結論
リソルは、ホテル、ゴルフ場、体験型リゾートを運営する会社だ。筆者の結論は、今の値段は割高というものだ。理由は、利益が訪日客のブームで山に近く、その山の利益に高い倍率が付いていることにある。
稼ぎの柱はホテルだ。全国20施設のうち19施設は借りて運営しており、賃借料は年35億円ほどになる。客が入れば固定費が薄まり、利益は大きく増える。2026年3月期は、ホテルの経常利益が3割増え、全社の営業利益も23%増えた。逆に客が減れば、賃借料が重くのしかかる。
ゴルフ場は18コースで、地味だが堅い。リソルの森は利益が薄い。企業向けの福利厚生は小さいが、安定している。
来期の純利益は、会社の予想で28%減る。今期は一過性の押し上げがあったためだ。それでも営業利益は微増の見込みで、事業そのものは崩れていない。
ただ、10年で見れば、物価並みの伸びでは利益は2倍にならない。中立の筋書きの価値は、今の時価総額の半分強にとどまる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、リソルは「いい時期に買うと儲かるが、高い時に買うと痛い」会社だ。
事業の寿命は長い。ホテルもゴルフ場も、10年後も存在する。ただし、堀は厚くない。他社の建物を借り、値段は市場で決まり、訪日客という外部の波に左右される。オーナーとして持ち続けたい、と言い切れる会社ではない。
資本の使い方は悪くない。借金は管理できる範囲で、優待を厚くして個人株主を大切にしている。ただ、配当性向は低く、利益の大半を再投資に回す。再投資の稼ぎが資本コストを上回るかは、まだ証明されていない。
最も気になるのは、今の利益の質だ。2026年3月期の営業利益率10.9%は、過去の最良の水準で、訪日客のブームが乗っている。山の利益に高い倍率を掛けるのは危うい。
安全域は、今の値段にはない。10年後の中立の利益に妥当な倍率を掛け、還元を足しても、価値は時価総額の半分前後にとどまる。割安と言える材料はない。確信度が下がるのは、ホテルの客室数と稼働が開示されていない点だ。
何で稼ぐ会社か
リソルは、旅とレジャーの「場」を運営する会社だ。連結売上は約304億円。事業は6つあるが、実質は3つの柱でできている。
1つ目はホテル運営で、売上の5割強を占める。「リソルホテルズ」を全国20施設で運営し、ほかに貸別荘「リソルステイ」を約70施設持つ。2026年4月には東京の後楽ガーデンホテルの運営も始めた。多くは土地建物を借りる方式で、オーナーに賃借料を払う。訪日客と国内の出張・観光客を取り込み、最近は客室の値段が上がっている。
2つ目はゴルフ運営で、売上の3割弱。全国18コースを運営する。会員権とプレー代、レストランが収入だ。入間カントリー倶楽部を取得し、通期で効いてきた。
3つ目は千葉県の「リソルの森」。宿泊、スポーツ、犬連れのヴィラ、不動産販売を手がける。規模は小さく、利益率は薄い。
ほかに、企業の福利厚生を代行する事業、太陽光発電、不動産の取得再生がある。福利厚生は、補助金の精算システムと自社施設の優待を組み合わせる。ここは数字が小さいが、グループの施設に客を送り込む役割もある。
経営の特徴は、大株主の存在だ。2024年3月期の有価証券報告書では、三井不動産が議決権の31%、コナミグループが20%を持つ。流通する株は少ない。
優良さと弱いところ
筆者は、リソルの堀(他社がまねしにくい強み)は「普通」の厚さと見る。
強みは、運営の腕と立地だ。ホテルは他社の建物を借りて運営し、客室の値段と稼働を高めて利益を出す。ブランドが一つでなく、地域と客層ごとに分けているので、一つの施設が崩れても全体は揺れにくい。ゴルフ場とリゾート、福利厚生を組み合わせ、優待券を使った囲い込みもできる。
弱みは3つある。第1に、ホテルの賃借料が固定費として重い。2024年3月期の有価証券報告書では、ホテル19施設で年約35億円だ。客が減る時は利益が一気に細る。第2に、ホテルの値段はほぼ市場で決まる。訪日客の波に左右され、自分で値段を決める力は弱い。第3に、借金がある。純有利子負債は約80億円で、自己資本の半分に近い。
資本効率は改善中だ。自己資本利益率は2020年代前半の1〜5%から、直近は14.8%まで上がった。ただ、10年の中央値は10%で、この水準は訪日客の山の分が大きい。
経営は株主還元に前向きだが、配当性向は2〜3割と低い。優待は手厚く、2026年3月末の基準から、500株以上で10万円分の商品券が出る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
宿泊業は、いま追い風の真ん中にいる。2025年の訪日客の延べ宿泊は約1億7,800万人泊で、前年より8%増え、過去最高を更新した。日本人の延べ宿泊は約4億7,600万人泊で、前年より4%減った。つまり、客を増やしているのは訪日客だ。
この追い風は、10年後も高水準で続くが、伸びは鈍る。ホテルの客室数が全国で増え、東京と大阪では値段が上がりにくくなっている。韓国や東南アジアなど、ほかの観光地との競り合いもある。
