結論
KG情報は地方の採用支援と住宅選びを、求人媒体、対面相談、デジタルサービスでつなぐ会社だ。結論は「割高」である。定期預金を含む厚い現金は確かな強みだが、情報を集めて編集し、人に紹介する仕事の値段が十年後にも守られるとは言いにくい。求人広告も賃貸物件の検索も、大手の集客網とAIエージェントによる直接照会にさらされる。現在の時価総額約60億円に対し、五つの筋書きの割引現在価値は約41億円とみる。
最も評価したいのは「家づくり学校」である。住宅会社の比較を手伝い、来店者を実際の住宅見学に結びつける仕事には、検索結果だけでは足りない対面の価値がある。会社はこの仕組みを全国に広げようとしているが、店舗が増えても相談組数と成約率が同時に伸びなければ、家賃と人件費が先に膨らむ。2025年に利益率を改善した実績と、2018~20年に赤字を重ねた歴史を両方見る必要がある。
現預金は2025年末に約50億円あり、そのうち44億円は現金同等物に含まれない定期預金だ。添付の純現金約6億円だけで判断すると、財務の防波堤を大きく見誤る。他方、この預金は少数株主がすぐ引き出せる財布ではない。高い配当を続ける経営の実績は評価するが、十年先の事業の競争力と現金の返し方を分けて判断する。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず預金の額と事業の稼ぐ力を切り分ける。現預金約50億円は時価総額と比べても大きい。とくに定期預金44億円を見落とすと、この会社を必要以上に脆弱だと見てしまう。しかし持つだけの現金は利益を生む事業の堀ではなく、少数株主が自由に動かすこともできない。評価するのは帳簿の数字だけでなく、現金を安全に増やして株主へ戻す姿勢だ。
残る事業には、対面の信頼と地域の人間関係という理解しやすい良さがある。家づくりは価格が高く失敗を避けたい買い物なので、無料相談の利用者は簡単には消えない。ただしお金を払うのは住宅会社だ。紹介を受けずに直接受注できるなら、提携先が払う単価は下がる。求職者と企業のマッチングも同じで、紹介の手間をAIが減らせば、仲介者の取り分が守られる保証はない。
筆者が慎重になるのは、過去十年に利益と売上が大きく揺れ、余剰資本を収益率の高い事業へ十分に移せていない点だ。2025年の利益率改善は立派だが、2028年の高い目標が十年続くとは見なさない。再投資の利回りが見えなければ、高い永続成長率を値段に含めず、余剰現金と控えめな事業価値の合計で考える。そうすると現在の株価には長く保有するための安全域が不足する。
何で稼ぐ会社か
稼ぎは大きく二本である。2025年の会社開示では、HRソリューション関連情報が約11.17億円、生活関連情報が約11.21億円だった。その他の印刷受注やウェブ制作などを含めた連結営業収益は約27.4億円となる。会社の会計上の報告セグメントは情報関連事業一つなので、以下の細分化は開示された内訳とサービスの姿から筆者が推定したものである。
人材側の「アルパ」は求人情報を紙やネットに載せ、「アルパコネクト」は企業の採用管理を支援する。料金は雇い手が払う。別の「しごと計画学校」は仕事探しを手伝い、紹介・派遣の成立で対価を得る。外国人材支援「NEDUKU」では、入国後の研修や定着支援まで請け負う。現場に出向く支援には許認可や地域企業との取引履歴が効くが、求人原稿作成や日常的な事務対応は自動化しやすい。
暮らしの側では「家づくり学校」が柱だ。利用者は無料で住宅会社の選び方を学び、相談員と予算や性能を確かめた上で工務店を見学する。住宅会社側の広告・紹介などが収入につながる。賃貸物件を探す「賃貸スタイル」などは検索流入と事業者からの広告対価に依存する。ほかに受託印刷やサイト制作を営むが、広告紙の部数が減れば工場の固定費が残る。
利益構造を読み違えないため、媒体・採用管理、人材支援、住宅対面相談、賃貸送客、印刷・制作の五つに分けている。細分化した売上、契約件数、単価および部門利益は非開示部分を含み、公開された総額と整合する推計値である。将来の重要な検証点は、会員数よりも有料契約・紹介成立数・顧客当たり収入が同時に残るかどうかだ。
優良さと弱いところ
最も丈夫な競争力は、地域企業と顧客を実際につなげる営業網である。「家づくり学校」は相談から見学まで面倒を見られ、住宅情報誌で長く蓄積した地場工務店との関係がある。外国人材の登録支援機関としての実務と自治体案件にも、現場で制度を動かす手間が残る。全国画一的な検索サイトにはない接点だが、他社が再現不能な独占権ではない。
本物の堀、つまり値上げしても客が離れない力を確認するには、解約率、紹介後の定着率、成約一件当たりの料率を見たい。会社はそれらを横断的な実績値として十分に開示しておらず、「記録の正本」と呼べる独自データや法改正時の値上げ実績も二つ以上立証できない。求人媒体はIndeedや求人検索エンジンに集客を取られ、賃貸の検索流入も検索エンジンの仕様に左右される。堀は広がるより、現状では試されている。
純現金の厚さは数字以上に重要だ。2025年末の現預金約50.4億円には、キャッシュフロー計算書の現金同等物約6.2億円だけでなく、定期預金44億円が含まれる。運転用の流動性を残しても資金繰りへの不安は小さい。しかし全社ROEは過去十年の中央値が約3.1%で、資本コストに届かなかった。余裕資金を抱えること自体は、投資して高い収益を再現する力の証拠にならない。
