり、個々の講座や診断サービスの正式なシェアではない。
最大の構造変化はAIエージェントによる業務の自動化である。企業の防衛対象が増えることは市場拡大の追い風だが、脆弱性の探索、記録整理、報告書作成、規程の草案作成はAIが担えるようになる。顧客が一件当たりに購入する人間の工数は減り、内製化も進むだろう。高難度の事故対応や実地演習は残るものの、その残る仕事を大手企業や専門会社と取り合う構図になる。
会社全体の広義サービス市場に対する売上比率は、中立の2036年には参考値で約0.19%まで低下する。これは市場の縮小ではなく、同社が受託する実質案件量の減少を想定した結果である。2026年度に制定・強化が進むセキュリティ関連の制度対応や人材不足は需要を支えるが、規制対応業務そのものがAIで効率化されることも同時に考える必要がある。
資本政策と M&A
資本配分で最も大きな出来事は、2024年のMSS事業のデータセクションへの移管である。2025年3月期には関連する子会社株式売却益約12.08億円を計上し、最終利益を大きく押し上げた。しかし営業損益は赤字のままであり、売却益が再現するわけではない。引き換えに保有したデータセクション株式は2026年3月末に約4.94億円あり、その後も株価変動と売却損が発生した。事業を売って得た資産が、安定的な株主還元ではなく、提携先の株価リスクにさらされた経緯を重く見る。
会社が公表した2027年3月期の業績見通しは、売上高30億円、営業利益3億円、純利益2億円である。添付の下調べには2028年3月期の売上高40億円、営業利益5億円、純利益3.4億円という見通しもある。ただし、確認できた会社資料からは、この先のROE目標や資本効率に結び付く中期経営計画の体系的な数値約束を確認できなかった。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い金額についても数字の約束はない。
過去の配当実績は乏しく、現在の配当予想もゼロである。株数は2016年3月期の約749万株から2026年には約1,386万株へ増え、資本調達や新株予約権の行使による希薄化の歴史がある。第11回新株予約権は2026年6月に消滅したが、それ以外の残存権利についても行使条件と期限を追う必要がある。将来の黒字化が進まなければ、さらなる資金調達が既存株主の取り分を薄める可能性がある。
余った資産が株主に返る割合は0.75と判断した。支配株主だけで処分を決められるような高い株式集中は確認できず、0.5とする厳しい条件には当たらない。一方で、安定的な増配や大規模な自社株買いの実績もないため、全額が株主に返る1.0とは考えにくい。経営者に求められるのは新しい成長物語よりも、既存のサービスから現金を残し、資本調達に頼らない経営へ移ることである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
日本企業のサイバー防衛は構造的な投資不足にあり、重要インフラ、医療、製造業、公共部門の訓練需要は長く続く。CYBERGYMの実践演習は、文章を生成するだけのAIでは完全に代替できない。攻撃の手順だけでなく、事故発生時に組織として何を決め、誰が動くかを身体で覚える価値がある。2026年10月の公開講座の値上げも、専門訓練には一定の単価上昇余地があることを示している。
データセクションとの提携が実際のデータセンター案件に変われば、受注の質は一段変わる。稼働後も監査、訓練、事故対応が繰り返される契約を獲得できれば、単発の講義より継続的な売上になる。テリロジーとの産業制御システム向け教育や、新しい外部ソフトウェアとの提携も顧客接点を広げうる。大口案件の採算が改善すれば、比較的小さな売上規模でも利益率の上昇効果は大きい。
過去3期の営業赤字は、将来収入が立つ前に営業人員や提供体制を整えた先行投資の結果とも解釈できる。2027年3月期に会社の急回復計画へ近づく実績が出れば、この解釈は強くなる。運営拠点の統合、外部協力先の活用、管理業務の効率化が進めば、人数を大きく増やさずに専門家の仕事へ付加価値を集中できる。競争力の高い事業だけを残し、提携先の株式を規律ある形で現金化するなら、株主利益を生む組織への転換も不可能ではない。
慎重な見方
サイバーセキュリティ市場が成長することと、この会社が利益を上げることは別である。2026年3月期のセキュリティ事業は、マーケティング事業を除いた前年との比較でも減収だった。翌四半期には営業赤字がさらに続き、会社が示す急激な増収増益の達成には非常に高い壁がある。これまでにも強気の業績予想と実績に大きな差が生じており、計画を利益の実績と同等には扱えない。
