結論
リファインバースグループは、産業廃棄物を回収・処理するだけでなく、独自技術で再生素材に変えて販売する資源循環企業である。筆者の結論は「やや割安」だ。ただし、財務の脆さを考えると、安心して10年間放置できる株ではない。
最も価値があるのは、使用済みタイルカーペットから塩化ビニル樹脂を分離し、再びカーペットの原料として利用する技術と回収網である。会社推計による対象地域の年間廃棄量は約7万トンで、2026年6月期の調達量は2万2,473トンに達した。環境対応を重視する大手不動産会社との取引が広がり、カーペットを回収する際に発生する混合廃棄物の処理まで受託する仕組みが育っている。この二つの事業を結び付ける力こそ、同社の競争優位の中心である。
新しい成長源は廃プラスチックの再資源化だ。三菱ケミカルの油化事業に向けた原料供給は、既存のカーペット事業より対象市場が大きい。しかし、2026年6月期の供給実績は100トンにすぎず、計画の2万トンとはまだ大きな距離がある。設備が完成したことと、利益を生む事業が完成したことは別である。
財務には注意が必要だ。直近の自己資本は約4.7億円に対し、純有利子負債は約17.7億円ある。2026年6月期の営業利益は約3.2億円へ改善したが、設備投資と借入返済のため、手元資金は減少した。見かけの高ROEは、極端に小さい自己資本によって増幅されている。
10年後の中立では、売上高を約103億円、営業利益を約10.9億円と見込む。会社の2028年目標を2036年になってようやく概ね実現する慎重な道筋である。資本コスト9.0%で将来の株主価値を割り戻すと、5つの筋書きの加重平均は約43億円となり、基準時点の時価総額約37億円を約17%上回る。事業の可能性は評価できるが、財務上の失敗を吸収できる余地が狭いことが、この株の評価を難しくしている。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の目で最初に評価したいのは、使用済みカーペットを再び製品原料に戻す事業が、10年後も社会から必要とされることである。建物の改修は続き、使用済み素材は発生し続ける。回収した廃棄物から販売可能な素材を作れるなら、単なる廃棄物処理会社よりも顧客との関係を深くできる。
この事業には、複雑な複合素材を分離する技術と、長年の量産経験という本物の強みがある。回収網と原料の販売先を同時に持つことで、処理から販売までの中間費用を抑える余地もある。住江織物との関係や大手不動産会社との直接契約は、堀を広げる方向に働いている。
しかし、優れた技術だけでは長期保有に十分ではない。廃棄物を運ぶ車両、処理設備、工場、保管場所には現実のお金がかかる。新しい設備は毎年の償却費を増やし、更新時には物価上昇後の建設費を支払わなければならない。2026年6月期の営業キャッシュフローは約3.2億円だったが、投資キャッシュフローは約2.8億円の支出となった。会計上の純利益が、そのまま株主の自由に使える現金になったわけではない。
筆者が特に警戒するのは、自己資本の薄さを高ROEと取り違えることである。借金によって事業規模を大きくしている会社では、好調時のROEは非常に高くなる。しかし、一度の設備投資失敗や市況悪化でも株主資本が大きく傷つく。堀が強い部分と財務が脆い部分を分けて評価する必要がある。
現在の時価総額に対しては一定の安全域があるものの、その厚さは限定的である。新規の廃プラスチック事業が成果を上げれば価値は大きく増えるが、計画未達や資金調達の失敗による損失も大きい。長期保有に値する企業へ進化する条件は、売上目標の達成だけでなく、借入を抑えながら安定した自由現金を生み出せることである。
何で稼ぐ会社か
同社の事業は素材ビジネスと資源ビジネスの二つに分かれる。2026年6月期の売上高は素材ビジネスが約12.7億円、資源ビジネスが約31.9億円である。資源ビジネスが収益の土台を作り、素材ビジネスが顧客獲得と技術面の差別化を担っている。
素材ビジネスの主力は、タイルカーペットリサイクル事業である。使用済みカーペットから繊維層と樹脂層を分離し、再生塩ビパウダーを製造する。独自の切削分離技術や粉砕分離技術を利用し、住江織物などが製造する再生カーペットに原料を供給している。収益は廃棄物を引き受ける際の処理受託料と、再生素材を販売する際の売上という二重の構造を持つ。2026年6月期のCTR事業売上高は約10.6億円であり、カーペット調達量の増加と生産改善によって素材セグメントの利益が大きく改善した。
素材ビジネスには、漁網や自動車エアバッグの端材から再生ナイロン樹脂REAMIDEを製造する事業もある。2026年には蒲郡工場への移転とポリオレフィンリサイクル設備の導入を進めた。さらに再生ゴムRENAMY、自動車内装廃材を利用するアスファルト改質剤REOCA、鳥羽根由来の素材などを開発している。ただし、これらの新素材の多くは、現時点では全社利益を支える規模には達していない。
資源ビジネスでは、ジーエムエスなどが産業廃棄物の収集運搬、中間処理、再資源化、解体工事などを行う。顧客は不動産デベロッパー、ゼネコン、製造業などである。通常の産業廃棄物処理は競争が厳しいが、同社はカーペットの再資源化を入口として、同時に発生する混合廃棄物の処理までまとめて受託する。2026年6月期の受注件数は4万7,783件となり、既存顧客の利用増加も進んだ。
このモデルには、回収網が大きくなるほど素材事業に原料が集まり、素材事業の差別化が進むほど資源事業の受注が増える好循環がある。一方で、回収車両、処理施設、工場、人員、許認可が欠かせず、ソフトウェア企業のように追加売上の大部分が利益になるわけではない。成長するほど運転資金と設備更新費用が必要になる、資本集約的な事業である。
優良さと弱いところ
競争上の最大の強みは、複合素材である使用済みタイルカーペットを、再び製品原料として利用できる品質で分離する技術である。会社は特許第6625194号を含む技術と20年以上の操業ノウハウを持ち、千葉県八千代市と富津市に専用設備を保有する。両工場の公表処理能力は合計年間4万2,000トンであり、現在の回収数量に対して増産余地がある。
顧客との関係も一定の堀になる。住江織物との再生カーペット開発は長年続き、大手不動産会社との包括契約も広がっている。廃棄物処理は許認可、マニフェスト管理、処分先の確認、収集運搬網の整備が必要であり、単純に価格だけで業者を変更するとは限らない。環境性能を示す実績が顧客の建物評価にも使えるため、確かな再生工程そのものが営業上の価値を持つ。
