結論
ギグワークスは、企業のIT機器の設置・保守、コールセンター業務、IT技術者の派遣、システム開発、シェアオフィスを束ねるサービス企業である。筆者の結論は「やや割高」だ。現場に人が出向く仕事とシェアオフィスには十年先も需要が残るが、売上の大きな部分を占めるコールセンターとIT人材サービスには、AIエージェントによる構造的な数量減少を見込む必要がある。
2026年10月期第3四半期累計では営業利益が黒字に戻った。しかし、売上総利益そのものは前年同期より減っており、改善の主因は販管費の削減である。2025年10月期の純利益にも日本直販の売却による一過性の寄与があるため、直近の黒字をそのまま持続的な稼ぐ力とはみなせない。
同社の強みは、各地に人員を手配してIT機器を実際に設置・点検できることと、THE HUBの既存拠点・会員基盤にある。2026年7月末のシェアオフィス稼働率は91.2%に達した。他方で、競争相手が追随できない値上げ実績、長期契約による高い継続率、独占的な顧客データについて、強い堀を認定するだけの数字は確認できない。
10年後の中立では、売上高約244億円、営業利益約5.5億円、親会社株主利益約3.0億円を見込む。5つの筋書きの確率加重価値を資本コスト8.25%で現在価値に戻し、新株予約権による希薄化も反映すると、適正な時価総額は約29.9億円となる。基準時価総額約40.4億円を約26%下回る。事業が消えるという判断ではない。十年先まで持つ株主に必要な安全域が、現時点の価格には十分ないという判断である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、買うべきなのは多くの売上を持つ会社ではなく、稼いだ現金を高い利回りで再投資できる会社である。ギグワークスには、全国の訪問作業を完了させる仕組みと、既に利用者が集まったオフィスという実物の価値がある。これらは十年で突然なくなるとは考えにくい。しかし、企業全体として高い値上げを通し、追加した資本が安定して利益を生むことを証明できているかと問えば、現時点の答えは慎重にならざるを得ない。
最も警戒したいのは、人間が何時間働いたかを収入の単位にしている点である。コールセンターが顧客の手続きを自律的に済ませ、システム開発で人の作業時間が短くなれば、顧客の満足度が上がっても同社の売上が増えるとは限らない。AIを仕事に導入することと、AI導入によって自社のオーナー利益を増やすことは同じではない。より少ない人数で同じ成果を納品し、その生産性向上分を価格に反映できる企業へ変わったかが問われる。
資本配分にも高い確信を持てない。通販事業の取得と売却、Web3関連の先行投資、暗号資産の評価損、イベント事業への進出を経て、事業の形は変わり続けている。探索そのものは否定しないが、投下した資本が株主のために何を生んだかを、個別事業の現金利益で示してほしい。これまでの実績だけで、買収による成長を将来の当然の成果として上乗せすることはできない。
一方、現在の価格が企業の成功を極端に織り込んでいるとも限らない。もしTHE HUBの高い稼働率が強い自由現金収支に変わり、現場サービスの契約が広がり、AIを用いた成果報酬型の新事業で売上と利益が実証されれば、価値は大きく変わる。ただし、可能性と証拠は分けるべきである。今の情報だけでは、資本コストを十分に上回る収益が十年以上続く確信を持てず、安全域を厚めに求める。
何で稼ぐ会社か
収益の中心はオンデマンドエコノミー事業である。フィールドサポートでは、企業のパソコンや通信機器の設定、キッティング、設置、交換、点検などを請け負う。顧客は全国に作業員を手配する手間を省ける。実際に現地で作業する工程はソフトウェアだけでは完結せず、同社が将来も担える部分である。一方、受付、作業報告、日程調整、営業事務はAIが代替しうる。
同じ事業に含まれるコンタクトセンターは、顧客からの問い合わせや企業の受発注支援を請け負う。従来はオペレーターの人数と稼働時間が収入を決めてきた。ところが、顧客がAIエージェントに一次応答や本人確認、手続き処理を任せれば、委託先に必要な席数そのものが減る。品質管理や難しい苦情対応は残るが、従来の人員配置を維持する理由にはならない。
システムソリューション事業は、技術者を顧客の開発現場へ送り込むSESと、システムの受託開発・製品開発からなる。2026年の増収にはパートナー企業との協業拡大が寄与した。複雑な既存システムの理解や責任を伴う導入業務は残るものの、実装、テスト、保守の工数販売はAIによって価格と数量の両方が圧迫される。
シェアリングエコノミー事業では、nexがTHE HUBを展開する。レンタルオフィスとコワーキングスペースのほか、ビル管理、内装工事、関連サービスを扱う。2026年7月末には81拠点、レンタルオフィス会員5,257、コワーキング会員22,975を有した。利用者が実際に働く場所を必要とする限り、AIが直接この需要を消すことはない。ただし競争と賃料負担は残る。
Web3サービス事業にはSNPIT関連の暗号資産・ブロックチェーン事業とAI人材育成・研修が含まれる。近年はトークン事業の費用を縮小し、AI研修案件によって収入を補っている。しかし、研修も人の時間と講座の販売であり、自律的に稼働するAIエージェントを継続課金で販売している証拠とは区別する必要がある。ライブ・イベント関連ではGreen Lightや2025年12月に子会社化したspacetimesが関わり、売上機会と同時に企画案件の当たり外れも持ち込む。
優良さと弱いところ
同社の競争上の強みは、単一の高度なソフトウェアではなく、全国の現場業務を手配し、顧客の作業を最後まで完了させる運用体制である。IT機器の交換や通信設備の施工には、時間、場所、安全管理、現物確認という制約がある。登録ワーカーの手配網、顧客との実務上の関係、作業品質の管理は、新規参入企業がすぐに同じ水準へ到達しにくい部分だ。ただし、作業員の多さがそのまま高い価格決定力を意味するわけではない。
THE HUBにも部分的な堀がある。既存会員は住所の変更、郵便物の受け取り、会議室の利用、対外的な住所表示を切り替える手間がある。2026年7月末の稼働率91.2%は立地や運営力が一定の支持を得ている証拠であり、会員数も増えている。ただし、同時期の拠点数は前年の水準から減った。拠点を増やさず稼働率を高めることと、将来の高利回り再投資先が豊富にあることは別の話である。
利益の歴史は弱点を鮮明にする。2020年10月期には営業利益約10億円、営業利益率5.1%を稼いだが、2024年には営業赤字へ転じた。2026年の第3四半期累計では売上総利益が約37.0億円から約35.0億円へ減った一方、販管費が約38.9億円から約31.3億円へ減ったことで黒字化している。費用削減の成果は評価するが、商品やサービスの単価が上がり、顧客がそれを受け入れた証拠とはいえない。
長期の資本効率を測るときも、最良期のROEだけでは足りない。過去10年のROE中央値は約9.3%だが、赤字や事業売却が混在し、増分投資の利回りが継続的に資本コストを上回ると確認できない。2026年7月末にはのれんとその他無形固定資産の合計が約8.4億円あり、買収した事業が十分な利益を出さなければ減損によって自己資本が減る。堀は普通程度、値決め力はやや弱いと評価する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