2018年以降の構造的な縮小と赤字を経て、営業利益は改善した。これは固定費を管理し、住宅相談に資源を移した成果である。一方、追加出店や新しいAI不動産サービスに投じる資金の増分利回りは、店舗別の投下資本と成約利益が分からず検証できない。儲かる場所だけを増やせるかが十年保有の核心になる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
求人情報の市場は大きいが、顧客の選択肢はさらに多い。全国求人情報協会による2024年度の求人情報提供サービス市場は約6,661億円で、2025年の求人広告掲載は約2,888万件だった。KG情報の求人媒体・採用管理の推計売上6.4億円は、その全国市場の約0.10%にすぎない。媒体以外の紹介・派遣を混ぜていない近似だが、地場では存在感があっても全国のネットワーク効果を握ってはいないことを示す。
競合はIndeed・リクルート、ディップのバイトル、アイデム、マイナビなどだ。応募者が検索サイトやAIに仕事探しを任せ、企業が直接採用システムを使えば、広告の掲載枠と原稿制作には値下げ圧力がかかる。国内では働き手不足が続くが、人材紹介の仕事がそのまま増えるとは限らない。面談記録の整理と候補者探索が自動化され、残るのは営業先との関係や在留制度への対応になる。派遣市場全体は2024年度約9.9兆円と大きいものの、同社の対象地域と業務に限ったシェアは開示されていない。
住宅領域では国土交通省による2025年の持家着工が約20.1万戸と前年より減った。家づくり学校の年3,000組超という過去の募集資料の利用実績を使えば、全国の住宅検討者に対する接点はまだ小さい。相談者と成約住宅の数は同じではなく、全国着工との比率を売上シェアと断定してはいけない。スーモカウンターや地元工務店の自社集客が競合であり、住宅価格の上昇と人口減少が相談の母数を削る。
賃貸スタイルはSUUMO、LIFULL HOME’S、アットホームに比べて流通物件の網とブランドで劣り、検索順位が変われば流入を失う。十年で市場全体の名目広告費が増えても、同社の訪問者や有料案件が同じ率で増えるとは考えない。住宅相談だけは実際の見学手配を通じて生き残る余地があるが、店舗を増やすほど一店舗当たりの成約効率が問われる。
資本政策と M&A
経営は「労働集約型から高収益体質へ」を掲げる。2026~28年度の中期計画では、2028年度の営業収益36.13億円、営業利益8.65億円、営業利益率23.9%を目標とする。「家づくり学校」40店舗、アルパコネクト等の利用顧客450社、人材紹介220人、海外人材支援1,200人も数値目標だ。ただしROEの数値目標、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額については数字の約束なしで、安定配当という方針にとどまる。
配当は2023年度から増え、2025年度は約2.6億円を払い、当期純利益の約78.5%を還元した。2026年には15万株、約1.27億円の自社株買いも実施した。利益が減った2024年度にも配当を守った姿勢は、少数株主にとって重要である。一方で44億円の定期預金を一度に返す約束はなく、現金の価値を株主が受け取るまでには時間がかかる。
2018年には山口の求人企業アピールコムを約2.63億円で買収し、地域を広げた。しかし買収後の長い売上減少を見る限り、地方求人紙を束ねれば永続的に増収するという証拠にはならない。筆頭株主OHANAは2026年6月時点で約46.7%を保有し、経営に大きな影響力がある。営業現金は住宅相談の出店、AI開発、人材育成に向かう。出店後の一校当たり利益を開示し、資本コストを上回る投資先だけに絞れるかを見たい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
「家づくり学校」はネットだけで家を決めたくない家庭から選ばれている。住宅の断熱性能や資金計画の相談には専門性が要り、実際の工務店見学を取り次ぐ人間の価値は残る。2025年には生活関連情報が業績を支え、全社営業利益も増えた。住宅価格が上がれば住宅会社にとって一件の受注が持つ価値も高まり、相談から契約へ至る確率が改善すれば、店舗当たりの利益を守れる。2028年に向けた40店舗構想が無駄な出店にならず、地域をまたいだ紹介網として機能する可能性はある。
人材の側でも「しごと計画学校」の対面相談、外国人材の入国後研修、企業との定着面談は一つの検索画面で完結しない。自治体との連携が実績を重ねれば、求人情報誌に依存していた収益の構造が変わる。アルパコネクトの導入社数が増え、既存客の継続利用が確認できれば、広告の売り切りから継続課金に移行する余地がある。
財務も極めて厚い。2025年末の現預金には44億円の定期預金が含まれ、2026年には自己株取得も行った。今後の金利上昇は預金の受取利息を増やし、長く支えになる。経営が既存の住宅紹介の成約率を高め、過度な買収を避け、余った金を着実に返すなら、事業の変動性を補ってなお株主の取り分は大きくなる。
慎重な見方
同社がかつて稼いだ求人広告の枠は、検索サイトへの直接掲載とAIによる応募・面談の自動化で不要になる。アルパコネクトは採用管理を便利にするが、企業が操作画面そのものを使わなくなれば、席課金の継続性を証明するのは難しい。賃貸スタイルには検索アルゴリズムの変更による流入減少がすでに起きた。これは架空の将来リスクではなく、集客を外部に預ける事業の弱点が表れた事例だ。
