結論
フルキャストは、日給で働く短期バイトの紹介を創業以来の本業とする人材会社だ。ここから派遣、請負、外国人材、警備へ広げてきた。筆者の結論は「ほぼ妥当」。事業の稼ぐ力は本物だが、買収で利益率が薄まり、スマホで仕事を探す新興勢との競争も強まる。この二つで、伸びの魅力が打ち消される。
AI エージェントの影響は、この会社では限られる。売上の 8 割は、倉庫や軽作業、イベントといった体が要る現場への人の手配だからだ。ロボットや自動化の影響はあるが、エージェントが人の代わりに現場に立つことはない。そこで現場の部分は旧来の置き方を基本にした。事務に当たる営業支援(売上の 7%)だけを人月型に置いた。
気になるのは AI よりアプリ勢だ。エージェントが短期の仕事を探して申し込むようになれば、紹介の手数料は削られる。登録者の名簿と、前日の急な注文でも人を出せる信用が、どこまで堀として残るかが分かれ目だ。純現金があり財務の傷みは無い点は、評価できる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、良い点と悪い点がはっきりした会社だ。拠点網と登録者の名簿、前日の注文でも人を出す信用は、時間をかけて築いた資産で、純現金もあり財務は傷んでいない。創業者の持ち分が大きく、少数株主は経営に口を出しにくい点は気になる。
悪い点は、買収で売上が増えても利益率が下がっていることだ。10% から 8% 台へ下がる会社の拡大は、株主の取り分を増やさない。AI エージェントに置き換わるのは仲介の部分で、現場の体は残るが、仲介の手数料が薄くなると、現場の薄い利益だけが残る。
10 年後に事業が今より強いかと問われると、確信は持てない。安全域は今の値段にほとんど無い。AI を自社の売り物にして金額が出た開示は無いので、楽観でも新しい上乗せは見込んでいない。創業者の目線が株主の目線と同じかどうかは、配当の方針を見て判断したい。
何で稼ぐ会社か
事業の中心は短期業務支援で、売上の約 8 割を占める。倉庫・イベント・清掃・販売などの現場に、1 日単位で人を送る仕事だ。
日雇いの派遣は 2012 年に原則禁止になった。そこで同社は「日々紹介」に切り替えた。働き手を雇うのは就業先で、フルキャストは紹介の手数料を受け取る。登録者は 700 万人を超えると会社は説明している。前日の注文にも応じられるのは、この名簿と全国の拠点があるからだ。
短期バイトの周辺に、派遣・請負・雇用関連の BPO(業務の一括受託)、特定技能の外国人材、シニアの就業、家事代行が並ぶ。請負は現場の指揮から勤怠管理までを一括で受けるため、売上は大きいが、人件費の分だけ利益率は薄い。
残りの事業は三つある。営業支援は、通信などの営業を人で請け負う。警備は常駐とイベント警備で、大阪万博の特需もあった。飲食は「らあめん花月嵐」で、国内外に 200 店ほどを構える。2025 年 12 月期の営業利益は、短期業務支援が約 85 億円、残りの 3 事業の合計が約 12 億円。つまり利益の源泉はほぼ一つだ。
2026 年 12 月期からは、エントリー(物流向けの派遣・紹介)、RGF の人材紹介、AI 採用代行の Fiah が加わる。事業の幅は広がるが、利益の源泉が短期人材に偏る構図は変わらない。
優良さと弱いところ
筆者の見立てでは、質は「良いが、堀は浅い」。強みは三つある。
一つ目は、前日の注文でも人を出せる実行力だ。登録者の名簿、190 の拠点、顧客企業との取引口座は、新興勢がすぐには作れない。企業は人が来ないリスクを嫌うので、実績の長い会社に頼りやすい。
二つ目は、お金の使い方が堅いことだ。創業者が 38% を持ち、純現金を保ち、還元は総還元性向 50% を目標にする。買収も、エントリーを約 11 億円で買うなど、安く買う姿勢が見える。
三つ目は、悪い時期に赤字を長く続けなかったことだ。2020 年も営業利益率は 14% を保った。
弱みは、値段を自分で決めにくい点だ。紹介の手数料は、働き手と就業先の需給で決まる。スマホで直接つなぐタイミーなどが広がれば、手数料に下押しの力がかかる。人件費の上昇は、請負の利益率を削る。2025 年 12 月期の営業利益率は 10.2% で、2019 年の 16% から下がり続けている。
10 年先も、この事業は残ると筆者は見る。働き手が減る国では、短期の労働力を手配する需要は消えないからだ。ただ、堀が深くなるとは言えないので、資本コストを超える稼ぎは先で半分に薄れると置いた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
追い風は、労働力不足だ。企業は正社員を採りにくく、1 日単位で人を手配する需要が伸びている。スポットワークの市場は、タイミーの推計で 2025 年に約 1,500 億円と、3 年で約 4 倍になった。副業の解禁や外国人材の受け入れも、需要を押し上げる。
一方で、新興勢の伸びが、同社の領域を侵す。タイミーやメルカリハロは、アプリで個人と企業を直接つなぐ。手数料の取り方は軽く、広告費をかけて登録者を増やす。フルキャストは、請負や警備のように人の手間がかかる仕事で差をつけ、短期バイトの周りに付加価値を足す戦略を取る。会社の中期経営計画も、プラットフォームだけでは付加価値サービスへの展開が限られると明記している。