コールセンターBPOは、人手不足とAI代替という反対方向の力に挟まれている。矢野経済研究所による2024年度の国内コールセンターサービス市場は1兆517億円で、前年度比3.5%減だった。一方、コンタクトセンター向けのシステム・ソリューション市場は4,190億円へ伸びた。これは同じ需要が、オペレーター人数への支払いから自動化への支払いへ移る可能性を示す。ギグワークスのコールセンター売上を直近9か月から年率換算すると約71億円で、前者の市場に対して約0.68%に相当する。
競争相手はトランスコスモス、ベルシステム24、アルティウスリンク、TMJ、ビーウィズなどである。参考としてベルシステム24のCRM事業売上は約1,456億円、トランスコスモスの連結売上は約3,939億円である。ただし、後者にはコールセンター以外の事業も多く含まれるため、市場シェアの直接比較には使えない。公表資料から同じ業務範囲で算定できる大手各社の厳密なシェアは確認できず、推測で順位を作らない。ギグワークスは規模で大手に劣り、独自の規制対応データベースや顧客の記録の正本を握る立場にもない。
IT人材市場は需要の名目拡大が続く。国内ITサービス市場は2024年に約7.0兆円という調査があり、同社のSES・受託開発売上約54億円は、その広い市場の約0.08%に相当する。富士通、NTTデータ、日立、NEC、アクセンチュアなどの大手と比べれば小規模であり、特定領域での高いシェアを裏づける数字はない。AIによって開発すべきシステムが増えても、必要な人月が同じ割合で増えるとは考えにくい。市場の名目成長と、同社が販売できる技術者月数の成長を分けて見る。
IT機器の設置や現場支援では、労働力不足が外注需要を支える。日本人材派遣協会がまとめた広義の派遣市場は約9.9兆円だが、これは機器設置に特化した市場ではない。ギグワークスのフィールド売上約48億円は、この広い市場に対して約0.05%であり、正確な専門領域シェアの代用にはできない。現場型業務は実際の訪問回数と手配能力で成長する一方、事務部分は自動化が進む。
シェアオフィスではRegus、WeWork、Servcorp、地域の小規模運営会社などが競合する。ザイマックス総研の2026年調査では首都圏に2,347拠点、関西圏に409拠点のフレキシブルオフィスが確認された。THE HUBの81拠点をこれらの合計と単純比較すれば数%規模だが、地域と対象サービスが完全には一致せず、正確な市場シェアではない。10年先には小規模な個人事業主の需要が残ると見るものの、新設拠点への投資利回りは賃料、内装費、稼働率によって大きく変わる。
資本政策と M&A
資本配分では、2020年までに収益力を高めながら、その後の事業の組み替えで安定性を失った経緯を重く見る。日本直販を取り込み通販・デジタルマーケティングへ広げたが、同事業の株式は2025年4月に売却された。Web3とSNPITへの投資は大きな先行費用を伴い、2026年10月期第3四半期累計にも暗号資産評価損約2.13億円が発生している。現在の営業黒字を株主利益に変えるうえで、このような営業外の資本損失を繰り返さないことが欠かせない。
2025年12月には芸能・イベント関連のspacetimesを子会社化した。既存のワーカー手配事業との相乗効果はありうるが、継続利益と買収価格の妥当性は今後の数字で確かめる必要がある。2026年7月末の自己資本は約26.3億円で、現金・預金は約18.2億円まで減少した。有利子負債を差し引けば、2025年末に見えた純現金はほぼ解消している。余剰資金が潤沢で大型投資や還元を自由に実施できる企業としては扱わない。
確認できた決算説明資料では、2026年10月期の会社計画は売上230億円、営業利益4億円、純利益0.5億円である。一方、複数年度の売上・利益・ROEを確約する中期経営計画、およびDOE、配当性向、総還元性向、自社株買い金額については、独立した数値の約束を確認できなかった。つまり中期経営計画としての数字の約束なしであり、単年度予想と混同しない。
配当は2021年10月期の総額約1.6億円から2025年10月期の約0.4億円へ縮んだ。2026年9月には株主優待が拡充され、一定の株数を保有する株主に年間3,000円相当の商品・ギフトを贈る制度が示された。対象株主数の開示がないため、試算では年約0.1億円、10年間で約1億円を株主への還元として含める。2026年9月末の新株予約権は10月2日の訂正開示を反映すると126,600株で、完全行使時の既存株主の取り分を約0.64%薄める。還元が続くとしても、利益が細れば配当や自社株買いも細る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
現場サービスとシェアオフィスを正しく評価すれば、同社を単なる人材派遣会社とみなすのは誤りである。パソコンの設置や通信設備の交換は、AIがどれほど賢くなっても誰かが現地へ出向く必要がある。メーカーや通信事業者が全国の作業員を自前で管理するより、専門の手配事業者に任せる方が合理的な場合は多い。今後は企業のIT機器更新、店舗機器の保守、セキュリティ設備の交換などから継続的な現場需要を取り込める。
THE HUBの稼働率も評価に値する。81拠点を運営し、レンタルオフィス会員とコワーキング会員を合わせて2万8,000人以上を抱える。低い稼働率の拠点を整理し、会員数を増やしながら既存施設の収益性を高められれば、設備投資に対する利益率が上がる。オフィス利用者は住所と場所を日常業務に組み込むため、一定の乗り換え負担もある。
2026年の営業黒字化は費用削減によるものだとしても、赤字体質の事業を立て直したことは事実である。コールセンターやSESでも、AIを使って従業員一人当たりの処理能力を高めながら顧客との関係を維持できるなら、業務量の減少を利益率の改善で吸収できる。さらに、イベント事業とワーカー派遣との相乗効果が現れれば、新たな収益源にもなる。最も良い筋書きでは、物理的な現場事業とオフィスを核に再成長し、2036年には現在より大幅に強い利益体質を築ける。
慎重な見方
最大の問題は、2026年の黒字回復を競争力の改善と同一視できないことである。売上総利益は前年同期より減り、営業黒字への転換は販管費削減に大きく依存した。これは必要な改革だが、持続的な値上げ力の証拠ではない。過去にも2020年には10億円を稼いだ後、2024年には営業赤字となっている。需要と競争環境が変われば、比較的短期間で利益が消える構造は残る。
コールセンターとシステム開発は、AIによる変化の中心にいる。AIエージェントが顧客の問い合わせ、入力、照会、申込み、一般的なプログラミングを自律的に処理するなら、顧客が購入するオペレーター月数と技術者月数は減る。市場全体のIT投資額が増えても、同社の工数単価と販売数量が維持される保証はない。大手BPO企業は独自システムと広い顧客基盤を使って自動化投資を進めることができるが、ギグワークスが同じ競争を有利に戦える実績はまだ乏しい。