家づくり学校も無傷ではない。人口減少で持家着工が減る中、住宅会社が生成AIや自社の動画で直接顧客とつながれば、相談の送客手数料は下がる。リアル店舗を全国に増やした後で一校当たりの来店者が細れば、家賃と人件費が営業利益を圧迫する。過去には売上が大きく減り、2018~20年に連続赤字となった。いったん業績が傾けば、好況期の利益率が維持される保証はない。
現預金が多いことも、事業価値の下落を必ず止めるわけではない。大きな定期預金を抱えたまま、低収益の新サービス開発や出店を続ければ、株主の手元には戻らない。筆頭株主が大きな議決権を持つ以上、現金の使い方を少数株主は決められない。売上が半減して赤字が続く時には、残る現金と換金可能な資産だけを評価の中心に据えるべきだ。
どちらに重みを置いたか
預金の厚さと住宅の対面接点は強気材料だが、より重く見るのは過去の求人売上縮小、検索流入への依存、増分資本収益率の未証明である。中立にもAIによる有料案件数の縮小を織り込んだ上で、下側を47%、上側を25%とした。下に寄せる理由はAIを二重に罰するためではなく、2018~20年の赤字実績と地方の住宅着工減少という同社固有の脆さだ。約44億円の余剰定期預金を正しく数えても、十年先の資本コストを割り引いた本質価値は現在の時価総額を約32%下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 899 円64 億円(+ 還元の換算額還元の合計 238 円17 億円)。 今の値に割り戻すと 568 円41 億円、今との差 −30.5%、 期待の年率 +3.8%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 1,443 円103 億円 | 418 円30 億円 | +127.8% | +10.0% | 186 円13 億円 |
| やや楽観 | 15% | 1,228 円88 億円 | 363 円26 億円 | +94.7% | +8.0% | 239 円17 億円 |
| 中立 | 28% | 944 円68 億円 | 307 円22 億円 | +53.1% | +5.0% | 350 円25 億円 |
| やや悲観 | 27% | 688 円49 億円 | 167 円12 億円 | +4.7% | +0.5% | 231 円17 億円 |
| 悲観 | 20% | 605 円43 億円 | 56 円4 億円 | −19.2% | −2.2% | 132 円9 億円 |
| 加重平均 | 100% | 899 円64 億円 | 238 円17 億円 | +39.3% | +3.8% | 1,138 円82 億円 |
今の株価時価総額 817 円59 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 住宅紹介の成約率と人材の実務対応が残る 利益 6 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,443 円103 億円
住宅を比較する利用者はAIで下調べを済ませるが、最後の候補選びと建物の見学では人に相談する。家づくり学校は増やした店舗の稼働を改善し、紹介が成立する割合を高める。住宅会社も成約した客には広告費を払うため、送客の単価が物価程度上がる。全国の持家着工は減っても、同社の地域内の接点が残り、相談組数は現在の水準を保つ。
アルパの旧来型求人広告は伸びなくても、アルパコネクトの既存顧客が利用を継続し、人材紹介と外国人材の受入支援は自治体案件を足場に定着する。AIは原稿作成の費用を減らすが、現場の研修や面談の品質が他社との違いになる。新しい「住まいむすび」は計画どおり始動しても、金額の裏付けがないため急成長を見込まない。2018年のアピールコム買収で広げた山口の顧客網も維持できる。
経営は無理な大型買収を避け、既存事業の利益率を高め、厚い定期預金を温存しながら配当と自己株取得を続ける。この場合は事業の値段を支える稼ぐ力が保たれ、十年で資本効率を改善できる。
- 求人媒体・採用管理サービス:数量 280(有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定))× 価格 0.03(一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年))→ 売上 8 億円・営業利益 2 億円。AI代替:広告制作・運用と席課金の併存。契約数は実質数量で、料金の名目変化は価格。
- 人材紹介・派遣・外国人材支援:数量 650(紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定))× 価格 0.01(一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替:人月・面談の工数は削減、在留資格・対面研修の現場実務は一部残る。
- 家づくり学校・住宅紹介:数量 3,000(年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安))× 価格 0.00(相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組))→ 売上 12 億円・営業利益 3 億円。AI代替:相談の工数が減るが、工務店見学と契約前の対面確認は残る。