伸びも鈍り始めた。タイミーの 2026 年 5〜7 月の募集件数は前年より 13% 増で、前の期の 20% 増から下がった。市場は大きくなるが、伸びは落ち着いていく。
規制の動きも見ておく。日雇い派遣の原則禁止は 2012 年に始まり、同社は紹介型へ移った。今後、闇バイト対策などで就業先や仲介の管理が厳しくなれば、きちんと管理できる大手が有利になる。会社はそれを強みだと見ている。
同業大手のパーソルやリクルートは、派遣と紹介で規模が大きい。ただ、日々の短期バイトに特化し、拠点を全国に張る会社は少ない。10 年後に最大の論点は、生成 AI が求人と求職のマッチングを自動化し、仲介の手数料そのものを下げるかどうかだ。
AI エージェントとの関係では、短期業務支援・飲食・警備は現場の体が要る型で、旧来の置き方を基本にした。営業支援(売上の 7%)だけは事務に当たる人月型として、数量 0.65 倍・価格 1.28 倍を中立とした。
資本政策と M&A
還元は厚めだ。配当は年 2 回払いで、来期も増配を予想する。純利益の約半分を返す総還元性向 50% を目標にする。D/E は 1 倍を上限にした。
買収は積極的だ。中期経営計画は「M&A を積極的に使う」と書き、警備・運転・倉庫・清掃・家事代行・HR テックまで職域を広げる。2025 年にビート(請負)と Fiah(AI 採用代行)、2026 年にエントリーと RGF を取り込んだ。RGF は、リクルート傘下の人材紹介会社で、取得価額は約 53 億円。純資産は約 87 億円あり、現預金を含む点に注意がいる。
資本の使い方で筆者が評価するのは、高い値段で買わないところだ。エントリーは売上 112 億円の会社を 11 億円で買った。ただ、低い値段で買う会社は低い利益率の会社でもある。利益の質は、買収後の運営で決まる。
株主構成は創業者の資産管理会社が約 38% を持つ。2026 年 2 月には、社長が資産管理会社を通じて最大 2 億円の株を市場で追加買付けすると開示した。大株主が経営の中心にいるため、方針は安定している。少数株主から見れば、買い付けで非公開化する場合は創業者の意向が大きく働く点が、ほかの会社より気になる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
日本は働き手が毎年減り、企業は正社員を採れない。必要な日に必要な人数を手配する短期人材の市場は、構造的に伸びる。スポットワークの市場は 3 年で 4 倍になった。フルキャストは 190 の拠点と数百万人の登録者を持ち、請負や警備のように人の手間がかかる仕事で、アプリ勢が真似できない信用を築いている。
買収も効いている。エントリーを 11 億円、RGF を約 53 億円で買い、売上を 200 億円近く足した。安く買って運営を改善すれば、利益率は戻る。会社は 2029 年に営業利益 125 億円を掲げ、ROE 20% 以上と総還元性向 50% を約束した。
創業者は自らも株を買い増している。経営と株主の利害が一致している点は、人材業界ではまれだ。物価が上がるほど、紹介の手数料も請負の売上も名目で増える。10 年後、売上が 2 倍を超え、営業利益が 200 億円に届く姿は十分ありうる。人手不足が深まるほど、人を確実に出せる会社の価値は上がっていく。
現場の手配は体が要る仕事で、エージェントは人の代わりに現場に立てない。全国の拠点網と登録者の名簿は、前日の急な注文に応える仕組みとして残り、AI で仲介が効率化されても強みは変わらない。
慎重な見方
伸びの大半は買収で、会社自身の稼ぐ力は鈍っている。2026 年の売上予想は 36% 増なのに、営業利益は 10% しか増えない。上期の営業利益は予想を割り込み、短期業務支援と HR テックが計画に届かなかった。営業利益率は 2019 年の 16% から 10% まで下がり、今年は 8% の見通しだ。
競争の構図も不利になる。タイミーやメルカリハロは、アプリで企業と働き手を直接つなぎ、手数料を軽くする。同社が守る請負や警備は、売上は大きいが利益率が薄い。生成 AI がマッチングを自動化すれば、紹介の手数料そのものが下がる。
買収の質も確かでない。安い値段で買えるのは、利益率が低いか、売り手が手放したい事業だからだ。リクルートが RGF を手放したことは、その事業の将来性への判断とも読める。のれんや人材の流出という失敗も起こりうる。営業利益 125 億円の計画は、前の計画が未達だった事実を忘れてはいけない。
エージェントが短期の仕事を探して申し込むようになれば、仲介の手数料は削られる。買収で拡大した売上は利益率の低い分が多く、手数料が薄くなると現場の薄い利益だけが残る。
どちらに重みを置いたか
現場の体が要る型であり、AI エージェントの影響は仲介の手数料に限られる点では強気の見方が上だ。買収で利益率が薄まる点とアプリ勢の競争では慎重な見方が上だ。現場の型なので今の置き方を基本に、やや悲観と悲観を合わせて 38% とした。営業支援だけを人月型に置いた。アプリ勢の動きは、四半期ごとの手数料の水準で確かめられる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 3,229 円1,120 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 996 円346 億円)。 今の値に割り戻すと 2,217 円769 億円、今との差 +17.1%、 期待の年率 +8.4%(資本コスト 7.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 7,459 円2,587 億円 | 1,634 円567 億円 | +380.3% | +17.0% | 546 円189 億円 |