資本の使い方にも不安がある。SNPIT関連の費用と暗号資産評価損、日本直販の売却、イベント企業の買収が続き、どの事業で超過利益を長く稼ぐのかが見えにくい。2026年7月末には現金が減り、のれんやその他無形資産が増えた。シェアオフィスも稼働率は高いが、借りた物件の家賃は利用者が減っても支払わねばならない。AIで労務収入が縮み、オフィスの解約が重なれば、現在の自己資本を将来の清算価値としてそのまま守ることさえ難しくなる。
どちらに重みを置いたか
現場に人が必要な業務とTHE HUBの既存拠点には、確かに残存価値がある。ただし、全社の売上規模に対して、長期的な価格決定力を確認できる事業は小さい。AIによる数量減少は中立の売上にも既に織り込んだため、確率で二重に差し引かない。そのうえで、近年の赤字、Web3への資本投入、暗号資産評価損、現金の減少、買収後ののれんを企業固有の不確実性として重く見る。上側22%に対して下側48%へ確率を寄せた結果、本質価値は時価総額を約26%下回る。現状はやや割高と判断する。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/10 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 281 円56 億円(+ 還元の換算額還元の合計 34 円7 億円)。 今の値に割り戻すと 150 円30 億円、今との差 −20.1%、 期待の年率 +5.7%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 1,145 円228 億円 | 120 円24 億円 | +573.0% | +22.9% | 89 円18 億円 |
| やや楽観 | 15% | 641 円128 億円 | 75 円15 億円 | +280.9% | +15.5% | 107 円21 億円 |
| 中立 | 30% | 193 円38 億円 | 35 円7 億円 | +21.4% | +2.1% | 68 円14 億円 |
| やや悲観 | 29% | 105 円21 億円 | 10 円2 億円 | −38.6% | −4.9% | 33 円7 億円 |
| 悲観 | 19% | 86 円17 億円 | 5 円1 億円 | −51.6% | −7.2% | 17 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 281 円56 億円 | 34 円7 億円 | +67.6% | +5.7% | 315 円63 億円 |
今の株価時価総額 188 円37 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 現場とオフィスを核に再成長する 利益 18 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,145 円228 億円
IT機器の更新と現場での保守需要が堅調に伸び、全国に作業員を配置する能力が顧客に選ばれる。通信事業者、機器メーカー、店舗チェーンから継続的な仕事を得て、フィールド事業の稼働日数は大きく増える。THE HUBでは既存拠点の高い稼働率を維持しながら、投資採算を確認したうえで新拠点を開設する。レンタルオフィスの会員月数とコワーキングの利用者数が増え、賃料上昇も一定程度転嫁できる。
コールセンターとSESの販売人月はAIによって減る。それでも難しい業務の管理、システム導入責任、成果に対する料金への移行が進み、採算性が改善する。営業費用の管理も続き、2026年の再建が一時的な費用削減で終わらない。spacetimesとGreen Lightの企画事業が既存ワーカーの稼働を高め、買収後の減損も生じない。
十年後には現場とオフィスが全社利益の中心となり、Web3関連の投機的な費用は十分に抑えられる。経営陣が再投資を選別し、配当と自社株買いに回せる現金を生む企業へ変わる。高い利益成長の後も、独占的な事業にはならないという制約は残るが、現在の事業構成から考えられる最も成功した姿である。
- フィールドサポート・現場マーケティング:数量 292,678(年間の作業員稼働日数(日、推定))× 価格 0.00(作業員1稼働日当たり売上(億円、名目))→ 売上 98 億円・営業利益 11 億円。現場案件シェアの拡大で稼働日数1.45倍、物価転嫁を含む単価1.40倍。
- コンタクトセンターBPO:数量 12,855(年間のオペレーター稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目))→ 売上 82 億円・営業利益 9 億円。AIで人月0.90倍、難しい業務と成果重視の契約で単価1.28倍。
- IT技術者派遣・SES:数量 4,168(年間のエンジニア稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たり売上(億円、名目))→ 売上 48 億円・営業利益 9 億円。技術者人月0.88倍、専門性の高い案件が残る。
- システム受託開発・製品開発:数量 111(年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定))× 価格 0.13(平均的な案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 14 億円・営業利益 3 億円。受託案件換算0.95倍、開発の効率化が利益率を改善。
- THE HUB・レンタルオフィス:数量 100,934(年間のレンタルオフィス会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 88 億円・営業利益 15 億円。拠点拡張と高稼働で会員月1.60倍、単価1.45倍。
- THE HUB・コワーキング会員:数量 551,400(年間のコワーキング会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 24 億円・営業利益 5 億円。広域拠点利用と法人会員の増加で会員月2.00倍。
- ビル管理・内装工事・付帯サービス:数量 1,301(年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(標準案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。オフィス運営と施工案件の拡大で数量1.35倍。
- Web3・AI研修・関連サービス:数量 93.9(年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定))× 価格 0.03(標準契約1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。人手型研修は数量0.95倍。投機費用を抑えて小幅な黒字。
倍率:AIエージェント代替を織り込んだ全社の長期名目成長率gは0%、資本コストkは8.25%である。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)はg=0のため12.121倍となる。楽観でもこの利益の持続力から求めた上限を恣意的に増減させない。10年後に別枠で蓄積した余剰現金12億円について、税後利息年1.4%を純利益から除き、株主へ戻る割合0.75を掛けて加算する。