ただし、強い技術がそのまま強い値決め力になるわけではない。カーペットの水平循環では東リも自社の回収・再資源化の仕組みを持ち、廃棄物処理全般では大栄環境やTREホールディングスなど資金力の大きな事業者がいる。同社の特許が、すべての再生技術や原料調達経路を独占しているわけではない。会社の回収シェアは高いが、値上げを繰り返しても顧客を維持できることを定量的に示す開示はまだ限定的である。
資本効率は見かけほど高くない。2026年6月期のROEは高いが、普通株主に帰属する自己資本が約4.7億円しかないためである。純負債を含む事業資本は約22億円あり、営業利益の税引後額に対する投下資本利益率は概ね10%前後となる。資本コストを上回る可能性はあるものの、圧倒的な超過収益力が証明された段階ではない。
2025年から2026年にかけて素材事業の利益が改善したことは評価できる。だが、原料調達量の拡大、稼働率の上昇、販売単価の改善が今後も続くかは別問題である。筆者はカーペット分離技術に明確な競争優位を認める一方、グループ全体の堀はまだ普通の水準と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の産業廃棄物排出量は長期的におおむね横ばいである。環境省が2026年3月に公表した2023年度実績では約3億6,725万トンとなった。廃棄物の数量そのものが大きく増える産業ではなく、同社の成長余地は、従来焼却・埋立されていた廃棄物を再資源化することと、他社から受託シェアを奪うことにある。
同社の事業計画資料によれば、廃棄物処理、資源回収、再生資源・素材を合計した市場は約20兆円規模である。ただし、この数字には性質の異なる大きな市場が含まれており、そのすべてが同社の獲得可能市場ではない。廃棄物処理市場だけでも数兆円規模がある一方、同社の資源事業売上は約32億円であり、全国市場のシェアはごく小さい。廃棄物処理市場の広さは事業拡大の余地を示すが、それ自体は利益成長の保証ではない。
カーペットリサイクルでは、同社が推計する首都圏・関西・名古屋などの年間廃棄量約7万トンに対し、2026年6月期の調達量は2万2,473トンである。回収シェアは約32%となり、2028年の会社目標は3万5,000トン、約50%である。未回収の廃棄物の一部を再生利用に転換する余地は大きい。ただし、東リなど独自の回収経路を持つ競合も存在し、残る市場をすべて獲得できるわけではない。
資源事業では、大栄環境、TREホールディングス、ミダックホールディングスなどが比較対象となる。これらの企業は処理施設や最終処分場を保有し、許認可や物流網が参入障壁になっている。同社は規模で劣るため、廃棄物全般の価格競争ではなく、タイルカーペットと混合廃棄物を連動して受託する領域で差別化する必要がある。
廃プラスチック市場には、再生材の需要増加という構造的な追い風がある。国内の廃プラスチック排出量は2024年に約911万トンと推計され、単純焼却や埋立だけでなく、熱回収に回っている量も大きい。三菱ケミカルとENEOSの油化設備は、廃プラスチックを化学原料に戻す新しい需要先となる。ただし、油化設備の採算は石油化学市況、エネルギー価格、再生材の販売価格に左右される。
今後10年間の業界数量は、廃棄物全体では大きく増えず、再資源化される割合が高まると見る。価格は人件費、物流費、処理設備の更新費用に押し上げられるが、再生樹脂にはバージン樹脂との競争が残る。規制が需要を後押しすることと、個々の事業者が高利益を得ることは分けて考える必要がある。
資本政策と M&A
資本配分の評価は、現時点では慎重である。2022年のコネクション買収によって廃棄物処理能力と回収網を広げ、素材事業との連動を強めたことは合理的だった。一方、2023年6月期には多額の最終損失を計上し、自己資本が著しく減少した。設備投資と事業再編が長期的な株主価値に結び付くかを判断するには、なお利益と現金の蓄積が必要である。
中期経営計画Growth100では、2028年6月期に売上高100億円、EBITDA20億円、自己資本比率30%以上を目指している。2026年から2028年のフリーキャッシュフロー目標は累計23億円であり、成長投資として23億円以上を計画している。投資にはポリオレフィン設備、処理工場の能力増強、物流網の整備、中間処分工場のM&Aなどが含まれる。
初年度の2026年6月期は売上高44.6億円、EBITDA5.3億円であり、当初計画に届かなかった。2027年6月期の会社予想は売上高58億円、営業利益6.3億円である。2028年目標を達成するには、既存顧客からの受注拡大だけでなく、廃プラスチック事業の立ち上がりと生産性向上を同時に実現しなければならない。
株主還元は成長投資より優先されていない。直近5年間に普通配当や大規模な自社株買いの実績はなく、Growth100にも配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額について数字の約束はない。2026年6月期末の現金同等物は約2.6億円で、純有利子負債は約17.7億円に上る。さらに2026年8月から9月には子会社の設備資金や運転資金として計約4億円の借入を公表している。
筆者は当面の利益を配当ではなく、設備の安定稼働と借入返済に回すことを支持する。しかし、資本コストを上回る投資先がなくなった時には、成長目標に固執せず株主還元へ切り替える規律が必要である。M&Aでは買収価格だけでなく、取得した処理施設の更新費用と環境債務を厳しく見るべきだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
同社のカーペットリサイクル事業は、日本でも数少ない技術と量産実績を持つ。すでに年間2万トン以上の使用済みカーペットを回収し、カーペットメーカーへの再生原料供給までつなげている。会社が推計する対象市場には、まだ回収できていない廃棄物が多い。大手デベロッパーとの包括契約が広がれば、個別の処理業者との価格競争から、建物の環境性能を支える継続的なサービスへ移行できる。
カーペットの回収から混合廃棄物処理へ受注が広がる仕組みも重要である。会社資料では、使用済みカーペット1トンに伴って約20立方メートルの混合廃棄物が発生すると説明している。カーペットの調達量が増えるほど資源事業にも新しい商談が生まれるため、成長は一つの製品の販売量に限られない。受注件数が増加すれば物流網や処理施設の稼働率が高まり、固定費を吸収できる。