| やや楽観 | 18% | 5,440 円1,887 億円 | 1,366 円474 億円 | +259.5% | +13.7% | 1,225 円425 億円 |
| 中立 | 38% | 3,911 円1,357 億円 | 1,120 円389 億円 | +165.8% | +10.3% | 1,912 円663 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,187 円412 億円 | 707 円245 億円 | +0.1% | +0.0% | 474 円164 億円 |
| 悲観 | 13% | 153 円53 億円 | 383 円133 億円 | −71.7% | −11.9% | 70 円24 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,229 円1,120 億円 | 996 円346 億円 | +123.2% | +8.4% | 4,226 円1,466 億円 |
今の株価時価総額 1,893 円657 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 買収の拡大が利益につながる 利益 173 億円 · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 7,459 円2,587 億円
買収した会社の統合が進み、短期の現場への手配が全国に広がる。稼働者は今の約 2 倍近くに増え、手数料は物価並みに上がる。営業支援は人月型で伸びない。AI エージェントを売り物にした開示が無く、新しい上乗せは見込まない。10 年後の売上は 2,134 億円(今の 2.76 倍)、純利益は 173 億円。配当も増える。拠点網の厚みが、他社の手配の穴を埋める。 内訳は短期業務支援(売上 1,796 億円・数量 2.10 倍・価格 1.40 倍)、営業支援(売上 61 億円・数量 0.90 倍・価格 1.34 倍)、飲食(売上 180 億円・数量 1.80 倍・価格 1.34 倍)、警備・その他(売上 98 億円・数量 2.00 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 263 億円(利益率 12.3%)、10 年の還元は計 567 億円、時価総額は 2,587 億円になる。
- 短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO):数量 56.7(稼働者数(万人・推定))× 価格 32(1 人あたり売上(万円))→ 売上 1,796 億円・営業利益 270 億円。現場の体の型。数量 2.10 倍・価格 1.40 倍・利益率 15.0%(AI エージェント代替で置き直し)
- 営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行):数量 0.1(稼働する営業要員(万人・推定))× 価格 752(1 人あたり売上(万円))→ 売上 61 億円・営業利益 3 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.90 倍・価格 1.34 倍・利益率 4.9%(AI エージェント代替で置き直し)
- 飲食(らあめん花月嵐):数量 378(店舗数(国内外・推定))× 価格 4,749(1 店あたり売上(万円))→ 売上 180 億円・営業利益 16 億円。現場の体の型。数量 1.80 倍・価格 1.34 倍・利益率 9.0%(AI エージェント代替で置き直し)
- 警備・その他:数量 0.2(稼働する警備員(万人・推定))× 価格 443(1 人あたり売上(万円))→ 売上 98 億円・営業利益 14 億円。現場の体の型。数量 2.00 倍・価格 1.34 倍・利益率 14.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 173 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 20.5% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 14.1%、10 年より先の名目の伸び g 2.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.9 倍。全体の PER 14.93 倍、時価総額 2,587 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収の統合が進み利益率も保たれる筋書き。AI を売り物にした開示は無く上乗せは見ない。6%。