確率:全国でのIT機器設置・保守のシェア拡大と、THE HUBの新拠点投資成功、営業費用の管理、買収事業の利益化が同時に進む必要がある。収益改善の余地は大きいが、実証済みの強い堀は限定的なため確率は7%にとどめる。人月型の数量は楽観でも1.0倍以下とし、未確認のAIエージェント売上を成長要因にしない。
やや楽観 15% 費用削減が定着し、現場とオフィスが伸びる 利益 10 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 641 円128 億円
フィールドサービスでは、通信設備や法人向けIT機器の更新が続き、全国での作業手配に対する需要が増える。既存顧客への営業が進み、現場で働く作業員の稼働日数は増える。受託単価も人件費上昇のおおむね同じ方向に改定されるため、利益率は現在より高い水準で安定する。
THE HUBでは稼働率の高い拠点が収益を生む。既存オフィスの運営改善に加え、厳選した場所で新規出店する。レンタルオフィスとコワーキングの会員が増え、既存施設の収入が賃料や内装費の増加を上回る。利用者基盤が広がっても、競合を締め出すほどの独占力までは獲得しない。
コールセンターとSESではAIが日常作業の一部を処理し、人員月数は減る。ただし専門性が必要な顧客への対応と顧客の導入支援が残り、単価はある程度上がる。Web3は追加の大型投資を抑え、買収したイベント会社の仕事は現場手配や運営業務へつながる。経営が拡大の規律を守った結果、連結利益は安定し、株主還元も現在より厚くなる。
- フィールドサポート・現場マーケティング:数量 252,309(年間の作業員稼働日数(日、推定))× 価格 0.00(作業員1稼働日当たり売上(億円、名目))→ 売上 82 億円・営業利益 8 億円。現場の数量1.25倍、単価1.36倍。
- コンタクトセンターBPO:数量 11,141(年間のオペレーター稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目))→ 売上 69 億円・営業利益 6 億円。AI代替で人月0.78倍、単価1.24倍。
- IT技術者派遣・SES:数量 3,599(年間のエンジニア稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たり売上(億円、名目))→ 売上 40 億円・営業利益 7 億円。技術者人月0.76倍、単価1.24倍。
- システム受託開発・製品開発:数量 95.5(年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定))× 価格 0.12(平均的な案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。受託案件換算0.82倍、単価1.23倍。
- THE HUB・レンタルオフィス:数量 80,748(年間のレンタルオフィス会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 66 億円・営業利益 10 億円。会員月1.28倍、単価1.37倍。
- THE HUB・コワーキング会員:数量 413,550(年間のコワーキング会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 3 億円。会員月1.50倍、単価1.28倍。
- ビル管理・内装工事・付帯サービス:数量 1,079(年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(標準案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。管理・施工案件1.12倍、単価1.32倍。
- Web3・AI研修・関連サービス:数量 79.1(年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定))× 価格 0.03(標準契約1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。研修の数量0.80倍、単価1.14倍。新規の大型トークン投資なし。
倍率:長期成長率g=0%、k=8.25%から正当化PER12.121倍。十年後に保有する余剰現金6億円から税後受取利息0.084億円を控除して事業純利益を評価し、現金の75%に当たる4.5億円を加える。
確率:2026年に確認できた営業再建とTHE HUBの高稼働を起点とした改善であり、全面的な競争優位獲得よりは現実味がある。ただしAIによる人月の減少と投資採算の不確実性は残るため15%とする。
中立 30% 人月収入が細るが、現場とオフィスで補う 利益 3 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 193 円38 億円
十年後も、企業は機器を設置し、壊れた端末を交換し、通信設備を点検する必要がある。ギグワークスは全国の作業手配という役割を維持し、フィールドサービスの実質稼働日数は小幅に増える。顧客は物価と賃金の上昇に応じた料金改定の大部分を受け入れるが、特別に高い利益率は生まれない。
コールセンターではAIエージェントが一次応答と反復手続きの多くを処理し、外注先に必要なオペレーター人月は十年で約3分の2となる。システム開発でもプログラミングやテストの自動化が進み、SESの販売人月は約6割へ縮む。顧客のシステムを理解し、責任を持って導入・運用する仕事は残るが、料金には競争圧力がかかる。これらの売上減を、物価上昇だけで埋め合わせることはできない。
THE HUBは高い稼働率を保ち、拠点を慎重に更新する。レンタルオフィス会員はおおむね横ばい、コワーキング会員は増える。賃料と維持費も上がるため、営業利益率は突出しない。Web3は小規模な研修・開発へ縮み、暗号資産の大きな追加損失は発生しないものとする。全社売上は名目では現在並みを維持するが、物価を除けば事業規模は細る。親会社株主利益は約3億円となり、企業は存続するものの、再び高い成長企業になるわけではない。
- フィールドサポート・現場マーケティング:数量 217,995(年間の作業員稼働日数(日、推定))× 価格 0.00(作業員1稼働日当たり売上(億円、名目))→ 売上 70 億円・営業利益 6 億円。実質作業量1.08倍、名目単価1.34倍。現場の物理業務は継続。
- コンタクトセンターBPO:数量 9,427(年間のオペレーター稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目))→ 売上 57 億円・営業利益 4 億円。AIエージェント代替で人月0.66倍、名目単価1.20倍。
- IT技術者派遣・SES:数量 2,936(年間のエンジニア稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たり売上(億円、名目))→ 売上 32 億円・営業利益 5 億円。開発工数の自動化で技術者人月0.62倍、単価1.20倍。
