結論
幼児活動研究会は、幼稚園や保育園に体育の先生を送り込む会社だ。契約は 1,296 園、課外クラブの会員は約 6.7 万人。営業利益率は 17% と高い。
筆者の結論は割高だ。事業は優れている。ただ、客である子どもの数が減り続ける。さらに、純現金 99 億円は時価総額の 6 割を超えるが、株主には戻りにくい。
稼ぎの源は、先生が園に出向いて授業をする「人の手」だ。体の指導は AI では置き換わらない。ただし、先生の人件費は物価で上がる。値上げが通るかどうかが、利益率を決める。
2025 年 4 月に値上げを通した実績は心強い。一方で、課外クラブの会員は前期より 1.4% 減った。出生数が減る流れの中で、園児の数も長い目では減る。
現金の使い道も気になる。配当性向は 25% ほどで、自社株買いは 2020 年 3 月期が最後だ。現金のうち 70 億円は事業に要らない余剰とみるが、戻り方は半分に割り引いた。
AI エージェントの影響は、コンサルなど人月で売る小さな部分に限られる。本業は体の仕事なので、影響は小さいと見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点で、まず問うのは「10 年後もこの稼ぎが続くか」だ。体育の指導は、人が人に教える仕事で、AI が置き換えにくい。この点は強い。
しかし客の数が減る。少子化の速さと、会社のシェア拡大のどちらが勝つかが、10 年の利益を決める。過去の実績では後者が勝っているが、課外クラブの会員は前期から減った。
次に、経営者が資本をどう使うかを見る。配当性向は 25%、自社株買いは 4 年以上ない。現金は倍増し、ROE を押し下げている。利益率が 17% の事業から、これだけの現金が貯まりながら使い道がない状況は、株主の立場では喜べない。
安全域の面では、純現金が時価総額の 6 割を超える。事業の評価が多少厳しくても、下値は固い。ただし現金は少数株主が使い道を決められない。
結論として、すぐれた事業を適正以上の値段で買うことになる。割安に変わるのは、性向の大幅な引き上げか、自社株買いで現金が戻る道筋が見えた時だ。
何で稼ぐ会社か
幼児活動研究会は、幼稚園・保育園・こども園に体育の指導員を派遣する会社だ。売上 75 億円のうち、幼児体育指導が 96%、園向けのコンサルが 4% を占める。
中心は「正課」だ。園の保育時間の中で、同社の社員が体育の授業をする。運動会の企画や年間のカリキュラムも請け負う。契約は 1,296 園で、前期より 17 園増えた。
2つめは「課外クラブ」だ。園の施設を借り、放課後にサッカーや新体操などのクラブを開く。会員は約 6.7 万人。会費は月謝で、遠足や合宿などのイベントも企画する。
そのほか、障がいのある子ども向けの療育、小規模保育、学習塾も運営している。2歳児のクラスの拡大にも力を入れる。
コンサルは、園の経営や職員研修を手伝う事業だ。契約は 233 件で、利益率は 24% と高い。
決算は単体で、借金はなく、現金は 99 億円。利益率の高さは、先生が園まで出向く移動のコストを抑え、授業を標準化した仕組みから生まれている。
全国の園に社員が出向く。社員の採用と研修が、事業の質を支える土台になる。
優良さと弱いところ
事業の質は高いと見る。
最大の強みは、園との長い契約だ。正課は園の保育計画に組み込まれるため、いったん入ると続きやすい。1,296 園を超える全国の網は、新規参入者がまねしにくい。
2つめは、利益率の高さだ。営業利益率は 2022 年 3 月期以降、16〜21% に収まる。売上経常利益率 15% という会社の目標も達成している。
3つめは、財務だ。純現金 99 億円、自己資本比率 76%。借金はなく、不況でも潰れる心配は小さい。2021 年 3 月期にコロナ禍で売上が 2 割近く落ちたが、赤字にはならなかった。
弱みは 2 つある。1つは少子化だ。会社自身が最大の要因として挙げている。課外クラブの会員は前期より 1.4% 減った。もう 1 つは人件費で、先生は社員であり、賃金が物価で上がる。
資本効率は ROE で 10% 前後と悪くないが、現金を抱えすぎており、事業だけで見れば本当はもっと高い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
まず少子化だ。日本の出生数は 10 年前より大きく減り、園に通う子どもの数は長い目で減る。ただ、保育園に通う子どもの割合は共働きの増加で上がっており、園児数の減りは出生数ほど急ではない。
園の経営も変わる。小規模な園の統合や閉園が進む一方、大規模な園は残る。会社の契約園数は増えている。園の数の減少より、会社が取れるシェアの伸びが上回っている形だ。
次に、園の側の事情がある。体育は保護者の関心が高く、園の「売り」になる。園は自前の先生を持たず、外部に任せるメリットがある。人手不足の中、この外注の需要は高まる。
一方で人件費は上がる。体育の先生は社員で、賃金は物価で上がり、値上げが通らなければ利益率は削られる。
