結論
ぐるなびは飲食店に広告・ネット予約・販促運用・厨房設備・注文システムを売る会社である。長く持つ株主の目では、現状の時価総額約76億円には安全域が乏しく、10年の価値は割高側にある。料理を探す入口は残っても、店に課金できる入口が10年後も同じとは限らないからだ。株主が必要とするのは予約件数の回復ではなく、再投資を差し引いて長く残る利益である。
かつて2017年3月期には売上約370億円、営業利益約67億円を稼いだ。しかし2026年3月期は売上141億円、営業利益4億円まで縮み、コロナ禍の前から競争力の低下が始まっていた。会社は2029年3月期に売上189億円、営業利益13億円を掲げるものの、そのための営業増員などで2027年3月期には営業赤字8億円超を予定する。復活が実現する前に、その費用だけが先に発生する構図だ。
支えは楽天IDとの連携、3万店を超える継続課金顧客、現場の営業接点である。だが食べログやホットペッパーグルメに対して集客の独占力は弱く、Google検索やAIエージェントが店探しから予約まで肩代わりするなら、掲載料と運用代行料の双方に下押しが生じる。自社のAI対応サービスは前進しているが、それ自体が十分な有料売上を生んだ証拠はまだない。
財務にも錯覚がある。現金約33億円の裏側に有利子負債がほぼ同額あり、2026年3月期の営業キャッシュフローも赤字だった。悲観の下値は帳簿純資産の52億円ではなく、債権・有価証券を保守的に換価して負債を返した後の十数億円と見る。先に再建の資本効率を確かめてから評価すべき会社である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主なら、最初に「10年後の飲食店にとって、ぐるなびへ払うお金はなくせない経費か」と問うだろう。答えは一部だけ肯定だ。予約受付、運営支援、厨房備品には実際の必要性があるが、検索広告の購入先もプロフィール更新の作業者も選び直せる。サービスが必要であることと、その会社が高い料金を取り続けられることは別である。
次に見るのはオーナー利益、すなわち利益から維持・改修の再投資を引いて株主に帰属する現金だ。2026年3月期は営業黒字であっても営業活動による現金収支は赤字で、無形資産の投資負担が大きかった。新しい注文システムやAI対応の開発費がこの先も続くなら、帳簿の純利益をそのまま配当原資にするのは危うい。増員で売上を取りに行く事業では、成功しても人件費とシステム費の先払いが伴う。
再投資利回りの面でも、新規の営業拠点、注文システム、データ連携が資本コストを超えて稼げる証拠はまだ足りない。過去の営業利益率が高かったことより、今後の契約数が何店増え、単価がどこまで守られ、販管費をどれほど増やさずに済んだかが重要だ。自社で蓄えた予約データは資産だが、他媒体やPOSに対し独占的な利用を強制できるわけではない。
経営陣が復配を優先し、広告運用から価格競争の少ない現場支援へ収益を移せれば価値は改善する。しかし増資に頼って事業を維持する道へ戻れば、既存株主の取り分は薄まる。現時点では堀を広く認めず、悲観時に換価できる資産も慎重に数える。魅力的な再建物語と、今すぐ安全域を持って株主になる判断は分けるべきだ。
何で稼ぐ会社か
収益の柱は飲食店への継続課金である。2026年3月期のストック型サービス売上は約99億円、スポット型は約12億円で、加盟店は媒体掲載、楽天ポイントを使った送客、宴会・会食予約、検索対策などに対価を払う。年度末のストック型有料加盟店は33,881店で、第四四半期の店舗当たり月額契約高は25,164円だった。継続契約数の伸びは小さく、近年の増収は複数商品を併売した単価上昇の寄与が大きい。
継続課金の中には、自社媒体の広告枠だけでなく、Googleビジネスプロフィールの運用代行や訪日客向けの情報発信支援が入る。この二つは同じ店舗に販売されても、稼ぎ方が違う。前者は自社の利用者・予約が価値の源泉であり、後者は担当者の運用作業に価格が付く。会社は売上を分けて開示していないため、長期評価ではストック型99億円のうち七割を媒体、三割を代行とする暫定的な分析上の区分を設けた。
単発の販促枠・ネット予約手数料に近いスポット型は、忘新年会などの季節的な需要を受ける。省庁や自治体を主な相手とするプロモーションは約12億円で、地域食材の普及や観光誘客などの企画・運営受託が中心になる。こちらは案件の採否と人件費が収益を左右し、広告枠のような安定した権利ではない。
関連事業は約18億円で、テンポスぐるなびの厨房機器販売や店舗開発、モバイル注文のFineOrderなどを含む。FineOrderは大手チェーンを中心に契約企業179社まで進んだが、企業数は導入店舗数でも課金席数でもなく、単独売上も開示されていない。そこで関連事業から仮に2億円を業務ソフトに区分し、残りを物理的な厨房・開店支援とみなした。これは会社の正式な報告セグメントではなく、AIへの弱さが違う仕事を混ぜないための仮説である。
2026年3月末には楽天ID連携会員が約1,116万人おり、送客と店舗営業の接続は実在する。しかし楽天の会員と店主との契約関係は、ぐるなびだけが独占するものではない。加盟店が広告から売上を回収できないと判断すれば、月額課金は繰り返し見直される。
優良さと弱いところ
一番の強みは、飲食店の現場に営業員が入り、何を売れば集客と運営が改善するかを聞けることだ。ネット予約の受け皿と楽天ポイントによる誘客を合わせられ、単なる検索結果の一覧よりは提案の幅が広い。2026年3月期は継続課金の加盟店数が1.2%増にとどまった一方、第四四半期の単価が6.8%上がった。商品を束ねて売る力には実績がある。
ただし堀、つまり他社が簡単に奪えない強みは細い。飲食店は複数の検索媒体や地図サービスを併用できるため、他サイトへの乗り換えに数年を要するわけではない。食べログは有料店舗だけで10万店を超え、ぐるなびより大きな消費者接点を持つ。独自の来店履歴と楽天の会員連携は価値があるが、解約率が年5%未満であるとの定量的な開示や、法制度に支えられた正本データの独占は確認できない。したがって業務ソフトと販促代行を強い堀として扱わない。
資本効率も長期で評価すると厳しい。2016年から2017年ごろの二桁の営業利益率は、競争環境が違った時代の成果である。その後はコロナ前から利益率が落ち、2021年以降の赤字が自己資本を削った。2026年3月期に黒字へ戻っても、ROEは約4.5%で資本コストに届いていない。これまでの設備投資やサイト改修が増分投資に十分な収益を生んだとは言いにくい。
営業現場には明確な改善余地があるが、改善に必要なシステム投資も重い。2026年3月期には大きなソフトウエア投資を行い、会計利益が黒字でも営業キャッシュフローは赤字だった。AIを用いて運用費を削れるとしても、顧客側が同じAIで代行費用を節約する力との競争になる。コスト削減の利益が、そのまま株主に残るとは考えない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