- 賃貸スタイル・住宅情報ウェブ:数量 120,000(年間の有効広告・送客発生回数(件、推定))× 価格 0.00(広告・送客一件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替:自社媒体の流入・送客件数が検索要約に減らされる。
- 他社印刷・ウェブ制作運営等:数量 950(外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定))× 価格 0.01(印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替:ウェブ制作の工数は削減。紙印刷の数量減と紙代上昇は分ける。
倍率:長期名目g=0%、k=8.25%で、正当化PER上限=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.12倍。事業純利益は全社5.52億円から定期預金44億円×税後利回り1.4%=0.616億円を控除した4.904億円。弱い堀の超過ROEは新規投資で3分の1残るがg=0なのでPERは12.12倍。余剰預金44億円を別加算し時価総額103.44億円。
確率:住宅の対面接点と外国人材の現場支援が評価され、店舗と行政案件への投資がほぼ成功する必要がある。AIサービスの利益開示はまだ無く、数量が今の水準を超える想定にはしない。
やや楽観 15% 住宅と外国人材が旧媒体の減少を補う 利益 4 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,228 円88 億円
家づくり学校は遠隔相談を加え、住宅会社と相談者をつなぐ業務を続ける。全国の住宅着工は減るが、店舗の開設地域を絞り、相談員の研修と成約率改善で採算を確保する。相談組数は現状より小さくなる一方、一件当たりの収益は住宅価格とともに上がる。
求人広告の一部は採用企業の自動掲載に代わり、アルパの掲載件数は減る。それでも残った企業は採用管理を外注し、外国人材の入国・登録支援の難しさはしばらく続く。顧客の説明や定着支援まで面倒を見るサービスは、AIだけで代替されるよりも遅いペースで縮む。競合のIndeedやSUUMOと正面衝突せず、地元企業との関係を使って送客や紹介を受け持つ。
増店に伴う人件費とシステム投資はかかるが、紙媒体の印刷コストが下がり、収益率はおおむね維持される。2018年型の大きな赤字は避け、配当を継続する。
- 求人媒体・採用管理サービス:数量 250(有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定))× 価格 0.03(一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AI代替:広告制作・運用と席課金の併存。契約数は実質数量で、料金の名目変化は価格。
- 人材紹介・派遣・外国人材支援:数量 600(紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定))× 価格 0.01(一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替:人月・面談の工数は削減、在留資格・対面研修の現場実務は一部残る。
- 家づくり学校・住宅紹介:数量 2,750(年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安))× 価格 0.00(相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。AI代替:相談の工数が減るが、工務店見学と契約前の対面確認は残る。
- 賃貸スタイル・住宅情報ウェブ:数量 108,000(年間の有効広告・送客発生回数(件、推定))× 価格 0.00(広告・送客一件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替:自社媒体の流入・送客件数が検索要約に減らされる。
- 他社印刷・ウェブ制作運営等:数量 900(外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定))× 価格 0.01(印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替:ウェブ制作の工数は削減。紙印刷の数量減と紙代上昇は分ける。
倍率:g=0%、k=8.25%、正当化PER上限12.12倍。事業純利益=4.25億円−44億円×1.4%=3.634億円。これにPERを掛け、余剰預金44億円を一度だけ足して88.04億円とする。AI代替の長期縮小をkの寿命と倍率の任意割引に重ねない。
確率:店舗拡張と人材紹介が一部成果を出し、広告を失う速度を緩める筋書き。制度対応と地域の営業網は残るが新サービスの高成長は見込まない。
中立 28% 情報の無料化に合わせて収益が縮む 利益 3 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 944 円68 億円
会社は家づくり学校の出店と人材支援の拡大を進めるが、地方人口と持家着工の減少で一店舗当たりの相談組数が細る。来校する人への対面助言は必要でも、住宅会社の紹介先を探す前段階はAIで済ませられる。会社が新たな店舗を増やしても、相談者の総数は現在より減り、成約手数料と広告単価の値上げも物価を少し下回る。