- システム受託開発・製品開発:数量 83.9(年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定))× 価格 0.11(平均的な案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。受託案件換算0.72倍、単価1.12倍。
- THE HUB・レンタルオフィス:数量 64,346(年間のレンタルオフィス会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 52 億円・営業利益 6 億円。会員月1.02倍、単価1.34倍。既存施設の稼働を維持。
- THE HUB・コワーキング会員:数量 344,625(年間のコワーキング会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。会員月1.25倍、単価1.17倍。低価格プランの競争は続く。
- ビル管理・内装工事・付帯サービス:数量 916(年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(標準案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。管理・工事の数量0.95倍、単価1.27倍。
- Web3・AI研修・関連サービス:数量 64.3(年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定))× 価格 0.03(標準契約1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。人手型研修・契約数量0.65倍、単価1.08倍。
倍率:中立のROEは3.0÷38.0で約7.9%となり、資本コスト8.25%をわずかに下回る。新規投資による超過成長を値付けせず、AI代替を踏まえたg_long=0%とk=8.25%から正当化PER12.121倍を使う。余剰現金4億円の税後利息0.056億円を純利益から除き、4億円の75%を加算する。PERを現在の市場評価から選んでいない。
確率:国内IT機器の現場作業とシェアオフィスの需要が残る一方、労務を販売する業務はAI代替により収縮する中心的な筋書き。会社の利益回復実績はあるが値決め力の証拠は限定的であるため、最も高い単独確率30%を与える。下に寄せる理由はAIだけでなく、赤字の再発、暗号資産損失、M&Aの利回りが未検証という会社固有の履歴にもある。
やや悲観 29% AIによる人月減少と賃料負担が重なる 利益 −2 億円 · PBR 0.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 105 円21 億円
顧客がAIエージェントの利用を本格化し、コールセンターで外注する人員を大幅に減らす。大手委託先は自社のシステム、顧客接点、運用データをまとめた低価格の自動化サービスを売り始めるが、ギグワークスは請負人月の減少を十分に埋められない。SESと受託開発でも工数の短縮に対して価格競争が起き、従来の売上規模を保つことが難しくなる。
フィールドサービスには現物作業の需要が残るものの、顧客による発注集約と競争入札が進み、作業日数は減る。THE HUBでは一部拠点の賃貸借条件が悪化し、稼働率が下がる。法人会員は維持できても、低価格プランへ移る利用者が増え、賃料や管理費の上昇を吸収できない。内装更新に必要な資金は増え、撤退には原状回復費がかかる。
経営陣は不採算事業を縮小し、共通費を削るが、売上の落ち込みを補いきれない。Web3とイベント関連にも大きな成長は生まれず、営業赤字へ戻る。すぐに事業が消滅するほどの破綻ではない一方、追加投資の利回りは資本コストを下回り、株主還元も最小限となる。
- フィールドサポート・現場マーケティング:数量 181,662(年間の作業員稼働日数(日、推定))× 価格 0.00(作業員1稼働日当たり売上(億円、名目))→ 売上 52 億円・営業利益 4 億円。実質稼働0.90倍、単価1.20倍。
- コンタクトセンターBPO:数量 7,856(年間のオペレーター稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目))→ 売上 43 億円・営業利益 2 億円。人月0.55倍、単価1.10倍。
- IT技術者派遣・SES:数量 2,605(年間のエンジニア稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たり売上(億円、名目))→ 売上 26 億円・営業利益 3 億円。人月0.55倍、単価1.10倍。
- システム受託開発・製品開発:数量 69.9(年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定))× 価格 0.11(平均的な案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。受託案件換算0.60倍、単価1.05倍。
- THE HUB・レンタルオフィス:数量 56,776(年間のレンタルオフィス会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 41 億円・営業利益 3 億円。会員月0.90倍、単価1.20倍。固定賃料が利益を圧迫。
- THE HUB・コワーキング会員:数量 289,485(年間のコワーキング会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。会員月1.05倍でも、低単価の利用が増える。
- ビル管理・内装工事・付帯サービス:数量 771(年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(標準案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。案件数0.80倍、単価1.10倍。
- Web3・AI研修・関連サービス:数量 39.5(年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定))× 価格 0.03(標準契約1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.40倍、単価据え置きで縮小。
倍率:持続的な営業赤字となるため、黒字企業の永続PERを適用しない。将来の自己資本を倍率の分母に使わず、2025年10月期の自己資本27.1億円に対して、資産回収と不採算事業の再編を反映したPBR約0.779倍を適用する。これは現在の市場PBRの過去の底を参照したものではなく、保守的な売却可能資産約17.2億円を上回る事業再建価値約21.1億円という判断である。
確率:赤字体質に戻る場合でも、全国現場業務と既存オフィスは残るという筋書き。2023~2024年の利益悪化、2026年の粗利益減少、資本配分の実績を踏まえて29%とする。AI代替の影響は販売人月と単価に既に入っており、確率を下げ側へ寄せる追加理由は競争力と経営実行の不確実性である。