宿泊業の特徴は、固定費が重いことだ。客室は売れなくても費用が出る。稼働が1割上がれば利益は2割以上増えるが、逆に落ちれば赤字になる。リソルのように建物を借りる運営会社は、この傾向が強い。
ゴルフ場は、プレーヤーが高齢化して減っている。ただ、料金の引き上げと、訪日客のプレーで、売上は保たれている。国内のゴルフ人口は長期で細り、数量は減るが、値段で補う構図だ。
福利厚生は、企業の人手不足を背景に需要が増えている。賃上げが難しい中小企業が、福利厚生で人をつなぎとめる動きがある。小さな市場だが、景気に左右されにくい。
資本政策と M&A
還元は、配当を中心に増やしている。配当は2026年3月期に増やし、2027年3月期も増やす予定だ。配当性向は2〜3割と低めで、利益のほとんどは事業に再投資する。
株主優待は手厚い。グループ施設で使えるRESOLファミリー商品券(1枚あたり額面2千円)を、100株以上に贈る。2026年3月末の基準から、100株以上は10枚、300株以上は30枚、500株以上は50枚に改めた。株主は約1.5万人。年間の費用は開示で確かめられなかったが、対象の株主を約1万人、額面を平均2万円、利用を7割、原価を4割と置くと、年約5億円になる(推定)。これは費用として利益に入っており、株主の側から見れば現物の配当だ。10年で約50億円を還元に足した。
借金は純80億円ほど。ホテルの出店は賃借が中心で、買収は小粒だ。2024年3月期までに入間カントリー倶楽部を取得した。
ガバナンスで大事なのは、大株主だ。三井不動産とコナミグループで議決権の5割強を持つ(2024年3月期)。流通株式を増やすため、2024年2月に株式を売り出した。完全子会社化の可能性はゼロではない。kabufuの推計では、10年以内の買収の確率は2割ほどだが、筆者は買収を前提にした確率は置いていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
リソルは、訪日客の波に最も上手く乗った運営会社の一つだ。2026年3月期は、ホテルの売上が10%、経常利益が30%増えた。客室の値段が上がり。後楽ガーデンホテルの運営も始まり、貸別荘も増える。
固定費の重さは、強気の見方では武器になる。賃借料は決まっているので、客室の値段が上がれば、増えた分はそのまま利益になる。2026年3月期のホテルの経常利益率は20%に達した。2年前は10%台だった。
ゴルフ場は、プレー代の引き上げが通っている。クーラーつきカートの導入で客が増え、会員権の販売も好調だ。リゾートも犬連れのヴィラなどで客単価を上げる。
さらに、三井不動産とコナミグループという強い大株主がいる。三井不動産の不動産とリソルの運営を組み合わせた、新しいホテル開発の余地がある。完全子会社化の話が出れば、価格に上乗せがつく。
配当は2期連続で増え、優待も手厚い。利益の上振れが続けば、会社が掲げるような営業利益率11%台は、通過点になりうる。
慎重な見方
今の利益は山だ。2026年3月期のホテルの経常利益率20%は、2年前の2倍で、訪日客のブームがそのまま乗った数字だ。会社自身が、来期の純利益を28%減と見ている。
ホテルは建物を借りている。賃借料は年35億円で、客が減っても払う。為替が円高に振れる、訪日客が減る、あるいはホテルの供給過剰で値段が下がる、といった状況になれば、利益は賃借料に飲み込まれる。コロナ禍では、まさにそうなった。2020年から2023年は、営業利益率が1〜5%台だった。
ゴルフ場は人口減で数量が細る。リソルの森は利益が薄く、不動産販売は読みにくい。借金も純80億円ある。金利が上がれば、利払いが重くなる。
大株主が2社で5割を超え、流通する株が少ない。株価は、需給で上にも下にも振れやすい。完全子会社化に期待が混ざった株価は、本質価値より高くなりやすい。
今の時価総額は、来期の純利益の約22倍だ。ホテルの利益が普通の水準に戻るだけで、この倍率は支えられない。
どちらに重みを置いたか
強気の言い分で強いのは、客室の値段の上昇と、運営の腕だ。慎重な見方で強いのは、利益が山にあることと、賃借料の固定費だ。筆者は、利益率は山から下がるとみて、中立の営業利益率を9.9%と、直近の10.9%より低く置いた。確率は、やや悲観を23%、悲観を11%と、下に厚く寄せた。結果として、価値は今の時価総額を大きく下回り、割高になった。強気の言い分がすべて当たる筋書き(楽観)でも、今の値段には届かない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 6,639 円369 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,096 円117 億円)。 今の値に割り戻すと 4,591 円255 億円、今との差 −40.4%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 13,564 円754 億円 | 3,293 円183 億円 | +118.9% | +8.2% | 1,517 円84 億円 |