飲食店市場そのものは消えるわけではない。富士経済による2025年の国内外食市場推計は約35.7兆円で、料理代の上昇と訪日客の消費が名目金額を支えている。ただしこれは飲食店の売上規模であって、広告・予約・店舗支援の売上市場そのものではない。厚生労働省の営業許可施設数は約143万であり、ぐるなびの有料加盟店約4.3万店は施設数比で約3%にすぎない。全許可施設が有料広告の買い手になるわけではないため、この比率を真の市場シェアと断定することもできない。
直接競合の食べログは2026年6月末の有料店舗数がおよそ10.3万で、同じ許可施設数に対して約7%に相当する。食べログの店舗関連収入には予約手数料などが含まれ、ぐるなびの継続契約との定義も異なるが、課金店舗の規模差は明白だ。リクルートのホットペッパーグルメもネット予約を押さえ、Googleマップ、LINE系のサービスや個店の直接予約も客の入口を奪い合う。大手が持つ検索導線と口コミの厚さに対し、ぐるなびは営業支援の深さで差をつけなければならない。
今後10年の飲食店の実数は、人口減少、後継者不足、人件費高騰で緩やかに減ると見る。外国人観光客の増加は都心や観光地の店を支えるが、地方の全店舗数を一様に増やす材料ではない。物価が年3%上がる前提でも、広告・運用の単価にその全額を転嫁できるとは限らない。競合媒体を併用できる飲食店には価格交渉力があり、販促支出は景況感でも削られる。
最大の変化はAIエージェント代替である。検索結果を人が読んで予約ボタンを押す流れが、利用者の代理ソフトによる店選びや直接予約に変われば、自社媒体への来訪と広告枠の販売力が落ちる。検索プロフィールの更新や動画制作はAIに置き換わりやすく、受託案件の実質件数は中立で10年間に三割程度縮む。画面操作型のFineOrderにも外部の注文エージェントやPOS統合が迫るため、利用契約は二割減る中立像とする。一方、厨房機器の配送や施工そのものは画面だけでは代替できず、別の数量筋書きを与えた。
2036年以降は媒体の名目成長が残っても、人手代行と操作席の部分が相殺する。楽天との提携や予約の独自データはその衝撃を和らげるが、第三者には移せない業界共通の記録正本を支配しているとは言えない。全社の長期成長を物価上昇率より低く見るのは、この収益構造の違いによる。
資本政策と M&A
会社は2026年5月に中期経営計画2028を公表した。最終年度の2029年3月期は売上189億円、営業利益13億円、総有料加盟店舗6万店、総加盟店舗10万店、ROE21%、ROIC16%が目標だ。初年度の2027年3月期には営業増員と商品投資を先行させ、売上151億円でも営業損失8.3億円、純損失10億円を予想する。目標が実現するまでの流動性を株主が負担する計画である。
同計画の3年間の資金配分は、営業キャッシュフロー40億円、投資30億円、借入返済6億円、株主還元2億円プラスアルファを想定する。2029年3月期には復配を掲げているが、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買いの確約額について継続的な数値の約束はない。2025年3月期には約13億円の自社株取得を行った一方、2026年3月期の配当はゼロだった。将来の総還元額は業績回復と自由資金が伴う場合に限る。
過去10年の資本配分を成功とは評価しない。コロナ以前の高収益から大幅に後退し、赤字局面で増資・希薄化を経験したため、以前の株主が手にする利益は減った。楽天は有力株主だが持分は約16.5%で完全な支配者ではなく、上位10株主の合計も65%には届かない。2025年の自社株取得実績を踏まえ、余剰現金が実在すれば株主へ戻る割合は高めに評価する。ただし帳簿上の現金約33億円は借入約33億円とほぼ相殺されるため、直ちに配れる余剰現金とは呼べない。
テンポスとの厨房機器販売や楽天との予約連携は、巨大買収よりも業務提携で隣接収入を取る試みである。今後の買収や完全子会社化が株価を押し上げる可能性は否定しないが、合意済みのTOBや上場廃止は確認できない。期待する買収価格を本質価値の根拠には加えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
楽天との会員連携は広告契約の名前だけではなく、来店予約とポイント還元を生む実際の送客網である。2026年3月末の楽天ID連携は1,116万人に達し、ストック型の店舗当たり契約高も上がっている。会社の営業担当者は店舗の営業時間、料理の特徴、外国語対応、予約在庫を聞き出せる。こうした情報は、店主が自力で更新し続けるには手間がかかるため、伴走支援にはまだ支払う理由がある。
2029年3月期の経営計画では、総有料加盟店を約4.3万店から6万店へ伸ばす構想が示された。新規営業の増員とAI時代に合わせたデータ基盤が成果を出せば、いったん利用者から遠ざかった媒体が予約実績を伴って再び選ばれ得る。FineOrderは179社に契約が広がり、既存契約企業の対象店舗に対する稼働店舗の割合も高い。大手チェーンの業務に入れれば、単なる広告より解約しにくい取引が増える可能性がある。
さらにテンポスとの提携は、広告の送客から厨房設備・店舗開発まで顧客の出店資金を取り込む足場となる。広告制作がAIで安くなっても、厨房の実物を選び、配送し、据え付ける仕事はなくならない。2036年の楽観では、この物理的な関連事業の案件相当数が倍増する。自社媒体の料金も物価並みに上がり、粗利の厚い継続課金が残れば、営業網の再構築費用を回収できる。
過去に大きな利益を出したことは、収益構造の改善余地を示す補助材料にはなる。ただし当時の利益率へ無条件に戻るのではなく、今後の契約単価と仕組み化によって高収益へ近づくことが必要だ。楽天が買収するという観測に依存しなくても、黒字回復、復配、現場支援の拡大の三つがそろえば、現在の時価総額以上の事業価値をつくる上振れは存在する。
慎重な見方
自社の検索サービスへ来訪者を集めて店舗から掲載料を受け取る仕組みは、広告市場の広い独占ではない。食べログの有料店舗数は10万店を超え、リクルートも飲食の予約・販促に強い顧客網を持つ。検索から地図へ、地図から会話型AIへと入口が移るたびに、ぐるなびの知名度だけで有料掲載の効き目を証明するのは難しくなる。楽天からの送客も楽天自身の戦略が変われば条件が変わり得る。
経営陣が強化するマーケティングエージェントには、店の口コミへの返信、写真の登録、広告文や動画の制作、検索プロフィールの更新が含まれる。この多くはAIエージェントが自動実行できる仕事であり、提供側の省人化は顧客側の内製化と表裏一体だ。FineOrderにも外部のPOS連携や注文処理ソフトが浸透すれば、専用画面を使わせる価値は低下する。顧客データを抱えているというだけでは、法令上の記録正本や年単位の切替障壁にはならない。