同社の強みとされる訓練、診断、コンサルティングの多くは、人間の経験と作業時間に依存する。AIエージェントが標準的な診断、報告、規程作成をこなせば、企業は人間の専門家を難しい最終判断だけに使うようになる。標準的な案件がなくなった後に残る高難度案件は、大手セキュリティ会社や顧客自身の専門部署も狙っている。市場の総額が伸びても、同社の取引件数と価格決定力が低下する危険は十分にある。
資本配分の実績も厳しい。株数は長期で増え、配当という形の株主還元は見られず、過去の巨額の最終黒字は事業売却益によるものだった。提携先のデータセクション株式は評価額を大きく変動させ、2026年8月には売却損の開示もあった。利益を生まない事業が投資有価証券の値上がりに支えられているなら、株主が持っているのは安定した収益力ではなく、赤字事業と変動する金融資産の組み合わせである。黒字化の証拠が出るまで、その組み合わせに高い価値を払う理由は乏しい。
どちらに重みを置いたか
防衛需要の持続とCYBERGYMの専門性は認める。しかし、継続的な黒字の実績よりも、未実現のデータセンター案件と業績計画への依存が強い。さらに人月型業務が売上の中心であり、AIエージェント代替による数量減少を避けにくい。確率は楽観側30%に対し、やや悲観と悲観を合わせて40%とした。下に寄せる理由は、直近3期の営業赤字、会社計画の未達、保有株式への財務依存という同社固有の事情である。これはAIの影響を確率で重ねて引いたのではなく、経営改善と資本配分が成功する確かさを別に評価した結果だ。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 54 円8 億円(+ 還元の換算額還元の合計 2 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 23 円3 億円、今との差 −93.3%、 期待の年率 −16.7%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 173 円24 億円 | 11 円2 億円 | −46.9% | −6.3% | 22 円3 億円 |
| やや楽観 | 18% | 97 円13 億円 | 4 円1 億円 | −71.0% | −11.8% | 18 円2 億円 |
| 中立 | 30% | 25 円3 億円 | 0 円0 億円 | −92.9% | −23.2% | 7 円1 億円 |
| やや悲観 | 25% | 23 円3 億円 | 0 円0 億円 | −93.3% | −23.7% | 6 円1 億円 |
| 悲観 | 15% | 22 円3 億円 | 0 円0 億円 | −93.7% | −24.2% | 3 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 54 円8 億円 | 2 円0 億円 | −83.7% | −16.7% | 56 円8 億円 |
今の株価時価総額 345 円48 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 専門演習と大型案件が定着し、採算を再建 利益 2 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 173 円24 億円
データセクション関連のセキュリティ支援が単発の計画に終わらず、運用後の訓練や監査を含む反復契約となる。CYBERGYMの実地演習は高度な技術者や重要インフラ事業者に選ばれ、受講料の値上げを維持できる。診断とコンサルティングでは、AIが標準作業を担う一方、専門家が最後の検証と高度案件に集中することで採算が改善する。
ただし、新しいAIエージェント製品の売上実績が確認できないため、既存三事業の案件相当数量は現在を超えない。2027年3月期の強気な会社計画がそのまま10年続くとは考えず、数量の維持と付加価値の高い仕事への集中を成功の条件とする。施設集約と管理費の抑制が定着し、2036年には営業利益約3.01億円を稼ぐ。増資への依存を止め、継続利益の一部を配当で返す事業へ移行する。
- サイバートレーニングソリューション:数量 1,300(年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定))× 価格 0.00(受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。講座相当数量は現状維持。公表価格の値上げが定着し、平均単価は約1.34倍となる。施設稼働率改善で営業利益率12.5%。