| やや楽観 | 21% | 9,511 円529 億円 | 2,699 円150 億円 | +58.6% | +4.7% | 2,564 円143 億円 |
| 中立 | 36% | 7,682 円427 億円 | 2,285 円127 億円 | +29.4% | +2.6% | 3,588 円199 億円 |
| やや悲観 | 23% | 2,126 円118 億円 | 1,484 円83 億円 | −53.1% | −7.3% | 830 円46 億円 |
| 悲観 | 11% | 1,515 円84 億円 | 630 円35 億円 | −72.1% | −12.0% | 236 円13 億円 |
| 加重平均 | 100% | 6,639 円369 億円 | 2,096 円117 億円 | +13.4% | +1.3% | 8,736 円486 億円 |
今の株価時価総額 7,700 円428 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 9% 訪日客の高止まりと運営の腕で、利益率が13%に届く 利益 49 億円 · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 13,564 円754 億円
訪日客は2030年代も高い水準を保ち、東京・大阪・京都の客室の値段は物価を上回って上がる。リソルは大株主の三井不動産の開発案件を引き受け、運営するホテルを増やす。貸別荘の「リソルステイ」も育つ。
ホテルの経常利益率は19%台に乗り、2026年3月期の山を超える。賃借料は固定のまま、売上だけが伸びる構図で、利益は大きく増える。ゴルフ場は料金の引き上げが通り、リソルの森は犬連れ向けの高単価品が定着する。
全社の営業利益率は12.9%に届き、直近の10.9%を超える。ただし、訪日客が10年間、高水準で続く前提は強気だ。ホテルの供給が増えても値段が崩れない、という条件も要る。実現には、運営の腕と外部環境の追い風がそろう必要がある。
- ホテル・貸別荘の運営:数量 126(ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年))× 価格 1.50(1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算))→ 売上 333 億円・営業利益 63 億円。ホテル・貸別荘の客室の販売 126 万室夜/年、1室夜あたり売上は今の 1.50 倍、営業利益率 19.0%
- ゴルフ場の運営:数量 72.7(ゴルフ場の来場者数(万人/年))× 価格 1.40(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食))→ 売上 122 億円・営業利益 15 億円。ゴルフ場の来場者 73 万人/年、1人あたり売上は今の 1.40 倍、営業利益率 12.5%
- リソルの森(体験型リゾート):数量 36.7(リソルの森の利用者数(万人/年))× 価格 1.40(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算))→ 売上 77 億円・営業利益 7 億円。リソルの森の利用者 37 万人/年、1人あたり売上は今の 1.40 倍、営業利益率 9.0%
- 福利厚生・再生エネルギー・投資再生:数量 33.0(福利厚生の契約従業員数(万人))× 価格 1.40(1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む))→ 売上 24 億円・営業利益 3 億円。福利厚生の契約従業員 33 万人、1人あたり売上は今の 1.40 倍、営業利益率 13.0%
倍率:事業の純利益 49 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.3% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.5 倍。全体の PER 15.48 倍、時価総額 754 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:訪日客の高水準が続き、ホテルの新規開業と値上げが重なる必要がある。条件が多いので9%にとどめた。
やや楽観 21% 山の利益を保ち、物価並みに積み上げる 利益 37 億円 · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 9,511 円529 億円
訪日客は高水準を保ち、リソルは新しい施設で客室数を2割強増やす。客室の値段は物価を少し上回って上がり、ホテルの利益率は18%を保つ。
ゴルフ場は来場者の減少を、料金の引き上げで補う。リソルの森も利用者が増え、福利厚生は企業の人手不足を追い風に伸びる。全社の費用は、物価ほどは増やさない。
全社の営業利益率は11%強と、直近の水準を保つ。利益は10年で1.7倍ほどに育つ。