過去の資本配分は慎重に評価すべきだ。売上は2017年から大幅に縮み、赤字と株式数の変化で従来株主の経済的な持分は傷んだ。2026年3月期には関連事業の店舗開発などで減損損失も出ている。2027年3月期は再び大幅赤字を計画し、その後の増収が遅れれば追加借入、縮小、資産売却などの選択を迫られよう。売上の成長が資本効率の改善に結びつく証拠は十分ではない。
現金が約33億円あるという数字だけで財務の安全を語れない。ほぼ同額の借入があり、2026年3月期の営業活動による現金収支も負だった。中立でもAIによる案件減少を織り込んでいるので、悲観側では同じ理由を倍率や資本コストに重ねず、経営計画の未達、組織の縮小、追加投資の失敗によって収益が一段と弱まる事態を想定する。資産の換価額が支えになるとしても、その大部分が株主へ直ちに配られるわけではない。
どちらに重みを置いたか
店舗に深く接している営業力と楽天との連携には実体があり、再建に成功する上振れは否定しない。ただし自社媒体への来訪、委託運用、注文画面のいずれにも独占的な参入障壁がなく、2017年から失った利益を簡単に取り戻せるとは言えない。2027年の計画赤字と過去の希薄化も、経営計画への依存度を高める。
確率は上側の合計28%に対し、やや悲観と悲観を42%とし、下に14ポイント寄せる。AI代替による中立の数量減と長期成長率の低下はすでに売上に反映済みで、確率に同じ損失を重ねていない。下に寄せる追加理由は、借入と現金が拮抗する下での先行投資、計画目標への高い依存、過去の資本毀損である。保守的な資産床を残しても、現在の時価総額には安全域が認めにくい。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 111 円63 億円(+ 還元の換算額還元の合計 20 円11 億円)。 今の値に割り戻すと 62 円35 億円、今との差 −44.4%、 期待の年率 +1.7%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 321 円181 億円 | 62 円35 億円 | +241.6% | +14.8% | 38 円22 億円 |
| やや楽観 | 18% | 218 円123 億円 | 35 円20 億円 | +126.6% | +9.3% | 46 円26 億円 |
| 中立 | 30% | 99 円56 億円 | 16 円9 億円 | +2.3% | +0.2% | 34 円19 億円 |
| やや悲観 | 26% | 26 円14 億円 | 7 円4 億円 | −70.7% | −12.5% | 9 円5 億円 |
| 悲観 | 16% | 23 円13 億円 | 2 円1 億円 | −77.5% | −14.2% | 4 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 111 円63 億円 | 20 円11 億円 | +16.8% | +1.7% | 131 円74 億円 |
今の株価時価総額 112 円63 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 楽天送客が定着し厨房支援が拡大 利益 14 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 321 円181 億円
楽天IDとの連携が予約の継続利用につながり、飲食店は広告よりも来店につながる商品に費用を振り向ける。ぐるなびは既存の継続課金顧客をほぼ維持し、自社媒体の料金は物価上昇に見合う水準まで上げられる。大手チェーンのFineOrder契約も失われず、POSとの連携を通じて飲食店の運営に残る。2029年3月期の経営計画はおおむね達成され、営業組織の先行投資が収益に結びつく。
もう一つの成功は実店舗向け商材で起きる。テンポスぐるなびの販売網を通じて厨房機器・改装支援の案件相当数が現在の推定値から倍増し、広告ほどAIに代えられない売上が増える。省庁・自治体の案件は維持するが、販促制作・運用がAIで省力化される以上、案件数の強い成長は見込まない。マーケティング代行も顧客数の維持までを上限とし、AIを理由に架空の新市場を作らない。
媒体の利益率は高まるが、外食関連事業の低採算とシステム開発費は残る。2036年3月期の全社売上は約200億円、営業利益は約22億円に達する。初期の赤字を経た10年累積利益が自己資本を支え、相応の配当・買戻しも可能になる。ただし消費者の予約入口で食べログやGoogleを圧倒するほどの独占には至らず、長期の成長率は控えめにとどまる。
- 自社媒体・予約の継続課金:数量 33,881(ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用))× 価格 0.00(1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目))→ 売上 93 億円・営業利益 29 億円。自社媒体の店舗相当数を維持し、料金は10年の物価上昇と同じ1.34倍。
- 検索・広告運用の伴走代行:数量 33,881(ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用))× 価格 0.00(1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目))→ 売上 34 億円・営業利益 8 億円。運用代行の人月型。AI代替を考慮して楽観でも契約相当数を増やさない。
- 飲食店向け単発販促・予約手数料:数量 9,000(単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定))× 価格 0.00(1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 3 億円。単発販促を維持し、単価は物価の範囲内で上昇。
- 省庁・自治体の地域プロモーション:数量 35.0(大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定))× 価格 0.35(大型案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。自治体案件数を維持。制作・運用はAI代替のため単価を据え置く。
- 厨房機器販売・店舗開発などの現場支援:数量 900(厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定))× 価格 0.05(案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 43 億円・営業利益 1 億円。テンポスとの現場販路が拡大し、案件相当数を2倍にする。
- FineOrder等モバイル注文システム:数量 179(FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数))× 価格 0.01(契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。FineOrder企業数を維持し、操作画面課金の単価上昇は1.15倍まで。