AI エージェントの影響は限られる。体の指導を機械が代わるのは当面考えにくく、動画教材を園が使うことで、低価格の領域が脅かされる程度だ。コンサルなど人月型の部分は置き換わりうるが、売上の 4% にすぎない。
筆者は、数量は実質で小幅に減り、価格は物価並みに上がる、と見る。
新しく入る競合は少なく、外部の体育指導は園ごとの長期契約が中心だ。この構造は、10 年先も大きくは変わらない。
資本政策と M&A
配当は 2026 年 3 月期が総額で 2.8 億円ほど、性向は 25% ほど。自社株買いは 2020 年 3 月期の 9 億円が最後で、それ以降はほぼない。自己株式は発行済みの 8% を超える。
純現金は 10 年で 49 億円から 99 億円へ倍増した。利益の 7 割以上が貯まった計算で、株主への戻りは弱い。
投資は療育施設の 3 店舗目など小規模で、大きな M&A の実績や計画は確認できなかった。中期経営計画も開示を見つけられなかった。
現金の内訳は、現金同等物が約 99 億円で、定期預金や流動の有価証券はほとんどない。流動負債が約 13 億円ある。
筆者は、現金のうち 70 億円ほどを余剰とみて、戻り方を半分に割り引いた。性向の引き上げや自社株買いが出れば、この割り引きは外せる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
体の指導は AI に置き換わらない。むしろ人手不足の園にとって、外部の専門の先生は欠かせず、需要は高まる。2025 年 4 月に値上げを通した実績は、価格を決める力があることの証明だ。
契約園数は増え続けている。出生数が減っても、会社が取れるシェアは伸び、2 歳児クラスや療育といった新分野も育っている。コンサル契約も 233 件に増えた。
利益率は 17% と高く、売上経常利益率の目標 15% を超えた。現金は 99 億円あり、借金の心配はない。この現金が自社株買いに回れば、1 株当たりの価値は大きく上がる。
10 年後に売上 100 億円近く、営業利益率 19% に届く筋書きは十分ありうる。
過去 10 年を見ても、契約園は少子化の中で増え続けてきた。これが続けば、数量の減少を価格と新分野で補える。
少子化の中でも、質の高い体育を求める保護者は増えており、価格を上げて質を売る戦略が成り立つ。
人手不足の中、体育を自前で持てない園は増える。外部の先生を使う流れは、むしろ強まる方向だ。
慎重な見方
客である子どもが減るのは確実だ。出生数は 10 年前より大きく減り、園の統合や閉園は進む。課外クラブの会員は、すでに前期から 1.4% 減っている。
人件費の上昇も重い。先生は社員で、賃金は物価で上がる。値上げが通らなければ利益率は削られる。2025 年 4 月の値上げが続けて通る保証はなく、園の予算にも限りがある。
動画教材やアプリを使った体育で、低価格の園が外部の先生を減らす可能性もある。AI が授業を設計する形で、先生の数を絞る事業者が出れば、競争は厳しくなる。
現金も戻らない。配当性向は 25%、自社株買いは 4 年以上なく、現金は倍増した。これでは財務の強さは株主の価値にならない。2027 年 3 月期は純利益が 13% 減る予想で、成長の鈍りも見える。
この会社は優れているが、先がない。10 年後の価値は今の値段に届かない。
先生の採用が難しくなれば、新しい園の契約を取っても人が足りず、数量が伸びない。
どちらに重みを置いたか
強気の材料は園との長い契約と値上げの実績で、慎重な見方の材料は少子化と現金の戻りの弱さだ。どちらも根拠があるが、10 年という長さでは人口の減少が効く。中立を 4 割弱に置き、やや悲観を楽観側よりやや多く置いた。楽観は新分野が育ち値上げも通る形で 1 割、悲観は少子化の加速と値上げの失敗が重なる形で 1 割とした。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 2,698 円291 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 334 円36 億円)。 今の値に割り戻すと 1,610 円174 億円、今との差 +5.5%、 期待の年率 +7.1%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 4,218 円456 億円 | 444 円48 億円 | +205.5% | +11.8% | 466 円50 億円 |
| やや楽観 | 22% | 3,644 円394 億円 | 380 円41 億円 | +163.7% | +10.2% | 885 円96 億円 |
| 中立 | 38% | 3,077 円332 億円 | 305 円33 億円 | +121.7% | +8.3% | 1,285 円139 億円 |
| やや悲観 | 20% | 1,297 円140 億円 | 287 円31 億円 | +3.8% | +0.4% | 317 円34 億円 |