筆者は、この筋書きを「うまくいった普通」とみる。山の利益を守れるかが分かれ目で、守れる確率を2割強と置いた。配当は毎年増え、優待も続く。
- ホテル・貸別荘の運営:数量 116(ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年))× 価格 1.38(1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算))→ 売上 283 億円・営業利益 51 億円。ホテル・貸別荘の客室の販売 116 万室夜/年、1室夜あたり売上は今の 1.38 倍、営業利益率 18.0%
- ゴルフ場の運営:数量 70.5(ゴルフ場の来場者数(万人/年))× 価格 1.36(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食))→ 売上 115 億円・営業利益 14 億円。ゴルフ場の来場者 70 万人/年、1人あたり売上は今の 1.36 倍、営業利益率 12.0%
- リソルの森(体験型リゾート):数量 33.9(リソルの森の利用者数(万人/年))× 価格 1.36(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算))→ 売上 69 億円・営業利益 5 億円。リソルの森の利用者 34 万人/年、1人あたり売上は今の 1.36 倍、営業利益率 7.5%
- 福利厚生・再生エネルギー・投資再生:数量 30.8(福利厚生の契約従業員数(万人))× 価格 1.36(1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む))→ 売上 22 億円・営業利益 3 億円。福利厚生の契約従業員 31 万人、1人あたり売上は今の 1.36 倍、営業利益率 11.5%
倍率:事業の純利益 37 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.2% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.1 倍。全体の PER 14.07 倍、時価総額 523 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ホテルの運営力は確かで、山の利益を保ちながら伸ばせる可能性は十分ある。ただ、直近が山なので、強気には寄せない。21%。
中立 36% ブームが落ち着き、利益率は10%に戻る 利益 30 億円 · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 7,682 円427 億円
訪日客は高水準を保つが、伸びは鈍る。ホテルの客室は、新しい施設で2割ほど増える。客室の値段は物価並みに上がるが、供給が増えるぶん、上乗せは小さい。
ホテルの利益率は17%と、2025年3月期の水準に戻る。2026年3月期の20%は、山とみて戻さない。賃借料は物価で上がり、人件費も増えるため、利益率は少し下がる。
ゴルフ場は来場者が3%減り、値上げで補う。リソルの森は利用者が1割強増える。全社の費用は、物価並みに増える。
全社の営業利益率は9.9%と、直近の10.9%より低い。売上が4割以上増えても、利益は1.4倍にとどまる。山の利益を割り引けば、これが実態に近い。配当は増えるが、利益の3割ほどにとどまる。
- ホテル・貸別荘の運営:数量 112(ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年))× 価格 1.34(1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算))→ 売上 264 億円・営業利益 45 億円。ホテル・貸別荘の客室の販売 112 万室夜/年、1室夜あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 17.0%
- ゴルフ場の運営:数量 69.1(ゴルフ場の来場者数(万人/年))× 価格 1.34(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食))→ 売上 111 億円・営業利益 12 億円。ゴルフ場の来場者 69 万人/年、1人あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 11.0%
- リソルの森(体験型リゾート):数量 32.5(リソルの森の利用者数(万人/年))× 価格 1.34(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算))→ 売上 65 億円・営業利益 5 億円。リソルの森の利用者 32 万人/年、1人あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 7.5%