廃プラスチックの再資源化にも大きな可能性がある。三菱ケミカルとの供給関係により、従来は熱回収に回っていた廃プラスチックを化学原料として販売する市場が生まれた。新しいポリオレフィン設備が安定稼働し、2028年の供給目標に近づけば、カーペット事業に続く第二の柱になる。さらに再生ナイロン、再生ゴム、アスファルト改質剤などの用途開発が進めば、廃棄物から付加価値の高い製品を作る技術企業としての位置付けが強まる。
2026年6月期のセグメント利益は素材・資源の双方で改善した。すでに事業の両輪が動き始めていることを考えれば、今後10年の増収余地は大きい。現在の株主価値は、中期計画をある程度実現し、その後も成長する筋書きに対して十分低い可能性がある。
慎重な見方
最大の問題は、成長するために借金と設備投資を必要とする企業なのに、自己資本が非常に薄いことである。2026年6月期の普通株主に帰属する自己資本は約4.7億円しかなく、純有利子負債は約17.7億円に達する。利益が増えても、設備更新、借入返済、運転資金の増加によって現金が残らなければ、株主の経済的価値は簡単には増えない。
中期経営計画は野心的すぎる可能性がある。2026年6月期の売上高は44.6億円であり、2028年に100億円を達成するには短期間で事業規模を倍以上にする必要がある。廃プラスチック原料供給の2026年実績は100トンにすぎない。2万トンという目標は200倍に相当し、設備だけでなく廃材調達、異物除去、品質管理、販売契約、物流のすべてが整わなければ実現しない。
再生素材は価格決定力の強い高級ブランド商品ではない。原油価格が下落し、バージン樹脂が安くなれば、再生樹脂の価格競争力は低下する。再生材を使用したい顧客がいても、品質が不安定だったり価格が高すぎたりすれば採用は進まない。三菱ケミカルの油化設備についても、設備の稼働と原料の継続的な大量購入は別の問題である。
カーペット事業にも限界がある。現在の専用工場の処理能力は年間4万2,000トンであり、これを超えて拡大するには新たな設備投資が必要になる。東リなどの競合も独自の再資源化経路を持つため、回収市場を独占できるとは限らない。
2023年6月期には大きな最終損失を計上し、2024年6月期も営業利益がほぼ消えた。まだ安定した収益力が十分に証明されていない会社である。再投資の成果が出なければ、株主還元を受けないまま追加の資本調達による希薄化を負担する危険がある。
どちらに重みを置いたか
技術と事業構造については前向きな評価が妥当である。カーペット回収、再生素材販売、混合廃棄物処理をつなげる仕組みには明確な価値があり、現在の企業規模から見た成長余地も大きい。
ただし、財務と資本配分については慎重な見方の指摘が重い。純負債が自己資本の約4倍あり、2026年時点の新規廃プラスチック事業はまだ立ち上がり段階である。このため確率は楽観側25%に対し、やや悲観・悲観側を合計43%とし、下側へ18ポイント寄せた。
それでも、カーペット事業の現在の実績と新規事業の上振れ余地を確率加重すると、本質価値は市場評価を上回る。結論はやや割安である。ただし、追加の借入や設備投資を伴うため、安全域は大きくない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,982 円100 億円(+ 還元の換算額還元の合計 55 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 1,295 円43 億円、今との差 +27.6%、 期待の年率 +11.7%(資本コスト 9.0%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 11,285 円378 億円 | 438 円15 億円 | +1,055.0% | +28.9% | 938 円31 億円 |
| やや楽観 | 17% | 6,208 円208 億円 | 117 円4 億円 | +523.1% | +20.4% | 1,075 円36 億円 |
| 中立 | 32% | 2,841 円95 億円 | 0 円0 億円 | +179.9% | +10.8% | 909 円30 億円 |
| やや悲観 | 28% | 368 円12 億円 | 0 円0 億円 | −63.7% | −9.6% | 103 円3 億円 |
| 悲観 | 15% | 74 円2 億円 | 0 円0 億円 | −92.7% | −23.0% | 11 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,982 円100 億円 | 55 円2 億円 | +199.2% | +11.7% | 3,036 円102 億円 |
今の株価時価総額 1,015 円34 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 再資源化プラットフォームが大きく飛躍 利益 26 億円 · PER 13.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 11,285 円378 億円
2036年には使用済みタイルカーペットの調達量が年間5万トンに達し、対象地域の市場で圧倒的な地位を築いている。既存工場の処理能力を超える部分については、追加設備や外部との共同処理によって対応する。住江織物などへの再生素材供給を拡大し、大手不動産会社との包括契約が全国のオフィス改修案件に広がる。価格転嫁も進み、再生素材の品質保証を含む高付加価値な取引が増える。
資源事業ではカーペット回収に伴う混合廃棄物処理の連動受注が成長し、年間受注件数は14万5,000件となる。処理施設の買収と物流網の拡張も成功し、顧客の廃棄物を継続的に引き受けられる能力が競争上の優位になる。
廃プラスチック原料供給は年間4万トンへ拡大する。三菱ケミカル向けに加えて、複数の化学メーカーや材料メーカーとの販売経路が育つため、特定顧客への依存も低下する。高機能再生ナイロンなどの新素材も採算事業に成長する。
設備投資額は大きいが、稼働率改善と生産性向上が固定費増加を上回り、2036年の営業利益は約41億円に達する。借入を抑えながら利益を蓄積し、株主還元も始まる。特許技術を持つ廃棄物処理会社から、全国規模の循環素材企業へ進化した筋書きである。