やや楽観 18% 現場は堅く手数料はやや削られる 利益 128 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 5,440 円1,887 億円
稼働者は今の 1.8 倍に増えるが、買収の統合に時間がかかり、利益率は 10% を下回る。手数料の削られ方は緩やかだ。飲食と警備は現場として堅い。10 年後の売上は 1,793 億円(今の 2.32 倍)、純利益は 128 億円。拠点網と登録者の名簿が、前日の注文に応える強みとして残る。営業支援の縮みは、全体から見れば小さい。 内訳は短期業務支援(売上 1,518 億円・数量 1.80 倍・価格 1.38 倍)、営業支援(売上 53 億円・数量 0.80 倍・価格 1.31 倍)、飲食(売上 140 億円・数量 1.40 倍・価格 1.34 倍)、警備・その他(売上 83 億円・数量 1.70 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 195 億円(利益率 10.9%)、10 年の還元は計 474 億円、時価総額は 1,886 億円になる。
- 短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO):数量 48.6(稼働者数(万人・推定))× 価格 31(1 人あたり売上(万円))→ 売上 1,518 億円・営業利益 205 億円。現場の体の型。数量 1.80 倍・価格 1.38 倍・利益率 13.5%(AI エージェント代替で置き直し)
- 営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行):数量 0.1(稼働する営業要員(万人・推定))× 価格 735(1 人あたり売上(万円))→ 売上 53 億円・営業利益 3 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.80 倍・価格 1.31 倍・利益率 4.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- 飲食(らあめん花月嵐):数量 294(店舗数(国内外・推定))× 価格 4,749(1 店あたり売上(万円))→ 売上 140 億円・営業利益 11 億円。現場の体の型。数量 1.40 倍・価格 1.34 倍・利益率 8.0%(AI エージェント代替で置き直し)
- 警備・その他:数量 0.2(稼働する警備員(万人・推定))× 価格 443(1 人あたり売上(万円))→ 売上 83 億円・営業利益 11 億円。現場の体の型。数量 1.70 倍・価格 1.34 倍・利益率 13.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 128 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.0% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 12.9%、10 年より先の名目の伸び g 2.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.69 倍、時価総額 1,886 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収が利益になり手数料の削られ方も緩やかな筋書き。18%。
中立 38% 売上は 2 倍近く、純利益は 2 倍 利益 93 億円 · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 3,911 円1,357 億円
稼働者は今の約 1.5 倍に増え、価格は物価並みに上がる。ただし買収分の利益率は薄く、全体の利益率は 6〜7% 台に下がる。営業支援は人月型で今の 0.65 倍に縮む。10 年後の売上は 1,499 億円(今の 1.94 倍)、純利益は 93 億円。売上は伸びても利益は倍に届かず、株主の取り分は売上ほど増えない。手数料の下がり方は、四半期の開示で確かめられる。 内訳は短期業務支援(売上 1,269 億円・数量 1.55 倍・価格 1.34 倍)、営業支援(売上 42 億円・数量 0.65 倍・価格 1.28 倍)、飲食(売上 115 億円・数量 1.15 倍・価格 1.34 倍)、警備・その他(売上 73 億円・数量 1.50 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 141 億円(利益率 9.4%)、10 年の還元は計 388 億円、時価総額は 1,342 億円になる。
- 短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO):数量 41.9(稼働者数(万人・推定))× 価格 30(1 人あたり売上(万円))→ 売上 1,269 億円・営業利益 152 億円。現場の体の型。数量 1.55 倍・価格 1.34 倍・利益率 12.0%(AI エージェント代替で置き直し)