倍率:2026年自己資本52.1億円から、2027~2036年の累積純利益88.86億円と累積株主還元35億円を流し、2036年の自己資本105.96億円とした。うち事業外余剰現金20億円を除き、税後受取利息0.28億円を差し引いた事業純利益13.28億円を、事業自己資本85.96億円で割るとROE15.45%。資本コスト8.5%、弱い堀の残存割合1/3からRONIC10.82%、名目長期成長率1%として正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.1006倍。事業純利益の価値に余剰現金20億円を株主還元率1.0で一度だけ足し、会社全体の時価総額180.696億円とする。20億円の現金余力は将来の投資・借入・運転資金を考慮した仮定であり、実測済みの将来現金残高ではない。
確率:2029年の会社計画を大きく下回らない収益力に回復し、物理的な厨房取扱案件が10年で倍増するには、営業改革と新販路展開の双方が長く成功する必要があり、実現確率は限定的とする。
やや楽観 18% 営業改革が奏功して利益率が回復 利益 9 億円 · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 218 円123 億円
楽天経由の予約導線と営業担当者の提案が一定の成果を上げ、ストック型顧客の離脱は小幅に収まる。自社媒体の利用店舗相当数は33,000店を維持し、媒体価格も物価に近い上昇を実現する。新しい運用代行商品は単価を上げられるが、顧客が自前のAIを導入するため契約数は3万店相当へ後退する。受注が増えたFineOrderも画面利用への依存が残り、契約企業相当数は現状をやや下回る。
厨房機器と店づくりの取扱案件は、テンポスとの販売連携が効いて緩やかに増える。食材価格の高騰に苦しむ飲食店にも設備更新需要は残るが、施工や配送の粗利は高くない。省庁・自治体の企画事業は競争入札が厳しく、一定の件数減少を織り込む。結果として2036年の売上は約176億円にとどまるが、赤字からの構造改革を経て営業利益は15億円程度に回復する。
会社の2029年目標の勢いが2036年まで直線的に続くのではなく、到達後に検索・運用市場が成熟する筋書きである。自社株取得と復配が再開し、現金も一部残るため、既存株主に渡る累積価値は中立より高い。それでも独占的な媒体への回帰ではなく、増分の資本収益率が緩やかに薄れる事業として評価する。
- 自社媒体・予約の継続課金:数量 33,000(ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用))× 価格 0.00(1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目))→ 売上 88 億円・営業利益 25 億円。自社媒体は33,000店相当を維持。単価1.31倍。
- 検索・広告運用の伴走代行:数量 30,000(ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用))× 価格 0.00(1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目))→ 売上 30 億円・営業利益 5 億円。伴走代行はAIによる内製化で件数減少。単価1.14倍。
- 飲食店向け単発販促・予約手数料:数量 8,000(単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定))× 価格 0.00(1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。単発販促8,000件換算、価格1.30倍。
- 省庁・自治体の地域プロモーション:数量 30.0(大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定))× 価格 0.37(大型案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。自治体案件30件換算。官需の競争が続く。
- 厨房機器販売・店舗開発などの現場支援:数量 650(厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定))× 価格 0.05(案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 31 億円・営業利益 1 億円。厨房・出店案件相当数は650件へ拡大。
- FineOrder等モバイル注文システム:数量 160(FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数))× 価格 0.01(契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。FineOrder企業相当数160社、単価1.14倍。
倍率:2026年自己資本52.1億円に2036年までの累積純利益63.85億円を足し、累積還元20億円を引いた自己資本95.95億円を使用。仮定した将来の余剰現金14億円と税後利息0.196億円を除いた事業純利益9.154億円、事業自己資本81.95億円から事業ROE11.17%を得る。k8.5%、弱い堀の残存割合1/3、名目g1%によりRONIC9.39%、正当化PER11.9134倍。事業純利益×PERに株主へ戻る余剰現金14億円を一度だけ加え、時価総額123.055億円。将来現金14億円は維持更新投資を差し引いた仮定である。
確率:楽天連携とストック型ARPU増加は実績がある一方、2027年の投資赤字、FineOrderの未開示採算、競合の規模から、自社媒体と店舗設備がそろって伸びる可能性には抑制的な確率を与える。
中立 30% 媒体は残るが代行はAIに削られる 利益 4 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 99 円56 億円
飲食店の実数は人口減少や閉店で緩やかに減り、楽天との連携だけで大幅な市場シェア回復はできない。自社媒体の継続課金顧客相当数は約31,000店まで減るが、複数商品を束ねる営業が残り、価格は10年間に約26%上昇する。これは物価上昇分を全額転嫁できない想定である。訪日客を集める店舗への販促需要はあるものの、地方の個店では広告費を抑える動きが続く。
AIエージェントが店の検索、プロフィール更新、広告文作成を担うため、運用代行の契約数は現在の四分の三になる。スポット販促や地域プロモーションの案件も減る。FineOrderはPOS事業者や注文代行ソフトとの連携を続けるが、席や操作画面への課金は守り切れず、契約企業相当数は約二割縮む。厨房機器の案件数はおおむね維持し、物理的なサービスだけが物価に近い単価上昇を実現する。