- タイルカーペット循環再生(CTR):数量 50,000(使用済みタイルカーペット調達量(トン/年))× 価格 0.00(調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン))→ 売上 38 億円・営業利益 10 億円。対象廃棄物市場の約7割を調達。処理能力42,000トン超過分には追加設備投資が必要。高品質化と処理料金改定を想定。
- 高機能再生ナイロン樹脂:数量 1,600(再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定))× 価格 0.01(製品1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。大口顧客への再生樹脂採用が広がり、生産能力増強と歩留まり改善が成功。
- 廃ポリオレフィン・油化原料:数量 40,000(廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年))× 価格 0.00(供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 40 億円・営業利益 7 億円。油化原料に加えてマテリアルリサイクル向けが増える。2028年目標20,000トンを上回る。
- 産業廃棄物の収集運搬・中間処理:数量 145,000(資源ビジネスの年間受注件数(件/年))× 価格 0.00(受注1件当たりの平均売上(億円/件))→ 売上 142 億円・営業利益 38 億円。工場M&Aと物流網の拡張により受注が約3倍。価格はインフレと処理内容の高度化を反映。
- 資源循環ソリューション・技術支援:数量 5.0(技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定))× 価格 0.03(案件1件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で案件数は増えない。独自の現場技術に関連する案件だけ残る。
倍率:k9.0%、g_long3.0%、moat normalで超過ROEの残存率1/2。2036年の自己資本148.68億円から事業に不要な余剰現金50億円を控除し、余剰現金の税後利息0.70億円も純利益から除く。事業ROE約25.6%、RONIC約17.3%。正当化PER=(1−0.03÷0.1732)÷(0.09−0.03)≒13.78倍。事業純利益25.30億円に掛け、余剰現金50億円に戻り方0.75を適用して時価総額約386.1億円。新規工場・車両・選別設備への投資を反映し2036年の減価償却費は約8.0億円と見込む。
確率:カーペットの回収シェア拡大、既存工場能力を超える増産、廃プラスチック供給の本格拡大、中間処分設備の買収成功という複数の条件が必要である。実現すれば大きいが、現在の財務基盤と新事業の100トンという出発点から見て低い確率にとどめた。
やや楽観 17% 循環型事業の拡大が収益成長につながる 利益 15 億円 · PER 13.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,208 円208 億円
既存の廃タイルカーペット回収網が着実に広がり、2036年の調達量は年間4万2,000トンに達する。大手不動産会社との包括契約から実際の処理受託へ移る件数が増え、再生カーペットの環境価値を示せることが顧客獲得につながる。既存設備は高稼働となり、生産性改善が素材事業の採算を高める。
資源事業では年間10万8,000件の受注を獲得し、カーペット以外の廃棄物処理にも取引が広がる。処理施設の増強と物流改善が進み、現場の人員不足をシステム化と作業効率改善で補う。競合との価格競争は残るが、処理能力の制約がある市場では適切な料金改定を行える。
ポリオレフィン原料供給は年間2万8,000トンに拡大する。三菱ケミカル向けに加えて、再生樹脂を直接利用する顧客も増える。REAMIDEの販売も徐々に拡大し、新素材事業は単独で採算を確保できるようになる。
2036年の売上高は約159億円、営業利益は約23億円となる。設備投資と借入返済を優先しながらも、事業の成長が財務基盤の改善につながる。独自技術の優位は維持されるが、全国的な廃棄物処理市場を支配するほどの規模にはならない。
- タイルカーペット循環再生(CTR):数量 42,000(使用済みタイルカーペット調達量(トン/年))× 価格 0.00(調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン))→ 売上 29 億円・営業利益 7 億円。既存のカーペット工場の公表能力をほぼ使い切る。単価は物価上昇と高品質品比率上昇を反映。
- 高機能再生ナイロン樹脂:数量 1,300(再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定))× 価格 0.01(製品1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。国内顧客向けの再生ナイロン用途が増加。
- 廃ポリオレフィン・油化原料:数量 28,000(廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年))× 価格 0.00(供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 26 億円・営業利益 4 億円。2028年の会社供給目標を2036年までに超え、品質管理と量産歩留まりが改善。
- 産業廃棄物の収集運搬・中間処理:数量 108,000(資源ビジネスの年間受注件数(件/年))× 価格 0.00(受注1件当たりの平均売上(億円/件))→ 売上 97 億円・営業利益 25 億円。2028年会社目標100,000件をやや上回る。中間処理能力拡張が必要。
- 資源循環ソリューション・技術支援:数量 5.0(技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定))× 価格 0.03(案件1件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによる汎用的な技術支援の代替が進む。