- 営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行):数量 0.1(稼働する営業要員(万人・推定))× 価格 718(1 人あたり売上(万円))→ 売上 42 億円・営業利益 2 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.65 倍・価格 1.28 倍・利益率 4.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- 飲食(らあめん花月嵐):数量 242(店舗数(国内外・推定))× 価格 4,749(1 店あたり売上(万円))→ 売上 115 億円・営業利益 8 億円。現場の体の型。数量 1.15 倍・価格 1.34 倍・利益率 7.0%(AI エージェント代替で置き直し)
- 警備・その他:数量 0.2(稼働する警備員(万人・推定))× 価格 443(1 人あたり売上(万円))→ 売上 73 億円・営業利益 9 億円。現場の体の型。数量 1.50 倍・価格 1.34 倍・利益率 12.0%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:事業の純利益 93 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.6% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.7%、10 年より先の名目の伸び g 2.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.4 倍。全体の PER 14.41 倍、時価総額 1,342 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収で売上が増え、利益率は下がる筋書きを中立とし 38%。現場の型なので人月型ほど縮めない。
やや悲観 25% 手数料がアプリとエージェントに削られる 利益 29 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 1,187 円412 億円
アプリ勢とエージェントが短期の仕事の仲介を取り、紹介の手数料は下がる。稼働者は今の約 1.2 倍にとどまり、買収の統合も遅れて利益率は 4% 台に落ちる。営業支援は 0.55 倍。10 年後の売上は 917 億円(今の 1.19 倍)、純利益は 29 億円。のれんの減損が出る。買収先の人材紹介の収益も、期待を下回る。 内訳は短期業務支援(売上 747 億円・数量 0.98 倍・価格 1.25 倍)、営業支援(売上 32 億円・数量 0.55 倍・価格 1.15 倍)、飲食(売上 85 億円・数量 0.85 倍・価格 1.34 倍)、警備・その他(売上 54 億円・数量 1.10 倍・価格 1.34 倍)。 営業利益は 44 億円(利益率 4.8%)、10 年の還元は計 245 億円、時価総額は 377 億円になる。
- 短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO):数量 26.4(稼働者数(万人・推定))× 価格 28(1 人あたり売上(万円))→ 売上 747 億円・営業利益 61 億円。現場の体の型。数量 0.98 倍・価格 1.25 倍・利益率 8.1%(AI エージェント代替で置き直し)
- 営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行):数量 0.0(稼働する営業要員(万人・推定))× 価格 645(1 人あたり売上(万円))→ 売上 32 億円・営業利益 1 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.55 倍・価格 1.15 倍・利益率 3.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- 飲食(らあめん花月嵐):数量 179(店舗数(国内外・推定))× 価格 4,749(1 店あたり売上(万円))→ 売上 85 億円・営業利益 3 億円。現場の体の型。数量 0.85 倍・価格 1.34 倍・利益率 3.6%(AI エージェント代替で置き直し)
- 警備・その他:数量 0.1(稼働する警備員(万人・推定))× 価格 443(1 人あたり売上(万円))→ 売上 54 億円・営業利益 4 億円。現場の体の型。数量 1.10 倍・価格 1.34 倍・利益率 8.1%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:正当化 PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 6.5%・k 7.75%・RONIC 8.8%(残る割合 0.50)、名目 g +2.0%(短期の現場仕事が中心(体が要る型)、営業代行は人月型)で 12.9 倍
確率:手数料がアプリとエージェントに削られ、統合も遅れる筋書き。25%。
悲観 13% 仲介の手数料が崩れ現場だけが残る 利益 −4 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 153 円53 億円