悲観 19% 工数販売の競争力を失い、不採算事業を処分する 利益 −9 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 86 円17 億円
顧客が自律型AIを導入し、人間のオペレーターや技術者を外注する契約を大幅に縮小する。一次問い合わせや通常の開発作業は、大手BPO企業やソフトウェア企業のAIサービスへ移る。ギグワークスは自社が持つ現場手配能力を使って仕事を確保しようとするが、大口顧客との価格競争が激しくなる。コールセンターの人月は現在の4割弱、IT技術者の稼働人月も同程度まで減る。
現場サービスでも大口顧客が業者数を絞り込み、採算の低い仕事だけが残る。THE HUBは解約と拠点整理を迫られ、固定賃料、内装の更新費、原状回復費が重くのしかかる。レンタルオフィス会員が減り、コワーキングも会員数と料金の両方が伸び悩む。Web3の契約はほぼ消え、過去の投資によって取得したのれんやソフトウェアの価値が損なわれる。
事業売却と拠点閉鎖によって損失を止める努力は続く。しかし2036年の時点では営業損失が大きく、現在の事業を優良な継続企業として評価する根拠は失われる。時価総額は、継続利益ではなく回収可能な資産を整理した価値が中心となる。資産が予定どおり換金できない場合はさらに下振れるが、本筋書きでは現在確認できる実体資産の保守的な目安を床とする。
- フィールドサポート・現場マーケティング:数量 131,201(年間の作業員稼働日数(日、推定))× 価格 0.00(作業員1稼働日当たり売上(億円、名目))→ 売上 35 億円・営業利益 1 億円。稼働日数0.65倍、単価1.10倍。価格競争で低採算。
- コンタクトセンターBPO:数量 5,428(年間のオペレーター稼働人月(人月、推定))× 価格 0.00(オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目))→ 売上 26 億円・営業利益 −1 億円。AIにより人月0.38倍、実質値下げで単価0.95倍。
- IT技術者派遣・SES:数量 1,800(年間のエンジニア稼働人月(人月、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たり売上(億円、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。技術者人月0.38倍、単価0.95倍。
- システム受託開発・製品開発:数量 46.6(年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定))× 価格 0.09(平均的な案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。受託案件換算0.40倍、単価0.90倍。
- THE HUB・レンタルオフィス:数量 44,159(年間のレンタルオフィス会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円。会員月0.70倍、単価1.10倍。
- THE HUB・コワーキング会員:数量 220,560(年間のコワーキング会員月数(会員月))× 価格 0.00(会員1か月当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。会員月0.80倍、単価1.05倍。
- ビル管理・内装工事・付帯サービス:数量 578(年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定))× 価格 0.01(標準案件1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。管理・施工案件0.60倍、単価据え置き。
- Web3・AI研修・関連サービス:数量 9.9(年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定))× 価格 0.02(標準契約1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。契約数量0.10倍、単価0.80倍。
倍率:2036年の大幅赤字には利益倍率を付けない。2025年10月期の自己資本27.1億円を基準とし、PBR0.635倍相当の時価総額約17.2億円とする。これは現在の自己資本の全額を床とするものではない。2026年7月末の自己資本26.26億円から、のれん2.46億円、その他無形固定資産5.91億円、繰延資産0.68億円を除いた実体資産相当額に基づく。破綻や強制的な資産売却が起これば、この床自体を見直す必要がある。
確率:コールセンターとIT人月の事業構造が大きく崩れ、現場とオフィスも競争に負ける複合的な構造敗北。現時点でGC注記はなく、完全な倒産を既定にはしない。ただし過去の赤字、トークン損失、買収による無形資産の増加を踏まえ、単なる極端な外れ値ではない19%の確率を与える。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
フィールドサポート・現場マーケティング
IT機器の設定、キッティング、設置、保守、点検、現場での販促支援。現物に触れる部分はAIで直接代替できないが、受付・手配・報告などの事務部分は代替される。
| 数量年間の作業員稼働日数(日、推定) | 価格作業員1稼働日当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 201,847 | 0.00 | 48 | 4 |
| 10 年後 中立 | 217,995 | 0.00 | 70 | 6 |
取り方:2026年10月期第3四半期の外部売上36.33256億円を12か月換算し48.4434億円とした。実際の作業日数と日当単価は開示されないため、現場技術者の外注・派遣単価の分析上の仮定を1日2.4万円として約20.18万日へ換算したもので、実績作業日数ではない。営業利益はオンデマンド事業の年率換算セグメント利益約8.82億円を、現場作業4.20億円とコールセンター4.62億円に仮配賦した。AI代替の型は現場の体が中心で、事務・マーケティング部分だけ人月型とする。市場の広い上限として日本人材派遣協会の2024年度派遣市場約9.9兆円を参照するが、厳密な同一市場ではない。
コンタクトセンターBPO
受電、問い合わせ対応、事務処理、顧客支援を人員と稼働時間に基づいて受託する業務。AIエージェント代替の人月・工数型。
| 数量年間のオペレーター稼働人月(人月、推定) | 価格オペレーター1人月当たり受託売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 14,283 | 0.01 | 71 | 5 |
| 10 年後 中立 | 9,427 | 0.01 | 57 | 4 |