倍率:k9.0%、長期g3.0%、moat normal。余剰現金25億円とその税後利息0.35億円を除く事業ROEは約20.0%。RONICは約14.5%となり、正当化PER=(1−0.03÷0.1451)÷0.06≒13.22倍。事業純利益14.65億円×13.22倍に余剰現金25億円×0.75を加え、時価総額約212.4億円とする。2036年の減価償却費は設備増設を反映して約6.3億円と見込む。
確率:大手デベロッパーとの包括契約拡大、カーペット調達量増加、廃プラスチック供給の立ち上がりは既存の活動を延長した筋書きである。ただし、工場買収や設備投資も順調に進む必要があるため、楽観側の確率は大きくしない。
中立 32% 中立:事業は成長するが計画達成は長期化 利益 7 億円 · PER 12.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,841 円95 億円
カーペットリサイクルは成長するが、会社計画より時間がかかる。大手デベロッパーとの契約が実際の受注につながり、2036年の調達量は年間3万2,000トンとなる。対象地域の廃カーペット発生量が約7万トンのままとすれば回収シェアは約46%である。競合する東リなどの独自回収網も存続するため、会社目標の50%を大きく超えるとは考えない。
資源事業では、カーペット回収時の混合廃棄物処理を中心に受注を増やす。年間受注件数は7万5,000件となり、2028年会社目標の10万件には2036年時点でも届かない。大手顧客との包括契約は評価するが、利用数量が伸びるまでには現場への浸透と処理能力増強が必要である。
廃プラスチック原料供給は年間1万6,000トンとなる。三菱ケミカルとの供給関係は続くものの、油化原料と再生樹脂の価格競争、調達網構築の難しさから計画より低い数量にとどまる。REAMIDEも成長するが、素材売上の主力は引き続きカーペットである。
2036年の売上高は約103億円、営業利益は約10.9億円となる。技術の堀は維持される一方、販管費、研究開発費、減価償却費が増加する。利益の多くは借入返済と設備投資に回り、配当のない期間が続く。急成長企業というより、収益力と財務基盤を徐々に改善する循環型事業者となっている。
- タイルカーペット循環再生(CTR):数量 32,000(使用済みタイルカーペット調達量(トン/年))× 価格 0.00(調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン))→ 売上 20 億円・営業利益 4 億円。調達量は現状の1.42倍、対象市場シェア約46%。単価は現状比1.34倍程度で、ほぼ物価上昇に対応。
- 高機能再生ナイロン樹脂:数量 900(再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定))× 価格 0.01(製品1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。数量1.8倍、単価約1.35倍。新工場の稼働は改善するが高利益事業にはならない。
- 廃ポリオレフィン・油化原料:数量 16,000(廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年))× 価格 0.00(供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。三菱ケミカル向けを中心に量産。2028年目標20,000トンを2036年も下回る。単価は現状の約1.35倍。
- 産業廃棄物の収集運搬・中間処理:数量 75,000(資源ビジネスの年間受注件数(件/年))× 価格 0.00(受注1件当たりの平均売上(億円/件))→ 売上 65 億円・営業利益 16 億円。受注数量は現状の1.57倍、単価約1.30倍。価格改定を行うが運搬費・人件費の上昇も負担。
- 資源循環ソリューション・技術支援:数量 4.0(技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定))× 価格 0.03(案件1件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替型。案件数量は6件から4件へ約0.67倍、名目単価は約1.34倍。10年より先の成長は0%以下。
倍率:k9.0%、g_long3.0%、moat normal。10年後の自己資本57.58億円から成長投資と借入返済後に残る余剰現金15億円を分離する。税後利息0.21億円を除く事業純利益6.79億円を事業自己資本42.58億円で割ったROEは約15.9%。RONIC=9.0%+0.5×(15.9%−9.0%)≒12.47%。正当化PER=(1−3.0%÷12.47%)÷(9.0%−3.0%)≒12.66倍。事業純利益6.79億円×12.66倍+余剰現金15億円×0.75で時価総額約97.2億円。2036年の減価償却費は約4.1億円。2026年の既存償却費を単純に物価1.34倍せず、設備更新と新工場投資による追加分を反映した。
確率:カーペット事業には回収拡大の実績がある一方、2026年のGrowth100初年度は計画未達であり、新規ポリオレフィン供給は100トンの立ち上がり段階である。2028年の売上100億円目標をそのまま達成させず、2036年にようやく概ね実現する道筋を中心にした。
やや悲観 28% 設備投資の成果が鈍く、成長が停滞 利益 1 億円 · PER 9.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 368 円12 億円
オフィスの改修需要が伸び悩み、使用済みカーペットの調達量は年間2万1,000トンにとどまる。東リなどの製造販売と回収を一体化した競合が存在感を強め、デベロッパーも複数の処理経路を使い分ける。再生材の需要は残るが、バージン樹脂の安値に引っ張られて単価の改定が進まない。
資源事業では受注件数が年間4万8,000件とほぼ横ばいになる。カーペット以外の廃棄物処理を拡大する施策は、物流費と人手不足により十分な利益を生まない。大手顧客との契約は維持できても、実際の取扱数量や処分料金で想定を下回る。
廃プラスチック原料供給は年間4,000トンにとどまる。三菱ケミカルの油化原料需要は存在するものの、品質管理コストが高く、大規模な供給網を構築できない。蒲郡工場などの設備には固定費が残り、稼働率の低さが採算を圧迫する。新素材事業の追加開発は縮小される。
2036年の売上高は約54億円、営業利益は約2.6億円となる。設備の更新費用と利払いが重く、純利益は約1.4億円にとどまる。資金を株主に返す余裕はなく、事業継続と借入返済が経営の中心になる。独自技術は残るが、技術に対する高い評価は得られない。