| 悲観 | 10% | 458 円50 億円 | 324 円35 億円 | −48.7% | −6.5% | 78 円8 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,698 円291 億円 | 334 円36 億円 | +98.7% | +7.1% | 3,032 円328 億円 |
今の株価時価総額 1,526 円165 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 新分野が育ち、値上げも通って、利益率が 19% に上がる 利益 19 億円 · PER 21.3 倍 · 株価時価総額 4,218 円456 億円
契約園は増え続け、2 歳児クラスや療育といった新分野も育つ。指導を受ける子どもの数は 10 年で 2 割ほど増え、値上げも物価を少し上回って通る。
利益率は 19% に上がる。コンサルも園の経営支援で伸び、売上は 100 億円を超える。営業利益は 20 億円近い。
現金は療育施設の新設と配当に回り、性向は 3 割台に上がる。自社株買いも再開される。
AI エージェントは授業の設計や事務を助け、先生の負担を軽くする方向で働く。
指導員の確保が進み、契約を断らずに済むため、取りこぼしも減る。コンサルは園の経営支援として数量が横ばいを保つ。
- 幼児体育指導関連事業:数量 236(指導を受ける園児・児童(千人、推定))× 価格 0.51(1 人あたりの年間売上(億円/千人))→ 売上 121 億円・営業利益 23 億円。新分野が育ち値上げも通る
- コンサルティング関連事業:数量 256(契約件数(件))× 価格 0.02(1 件あたりの年間売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。園の経営支援で伸びる
倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 20.3% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.7%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 21.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 21.2 倍 + 余った現金(戻り方込み)52 億円。全体の PER 21.25 倍、時価総額 429 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:契約園の増加と新分野が少子化を大きく上回り、値上げも通る筋書き。園児数の減少が確実なので 1 割にとどめた。
やや楽観 22% 契約園の増加が少子化を上回り、数量が横ばい圏を保つ 利益 16 億円 · PER 21.0 倍 · 株価時価総額 3,644 円394 億円
契約園の増加が少子化をほぼ打ち消し、指導を受ける子どもの数は 10 年で 1 割増える。値上げは物価に近い 1.37 倍だ。
利益率は 18% に上がる。コンサルは横ばいで推移する。売上は 100 億円弱、営業利益は 18 億円ほどになる。
配当性向は 3 割に近づくが、現金は積み上がり続ける。
療育や 2 歳児のクラスが少しずつ育ち、売上の下支えになる。コンサルの契約は、園の経営支援として伸びる。
動画教材を使う園も出るが、本業への影響は小さい。
療育や 2 歳児のクラスも少しずつ売上に乗る。先生の採用と研修を続け、質を保つことが前提になる。
- 幼児体育指導関連事業:数量 217(指導を受ける園児・児童(千人、推定))× 価格 0.50(1 人あたりの年間売上(億円/千人))→ 売上 108 億円・営業利益 20 億円。園の増加が少子化を打ち消す
- コンサルティング関連事業:数量 221(契約件数(件))× 価格 0.02(1 件あたりの年間売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。ほぼ横ばい
倍率:事業の純利益 15 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 19.5% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.2%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 21.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 21.0 倍 + 余った現金(戻り方込み)52 億円。全体の PER 21.01 倍、時価総額 365 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社のシェア拡大が少子化の影響をほぼ打ち消す筋書き。過去 10 年の実績に近く、2 割強に置いた。
中立 38% 数量は小幅に減り、物価並みの値上げで利益率は 17% を保つ 利益 13 億円 · PER 20.8 倍 · 株価時価総額 3,077 円332 億円