取り方:2026年10月期第3四半期の外部売上53.56080億円を12か月換算し71.4144億円とした。人月単価50万円は賃金・管理費・システム使用料を含む受託契約の分析上の仮定であり、会社が開示した平均請求単価ではない。これにより年間約14,283人月相当と推計した。国内コールセンターサービス市場1兆517億円に対する売上規模は約0.68%。AIエージェント代替の人月型として、中立の数量を10年で0.66倍、名目単価を1.20倍とする。
IT技術者派遣・SES
ITエンジニアを顧客企業の開発・運用現場へ派遣し、技術者の稼働月数によって収入を得る。AIエージェント代替の人月型。
| 数量年間のエンジニア稼働人月(人月、推定) | 価格技術者1人月当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 4,736 | 0.01 | 43 | 5 |
| 10 年後 中立 | 2,936 | 0.01 | 32 | 5 |
取り方:2026年10月期第3四半期のSES関連外部売上31.96846億円を12か月換算し42.6246億円とした。顧客向けの平均月額90万円を分析上の仮定として年間約4,736人月へ換算した。会社は実際の稼働技術者数と平均請求単価を開示していない。システムソリューション事業の年率換算セグメント利益約7.37億円のうち5.20億円を配賦した。中立の販売人月0.62倍、単価1.20倍はAIエージェント代替ルールの範囲内とする。
システム受託開発・製品開発
顧客システムの受託開発、製品開発、保守をプロジェクト単位で提供する。要件整理や導入責任は残るが、開発工数の販売はAIの影響を受ける。
| 数量年間の平均的な受託案件換算件数(件、推定) | 価格平均的な案件1件当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 117 | 0.10 | 12 | 2 |
| 10 年後 中立 | 83.9 | 0.11 | 9 | 1 |
取り方:2026年10月期第3四半期の受託・製品開発等の外部売上8.73809億円を12か月換算し約11.65億円とした。案件の大きさがばらつくため、1件1,000万円の標準案件へ換算した件数を用いる。これは実際の受注件数ではない。SESと合わせたシステム事業の利益が年率約7.37億円となるよう、営業利益約2.17億円を配賦した。中立の案件換算数量0.72倍、単価1.12倍とし、AIによる工数圧縮と価格競争を見込む。
THE HUB・レンタルオフィス
個室や事業用住所、関連する設備・サービスを月額契約で提供する。実空間と立地が価値の中心であり、業務ソフトの席課金とは区別する。
| 数量年間のレンタルオフィス会員月数(会員月) | 価格会員1か月当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 63,084 | 0.00 | 38 | 3 |
| 10 年後 中立 | 64,346 | 0.00 | 52 | 6 |
取り方:2026年7月末の会社開示によるRO会員5,257人を12倍し、会員月数63,084とした。月額平均6万円は公開料金帯とシェアオフィス関連収入から推計したモデル上の平均であり、会社開示のARPUではない。シェアオフィス外部売上と内訳の整合性を見るため、賃料等を含む約37.85億円を仮配分した。現場の物理的空間なのでAIの人月・席課金ソフト代替規則は直接適用せず、賃料上昇、稼働率、拠点数で数量と価格を判断する。
THE HUB・コワーキング会員
共用の作業席、会議室、拠点利用サービスを提供する。契約会員数は増加しているが、安価なプランの構成次第で会員当たり収入は変動する。
| 数量年間のコワーキング会員月数(会員月) | 価格会員1か月当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 275,700 | 0.00 | 9 | 1 |
| 10 年後 中立 | 344,625 | 0.00 | 13 | 2 |
取り方:2026年7月末のCS会員22,975人を12倍し、年間275,700会員月とした。レンタルオフィス収入を控除した残りを月額約3,213円の分析上の単価として配分した。THE HUBの料金には複数の利用範囲や料金帯があり、開示ARPUではない。RO、CSとビル管理の営業利益合計がシェアリング事業の年率約3.89億円になるよう、ここには約0.60億円を配分した。中立の数量1.25倍は拠点間利用の拡大、価格1.17倍は低価格プランの競争を反映する。
ビル管理・内装工事・付帯サービス
ビル管理、オフィスの内装工事、付帯する施工や不動産関連サービス。物理的な管理・工事を伴い、事務以外はAIエージェントに置き換わらない。
| 数量年間の標準的な管理・工事案件換算件数(件、推定) | 価格標準案件1件当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 964 | 0.01 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 916 | 0.01 | 9 | 1 |
取り方:2026年10月期第3四半期のビルマネジメント・付帯工事売上5.78239億円を12か月換算し約7.71億円とした。1件80万円の標準案件に換算した件数であり、実際の工事件数ではない。大型案件の有無で変動するため、将来の件数は伸びすぎないものとする。現場施工・管理の型を適用し、事務手配部分だけAIの効率化を考慮する。
Web3・AI研修・関連サービス
SNPIT関連サービス、ブロックチェーン技術、AI人材育成・研修等。トークン価格の変動を伴い、研修の販売は人月・工数型として扱う。
| 数量年間の標準的な研修・開発契約換算件数(件、推定) | 価格標準契約1件当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/10 | 98.9 | 0.03 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 64.3 | 0.03 | 2 | 0 |
取り方:2026年10月期第3四半期の外部顧客向け収益1.85382億円を12か月換算し約2.47億円とした。報告セグメント全体の売上は内部取引を含むため、連結売上との二重計上を避けて外部売上のみ使用する。1件250万円の標準契約に換算した約99件は推定である。AI研修の売上計上は確認できるが、AIエージェントそのものの有料販売金額は確認できないため、楽観でも販売数量を現状以下にとどめる。営業利益は公表セグメント損失の年率約0.34億円を使用する。
リスクと懸念
AIエージェント代替による工数販売の減少
コールセンターの一次対応、受付、情報照会、受発注事務、一般的なプログラミング、テスト、研修の一部は、顧客企業自身がAIエージェントで処理できるようになる。従来の受託企業に売上を生む人月数が減り、賃金上昇を料金に転嫁できなければ利益率も低下する。顧客の契約や記録の正本を持つ基盤企業とは異なり、同社には代替を妨げる複数の強い堀の証拠がない。中立の人月と価格、2036年以降の名目成長率0%にこの影響を織り込んだ。