- タイルカーペット循環再生(CTR):数量 21,000(使用済みタイルカーペット調達量(トン/年))× 価格 0.00(調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。数量は現状を下回り、単価上昇も物価に追い付かない。工場の稼働率低下で利益率が縮む。
- 高機能再生ナイロン樹脂:数量 600(再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定))× 価格 0.00(製品1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。再生ナイロンの単価競争力が弱まり低収益。
- 廃ポリオレフィン・油化原料:数量 4,000(廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年))× 価格 0.00(供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。量産投資は十分な稼働率に届かず、利益はわずか。
- 産業廃棄物の収集運搬・中間処理:数量 48,000(資源ビジネスの年間受注件数(件/年))× 価格 0.00(受注1件当たりの平均売上(億円/件))→ 売上 37 億円・営業利益 7 億円。受注件数は現状並み。単価上昇は費用上昇を部分的に補う。
- 資源循環ソリューション・技術支援:数量 3.0(技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定))× 価格 0.03(案件1件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによる顧客の内製化で受託数量は半減。
倍率:ROEは約7.5%でk9.0%を下回るため、長期成長による価値の上乗せを認めない。基本的な稼ぐ力の上限1÷k=11.11倍より低い9.0倍を採用する。保有設備の稼働率不足と新素材事業の不確実性を考え、純利益1.4億円×9.0倍=12.6億円。売上縮小と一部設備撤退を反映し、2036年の減価償却費は約2.4億円。余剰現金は数えない。
確率:同社には2023年の最終赤字、2024年の営業利益急減、2026年の中計初年度未達という実績がある。借入と設備投資の負担も大きい。これらの会社固有の事情から、やや悲観の確率を28%と高めにした。
悲観 15% 構造的競争力を失い、再建を余儀なくされる 利益 0 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 74 円2 億円
タイルカーペットの回収網で競合に押され、調達量は年間1万2,000トンまで減少する。再生樹脂の価格はバージン樹脂との競争で下落し、設備の稼働率も低下する。特許技術は残るが、顧客が求める品質と価格に対する優位が薄れるため、かつての高い回収シェアを維持できない。
資源事業でも収集運搬件数が年間3万5,000件へ減少する。処理施設の固定費と人件費が負担になり、不採算地域から撤退する。工場M&Aで取得した設備の更新費用が想定を上回れば、追加の減損も必要になる。
廃プラスチック原料供給は本格的な量産へ移行できない。油化設備向けの販売契約は縮小され、原料調達網の整備費用を回収できない。高機能樹脂事業も安値競争に巻き込まれ、開発投資を縮小する。会社は不採算設備を閉鎖し、事業規模を大きく縮める。
2036年の売上高は約31億円、営業損益は赤字となる。利払いを含む最終損益も赤字であり、株主還元は行われない。銀行との借入条件の見直しや資産売却が必要な、経営再建の筋書きである。なお、完全な倒産・清算ではなく、残る回収網と設備を利用して事業を継続する場合を想定する。
- タイルカーペット循環再生(CTR):数量 12,000(使用済みタイルカーペット調達量(トン/年))× 価格 0.00(調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。回収シェアが低下し、名目単価もほぼ横ばい。
- 高機能再生ナイロン樹脂:数量 300(再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定))× 価格 0.00(製品1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。再生ナイロン販売が縮小し、固定費を吸収できない。
- 廃ポリオレフィン・油化原料:数量 500(廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年))× 価格 0.00(供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。油化原料供給は事業化に失敗し、小規模な残存取引だけになる。
- 産業廃棄物の収集運搬・中間処理:数量 35,000(資源ビジネスの年間受注件数(件/年))× 価格 0.00(受注1件当たりの平均売上(億円/件))→ 売上 24 億円・営業利益 4 億円。受注減少と処理能力縮小。低収益案件が残る。
- 資源循環ソリューション・技術支援:数量 2.0(技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定))× 価格 0.02(案件1件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替と顧客の内製化で案件が大きく減少。
倍率:継続事業の純利益は赤字であるためPERを用いない。2026年6月期末の普通株主帰属自己資本4.678億円から繰延税金資産1.586億円、無形固定資産0.605億円を除いた約2.49億円を残余資産の床とし、現在の自己資本に対するPBR約0.532倍で表す。2036年の自己資本1.98億円には掛けない。工場閉鎖と投資縮小により2036年の減価償却費は約1.5億円とする。
確率:重い借入と極めて小さい自己資本を持つため、事業の失敗が株主価値を急速に毀損する。廃プラスチック新事業の立ち上げ失敗とカーペット回収シェアの低下が重なる可能性を無視できず、悲観に15%を配分する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