契約園は増えるが、1 園あたりの子どもの数は減る。指導を受ける子どもの数は 10 年で 3% 減る。値上げは物価並みの 1.34 倍だ。
先生の賃金も物価で増えるので、利益率は 17% と今の水準を保つ。売上は 95 億円、営業利益は 16.5 億円になる。コンサルは人月型で、AI エージェントの影響で数量が 15% 減る。
減価償却は今の設備分が増えず、費用は主に人件費だ。更新の投資は小さく、現金は積み上がる。
配当性向は 27% で、現金は大きく動かず、ROE は 6% 台にとどまる。
園の統合で小さな園との契約は減るが、大規模な園での契約が増えて補う。新分野は育つが、全体を押し上げるほどではない。
- 幼児体育指導関連事業:数量 191(指導を受ける園児・児童(千人、推定))× 価格 0.49(1 人あたりの年間売上(億円/千人))→ 売上 94 億円・営業利益 16 億円。契約園は増えるが1園あたりの人数が減る
- コンサルティング関連事業:数量 198(契約件数(件))× 価格 0.02(1 件あたりの年間売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。AI エージェント代替で数量が減る
倍率:事業の純利益 12 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.6% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 12.8%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 20.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 20.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)52 億円。全体の PER 20.75 倍、時価総額 300 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:数量が実質で小幅に減り、値上げは物価に近く、利益率が過去の山の少し下を保つ筋書き。最も筋が通るので最大に置く。
やや悲観 20% 少子化が加速し、値上げが物価に届かず、利益率が 14% に落ちる 利益 9 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 1,297 円140 億円
少子化が加速し、指導を受ける子どもの数は 10 年で 15% 減る。園の予算が厳しくなり、値上げは物価に届かず 1.25 倍にとどまる。
先生の賃金は物価で増えるので、利益率は 14% に落ちる。売上は 80 億円ほど、営業利益は 11 億円ほどになる。
コンサルは AI エージェントの影響で数量が 3 割減る。配当性向は 30% に上がるが、現金は積み上がり続ける。
経営は新分野に投資するが、成果は遅い。
先生の採用も難しくなり、新しい園の契約を取っても人が足りない。園の統合で小さな契約が減る影響も出る。
- 幼児体育指導関連事業:数量 167(指導を受ける園児・児童(千人、推定))× 価格 0.46(1 人あたりの年間売上(億円/千人))→ 売上 76 億円・営業利益 11 億円。少子化が加速し値上げも物価に届かず
- コンサルティング関連事業:数量 163(契約件数(件))× 価格 0.01(1 件あたりの年間売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替で数量が3割減る
倍率:ROE が k を下回る。上限の 12.9 倍より低く、客の減少を考えて 8 倍に置いた。
確率:少子化が加速し、値上げが物価に届かない筋書き。2027 年 3 月期の利益減少予想と整合し、2 割強に置いた。
悲観 10% 少子化と動画教材の普及で、客と単価が細る 利益 4 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 458 円50 億円
少子化がさらに速く進み、園の統合も増える。指導を受ける子どもの数は 10 年で 35% 減る。動画教材の普及で、低価格の園が外部の先生を減らす。値上げも通らず、単価は 1.1 倍にとどまる。
利益率は 8% に落ち、営業利益は 4 億円ほどになる。コンサルは AI エージェントで半分の規模になる。
配当は減らされる。事業の価値は低く、純現金が下支えになる。
経営は事業の再編を迫られるが、現金は戻らない。
先生の採用も難しくなり、残った契約でも授業の質を保てなくなる。課外クラブの会員も大きく減り、月謝の収入が細る。
- 幼児体育指導関連事業:数量 128(指導を受ける園児・児童(千人、推定))× 価格 0.40(1 人あたりの年間売上(億円/千人))→ 売上 51 億円・営業利益 4 億円。少子化と動画教材の普及で客・単価とも細る
- コンサルティング関連事業:数量 117(契約件数(件))× 価格 0.01(1 件あたりの年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI エージェント代替で規模が半分に