- 福利厚生・再生エネルギー・投資再生:数量 28.6(福利厚生の契約従業員数(万人))× 価格 1.34(1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。福利厚生の契約従業員 29 万人、1人あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 11.0%
倍率:事業の純利益 30 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.8% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.8 倍。全体の PER 13.77 倍、時価総額 414 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:訪日客は高水準だが伸びは鈍り、客室の値段は物価並みに上がる。利益率は山から少し下がる。いちばん実態に近い置き方で、最大の確率を置く。
やや悲観 23% 訪日客の波が引き、賃借料が重くなる 利益 11 億円 · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 2,126 円118 億円
ホテルの客室が全国で増え、訪日客の波が落ち着く。リソルの客室の値段は、物価に届かない。賃借料は物価で上がるので、ホテルの利益率は11%に落ちる。
ゴルフ場はプレーヤーの減少が進み、来場者が1割弱減る。リソルの森も利用者が伸び悩む。大株主の開発案件は増えるが、収益化が遅れる。
全社の営業利益率は4.7%に落ち、コロナ前の水準に近づく。純利益は11億円ほどで、今の4割以下だ。借金は純80億円ほどで、金利が上がるぶん、利払いが重くなる。
筆者は、これを「山のあとの普通の谷」とみる。事業は壊れないが、配当は絞られ、優待も縮める。
- ホテル・貸別荘の運営:数量 102(ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年))× 価格 1.22(1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算))→ 売上 221 億円・営業利益 24 億円。ホテル・貸別荘の客室の販売 102 万室夜/年、1室夜あたり売上は今の 1.22 倍、営業利益率 11.0%
- ゴルフ場の運営:数量 65.5(ゴルフ場の来場者数(万人/年))× 価格 1.28(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食))→ 売上 101 億円・営業利益 10 億円。ゴルフ場の来場者 66 万人/年、1人あたり売上は今の 1.28 倍、営業利益率 9.5%
- リソルの森(体験型リゾート):数量 29.6(リソルの森の利用者数(万人/年))× 価格 1.28(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算))→ 売上 57 億円・営業利益 3 億円。リソルの森の利用者 30 万人/年、1人あたり売上は今の 1.28 倍、営業利益率 5.0%
- 福利厚生・再生エネルギー・投資再生:数量 26.4(福利厚生の契約従業員数(万人))× 価格 1.28(1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む))→ 売上 18 億円・営業利益 2 億円。福利厚生の契約従業員 26 万人、1人あたり売上は今の 1.28 倍、営業利益率 9.0%
倍率:事業の自己資本利益率は3.9%で資本コスト7.75%に届かない。ためた利益は額面未満の価値なので、上限 1÷k=11.8倍より低く置いた(ROE÷k の比では約5.4倍だが、山のあとの谷にすぎず、運営する資産が残るので、そこまでは下げない)。今の利益は残るが、新しく投じるお金の稼ぎは資本コストを下回る。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 9.5 倍・時価総額 107 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:ホテルの客室数が全国で増え、訪日客の波が落ち着く。賃借料の固定費が効いて、利益が谷に向かう。山のあとに谷が来るのは、コロナ前後の経験でも繰り返された。強気側より少し重く23%。
悲観 11% ホテルが供給過剰で値崩れし、赤字に落ちる 利益 −5 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 1,515 円84 億円
ホテルの供給が過剰になり、訪日客が円高や外交の問題で細る。客室の値段は物価に追いつかず、稼働も落ちる。賃借料は払い続けるため、ホテルの利益は消える。
ゴルフ場は来場者が15%減り、費用が重い。リソルの森は客が減って赤字寸前になる。会社は不採算のホテルを閉めるが、解約には違約金がかかる。減損も出る。
全社の営業利益は赤字になり、純利益もマイナスになる。もはや優良な会社ではなく、配当は大きく絞られる。この場合の価値は稼ぐ力でなく、売れる資産(土地・ゴルフ場・森)の売却価値で測る。三井不動産などの大株主が、資産を買い取る可能性は残る。