タイルカーペット循環再生(CTR)
使用済みタイルカーペットを回収・分離し、リファインパウダーなどの再生素材を販売する。処理受託料と製品販売を合わせた事業である。
| 数量使用済みタイルカーペット調達量(トン/年) | 価格調達1トン当たりの処理受託料と再生素材販売の合計売上(億円/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 22,473 | 0.00 | 11 | 2 |
| 10 年後 中立 | 32,000 | 0.00 | 20 | 4 |
取り方:2026年6月期有報の顧客契約収益分解にあるCTR事業売上1,059,282千円を使用。数量は2026年9月30日事業計画の使用済みカーペット調達量22,473トン。平均売上は約47,136円/トン。これは処理受託料と再生素材販売の合成単価であり、樹脂だけの製品単価ではない。素材セグメント全体の利益212,929千円しか個別開示されていないため、CTR単独利益2.4億円は当分析の配賦推定である。対象廃棄物市場は会社推計年間70,000トン、当社調達シェア約32%。専用工場の公表処理能力は千葉18,000トン、RIVIC24,000トン、合計42,000トン。競合の独立したシェア内訳は非開示。
高機能再生ナイロン樹脂
漁網、エアバッグ端材などからREAMIDEを製造し、国内メーカーなどへ販売する。ポリオレフィン事業とは分けて評価する。
| 数量再生ナイロン樹脂などの販売量(トン/年・推定) | 価格製品1トン当たり平均売上(億円/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 500 | 0.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 900 | 0.01 | 5 | 0 |
取り方:2026年6月期有報の高機能樹脂事業売上199,157千円から、別途推定した新規ポリオレフィン原料売上600万円を控除した残額。実際のナイロン販売トン数は非開示。2026年9月のアジアPA66価格約17,700人民元/トンを円換算すると概ね40万円/トンとなるため、製品価格の比較目安として用い、約500トンを推定した。ただし市場価格はバージン樹脂の参考値であり、再生品の実売単価を直接証明しない。利益は工場移転期の採算を考えた推定で、個別開示値ではない。価格比較参考:https://www.fareastnetwork.co.jp/plapedia/03-shikyo/theme28508/
廃ポリオレフィン・油化原料
廃PE・PPなどを選別・前処理し、三菱ケミカルの油化設備向け原料やマテリアルリサイクル向け素材として供給する新規事業。
| 数量廃プラスチック再資源化原料の供給量(トン/年) | 価格供給原料1トン当たり平均売上(億円/トン) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 100 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 16,000 | 0.00 | 13 | 2 |
取り方:2026年9月30日会社資料にある油化ケミカルリサイクル原料供給実績100トンを使用。独立した売上高は開示されていないため、前処理済み原料の平均売価を1トン6万円と仮定し、売上600万円を高機能樹脂売上の内数から分離した。実際には原料の処理受託料、選別費、販売形態によって単価が異なるため不確実性は高い。2028年会社目標は20,000トンで、実績からの増加幅が極めて大きい。操業初期の損失も推定であり、個別開示値ではない。
産業廃棄物の収集運搬・中間処理
建設系混合廃棄物などを収集運搬、選別、処理する。カーペット回収と連動して不動産会社や建設会社からの受託を増やす。
| 数量資源ビジネスの年間受注件数(件/年) | 価格受注1件当たりの平均売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 47,783 | 0.00 | 32 | 8 |
| 10 年後 中立 | 75,000 | 0.00 | 65 | 16 |
取り方:2026年6月期有報の資源ビジネス外部売上3,193,226千円と、会社資料の資源受注件数47,783件を利用した。受注1件当たり売上は約66,828円。運搬、処分、廃棄物の種類、案件規模、少額の工事・その他収益を含む実績平均であり、純粋な処分単価ではない。関東の混合廃棄物処理料金は種類により1立方メートル当たり概ね1万~5万円程度で、運搬費を加えると案件単価に幅が出る。セグメント利益753,497千円は開示値。全国の廃棄物処理市場は数兆円規模だが、首都圏建設系廃棄物の厳密な競合シェアは非開示。
資源循環ソリューション・技術支援
顧客の廃棄物処理フロー構築、資源化手法の提案、技術提供などを行う小規模事業。人による調査・提案部分にはAI代替が及ぶ。
| 数量技術支援・ソリューション案件数(件/年・推定) | 価格案件1件当たり平均売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 6.0 | 0.02 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4.0 | 0.03 | 0 | 0 |
取り方:2026年6月期有報のソリューション事業売上12,762千円を使用。案件数と単価は開示がないため、年6案件、1件平均約213万円という表示上の仮定を用いた。実際の契約形態は技術支援、協業、設備提供などの混合の可能性があり、厳密な人月売上比率は不明。売上比率は全社の約0.29%。AIエージェント代替の適用対象は主に調査・提案・資料作成部分であり、現場の収集運搬や再生樹脂製造は対象外とする。
リスクと懸念
重い純負債と資金調達リスク
2026年6月期末の純有利子負債約17.7億円に対し、普通株主帰属自己資本は約4.7億円しかない。借入の借換え条件や金利が悪化すると、資源ビジネスで稼いだ利益が利払いに吸収される。追加設備投資を借入で賄い続ける場合には、自己資本比率の改善が遅れる。資金調達に失敗すれば、資産売却や株式発行による希薄化も考えられる。
ポリオレフィン事業の立ち上げ失敗