- セキュリティ診断・調査ソリューション:数量 350(年間の診断・調査案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。高度案件の選別とAIによる社内作業効率化で数量を保つ。単価は約1.33倍、利益率23.5%。
- セキュリティコンサルティングソリューション:数量 360(年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。継続顧客と高難度の事故対応に集中。案件相当数量は現状維持、単価は約1.34倍。
倍率:k9.5%、10年より先のg_long0%。ROEは約25.3%、弱い堀として超過収益の残存割合は3分の1だが、gが0のため正当化PERは1÷k=10.5263倍となる。中立以上は正当化倍率の上限そのものを用い、市場のPERは参照しない。事業純利益から余剰資産3億円に係る概算利息0.042億円を控除し、余剰資産の株主還元可能額2.25億円を一度だけ加える。
確率:CYBERGYMの値上げ実績と専門人材需要は追い風だが、長期の黒字化にはデータセンター関連契約の実現、固定費削減、継続受注の定着が同時に必要であるため12%にとどめる。
やや楽観 18% 受注を選別して黒字化する 利益 1 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 97 円13 億円
サイバー防衛への支出は増えるが、標準的な訓練、脆弱性の一次検査、認証文書の作成をAIエージェントが担うようになる。VLCセキュリティは市場の成長を数量の増加として取り込むのではなく、難しい演習と判断が必要な案件へ営業を絞る。以前より取引件数は少なくなるものの、顧客にとって価値の高い内容に対して単価を維持する。
データセンター関連の案件は一部が継続化するが、特定の提携先に依存した大型の増収は実現しない。会社は拠点と管理業務を整理し、専門家が直接稼働する割合を高める。MSSの売却後に残った本社費の重さも徐々に改善する。2036年の売上高は約14.17億円、営業利益は約1.58億円となり、利益を少しずつ株主に戻す姿になる。
- サイバートレーニングソリューション:数量 1,100(年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定))× 価格 0.00(受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI教材による代替を受け、案件相当数量は現状の約85%。実践演習の価格は維持。
- セキュリティ診断・調査ソリューション:数量 300(年間の診断・調査案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。簡易案件が減る一方、高度診断が残る。数量は約86%、単価は約1.22倍。
- セキュリティコンサルティングソリューション:数量 300(年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。文書作成業務を失うが、規制対応と事故対応で顧客を維持。数量は約83%。
倍率:想定ROE約14.5%、k9.5%、弱い堀のRONICを経由してもg_long0%なので正当化PERは1÷k=10.5263倍となる。余剰資産の利息相当額0.042億円を純利益から控除し、処分可能資産3億円に戻り方0.75を掛けた2.25億円を加える。市場の過去の倍率は根拠にしない。
確率:訓練のブランドと顧客の防衛需要を生かし、現在より少ない案件数でも黒字化する道はある。ただし同社には継続的な利益率改善の実績が足りないため18%とする。
中立 30% 業界は成長するが、受託の実質数量が縮む 利益 0 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 25 円3 億円
サイバー攻撃が増えるため、日本全体のセキュリティ投資は拡大する。それでも顧客が購入する人間の工数は減り、講義の一部、標準的な診断、認証書類の作成はAIエージェントと内製部署へ移る。VLCセキュリティの実践訓練と高度な助言は残るが、単純な受託件数が減る分を価格上昇だけでは埋められない。
会社は不採算案件を断り、施設や管理業務を合理化する。そのため現在の大幅な赤字からは改善するが、物価上昇に伴う人件費負担と価格競争を考えると、安定的な黒字への転換までは認めにくい。データセクションとの提携は一部の仕事を生むものの、既存事業全体を高い利益率の継続課金事業に変えるほどではない。10年後の売上高は約10.95億円、営業損益は約0.29億円の赤字となる。資産の一部を使いながら事業を続けるが、配当できる状態には達しない。