資本配分と暗号資産・新事業の損失
通販事業の取得と売却、SNPITへの先行投資、暗号資産評価損、イベント企業の買収という履歴は、経営陣が収益基盤を探し続けてきたことを示す。2026年10月期第3四半期累計では暗号資産評価損約2.13億円が純利益を圧迫した。新事業の売上拡大だけを評価せず、買収価格、追加資金投入、投下資本利益率、事業別の自由現金収支で成功を確認する必要がある。
シェアオフィスの固定賃料と更新費
THE HUBは高稼働だが、多くの施設は借りた不動産を使って運営する。会員数が減っても家賃をすぐに減らせず、撤退時には原状回復費や内装の除却損が生じうる。新リース会計基準によって負債の表示が変わっても、経済的な支払義務は以前から存在している。建物の古い取得原価に基づく償却と違い、将来の内装更新費には物価上昇がかかり、会計利益より現金収支が弱くなる可能性がある。
低い値決め力と大手競合によるシェア喪失
フィールドサービスは現場作業を要するものの、顧客が全国の発注をまとめれば大手請負企業との競争入札になりやすい。コールセンターにはトランスコスモス、ベルシステム24、アルティウスリンクなどが、ITサービスには大手SI企業が存在する。専門分野で高い価格を維持する実績が不足しているため、物価3%に対して名目単価が十分に上がらなければ、賃金と家賃の上昇が利益を侵食する。
現金の減少、のれん、資金調達の余力
2025年10月末の現金・預金約25.1億円は2026年7月末に約18.2億円へ減少した。同時点での有利子負債は約19.8億円に達し、純現金の会社とみなすことはできない。のれん約2.46億円とその他無形固定資産約5.91億円には事業の収益力を前提とした価値が含まれる。再び赤字が続けば、現金の流出と減損が重なり、借り換えや増資が既存株主の取り分を損なう可能性がある。
株主還元と希薄化、少数株主に届く利益
安定した配当性向やDOE、継続的な自社株買い金額の具体的な約束は確認できない。2026年に発行が確定した新株予約権は最大126,600株相当の希薄化要因であり、株主優待も利用実績によって費用が変動する。今後、買収や新規事業の資金需要が続けば、会計上の利益が回復しても株主への現金還元は限られる。評価では将来に積み上がる余剰現金の75%だけを株主価値として認める。
今後の分かれ目
- コールセンターの売上と稼働人月が、AI導入後も増え、かつ契約単価・営業利益率の双方が改善したら
- 単なる作業員派遣から成果を売る契約へ転換できた証拠として、人月数量と価格の中立前提を上方修正する。特にAIエージェントを自社商品として販売した金額が開示されれば、その部分だけ別の成長事業として評価する。
- THE HUBの稼働率が90%前後で持続し、拠点数を増やしながらRO会員とCS会員の双方が増えたら
- シェアオフィスの再投資利回りを見直す。ただし新規拠点の賃料、内装費、更新投資、営業現金収支も確認し、利用者数の増加だけで価値を引き上げない。
- 2026年以降の営業利益増加が販管費削減だけでなく、粗利益率の上昇によって実現したら
- 再建の持続力に対する確信度を上げ、中立とやや楽観の利益率を上方修正する。顧客の値上げ受容や継続率が公表されれば、値決め力と堀の判定も再評価する。
- 暗号資産やWeb3関連で再び大きな評価損・減損が発生したら
- 単年度の利益から一過性として除くだけでは済ませず、資本配分の再現性と将来の株主還元余力を下方修正する。買収や新事業の支出が継続するなら悲観側の確率を増やす。
- 現金がさらに減少し、有利子負債が増える一方で営業キャッシュフローが黒字化しなかったら
- 余剰現金の加算を維持せず、借り換え金利、追加増資、オフィス撤退費用を見直す。回収可能資産が減れば、悲観の床17.2億円も引き下げる。
- spacetimesなどの買収事業が、のれんの償却・減損負担を上回る現金利益を継続的に生んだら
- 経営の再投資判断に一定の信頼を置き直す。ただしイベント案件は年度ごとの変動が大きいため、少なくとも複数年の収益と投下資本に対する利益を確認してから中立を上方修正する。
見ておくもの
- コールセンター・フィールド・SESそれぞれの実際の稼働人数、人月、作業件数、受注単価が開示されるか
- 2026年以降の連結粗利益率、販管費削減後の営業利益率、営業キャッシュフロー
- THE HUBの拠点数、RO会員数、CS会員数、稼働率、拠点当たり売上、物件更新費
- THE HUBの新規出店と閉鎖の件数、および既存店の賃料負担と回収期間
- AI研修の売上と、自律型AIエージェント製品の実際の有料販売額の区別
- 暗号資産の保有残高、評価損益、Web3関連の追加資金投入額
- spacetimesおよびGreen Lightの売上と利益、のれんの残高、減損の有無
- 配当総額、自社株買いの実施、優待の実際の費用、発行済株数と新株予約権の行使状況
- 現金・預金、有利子負債、運転資金、売掛金の回収状況
- 中期経営計画にROE、ROIC、配当性向、DOEなど具体的な資本配分目標が設定されるか
倍率と資本コストの決め方
2025年10月期の基準株価203円、自己株式控除後株数19,890,700株、時価総額約40.38億円は添付のfacts・briefを採用した。事業の起点は最新の2026年10月期第3四半期開示とし、外部顧客売上だけを年率換算して約231億円へ分解した。年間の実際の契約数や平均単価は多くが未開示であるため、開示されたRO・CS会員数以外は業務上の実単位へ換算した分析上の推定値である。推定を会社の実績開示と取り違えない。
数量は稼働人月、作業日、会員月、標準案件数などの実質値とし、3%の物価上昇は原則として名目単価の側だけに入れた。人月型の中立数量はAIエージェント代替規則の範囲内とした。本社・共通費の中立18.5億円は、足元の年率換算約14.8億円から物価上昇による費用増を織り込む一方、2026年に実行された費用削減の一部が残るとみたものだ。オフィスの将来の更新投資には高い建築・内装費を想定し、既存設備の償却額に機械的な物価上昇率を掛けていない。2028年10月期以降の新リース基準による表示変更は、家賃を費用に含む従来の比較可能な形にそろえて解釈する。
利益倍率は現在や過去のPER・PBR、同業企業の市場評価を参照せず、資本コスト8.25%、十年後以降の名目成長率0%、継続可能なオーナー利益から導いた。赤字の筋書きは現在の自己資本と実体資産の回収価値で評価した。2026年7月末の現金減少と負債増加を踏まえ、2025年末の純現金5.3億円を現在の余剰現金として二重計上していない。10年後に明示的に積み上がる余剰現金だけを別枠で加算し、配当・自社株買い・株主優待は期間中の還元として分けた。最後に基準時価総額と比較した結果、加重現在価値約29.9億円、差約マイナス26%となった。結論を株価に合わせて調整していない。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3.0%と株式リスクプレミアム4.5%による基本7.5%に、事業の利益変動と弱めの価格決定力を合わせた0.75%を加える。2026年には営業黒字へ戻っており、継続企業の前提に関する注記もないため、存続危機による特別上乗せはしない。