2027年の計画赤字の後、営業組織の再配置と外注費削減で黒字を取り戻す。しかし会社が掲げる2029年の高いROEは長続きせず、2036年の売上は約147億円、営業利益は7億円程度にとどまる。将来利益を積み上げた自己資本に対して稼ぎは薄く、資本コストを上回れない。会社は存続するが、株主にとっては再建費用が先にかさみ、還元は限定的となる。
- 自社媒体・予約の継続課金:数量 31,170(ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用))× 価格 0.00(1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目))→ 売上 80 億円・営業利益 21 億円。自社媒体店舗相当数は現在の0.92倍、価格は1.26倍。
- 検索・広告運用の伴走代行:数量 25,410(ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用))× 価格 0.00(1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目))→ 売上 25 億円・営業利益 3 億円。AIエージェント代替により代行契約相当数0.75倍、価格1.12倍。
- 飲食店向け単発販促・予約手数料:数量 6,300(単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定))× 価格 0.00(1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。単発広告・予約案件相当数0.70倍、単価1.22倍。
- 省庁・自治体の地域プロモーション:数量 24.0(大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定))× 価格 0.35(大型案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。官公庁の販促案件は約0.69倍、単価据え置き。
- 厨房機器販売・店舗開発などの現場支援:数量 450(厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定))× 価格 0.05(案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 21 億円・営業利益 −1 億円。実物の厨房関連案件は横ばい、単価1.30倍。
- FineOrder等モバイル注文システム:数量 143(FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数))× 価格 0.01(契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。FineOrderの企業相当数0.80倍、単価1.12倍。
倍率:2026年自己資本52.1億円に10年間の累積純利益40.24億円を足し、株主還元9億円を引いた2036年自己資本83.34億円を使う。将来の余剰現金4億円は高額のソフトウエア維持更新投資を考慮した少額の仮定であり、税後利息0.056億円を純利益から除く。事業純利益4.384億円、事業自己資本79.34億円のROEは5.53%で資本コスト8.5%に届かないため、正当化PERは1/k=11.7647倍が上限。事業利益をこのPERで評価して余剰現金4億円を一度だけ足し、会社終価55.576億円とする。長期成長率1%による利益の上振れは、低い資本効率の下では加算しない。
確率:会社の再建努力による一部黒字回復と、AIによる運用代行・操作画面の縮小を同時に織り込む。現状の契約課金店舗数と2026年の単価の伸びを基準にし、2029年の経営目標達成は確定扱いしない。
やや悲観 26% 店舗離れと運用の内製化が進む 利益 2 億円 · PER 9.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 26 円14 億円
店探しの中心がGoogleマップ、食べログ、対話型AIに移り、ぐるなびを直接訪れる利用者が減る。継続課金の自社媒体に相当する店舗数は2.6万店へ減少し、値上げ幅も物価上昇率を下回る。販促運用代行では店主が自動化ツールを使うようになり、案件数と受取手数料の双方が圧迫される。年間を通じた提案営業は残るが、一店舗から得られる総利益は薄くなる。
単発の宴会販促や自治体プロモーションは、発注者側のAI内製化と競争入札で規模を落とす。FineOrderの契約企業相当数も減り、開発費を十分に回収できない。テンポスとの厨房機器事業は取扱量を減らしながら継続するものの、低利益率が続く。収益の落ちたメディアに以前の本社経費を負担させ続けられず、組織を縮小して存続を図る。
2036年の売上は約111億円、営業利益は約3億円を下回る。増益のための新規投資には踏み切れず、配当や買戻しはほとんどない。株主が回収できる価値は、低くなった稼ぐ力と現在換価できる資産の両方を照らして決める。現金だけを見て安全と判断することはできない。
- 自社媒体・予約の継続課金:数量 26,000(ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用))× 価格 0.00(1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目))→ 売上 60 億円・営業利益 17 億円。媒体店舗相当数は約0.77倍、単価1.12倍。
- 検索・広告運用の伴走代行:数量 20,329(ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用))× 価格 0.00(1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目))→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。AI代替で運用代行契約相当数0.60倍。
- 飲食店向け単発販促・予約手数料:数量 5,400(単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定))× 価格 0.00(1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。単発販促案件数は0.60倍、価格1.15倍。
- 省庁・自治体の地域プロモーション:数量 20.0(大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定))× 価格 0.35(大型案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。自治体等からの大型案件数が20件相当へ縮小。