- サイバートレーニングソリューション:数量 910(年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定))× 価格 0.00(受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替の人月・研修型。数量は0.70倍、単価は1.25倍。施設運営の固定費が残る。
- セキュリティ診断・調査ソリューション:数量 245(年間の診断・調査案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替の診断・調査工数型。数量は0.70倍、単価は約1.20倍。
- セキュリティコンサルティングソリューション:数量 216(年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替のコンサルティング型。数量は0.60倍、単価は約1.20倍。
倍率:2036年時点でも最終赤字なのでPERによる永続利益評価は用いない。中立のPBRの分母には、2036年時点に残る自己資本4.0億円を用い、PBR0.85倍から時価総額3.40億円を算出する。保有金融資産の処分可能価値約3億円は下支えとなるが、赤字事業の資本消費を考えて将来の自己資本を額面より減価する。これは過去の市場PBRによる値付けではなく、資産の換金可能性と事業の稼ぐ力から判断したものである。
確率:下に寄せる理由:直近3期の営業赤字、2027年3月期第1四半期の赤字、データセンター案件の期ずれが確認されている。AI代替を数量と長期成長率に反映したうえで、費用削減が一定程度進んでも利益を残しにくい中立像を30%とする。
やや悲観 25% AIによる代替と固定費負担が残る 利益 −1 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 23 円3 億円
顧客企業は訓練教材、一次診断、認証文書の作成をAIで内製し、外部専門家への委託を難しい案件に絞る。CYBERGYMは実践演習の看板を残すが、開催日数と受講者数が減り、施設費と講師の確保費用が重くなる。診断では簡易案件が競争価格となり、コンサルティングでは高額案件が大手へ集中する。
データセンター関連事業は予定より小規模になり、売上増加の柱にならない。会社は拠点と人員を縮小するものの、上場会社としての管理費と専門人材の維持費は残る。2036年の売上高は約8.65億円、営業損失は約0.89億円となる。赤字の穴埋めに資産を使い、配当はない。企業価値は成長事業への期待ではなく、処分できる資産の比重が高い状態に移る。
- サイバートレーニングソリューション:数量 780(年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定))× 価格 0.00(受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。参加者相当件数は現在の0.60倍。値上げは施設稼働率低下を補えない。
- セキュリティ診断・調査ソリューション:数量 210(年間の診断・調査案件相当件数(件、推定))× 価格 0.01(診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。数量0.60倍。自動診断との競争で価格も物価上昇に追い付かない。
- セキュリティコンサルティングソリューション:数量 198(年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定))× 価格 0.02(契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。数量0.55倍。標準的な規程作成と調査を失い、営業利益率がマイナスとなる。
倍率:営業赤字と最終赤字が中立より深いためPERではなく、悲観側に認められる現時点の自己資本約5.8億円を基準に売却可能資産と資本消費を評価する。施設や人的事業の換金価値は小さく、赤字の継続で余剰資金が減るためPBR0.55倍、時価総額3.19億円とする。中立の実効PBR約0.59倍より低く、想定する換金可能金融資産の床3.0億円をわずかに上回る。市場の過去の倍率は参照しない。
確率:過去の赤字幅と売上縮小を踏まえると、費用削減が売上の減少に追い付かない可能性は小さくない。既存顧客の仕事がAIと大手競合へ流れる場合として25%とする。
悲観 15% 受託競争に敗れ、売れる資産が価値の中心になる 利益 −2 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 22 円3 億円