アルパの紙求人や制作受託は採用企業の直接掲載に置き換わり、採用管理ソフトも画面操作の価値を失う。人材紹介・外国人材支援の対面業務には制度対応が残るため、売上が一度に消えるわけではないが、案件数と業務単価の両方に競争が出る。賃貸スタイルの自然検索流入は大手ポータルに押され、印刷工場も数量の減少を単価上昇だけでは補えない。
2028年度の中計は実現できる部分があっても、十年先に利益率23.9%が固定されるとはみない。経営が余剰預金を安易な買収に投じず安定配当を続け、低採算の店舗を見直すことで、事業は小さくても黒字を維持する。
- 求人媒体・採用管理サービス:数量 210(有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定))× 価格 0.02(一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。AI代替:広告制作・運用と席課金の併存。契約数は実質数量で、料金の名目変化は価格。
- 人材紹介・派遣・外国人材支援:数量 455(紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定))× 価格 0.01(一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替:人月・面談の工数は削減、在留資格・対面研修の現場実務は一部残る。
- 家づくり学校・住宅紹介:数量 2,160(年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安))× 価格 0.00(相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組))→ 売上 9 億円・営業利益 2 億円。AI代替:相談の工数が減るが、工務店見学と契約前の対面確認は残る。
- 賃貸スタイル・住宅情報ウェブ:数量 96,000(年間の有効広告・送客発生回数(件、推定))× 価格 0.00(広告・送客一件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替:自社媒体の流入・送客件数が検索要約に減らされる。
- 他社印刷・ウェブ制作運営等:数量 680(外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定))× 価格 0.01(印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替:ウェブ制作の工数は削減。紙印刷の数量減と紙代上昇は分ける。
倍率:g_long=0%、k=8.25%、事業ROEが資本コスト前後なので正当化PER上限1/k=12.12倍。事業純利益=2.57億円−預金44億円×税後利回り1.4%=1.954億円。PER×事業純利益+余剰預金44億円で約67.68億円。今の株価のPER/PBRは一切使わない。
確率:会社の直近の回復と中計を尊重するが、過去十年の売上縮小とAI代替の数量上限も採用する。高い収益率が約束どおり十年続くとはみない。
やや悲観 27% 住宅の成約効率が落ち、求人媒体も減速 利益 1 億円 · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 688 円49 億円
家づくり学校は店舗を増やしても相談組数が追いつかず、住宅会社は住宅着工の縮小を受けて紹介料を厳しく吟味する。対面相談そのものは存続するが、営業効率が低下する。家賃、人材育成、拠点維持の費用が残り、単価が多少上がっても利益が細る。
企業の採用広告はIndeedなどの集客網やAIエージェントで直接運用され、アルパとアルパコネクトの有料契約は減る。仕事の紹介でも事務作業が自動化し、外国人材の登録支援は許認可こそ残るが、行政手続きの標準化で取り分が薄くなる。賃貸スタイルの閲覧はAIによる物件比較と大手の検索面に奪われる。印刷設備は受注減が続く中で更新投資が重荷となる。
売上は現在の七割程度にとどまり、営業利益は小さくなる。経営は2028年の拡大目標を修正し、投資を抑えるが、すでに立ち上げた店舗の撤退費が残る。配当は減り、定期預金の一部が運転資金や撤退費へ回る。
- 求人媒体・採用管理サービス:数量 162(有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定))× 価格 0.02(一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。AI代替:広告制作・運用と席課金の併存。契約数は実質数量で、料金の名目変化は価格。
- 人材紹介・派遣・外国人材支援:数量 364(紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定))× 価格 0.01(一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替:人月・面談の工数は削減、在留資格・対面研修の現場実務は一部残る。
- 家づくり学校・住宅紹介:数量 1,800(年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安))× 価格 0.00(相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AI代替:相談の工数が減るが、工務店見学と契約前の対面確認は残る。