- ホテル・貸別荘の運営:数量 88.3(ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年))× 価格 1.05(1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算))→ 売上 164 億円・営業利益 2 億円。ホテル・貸別荘の客室の販売 88 万室夜/年、1室夜あたり売上は今の 1.05 倍、営業利益率 1.0%
- ゴルフ場の運営:数量 60.6(ゴルフ場の来場者数(万人/年))× 価格 1.15(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食))→ 売上 84 億円・営業利益 3 億円。ゴルフ場の来場者 61 万人/年、1人あたり売上は今の 1.15 倍、営業利益率 4.0%
- リソルの森(体験型リゾート):数量 25.4(リソルの森の利用者数(万人/年))× 価格 1.10(1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算))→ 売上 42 億円・営業利益 0 億円。リソルの森の利用者 25 万人/年、1人あたり売上は今の 1.10 倍、営業利益率 0.0%
- 福利厚生・再生エネルギー・投資再生:数量 22.0(福利厚生の契約従業員数(万人))× 価格 1.10(1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。福利厚生の契約従業員 22 万人、1人あたり売上は今の 1.10 倍、営業利益率 5.0%
倍率:事業の純利益はマイナスで、稼ぐ力は価値にならない。ゴルフ場とリゾートの土地を持つので、売れる資産の税引き後から純有利子負債を引いた額を床にし、今の自己資本183億円の0.46倍に置いた。
確率:ホテルが供給過剰になり、円高や外交の問題で訪日客が減ると、賃借料の重さで赤字になる。コロナ禍で営業利益率が1〜5%台に落ちた前例があり、5%を上回る1割強を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ホテル・貸別荘の運営
「リソルホテルズ」20施設と貸別荘「リソルステイ」。多くは賃借して運営する。
| 数量ホテル・貸別荘の客室の販売数(万室夜/年) | 価格1室夜あたり売上の指数(今=1.00=約1.77万円。宿泊と飲食の合算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 93.0 | 1.00 | 164 | 33 |
| 10 年後 中立 | 112 | 1.34 | 264 | 45 |
取り方:数量は販売した客室の数。ホテル20施設と貸別荘70施設の客室数は開示がなく、1施設あたり平均約150室・稼働約85%と置いて年約93万室夜と推定。ホテル運営の売上164.3億円(開示)を割った1室夜あたり売上は約1.77万円(宿泊と飲食の合算)。営業利益は、セグメント経常利益32.8億円(開示)をそのまま営業利益とみた。賃借料はホテル19施設で年約35億円(2024年3月期の有価証券報告書)で、固定の約束。
ゴルフ場の運営
全国18コース(提携を含む)のゴルフ場の運営。会員権の販売も含む。
| 数量ゴルフ場の来場者数(万人/年) | 価格1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.2万円。プレー代と飲食) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 71.3 | 1.00 | 86 | 10 |
| 10 年後 中立 | 69.1 | 1.34 | 111 | 12 |
取り方:数量は来場者数。売上85.5億円(開示)を1人あたり約1.2万円(プレー代と飲食の推定)で割り、18コースで年約71万人と推定。開示はなく推定。営業利益はセグメント経常利益9.8億円(開示)。
リソルの森(体験型リゾート)
千葉県の「Sport & Do Resort リソルの森」。宿泊、スポーツ、犬連れ向けの別荘、不動産販売。
| 数量リソルの森の利用者数(万人/年) | 価格1人あたり売上の指数(今=1.00=約1.5万円。宿泊・体験・不動産販売の合算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 28.2 | 1.00 | 42 | 3 |
| 10 年後 中立 | 32.5 | 1.34 | 65 | 5 |
取り方:数量は利用者数。売上42.35億円(開示)を1人あたり約1.5万円(宿泊・体験・不動産販売の合算の推定)で割って約28万人と推定。営業利益はセグメント経常利益3.0億円(開示)。
福利厚生・再生エネルギー・投資再生
企業向け福利厚生代行の「ライフサポート倶楽部」、太陽光発電、不動産の取得再生。