AIエージェントが標準的な脆弱性診断やセキュリティ文書を低価格で提供し、顧客は実地演習以外の多くを内製化する。VLCセキュリティの専門人材の一部は、より大きなセキュリティ企業へ移る。残った案件は低価格で、人件費や拠点費を賄えない。データセクションとの連携は大型の収益基盤にならず、施設統合だけでは赤字を止められない。
会社は成長企業としての地位を失い、資産の売却と事業縮小を進める。2036年の売上高は約6.46億円、営業損失は約1.31億円となり、長期的な利益創出力は認められない。それでも直ちに倒産や全資産の消滅を前提とはせず、税金・借入金・運転資金を差し引いた売却可能な金融資産を下値の物差しとする。継続赤字でこの資産も減りうるため、実際の処分時期と保有株式の価値は厳重に追う必要がある。
- サイバートレーニングソリューション:数量 585(年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定))× 価格 0.00(受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。講座相当件数は0.45倍。施設の集約後も固定費を吸収できない。
- セキュリティ診断・調査ソリューション:数量 175(年間の診断・調査案件相当件数(件、推定))× 価格 0.01(診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。案件相当件数は0.50倍、名目単価はほぼ据え置き。
- セキュリティコンサルティングソリューション:数量 180(年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定))× 価格 0.01(契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。案件相当件数は0.50倍。競争により名目単価も現在を下回る。
倍率:赤字事業には永続利益価値を認めず、現在の自己資本5.8億円を基準とした売却可能資産の床3.0億円を評価する。これはPBR約0.517倍に相当する。市場の過去の谷のPBRは参照しない。継続企業として資産の取り崩しがさらに進む場合には、この床自体の再評価が必要である。
確率:人月型業務の代替、主要提携先案件の失敗、財務資産の取り崩しが重なる構造的敗北は十分あり得る。ただしCYBERGYMの専門演習や一部の事故対応需要は残るため15%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
サイバートレーニングソリューション
CYBERGYMを中心とする技術者向けの攻撃・防御演習、インシデント対応訓練、組織向け教育。AIエージェント代替の型は人月・研修であり、現場演習部分には人の価値が残る。
| 数量年間の受講者・講座相当件数(人・件、推定) | 価格受講者・講座相当1件当たり売上高(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,300 | 0.00 | 4 | −1 |
| 10 年後 中立 | 910 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:会社の2026年3月期有価証券報告書の収益区分389,248千円を正とする。数量・平均単価は未開示。CYBERGYM名古屋が公表する2026年10月以降の講座価格18万円、28万円、35万円、44万円などを外部の単価物差しとし、約29.94万円の講座相当1,300件で売上を再現した。これは推定単位であり実際の受講人数ではない。CYBERGYM名古屋の価格改定資料:https://g-b-s.co.jp/news/1848/ 。営業損益は会社の区分別開示がないため全社損失の仮配賦である。AIエージェント代替の人月・研修型とし、10年中立の数量0.70倍、単価約1.25倍とする。
セキュリティ診断・調査ソリューション
脆弱性診断、模擬攻撃、脅威調査、事故関連の調査・検証。検査の自動化だけでなく専門家による判断を含むが、主たる収益の型は作業工数である。
| 数量年間の診断・調査案件相当件数(件、推定) | 価格診断・調査案件相当1件当たり売上高(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 350 | 0.01 | 4 | −1 |
| 10 年後 中立 | 245 | 0.02 | 4 | 0 |