- 賃貸スタイル・住宅情報ウェブ:数量 78,000(年間の有効広告・送客発生回数(件、推定))× 価格 0.00(広告・送客一件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替:自社媒体の流入・送客件数が検索要約に減らされる。
- 他社印刷・ウェブ制作運営等:数量 560(外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定))× 価格 0.01(印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替:ウェブ制作の工数は削減。紙印刷の数量減と紙代上昇は分ける。
倍率:事業ROEがk=8.25%を下回るので将来の超過成長を算入せず、稼ぐ力のPER上限1/k=12.12倍からさらに、需要低下と撤退費が続く筋書きとして9.5倍を使用。純利益1.45億円−当筋書きの残る余剰預金41億円×1.4%=0.876億円、これに9.5倍を掛けて預金41億円を足すと49.32億円。資産の床43億円も上回る。
確率:下に寄せる理由:2018~20年の連続赤字を経験し、求人広告の顧客離れと賃貸サイトの検索流入減が現実に起きた。AIの数量縮小とは別に、住宅着工減と店舗固定費が同時に効く。
悲観 20% 主要媒体と紹介事業が構造的に負ける 利益 −1 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 605 円43 億円
求人原稿の作成と応募者の絞り込みをAIエージェントが引き受け、求人広告や採用管理画面の利用料が急減する。地域の求人紙は配布網を維持できず、企業の採用担当者は大手サイトへ直接出稿する。登録支援業務も標準化され、しごと計画学校の派遣・紹介は契約件数が大幅に減る。2018年に取得したアピールコムの地域網も、かつての規模の経済を生まない。
住宅会社は自社の動画やAI相談で直接顧客を獲得し、家づくり学校の見学仲介に払う対価を削る。需要減少で採算の悪い拠点を閉じても賃借契約と人件費の整理には時間がかかる。賃貸スタイルの自然検索はさらに減少し、受託印刷も紙の発行部数減少に歯止めがかからない。全社売上はほぼ半分となり、固定費のため営業赤字に転じる。
経営は増配を止め、預金の一部で損失と撤退費を支払う。少数株主が早期の解散を決めるとは考えず、残った現預金、回収可能な債権と不動産を処分した税後の価値だけを評価する。帳簿の将来自己資本に通常の成長企業の倍率を掛ける余地はない。
- 求人媒体・採用管理サービス:数量 112(有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定))× 価格 0.02(一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替:広告制作・運用と席課金の併存。契約数は実質数量で、料金の名目変化は価格。
- 人材紹介・派遣・外国人材支援:数量 293(紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定))× 価格 0.01(一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替:人月・面談の工数は削減、在留資格・対面研修の現場実務は一部残る。
- 家づくり学校・住宅紹介:数量 1,500(年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安))× 価格 0.00(相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AI代替:相談の工数が減るが、工務店見学と契約前の対面確認は残る。
- 賃貸スタイル・住宅情報ウェブ:数量 60,000(年間の有効広告・送客発生回数(件、推定))× 価格 0.00(広告・送客一件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替:自社媒体の流入・送客件数が検索要約に減らされる。
- 他社印刷・ウェブ制作運営等:数量 400(外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定))× 価格 0.01(印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替:ウェブ制作の工数は削減。紙印刷の数量減と紙代上昇は分ける。
倍率:営業赤字・純損失なので継続利益にPERを使わず、いまの自己資本60.2億円に資産回収に対応するPBR0.72を掛けた43.34億円とする。2035年の減損後自己資本52億円には掛けていない。今の現預金50.41億円(うち定期44)に、回収債権と不動産の保守的な税後換金額を加え、負債・撤退費を控除した資産床43億円以上。過去の市場PBRではなく売れる資産の回収を根拠にする。
確率:2018~20年の連続赤字に加え、事業構造そのものの陳腐化と住宅着工減が重なる可能性を無視しない。倒産ではなく利益創出力の喪失に焦点を当てる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
求人媒体・採用管理サービス
アルパの求人掲載とアルパコネクト等の採用管理。広告と業務SaaSが混じる。