仲介の手数料が崩れ、現場の手配の薄い利益だけが残る。稼働者は今の 5 割ほどに減り、売上は 10 年で半分前後の 384 億円、純利益は -4 億円と赤字すれすれまで落ちる。値は稼ぐ力でなく、純現金と売れる資産の床で測る。ここまでの筋書きは起きにくいが、手数料の商売は崩れ方が速い。警備と飲食の現場の売上は、残る。 内訳は短期業務支援(売上 306 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)、営業支援(売上 23 億円・数量 0.45 倍・価格 1.00 倍)、飲食(売上 37 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)、警備・その他(売上 18 億円・数量 0.50 倍・価格 1.00 倍)。 営業利益は -4 億円(利益率 -1.0%)、10 年の還元は計 133 億円、時価総額は 53 億円になる。
- 短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO):数量 13.5(稼働者数(万人・推定))× 価格 23(1 人あたり売上(万円))→ 売上 306 億円・営業利益 11 億円。現場の体の型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 3.5%(AI エージェント代替で置き直し)
- 営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行):数量 0.0(稼働する営業要員(万人・推定))× 価格 561(1 人あたり売上(万円))→ 売上 23 億円・営業利益 0 億円。人月・工数で売るの型。数量 0.45 倍・価格 1.00 倍・利益率 1.2%(AI エージェント代替で置き直し)
- 飲食(らあめん花月嵐):数量 105(店舗数(国内外・推定))× 価格 3,544(1 店あたり売上(万円))→ 売上 37 億円・営業利益 1 億円。現場の体の型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 1.5%(AI エージェント代替で置き直し)
- 警備・その他:数量 0.1(稼働する警備員(万人・推定))× 価格 331(1 人あたり売上(万円))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。現場の体の型。数量 0.50 倍・価格 1.00 倍・利益率 3.6%(AI エージェント代替で置き直し)
倍率:悲観の床は稼ぐ力でなく、純現金と売れる資産の税後(floor_assets_oku 53 億円)を今の自己資本 307 億円で割った 0.17 倍。
確率:仲介の手数料が崩れ、現場の薄い利益だけが残る筋書き。13%、やや悲観と合わせて 38%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
短期業務支援(短期の紹介・派遣・請負・BPO)
日々の短期バイトの紹介を核に、派遣・請負・雇用関連 BPO・特定技能外国人・シニア・家事代行までを手がける、グループの屋台骨。
| 数量稼働者数(万人・推定) | 価格1 人あたり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 27.0 | 23 | 611 | 85 |
| 10 年後 中立 | 41.9 | 30 | 1,269 | 152 |
取り方:FY25 の売上 610.97 億円を、稼働者数(FY24 の 25.9 万名から 4% 増と置いた 27 万人)で割って 1 人あたり売上を逆算した。稼働者数の開示は全社の KPI でセグメント別ではないため推定。FY26 に連結する エントリー(売上約 112 億円)・RGF(約 82 億円)は稼働者数・成約数に換算して数量に含める。価格は物価並みに上がる前提。 数量は実物(稼働者数)で、市場の名目の伸びからは置いていない。【AI エージェント代替】現場の体が要る型(売上の 79%)。旧来の置き方を基本にし、仲介の手数料の薄まりは悲観側に入れた。
営業支援(通信・エネルギーなどの営業代行)
企業の営業・販売を人で請け負う事業。イベントやエンタメ分野も手がける。
| 数量稼働する営業要員(万人・推定) | 価格1 人あたり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.1 | 561 | 51 | 2 |
| 10 年後 中立 | 0.1 | 718 | 42 | 2 |
取り方:売上 50.5 億円を、稼働する営業要員 900 人(推定)で割った。要員数は未開示のため推定で、数量は人の数、価格は 1 人あたり売上。【AI エージェント代替】人月で売る型(売上の 7%)。10 年の数量は中立で今の 0.65 倍、価格は 1.28 倍。
飲食(らあめん花月嵐)
ラーメンチェーンの直営とフランチャイズ。アジアとドイツへ出店を広げている。
| 数量店舗数(国内外・推定) | 価格1 店あたり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 210 | 3,544 | 74 | 5 |