取り方:有価証券報告書の売上438,605千円が正。案件数と単価は非開示である。競合のサイバーセキュリティクラウドが公表するWeb診断135万円から、簡易診断40万円、プラットフォーム診断35万円といった価格差を参考に、平均125.32万円、約350件の混合案件として組み立てた。競合価格:https://www.cscloud.co.jp/vulnerability-audit/price/ 。模擬攻撃などの高度案件もあるため、実件数の断定ではない。営業損益は非開示につき推定配賦。AIエージェント代替の診断・報告工数型とし、10年中立の数量0.70倍、単価約1.20倍とする。
セキュリティコンサルティングソリューション
情報セキュリティ認証取得支援、V-secによるリスク評価、CSIRT構築、インシデント対応支援、顧客の管理体制整備。規制対応の需要は残るが、独占的な正本システムではなく人による役務提供が中心である。
| 数量年間のコンサルティング契約・案件相当件数(件、推定) | 価格契約・案件相当1件当たり売上高(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 360 | 0.01 | 5 | −1 |
| 10 年後 中立 | 216 | 0.02 | 4 | 0 |
取り方:有価証券報告書の収益537,970千円を正とする。契約件数と単価は開示されていない。ISMS新規取得支援120万円から、運用支援80万円からという競合の公表価格を基点とし、CSIRT支援などの高単価業務を混ぜた年間約360案件、平均149.44万円の案件相当として売上を再現した。参照:https://www.pottech.co.jp/services/isms 。これは契約数の実績ではなく売上を分解するための代理数量である。営業損益は仮配賦。AIエージェント代替のコンサルティング・人月型とし、10年中立の数量0.60倍、単価約1.20倍とする。
リスクと懸念
AIエージェント代替
訓練、診断・調査、コンサルティングのすべてが人の知識と工数を売る性質を持つ。AIが教材、検査、規程作成、報告書、一次対応を直接提供すると、顧客が購入する作業時間は減る。中立の10年の実質数量を訓練と診断で0.70倍、コンサルティングで0.60倍としているが、代替の速度がさらに速ければ利益は下振れする。
大型提携先とデータセンター案件への依存
データセクションとの連携は将来の成長計画の中心にある。しかしデータセンターの建設、設備導入、稼働時期、セキュリティ業務の外注比率は同社だけでは決められない。2026年3月期には見込案件の期ずれが業績に影響した。契約金額、顧客数、継続収益が開示されるまでは、将来の期待収益を確定した事業価値として扱わない。
連続営業赤字と資金調達
2024年3月期から3期連続で営業赤字となり、2027年3月期第1四半期も赤字だった。預金と有利子負債の差は小さく、運転資金を確保するには保有株式の売却や外部資金に頼る局面があり得る。過去には増資と新株予約権行使で株数が増加しており、将来の資金調達も既存株主の取り分を薄める可能性がある。
保有株式の価格変動と資本配分
データセクション株式は2026年3月末の連結資産の大きな部分を占める。2026年6月末には評価額が大幅に上昇したが、その変動はセキュリティ事業の収益力と直接関係しない。8月には売却損も開示された。自己資本の増加を営業利益の改善と取り違えると、保有資産の値下がりと事業赤字を同時に受ける危険を過小評価する。
競合との規模・人材獲得力の差
グローバルセキュリティエキスパート、ブロードバンドセキュリティ、大手システム会社は、顧客基盤、専門人材、継続契約の面で競争上の強みを持つ。同社は小規模なため、専門家が抜けたり大型案件を失ったりした影響が相対的に大きい。AIによって標準業務が汎用化すれば、高度案件を獲得する営業力と実績の差が利益率に直結する。
固定費と株主還元の不確実性
トレーニング施設、専門人材、上場会社としての管理費は、売上が減っても直ちに縮小できない。日本の新リース会計基準によって賃借設備等の表示が変わる場合も、実際に支払う固定費が消えるわけではない。また配当性向や自社株買いの数値目標がないため、黒字化してもその利益が株主に戻るかは経営判断に左右される。
今後の分かれ目
- データセンター向けセキュリティ契約について実際の契約金額、稼働開始、年間継続売上が開示され、売上高30億円計画への寄与が確認できたら
- 未実現の成長期待から受注実績へ評価を切り替える。高難度業務や継続契約の比率が確認できた部分だけ数量と利益率を上方修正し、楽観・やや楽観の確率を引き上げる。
- 2期以上連続して営業利益と営業キャッシュフローがともに黒字となり、増資に頼らず運営できたら
- 先行投資がオーナー利益に転換した証拠として扱う。増分投下資本利益率を再計算し、資本コストの追加調整と中立シナリオの黒字化を検討する。
- CYBERGYMの受講者数、受講料、更新・再受講率が開示され、値上げ後も数量が減らなかったら