| 数量有料採用企業の年契約換算件数(社・年、推定) | 価格一社当たり媒体掲載・採用管理利用料(億円/社・年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 280 | 0.02 | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 210 | 0.02 | 5 | 1 |
取り方:2025年のHR関連11.17億円のうち、媒体・採用管理を6.4億円と仮配分。2026年の会社計画が利用顧客360社、2028年450社なので2025年の有料顧客280社を仮定し、年単価約229万円を逆算。会社はこの内訳も実顧客数も開示しておらず推定値。求人情報提供サービスの全国市場6,661億円に対する媒体部分の推定売上比率は約0.10%(全国求人情報協会)。AI代替の型は媒体広告枠+席課金SaaSで、独自DB等の堀の証拠は不足。
人材紹介・派遣・外国人材支援
しごと計画学校の紹介・派遣とNEDUKUの研修・登録支援。対面・許認可業務を含む。
| 数量紹介・派遣・登録支援を受ける年間有償人員換算(人、推定) | 価格一人当たり年間紹介・派遣・登録支援売上(億円/人) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 650 | 0.01 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 455 | 0.01 | 4 | 0 |
取り方:HR関連11.17億円から媒体推定6.4億円を差し引く。2028年目標の人材紹介220人、海外人材支援1,200人は別々の母数であり、2025年の人員合計は非開示。両者と派遣稼働を同じ年間有償人員に換算した650人は試算、平均73万円も混合料金で単一の成約手数料ではない。AI代替の型は人月・面談支援を中心に、登録支援と対面研修は一部が現場・許認可業務。
家づくり学校・住宅紹介
予算と住宅性能の対面相談、工務店見学手配、住宅関連広告・紹介による収益。
| 数量年間の住宅相談利用組数(組、実績の目安) | 価格相談一組当たりの住宅会社広告・紹介等の収益(億円/組) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,000 | 0.00 | 9 | 2 |
| 10 年後 中立 | 2,160 | 0.00 | 9 | 2 |
取り方:生活関連11.21億円から家づくり学校等の対面相談を9.2億円と仮配分。会社の過去の採用資料に毎年3,000組以上の相談利用とあり、2025年の年次実数・紹介成約数は非開示。3,000組を近似数量とし、住宅会社の広告・紹介等を含む平均約30.7万円/組を逆算。無料相談者が払う単価ではない。全国の持家着工20.1万戸(2025年、国土交通省)は市場母数の参考であり、この相談組数を住宅成約の全国シェアと誤認しない。AI代替の型は対面コンサルの工数部分に適用し、見学調整は現場接点として残る。
賃貸スタイル・住宅情報ウェブ
賃貸物件を探す人の検索流入と事業者への送客・広告。
| 数量年間の有効広告・送客発生回数(件、推定) | 価格広告・送客一件当たり平均売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 120,000 | 0.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 96,000 | 0.00 | 2 | 0 |
取り方:生活関連11.21億円から住宅対面相談推定9.2億円を差し引いた2.01億円。媒体が公表する年間広告件数・有効送客件数・単価が無いため、年間12万回の有効広告接触・送客で平均約1,675円と逆算。取引単価そのものが非開示なので感応度が高い。SUUMO、LIFULL HOME’S、アットホームとの全国シェアは確認できない。AI代替の型は自社媒体枠(検索要約による来訪減を数量に反映)。
他社印刷・ウェブ制作運営等
グループの受託印刷、他社サイトの制作・運営、その他情報関連以外のサービス。
| 数量外部印刷・制作等の年間有償案件数(件、推定) | 価格印刷・制作一案件当たり平均売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 0.01 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 680 | 0.01 | 4 | 0 |
取り方:連結営業収益27.40億円から開示のHR11.17億円、生活11.21億円を控除した残差5.02億円を、会社が開示を省略する印刷・ウェブ制作などのその他として扱う。正式な報告セグメントではない。年間1,000件、平均50.2万円は印刷小口とウェブ受託の混合換算で、業界統計による検証が難しいため推定誤差大。AI代替はウェブ制作・情報編集、人月工数の型。印刷需要の減少は数量に、紙代上昇は単価に入れる。
リスクと懸念
AIエージェント代替
求人媒体の原稿作成、採用管理の画面操作、紹介会社の候補者探索、賃貸物件の検索、ウェブサイト制作はAIが代行しやすい。席課金や人月、広告運用の工数に値段を付ける部分では、企業が直接処理するだけで有料案件が減る。家づくり学校の見学手配と外国人材の現場研修を同じ危険度にせず、事業ごとの数量と価格で区別した。
住宅着工減と出店固定費