- 厨房機器販売・店舗開発などの現場支援:数量 375(厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定))× 価格 0.04(案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 −1 億円。厨房案件数は375件相当、物理需要も弱含む。
- FineOrder等モバイル注文システム:数量 107(FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数))× 価格 0.01(契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。操作画面の陳腐化で契約企業相当数0.60倍。
倍率:現状自己資本52.1億円に10年間の累積純利益20.11億円を加え、累積還元4億円を控除して将来自己資本68.21億円を得る。2036年の純利益1.61億円に対するROE2.36%は資本コスト8.5%を大きく下回る。再投資の成長価値は加算できず、正当化PERの上限1/k=11.7647倍から、競争力低下後の稼ぐ力を慎重に評価した9倍とする。よって会社終価は14.49億円。将来の余剰現金は追加せず、現時点の売上債権・換価可能資産から負債を控除した資産床13億円より高く、稼ぐ力の上限18.94億円より低い。
確率:下に寄せる理由:直近で純現金がほぼゼロとなった状態から2027年の10億円純損失を先行負担し、過去10年の営業不振と資本毀損を繰り返す経営実行リスクを独立に反映する。AI代替の中立縮小は数量に既に含めており、確率で再控除しない。
悲観 16% 直接検索への移行で収益が半減する 利益 1 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 23 円13 億円
AIエージェントが飲食店の発見から予約までを直接引き受け、ぐるなびの媒体を経由する理由が大きく減る。食べログやGoogleへの集中も進み、ストック型媒体の課金店舗相当数は現状のほぼ半分になる。店のプロフィール作成や広告運用は顧客自身のツールで済み、受託代行も半分まで縮む。FineOrderはPOS・決済事業者の統合機能に対抗できず、契約企業相当数を減らす。
売上は2036年に約75億円へ縮小し、現在の半分ほどとなる。設備販売も競争が強く、厨房・開店支援の利益は赤字のままだ。媒体の稼働に必要な費用だけを残して営業網と本社機能を大幅に削り、それでも営業利益は2億円に届かない。再び赤字が重なれば買収や提携による事業整理もあり得るが、買い手が旧株主に高い価格を払うという前提は使わない。
現状の帳簿純資産にはソフトウエアなど換金しにくい資産が含まれる。売掛債権や投資有価証券を割り引き、借入金や運転負債を清算した額を下値の参考にする。既存株主の取り分を奪う新株発行が確定しているわけではないため、希薄化は機械的には加えない。この筋書きでも債務超過は既定にせず、わずかな営業黒字を保つ最小限の残存会社として評価する。
- 自社媒体・予約の継続課金:数量 16,940(ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用))× 価格 0.00(1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目))→ 売上 35 億円・営業利益 10 億円。自社媒体の有料店舗相当数が約半減し、価格上昇は2%のみ。
- 検索・広告運用の伴走代行:数量 16,940(ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用))× 価格 0.00(1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。運用代行契約相当数を半減、単価は現状維持。
- 飲食店向け単発販促・予約手数料:数量 4,500(単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定))× 価格 0.00(1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。スポット販促案件は半減し、単価は上がらない。
- 省庁・自治体の地域プロモーション:数量 18.0(大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定))× 価格 0.32(大型案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。官公庁案件が約半減し、受託単価も低下。
- 厨房機器販売・店舗開発などの現場支援:数量 300(厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定))× 価格 0.04(案件相当1件当たり売上(億円、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 −1 億円。厨房機器・店舗開発案件数は300件相当へ減少。
- FineOrder等モバイル注文システム:数量 90.0(FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数))× 価格 0.01(契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。FineOrder契約企業相当数がほぼ半減し、赤字が続く。
倍率:2026年自己資本52.1億円から10年間の累積純利益15.32億円を積み上げ、株主還元1億円を引いた2036年自己資本66.42億円を使用。2036年の純利益1.12億円からROE1.69%となり、資本コスト8.5%を下回るため、正当化PERは成長価値を付けない1/k=11.7647倍が上限。終価13.176億円は残存利益1.12億円の収益価値であり、現在の換価資産を基にした床13億円を僅かに超える。低い資本効率と薄い資産床に接近した結果であり、堀の強さを示す倍率ではない。悲観では余剰現金の追加価値を認めず、過去のPBRや株価を根拠にしない。
確率:下に寄せる理由:過去の大幅な損失と希薄化、関連事業の減損、低い営業CFを考え、営業改革が失敗して縮小均衡へ至る複合事象を無視できない。買収プレミアムは未確約なので含めず、倒産が当然という見方にもしていない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
自社媒体・予約の継続課金
楽天ぐるなびへの有料掲載、予約導線、広告枠などの自社媒体価値。営業支援の人手部分は次の区分へ分ける。