- 訓練部門の価格決定力と切替費用を再評価する。ただし単価の上昇だけでなく、拠点費を差し引いた利益率が改善したかを確認し、証拠がある範囲だけ堀を強くする。
- 診断・コンサルティングの顧客がAIで業務を内製化し、同社の受注件数や案件単価が継続して低下したら
- AIエージェント代替の中立数量をさらに引き下げ、やや悲観・悲観の確率を増やす。同じ悪化を資本コストの寿命項目に再度上乗せすることはしない。
- データセクション株式を売却し、税金・借入金の処理後に配当または自社株買いを実行したら
- 金融資産の処分可能額と株主への戻り方を実績から更新する。事業の損益が改善していなければ、株式売却による現金増加を営業利益の成長と混同しない。
- 新株予約権の行使、第三者割当増資、株式対価の買収などで発行済株式数が増えたら
- 新たに入る資金と増加株数を両方反映し、既存株主の取り分を再計算する。事業価値の増加なしに株数だけ増えた場合は、現在の株主に帰属する価値を下方修正する。
見ておくもの
- 2027年3月期の売上高30億円・営業利益3億円・純利益2億円の計画に対する四半期ごとの進捗
- データセクション関連データセンター案件の契約額、開始時期、実際の年間収益と継続期間
- 訓練・診断・コンサルティング別の売上高、推定案件数量、平均単価の変化
- CYBERGYMの受講者数、再受講率、稼働率と2026年10月の価格改定後の需要
- 営業キャッシュフロー、販管費、人件費、黒字転換後の増分投下資本利益率
- データセクション株式の残高、売却損益、繰延税金負債と現預金への転換
- 新株予約権の残存数、行使・消滅、発行済株式数、配当・自社株買いの実績
- AIによる自動診断・報告書作成の普及と、競合各社のセキュリティサービス売上高・採算
倍率と資本コストの決め方
株価274円と1,386万800株による基準時点の時価総額は約37.98億円である。これを将来の売上や利益の目標値に使っていない。三つの売上区分を案件相当数量と単価に分け、AIエージェント代替を10年の実質数量減少とg_long0%に反映した。資本コストの寿命と確率で同じ数量減少を重ねていない。営業損失の配賦と案件件数は推定であり、企業開示の実件数ではない。
楽観・やや楽観のPERは、事業のROE、k9.5%、弱い堀、長期成長率0%から算出した正当化上限の10.5263倍とした。中立以下は赤字なのでPBRと換金可能資産の床で評価する。中立は2036年の自己資本4.0億円にPBR0.85倍を掛けて3.40億円とする。やや悲観と悲観は現時点の自己資本約5.8億円を基準に、それぞれPBR0.55倍と約0.517倍を適用して3.19億円と3.0億円を見込む。いずれも売却可能な金融資産の床約3.0億円を念頭に置く。事業の倍率で評価する場合の金融資産は税負担等を控除した3.0億円を一度だけ加算し、PBR評価には重複して加えない。2026年6月末の一時的な株式評価益も上乗せしない。
五つの将来時価総額の加重平均は約7.55億円、将来還元総額の加重平均は0.27億円である。時価総額を10年間9.5%で、期間中の還元を平均5年間9.5%で割り引くと、現在価値は約3.22億円となる。基準時価総額との差は約マイナス91.5%で、判定は割高である。新リース会計基準の適用による表示変更が起きても、施設賃料は経済的な固定負担として残す。過去の市場PER・PBRや現在株価に倍率を合わせる調整は行っていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。基本資本コスト7.5%に、過去の利益変動と値決め力の弱さによる品質調整1.0%、継続赤字による追加1.0%を加え、9.5%とする。個別の提携・ガバナンスリスクはさらに加算せず筋書きと確率で扱う。
同じ業種(サービス業)の AI 分析
読んだ資料
- VLCセキュリティ 2026年3月期有価証券報告書(事業別収益、財務、保有株式、継続企業の前提、資本政策)
- VLCセキュリティ 2026年3月期決算説明資料(業績未達の要因、データセクション連携、2027年3月期業績計画)
- VLCセキュリティ 2027年3月期第1四半期決算短信(継続赤字、会社計画、財務変動)
- 富士キメラ総研 ネットワークセキュリティビジネス国内市場調査(サービス市場3,042億円と3,982億円の見通し)
- 矢野経済研究所 サイバーセキュリティ市場に関する調査(2026年、AIエージェントによる自動化の見通し)
- CYBERGYM名古屋 2026年10月受講料改定のお知らせ(受講単価の参考資料)
- ブロードバンドセキュリティ 2026年6月期有価証券報告書(脆弱性診断と監査・コンサルティングの競合売上)