国土交通省の2025年持家着工は約20.1万戸で前年より減少した。学校を16校から40校へ増やす計画が順調でも、全店合計の相談者と紹介成立数が減れば採算は悪化する。家賃と相談員の人件費は来店減と同じ速度では減らず、撤退時にも費用がかかる。
大手求人サイトと賃貸ポータルへの依存
Indeedやバイトル、SUUMO、LIFULL HOME’Sなどは検索流入と広告主の獲得で規模の利点を持つ。KG情報は地元で営業関係を築いても、インターネットでの検索順位や応募者の入口を自分で決められない。賃貸スタイルでは検索仕様変更による流入減少が既に開示され、長期の送客量と料金を同時に下げうる。
余剰資金の使途と少数株主
44億円の定期預金を持つ点は極めて強いが、筆頭株主OHANAの持分は約46.7%に上り、少数株主が現金の使い方を主導できない。継続配当と2026年の自社株買いは評価できる一方、現金を低採算の買収や新サービスに投じれば、帳簿価値が株主の受取価値にならない。還元の年率と投資後ROICを別々に監視したい。
外国人材制度・コンプライアンス
技能実習から育成就労への移行、特定技能の対象分野の変化、受入れ審査、支援義務は、人材紹介と登録支援の数量を動かす。制度の整備で取扱人数が増える可能性はあるが、行政手続きが標準化されると一人当たりの報酬が縮む。日本語教育や生活支援に問題が起きれば、自治体と受入企業からの信頼も損なう。
印刷設備・人件費と物価上昇
紙媒体の部数と受注件数が減っても、御津の印刷設備の保守・減価償却や拠点の人件費は残る。物価年3%の前提で用紙・賃金が上がる一方、広告主が紙の料金を同率で受け入れるとは限らない。古い設備の償却は取得時の額で残るが、更新投資は新しい価格で必要になるため、会計利益と自由現金は一致しない。
今後の分かれ目
- 家づくり学校の2028年度40店舗構想に近づき、店舗当たりの相談数と紹介成立率が同時に改善したら
- 単なる出店による数量増ではなく、成約への変換率と一組当たり対価の持続的改善として住宅相談の数量・利益率を引き上げる。次の年度の実績を連続して確認する。
- アルパコネクトの有料利用社数が2028年目標450社に達し、解約率5%未満と値上げの実績が開示されたら
- 媒体から継続契約への移行が証明されるため、その部分だけAI代替の席課金から記録・業務基盤の型へ再分類する余地が出る。足りない証拠が残れば再分類しない。
- 外国人材支援1,200人と人材紹介220人の中計目標が収益・定着率を伴って達成されたら
- 許認可・現場研修の価値が残ると判断し、人材支援の数量を上側へ見直す。人数だけの増加で単価が減っている場合は利益を上げない。
- 賃貸スタイルへの自然検索流入が連続減となり、アルパ求人紙の有料掲載も減少したら
- 情報・広告関連の数量縮小を前倒しし、やや悲観・悲観に重みを増す。検索順位の変化を一時的な循環として扱わない。
- 定期預金44億円の一部を特別配当や継続的な自己株買いに振り向けることが正式決定されたら
- 現金が株主へ届く時期を前倒しして現在価値を見直す。一方、買収を発表した場合は取得額だけでなく買収先の増分ROICと現金残高で評価する。
- 持家着工の下落と相談一校当たりの成約数低下が重なり、営業利益率が一桁に定着したら
- 赤字期の費用構造が再現しうるため、住宅事業の出店効率を下方修正する。将来の店舗閉鎖・資産売却の費用も悲観の床から控除する。
見ておくもの
- 家づくり学校のリアル・オンライン別店舗数、年間相談組数、紹介成約率と一校当たり営業利益
- アルパコネクトの有料利用社数、解約率と値上げの実績、既存求人媒体の掲載件数
- しごと計画学校の年間紹介人数、外国人材の支援人数・定着率、自治体契約数
- 賃貸スタイルの検索経由流入、有効送客件数、広告主の更新率
- 44億円の定期預金残高と受取利息、配当・自己株取得・買収支出の優先順位
- 2028年度の営業収益36.13億円・営業利益8.65億円の進捗と投資後の増分ROIC
倍率と資本コストの決め方
倍率は現在の株価や歴史的なPER・PBRから逆算していない。2025年の公式資料で売上の二本柱を確認し、細分化した五つの事業を契約企業、人材支援人数、住宅相談組数、送客件数、受託件数という実質数量と名目価格に分けた。非開示の数字は推定と明記し、求人と住宅の市場規模および中期計画の事業KPIで妥当性を確かめた。
資本コストは8.25%、十年より先の名目成長は0%である。楽観から中立のPERは正当化上限12.12倍とし、値付けが高いからという理由で恣意的に削っていない。定期預金44億円を金融利益と資産の両方に二重計上しないよう、税後利息相当を事業純利益から除いてから資産を加算した。悲観のPBR0.72は現在の自己資本60.2億円だけに掛け、2035年の自己資本には掛けない。2027年以降の新リース基準による使用権資産・負債の表示変化も家賃の二重控除にはしない。
想定確率と十年の株主還元を資本コストで割り引いた結果は約41億円で、2026年10月19日時点の時価総額約59.5億円を約32%下回る。現金の早期特別還元が決まれば価値は変わるが、未決定の還元を既成事実として計上しない。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。国債3%と株式リスクプレミアム4.5%の基礎7.5%に、景気循環・値決め力・純現金による品質補正0.75%を加える。β・規模やAIを二重の上乗せには使わない。