| 10 年後 中立 | 242 | 4,749 | 115 | 8 |
取り方:売上 74.4 億円を、国内外の店舗数 210 店(出典で 211〜230 店とぶれる。直営とフランチャイズの売上の合計を店数で割る推定)で割った。【AI エージェント代替】現場の体が要る型。旧来の置き方を基本にした。
警備・その他
常駐警備とイベント警備。大阪万博・世界陸上などの特需を取り込んだ。
| 数量稼働する警備員(万人・推定) | 価格1 人あたり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.1 | 331 | 36 | 5 |
| 10 年後 中立 | 0.2 | 443 | 73 | 9 |
取り方:売上 36.4 億円を、稼働する警備員 1,100 人(推定)で割った。警備員数は未開示のため推定。 数量は実物(警備員数)。【AI エージェント代替】現場の体が要る型。旧来の置き方を基本にした。
リスクと懸念
AI エージェント代替は仲介の手数料に出る
売上の 8 割は体が要る現場への手配で、エージェントが現場に立つことはない。だが仕事を探して申し込む仲介の部分は、アプリやエージェントが置き換えうる。手数料が削られると、現場の薄い利益だけが残る。営業支援(売上の 7%)は人月型で、今の 0.65 倍、価格 1.28 倍と置いた。AI を売り物にして金額が出た開示は無い。
アプリ勢による手数料の低下
タイミーやメルカリハロは、アプリで企業と働き手を直接つなぐ。手数料が軽いので、軽作業の市場から主導権を取る。同社の短期バイトの紹介が価格競争に巻き込まれれば、営業利益率の下げが続く。
買収の統合の失敗
2026 年は、エントリーと RGF という 2 つの買収を一度に取り込む。利益率の低い事業が多く、統合がうまくいかなければ、のれんの減損が出る。中期経営計画の 125 億円は、これらの統合の成否に大きく依存する。
利益率の低下が止まらない
営業利益率は 2019 年の 16% から 2025 年の 10% へ下がり、2026 年の会社予想は 8%。人件費の上昇を手数料に移せなければ、売上が増えても利益は増えない。上期の営業利益は予想の 95% にとどまった。
景気後退と規制
不況期は短期の求人が真っ先に減る。2009 年 9 月期は 69 億円の純損失を出した。日雇い派遣や紹介の規制が強まれば、紹介型のモデルにも影響する。
創業者の持ち分と少数株主
創業者の資産管理会社が約 38% を持つ。経営は安定するが、少数株主が持つ株の流動性は低く、買い付けや非公開化の局面では創業者の意向が大きく働く。
生成 AI による仲介の置き換え
生成 AI が求人と求職のマッチングを自動化すれば、紹介という仕事の価値そのものが下がる。同社は請負や警備で人の手間を売る形に寄せているが、10 年先には短期の紹介のうまみが薄れる可能性がある。
今後の分かれ目
- 短期の仕事の仲介アプリが、エージェント経由の申し込みで手数料を大きく下げる
- 紹介の収益が中立を下回る。やや悲観に近づく。
- 上期の営業利益の未達が続き、2026 年の予想を下げる
- 買収の統合が計画どおり進んでいない証拠となる。筋書きは楽観側から慎重な側へ寄る。
- タイミーなどの募集件数の伸びが 10% を割り込む
- 市場全体の伸びが落ち着く。アプリ勢との競争は価格に移りやすい。
- 短期業務支援の営業利益率が 12% を超えて戻る
- 買収による薄まりを超える付加価値が出ている証拠で、強気の筋書きに寄る。
- 創業者側が追加の買い付けや非公開化を発表する
- 少数株主の持ち分は、買い付けの価格しだいで大きく動く。本質価値との比較が要る。
- 日々紹介への規制や職業紹介の手数料への規制が強まる
- 紹介型の事業構造に影響が出る。慎重な筋書きの確率を上げて見る。
見ておくもの
- 短期業務支援の営業利益率(四半期)
- スポットワークの募集件数の伸び(タイミー等の公表)
- M&A で連結した 3 社(エントリー・RGF・ビート)の利益の寄与
- 総還元性向と自社株買いの実施
- 創業者側の持ち株比率の動き
倍率と資本コストの決め方
今の株価や過去・同業の倍率は見ずに、型ごとの数量・価格・利益率から 10 年後の利益を積み、倍率は式(正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g))で置いた。k は 7.5% に quality +1.25% を足した 8.75%、名目 g は人月・席の型で 0% 以下(短期の現場仕事が中心(体が要る型)、営業代行は人月型)。自己資本は今の値に期間の純利益を足して還元を引いて流した。悲観の床は純現金の 6 割で、売れる資産の売却益は足していない。リースの会計は新基準で 2028/03 期から BS に載るが、10 年後の数字は今と同じ形にそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.77→14.93 倍・やや楽観 PER 12.58→14.69 倍・中立 PER 12.3→14.41 倍・やや悲観 PER 11.43→12.9 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。