| 数量福利厚生の契約従業員数(万人) | 価格1人あたり売上の指数(今=1.00=約0.52万円。太陽光の売電などを含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 22.0 | 1.00 | 11 | 1 |
| 10 年後 中立 | 28.6 | 1.34 | 20 | 2 |
取り方:福利厚生が約10億円、再生エネルギーと投資再生が合わせて約1.4億円。福利厚生の契約従業員数は開示がなく、1人あたり約0.52万円と置いて約22万人と推定。営業利益は2025年3月期のセグメント経常利益(福利厚生0.6億円・再エネ0.5億円・投資再生0.2億円)を参考に約1.3億円と推定。
リスクと懸念
賃借料の固定費
ホテル19施設の賃借料は年約35億円(2024年3月期)。客が減っても払う固定の約束で、稼働が落ちると利益が一気に細る。コロナ禍では営業利益率が1〜5%台に落ちた。
訪日客への依存
ホテルの利益の山は、訪日客の増加と円安に支えられている。円高や外交の問題、近隣の観光地への客の流れで、需要が細る。会社の予測も、訪日客の波が前提だ。
ホテルの供給増
全国でホテルの客室が増え、東京と大阪では値段が上がりにくくなっている。供給が需要を上回れば、客室の値段が下がり、固定費の重い運営会社の利益は大きく削られる。
ゴルフ人口の減少
プレーヤーが高齢化して減っている。料金の引き上げと訪日客のプレーで補っているが、数量は長期で減る。コース管理の費用は人件費と資材高で増えている。
大株主と株の需給
三井不動産とコナミグループで議決権の5割強を持つ(2024年3月期)。流通する株が少なく、需給で株価が振れやすい。完全子会社化の期待が、価格に混ざりうる。
金利の上昇と借金
純有利子負債は約80億円。借り換えのたびに金利が上がり、利払いが増える。ホテルの設備投資が続けば、借金は減りにくい。
利益の質と一過性
2026年3月期の純利益は、特別な押し上げがあったとみられ、営業利益の8割に達した。来期は会社の予想で28%減る。今期の利益を基準にして将来を見ると、実力を過大に見る恐れがある。
今後の分かれ目
- ホテルの客室の値段が物価を超えて上がり続け、稼働率も保たれたら
- ホテルの利益率が19%台に乗る筋書き(楽観)に確率を寄せる。
- 訪日客が減り、東京・大阪の客室の値段が前年を下回る月が続いたら
- 賃借料の重さが効く筋書き(やや悲観・悲観)に確率を寄せる。
- 三井不動産やコナミグループが完全子会社化を提案したら
- 提案の価格で価値が確定する筋書きが加わる。ただし筆者は、買収を前提にした確率は置いていない。
- 後楽ガーデンホテルなど新しい運営の立ち上がりが早く、利益に貢献したら
- 客室数の増え方が中立を上回るので、やや楽観に確率を寄せる。
- 配当性向が4割を超え、自社株買いが始まったら
- 自己資本利益率が上がり、中立の倍率の質が上がる。
- 金利が想定を超えて上がり、借り換えの費用が膨らんだら
- 純利益の下振れを見て、中立の利益を下げる。
見ておくもの
- ホテルの稼働率・客室の値段・直営の予約比率(決算説明資料)
- 新規の運営ホテルの開業と収益化の進み具合
- ホテル運営の経常利益率(20%が保てるか)
- ゴルフの来場者と客単価、リソルの森の利用者
- 純有利子負債と利払い、賃借料の増減
- 大株主の持ち株比率と、完全子会社化の動き
倍率と資本コストの決め方
倍率は、事業の自己資本利益率と資本コスト7.75%から、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の式で出し、市場の倍率は使っていない。中立のROEは約8.3%でkを下回るので、PERの上限は1÷k=11.8倍とし、ROE÷kの比で11.2倍に置いた。今の株価は筋書きを作ったあとで比べただけで、今の値段が倍でも半分でも、価値の計算は変わらない。セグメントの数量(客室数・来場者数)は開示がなく、売上からの逆算で推定した。賃借料(ホテル19施設で年約35億円)は固定の約束で、新リース会計基準(2028年3月期から)では貸借対照表に載る。10年後の数字は、今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。株主優待は年約5億円(推定)を10年の還元に足し、悲観側は縮める前提で減らした。同じ領域の会社(オリエンタルランド・共立メンテナンスなど)と比べると、リソルの中立の営業利益率は低めだが、山の利益を割り引くためである。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.4→15.48 倍・やや楽観 PER 11.9→14.07 倍・中立 PER 11.2→13.77 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に品質+1.0%を足した8.5%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.50% → 7.75%。