| 数量ストック型有料加盟店舗相当数(店・期末数を年間の基準に代用) | 価格1店当たり推定年間媒体売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 33,881 | 0.00 | 69 | 14 |
| 10 年後 中立 | 31,170 | 0.00 | 80 | 21 |
取り方:2026年3月期に会社開示のストック型売上98.985億円と期末有料加盟店33,881店を使用。独立売上は非開示なので媒体70%=69.286億円、代行30%=29.694億円を便宜上配賦し、媒体は69.286億円÷33,881店=年約20.45万円/店と推計した。広告・予約サービスには楽天ID連携1,116万人という集客接点があるが、この配賦率も期末店数を年間分母に使う点も分析仮定であり、開示ARPUの実測値ではない。媒体枠型はAI検索で直接来訪が失われることを数量に入れ、料金はCPI上昇1.34倍までとする。媒体による市場シェアは有料飲食店約4.3万対許可施設約143万の約3%を参考にするが、競合との重複を認める。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
検索・広告運用の伴走代行
Googleビジネスプロフィール管理、口コミ返信、海外向け媒体運用やコンテンツ制作の外部支援。労務と運用に対価が付く。
| 数量ストック型契約店舗換算数(店、媒体区分と同一店を重複利用) | 価格1店相当当たり推定年間代行売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 33,881 | 0.00 | 30 | 4 |
| 10 年後 中立 | 25,410 | 0.00 | 25 | 3 |
取り方:会社が事業別に開示していない媒体内の運用代行を、ストック型約98.98億円の30%=29.694億円と仮配賦。全有料ストック33,881店に均した約8.76万円/年は、実際のエージェント契約店舗数でも公表単価でもない。会社の運用代行商品と平均単価上昇は開示されているが、売上割合は検証不能である。AIエージェント代替の人月・運用広告型を適用し、中立契約数33,881→25,410店相当(0.75倍)、単価1.12倍、長期gは名目0%。別の契約者母集団としては足し合わせない。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
飲食店向け単発販促・予約手数料
宴会時期のスポット広告やネット予約に伴う従量収入。景況感と媒体外予約の浸透に左右される。
| 数量単発販促・予約の年間契約案件換算数(件、推定) | 価格1契約案件換算当たり年間売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 9,000 | 0.00 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 6,300 | 0.00 | 10 | 1 |
取り方:会社が開示した2026年3月期スポット売上12.211億円を起点とする。有料総加盟約43,000店とストック有料33,881店の差約9,100から、年間9,000件相当を数量代理として採用し、単価12.21億円÷9,000=約13.57万円/件と推計した。実際の単発発注・予約件数は未開示で、この差は独立した顧客や案件の実数ではない。飲食店の販促予算は競争的で、AIによる広告運用や直接予約の代替を受けるため、中立の実質件数を0.70倍、単価を1.22倍にとどめる。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
省庁・自治体の地域プロモーション
地域食材や観光などのプロモーション案件を企画・運営し、官公庁・自治体などから受託収入を得る。
| 数量大型プロモーション案件相当件数(件/年、仮定) | 価格大型案件相当1件当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 35.0 | 0.35 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 24.0 | 0.35 | 8 | 1 |
取り方:会社開示の2026年3月期売上12.258億円を採用。全国約1,741市区町村の2%程度が大型案件を委託するという代理仮定で35件相当とし、12.25億円÷35=0.35億円/件とする。省庁や民間の案件も含まれるためこの件数は実際の受託件数ではなく、全国自治体数を分母にした実際の契約シェアでもない。制作と運用はAI代替されやすい型とし、中立件数24(0.69倍)、単価据え置き、長期g0%を想定。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
厨房機器販売・店舗開発などの現場支援
テンポスぐるなび等を通じた厨房機器・什器の販売、店舗開発や出店支援。物の配送と施工を伴うため、画面作業の自動化だけでは消えない。
| 数量厨房・出店支援の年間案件相当数(件、推定) | 価格案件相当1件当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 450 | 0.04 | 16 | −1 |
| 10 年後 中立 | 450 | 0.05 | 21 | −1 |
取り方:会社開示の関連事業17.872億円から、FineOrder等の業務ソフトへの仮配賦2.0億円を控除して15.87億円とみなした。案件数・単価は非開示なので450件相当×約352.7万円/件という仮説に分解する。全国の飲食店許可施設約143万は潜在更新先の母集団であり、実際の機器市場の年間成約件数でも同社シェアでもない。テンポスの販売網の拡大を楽観では案件数2倍、中立では横ばいとする。実物の販売はAIエージェントが直接代替する型ではなく、更新量とCPIを独立に置く。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
FineOrder等モバイル注文システム
チェーン飲食店で使う注文操作・店舗運営システム。顧客の注文画面と店舗側の操作が価値の一部を占める。
| 数量FineOrder契約企業換算数(社、開示値は契約企業数) | 価格契約企業当たり推定年間システム売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 179 | 0.01 | 2 | −1 |
| 10 年後 中立 | 143 | 0.01 | 2 | 0 |
取り方:会社説明では2026年3月期のFineOrder契約企業数179社、対象契約店舗のうち稼働店舗比率87%。ただし関連売上におけるFineOrderの金額・席数・店舗単価は未開示なので仮に2.0億円を割り当て、179社×年約111.7万円/社とした。これは実際の利用社単価ではなく分析用の企業換算額である。席ID・注文画面依存の業務ソフト型としてAIエージェント代替を適用し、中立契約企業換算数143社(0.80倍)、価格1.12倍、長期g名目−1%。規制の正本データ、年単位の移行費用、低解約率など2つの堀の証拠は確認できない。営業利益は連結営業利益4.0億円に整合させた分析上の粗い割当てであり、部門利益として公表された値ではない。