倍率:稼ぐ力が低く PER では測りにくい。現金の戻り方を半分にした分を床とし、今の自己資本 110 億円に PBR 0.45 倍を掛けた。
確率:少子化の加速、動画教材の普及、値上げの失敗が重なる構造的な負け。体の指導は代替されにくいので 1 割にとどめた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
幼児体育指導関連事業
幼稚園・保育園への正課体育指導、課外クラブ、療育、小規模保育、学習塾。
| 数量指導を受ける園児・児童(千人、推定) | 価格1 人あたりの年間売上(億円/千人) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 197 | 0.37 | 72 | 12 |
| 10 年後 中立 | 191 | 0.49 | 94 | 16 |
取り方:2026/03 期のセグメント売上 71.95 億円・利益率 17.2%(kitaishihon)から利益 12.4 億円。人数の開示は見つからず、正課 1,296 園に 1 園約 100 人、課外会員 66,971 名を足した約 197 千人の推定。1 人あたり単価は売上÷人数。
コンサルティング関連事業
園の経営・教育コンサルティング、職員研修、印刷物の企画制作(人月で売る型)。
| 数量契約件数(件) | 価格1 件あたりの年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 233 | 0.01 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 198 | 0.02 | 3 | 1 |
取り方:2026/03 期のセグメント売上 2.85 億円・利益率 24.5%(kitaishihon)。契約件数 233 件(会社開示)。人月で売る型のため、AI エージェント代替の対象として数量を下げる。
リスクと懸念
少子化
会社自身が最大の要因に挙げる。園に通う子どもの数は長い目で減り、課外クラブの会員は前期から 1.4% 減った。契約園の増加が追いつかなければ数量が落ちる。
人件費の上昇と値上げの限界
先生は社員で、賃金は物価で上がる。2025 年 4 月の値上げは通ったが、園の予算にも限りがある。値上げが物価に届かなければ、利益率が削られる。
AI エージェント代替
体の指導は置き換わりにくいが、人月で売るコンサル(売上の 4%)は代替の対象になる。動画教材やアプリの普及で、低価格の園が外部の先生を減らす可能性もある。
現金が戻らない
純現金は時価総額の 6 割を超えるが、配当性向は 25%、自社株買いは 2020 年 3 月期以降ほぼない。ROE を押し下げ、少数株主には使い道を決められない。
新分野の遅れ
2 歳児クラス、療育、小規模保育、学習塾は育成中で、成果の開示は少ない。投資が先行して、利益を圧迫する可能性がある。
指導員の確保と事故
体の指導は先生の質と安全が命だ。人手不足で採用が難しくなれば、品質と数量が落ちる。子どもの事故が起きれば、信用が一気に傷つく。
今後の分かれ目
- 配当性向が 4 割以上に上がる、または自社株買いが出る
- 現金の戻りが開ける。戻り方を 1.0 に上げ、価値が大きく上がる。
- 課外クラブの会員が 2 年続けて 2% 以上減る
- 少子化の影響が会社の取り分で防げなくなる。やや悲観に寄る。
- 営業利益率が 3 期続けて 19% を超える
- 値上げの定着が確かめられる。中立の利益率を上げる。
- 動画教材などで外部の先生を減らす園が増える
- 契約園数と単価が下がる。やや悲観から悲観の筋書きに寄る。
- 他社による買収や資本提携が出る
- 現金の価値を含む買い取りになりうる。実現の確度は材料がなく織り込まない。
見ておくもの
- 正課の契約園数と課外クラブの会員数
- 営業利益率と指導員の人件費
- 値上げの実績(毎年の契約更新)
- 配当性向と自社株買いの有無
- 療育・2 歳児クラスなど新分野の売上
倍率と資本コストの決め方
倍率は式(g 4%、k 7%、ROE が k を少し上回る場合の正当化 PER)から置いた。今の PER や PBR、同業の倍率は見ていない。純現金が時価総額の 6 割を超えるが、PBR 1 倍割れは割安の根拠にしていない。事業の利益から価値を出し、現金は戻り方 0.5 を掛けて足した。AI エージェントの影響は、数量(コンサルの縮み)と k の寿命(+0.25)の 2 か所だけに入れ、確率と g には重ねていない。リース会計の変更は影響が小さいので、今と同じ形で置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13→21.25 倍・やや楽観 PER 12.5→21.01 倍・中立 PER 11.5→20.75 倍)。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。