2028年の原料供給目標20,000トンに対し、2026年6月期の実績は100トンである。新設備の稼働、廃材回収、異物除去、品質の安定、物流、顧客との長期契約が同時に必要になる。三菱ケミカルの油化設備が完成したことだけで、大量の原料供給収益が保証されるわけではない。設備の利用率が低いままなら、減価償却と借入負担が先行する。
バージン樹脂との価格競争
再生樹脂は環境価値だけで販売できるわけではない。原油・ナフサ価格の下落や樹脂供給過剰によって新品樹脂が安くなれば、再生素材の販売価格にも下落圧力がかかる。再生材の品質を一定に保つための選別・洗浄・加工費は簡単に減らせないため、数量が増えても利益率が悪化する可能性がある。
原料調達と工場稼働率
素材事業は廃カーペット、漁網、エアバッグ端材、廃ポリオレフィンを安定して回収できることが前提である。再開発工事の遅延や顧客の廃棄物処理方針の変更によって原料が不足すれば、生産設備の稼働率が下がる。反対に回収量が増えすぎても、保管能力や中間処理能力の制約によって追加投資が必要になり、資本効率が低下する。
競争技術と顧客の内製化
東リなどのカーペットメーカーが独自の回収・再資源化網を強化したり、より安価な樹脂分離技術が普及したりすれば、リファインバースの技術優位は弱まる。大手素材メーカーが廃材調達や前処理を自社で行うようになれば、ポリオレフィン原料供給の利幅も圧縮される。特許と長年の実績があることだけでは、新技術や内製化に対する完全な防御にならない。
AIエージェント代替
全社の中核は物理的な廃棄物処理と素材製造であり、AIエージェントが直接代替する事業ではない。ただし、ソリューション事業の調査、企画書作成、技術支援、処理フローの設計提案といった人の工数で提供する部分はAIによる内製化と価格引下げ圧力を受ける。2026年売上に占める割合は約0.3%であり、全社価値への直接影響は小さい。一方、社内の見積り、受注、配車手配にAIを活用することで費用を減らす余地はある。
設備更新費と減価償却の時間差
2026年6月期の減価償却費は約2.1億円だが、新しい工場や設備に投じる現金は償却費と同じ額にとどまるとは限らない。既存設備の減価償却は過去の取得原価で決まる一方、更新投資は物価上昇後の建設費・機械価格で行う必要がある。会計利益が増えても、更新投資によって自由現金が残らない状態が長引けば、株主価値は利益の伸びほど増えない。
今後の分かれ目
- 使用済みカーペット調達量が年間35,000トンに近づき、素材事業利益率も改善したら
- CTRの数量前提を上方修正し、やや楽観の確率を高める。既存工場の能力42,000トンに対する稼働率と追加投資額も併せて確認する。
- ポリオレフィン原料供給が年間10,000トンを超え、外部顧客への継続販売と黒字化を確認できたら
- 新規事業の商業化リスクが下がったと判断し、廃プラスチックの中立数量と利益率を引き上げる。単なる試験供給や設備完成だけでは評価を変えない。
- 資源ビジネス受注件数が100,000件に到達し、セグメント利益率が20%以上を維持したら
- カーペット回収と産廃処理の連動が拡大したと評価する。中立の資源事業数量を引き上げ、固定費吸収の改善を利益へ反映する。
- 自己資本比率が30%以上となり、純有利子負債が営業利益の3倍以下へ下がったら
- 財務の危うさが大きく低下するため、借金に対する資本コスト上乗せを引き下げる。低い資本コストが継続するなら、すべての筋書きの価値を引き上げる。
- 営業キャッシュフローが設備投資と借入返済を継続的に賄えなくなったら
- やや悲観・悲観の確率を増やし、追加借入、工場売却、増資の必要性を再評価する。利益だけ改善していても株主価値の改善とは判断しない。
- 東リなどの競合が廃カーペット回収を大きく拡大し、同社の調達量が2年連続で減少したら
- カーペット事業の堀が弱まったと見て数量を引き下げる。素材販売だけでなく、連動する資源事業の受注減少も反映する。
- 中間処分施設のM&Aを実行したら
- 取得額、追加借入、許認可、稼働率、維持更新投資、取得後のROICを確認する。資本コストを上回る収益力が認められる場合だけ長期価値を増やす。
見ておくもの
- 使用済みタイルカーペット調達量と対象地域の回収シェア。2026年実績22,473トン、2028年会社目標35,000トン。
- 資源ビジネスの年間受注件数と受注1件当たり売上。2026年実績47,783件、2028年会社目標100,000件。
- 廃ポリオレフィンの年間原料供給数量、稼働率、継続顧客数。2026年実績100トン、2028年会社目標20,000トン。
- 素材セグメントと資源セグメントの営業利益率、全社費用および減価償却費。
- 営業キャッシュフロー、設備投資、自由現金、現金残高、純有利子負債、自己資本比率。
- 三菱ケミカルの油化設備の稼働状況とリファインバースからの原料購入数量。
- 廃カーペット回収を行う東リなど競合の設備能力、顧客契約、回収数量。
- 中期経営計画Growth100の進捗と、中間処分施設M&Aの取得額・投資採算。
- 新株予約権の行使状況、増資の有無、普通株主への配当方針の変更。
倍率と資本コストの決め方
2026年10月22日の株価1,109円と発行済株式数から計算した現在の時価総額は約37.14億円である。事業価値の算定には現在のPER・PBRや過去の株価の山谷を使わず、カーペット調達トン数、再生樹脂原料供給量、廃棄物処理受注件数、単価、営業利益率から2036年の純利益を算定した。
資本コストは9.0%、10年より先の名目成長率は3.0%である。楽観から中立の倍率は、余剰現金を分離した事業ROEとRONICから正当化した。10年間で積み上がる自己資本と還元を各筋書きで区別し、現金を利益倍率と資産価値の両方に数えないようにした。
5つの筋書きと株主還元を確率加重して割り戻した価値は約43.4億円、現在の時価総額との差は約+16.8%で「やや割安」となる。希薄化は既存株主の取り分で調整した。日本基準の新リース会計適用後も、将来比較は従来どおり賃借料を営業費用に含む形に揃える。実際の投資判断では借入返済と新事業の収益化を最優先で確認する。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本資本コスト7.5%に事業の収益変動+0.5%、重い純負債+1.0%を加える。2023年の赤字はあるが直近2期は黒字化し、2026年決算に継続企業の前提に関する注記はないため、事業危機としての追加上乗せはしない。M&Aや新設備の実行リスクは確率と利益率で扱う。