リスクと懸念
AIエージェント代替
広告枠に来る利用者、広告の制作・運用、店舗が操作する注文システムの三つが同時に置き換わり得る。2026年にはAI検索対策を含む新商品を出したが、AIを直接販売して獲得した独立売上は開示されていない。中立では運用代行の契約店換算を四分の三、FineOrderの企業換算を五分の四とし、長期の名目成長も抑えた。堀のない部分を独占的データ基盤とみなしていない。
集客導線と競合媒体の圧力
食べログは有料店舗を10万店以上抱え、ホットペッパーグルメやGoogleマップも予約客を確保している。ぐるなびの店舗は複数媒体を併用できるため、掲載料金の実質値上げに抵抗しやすい。楽天連携も送客価値はあるが独占権ではなく、楽天側の販促政策が変われば優位は薄れる。予約対応店舗数が伸びても消費者予約数と広告単価が伸びるとは限らない。
先行投資と借入の借換
2027年3月期には営業赤字8.3億円、純損失10億円を会社が予定する。現金は約33億円あるが有利子負債も約33億円で、見かけほど安全な純現金はない。年3%の国債金利を前提とした借換では利払いが上昇し得る。2026年3月期の利息は約0.79億円、受取利息は約0.15億円であり、今後の満期や運用対象預金を確認せず純額だけで楽観はできない。
ソフトウエアの陳腐化と収益化
サイト改修、FineOrder、AIに対応する情報基盤は継続的に投資が必要な資産である。2026年3月期末の無形固定資産は約18.7億円で、利用者が他サービスへ流れれば回収価値が急落し得る。会計利益が黒字でも営業キャッシュフローは赤字であり、成長投資の継続は配当余力を細らせる。新規機能の導入企業数と実際の有償売上を混同しない。
関連事業の低採算と減損
厨房機器の販売には配送・在庫・店舗運営の負担があり、媒体ほど高い利益率が付くとは限らない。2026年3月期の関連事業では店舗開発関連を中心とする減損が発生した。AIによる広告縮小を物販拡大で埋める楽観側でも、粗利が低ければ全社の資本効率は改善しない。案件数量が伸びても返品、廃棄、賃料や撤退費用の増加を監視する必要がある。厨房機器店の家賃も固定費となる。新リース会計の使用権資産と負債の計上は表示の変更であり、家賃控除済みの利益から同じ支払を二重に引かない。
少数株主への帰属と再編
2022年から2023年にかけて希薄化を伴う資本変動があり、将来の成長投資が利益だけで賄えなければ再び発行済みの経済的持分が薄まる可能性がある。楽天は大株主だが完全親会社ではないため、必ずTOBが起きるとみなす根拠はない。希薄化や買収対価が具体化した時には、現在の株主が受け取る割合を改めて計算する。
今後の分かれ目
- 2027年3月期の営業赤字が計画の8.3億円を大きく超え、現金と借入の差がマイナスに広がれば
- 再建に必要な外部資金が増えるため、次期以降の増資・借換条件を確認し、やや悲観・悲観の重みを増す。利益成長の仮定だけでなく株主の持分も見直す。
- 2029年3月期に有料加盟6万店、営業利益13億円、ROIC16%を現金創出を伴って達成したら
- 成長投資が資本コストを超えて実際に働いた証拠として中立の営業利益率を引き上げる。広告運用と実店舗支援の実際の収入内訳を確認したうえで、やや楽観の重みを増す。
- ストック型有料加盟店が減少しても四半期ARPUだけ上がり続け、予約実績が鈍化したら
- 継続契約の価格上昇が解約の前触れでないか確かめ、媒体店舗数の減少率を強める。額面の値上げを持続的な値決め力と取り違えない。
- FineOrderの企業数ではなく有償店舗数、解約率、月次売上が継続的に開示され、実売上が伸びたら
- 業務ソフトを単なる操作画面から、他のPOS・決済を束ねる業務基盤として再検討する。年単位の移行負担など独立した堀の証拠が二つそろって初めて長期成長率を改める。
- マーケティング運用サービスの売上が生成AI普及後も純増し、実際の成果課金が主流となったら
- 人手による運用の単価低下がどこまで止まったかを確認し、受託数量と価格を上方修正する。単なるAI機能の搭載や社内効率化の発表だけなら修正しない。
- 店舗開発や厨房機器の利益率が黒字で安定し、投資有価証券の売却と借入返済が計画通り進んだら
- 関連事業の案件数だけでなく運転資金と減損の改善を確認する。持続可能なオーナー利益と余剰現金の増加が見えれば価値を引き上げる。
見ておくもの
- ストック型有料加盟店数、総有料加盟店数と四半期ARPU(会社中計の6万店への進捗)
- ネット予約対応店舗数と予約件数の実数、楽天ID連携からの送客比率
- 媒体商品とマーケティング代行それぞれの売上・解約率・粗利の新規開示
- FineOrderの有償稼働店舗数、解約率、利用企業数179社からの推移と課金売上
- 食べログ、ホットペッパーグルメ、Google等の飲食店向け有料契約と予約の動向
- 2027年営業損失予想8.3億円の進捗、2029年ROIC16%・営業利益13億円の達成度
- 営業CF、ソフトウエア投資、借入金の固定・変動条件と現金同等物の推移
- 2029年の復配と3年間で2億円プラスアルファの還元、追加増資やTOBの適時開示
倍率と資本コストの決め方
財務・株価の起点には添付factsとbriefの2026年3月期売上141.3億円、営業利益4.0億円、純利益2.4億円、自己資本52.1億円、2026年10月19日の株価基準と自己株控除後56,371,138株を採用し、今の時価総額は約76.1億円とする。ストック・スポット・プロモーション・関連という会社開示の売上を変えず、AIへの弱さが違う六事業へ再分類した。媒体70%・代行30%とFineOrder2億円、各案件数・利益率配分は未開示の推定で、実測の部門利益や契約数に見せない。年3%のCPIは単価にだけ、AI代替は数量とg_longにだけ効かせた。中立のROEは資本コスト未満なので市場の過去PERではなく1/kを上限とし、上側のみ弱い堀のRONIC式で倍率を決めた。10年後の将来余剰現金は維持更新費を勘案した仮定額を明示して重ねて足さない。5筋書きと5年時点とみなす株主還元の割引により、現在価値は約35.1億円、現値との差は約−54%となる。計画目標や現在のPBRから終価を逆算していない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に過去の損益変動+0.5%と価格決定力の弱さ+0.5%を加えて8.5%。2025年・2026年の営業利益は黒字で2026年短信にGC注記はなく、2027年の計画赤字だけで継続赤字企業向けのdistress上乗せは付けない。β・小型株プレミアム・AI代替の寿命罰則は重ねない。