結論
ブランジスタは、中小企業に著名人の広告利用権を提供する「アクセルジャパン」と、旅行電子雑誌「旅色」を核に稼ぐ会社である。筆者の結論は「割高」だ。著名人の正規の肖像権を小口化する発想には価値があるが、契約を10年間守る力と株主に利益を戻す仕組みが、現在の時価総額に見合うほど強いとは考えない。
主力のアクセルジャパンは2022年に始まり、2025年には売上高20億円、事業利益9億円を超えた。地方金融機関を通じて経営者に直接販売できることも強みで、更新案件の採算が良く、短期の利益はさらに伸びうる。もっとも、契約は原則1年であり、利用企業が広告効果を感じなければ継続しない。ライセンス供給元の芸能事務所や著名人にも交渉力があり、単純なソフトウエアの継続課金とは違う。
収益の残りは旅色などの広告・制作と、EC運営受託に分かれる。広告主が検索エンジンやSNSに流れ、制作やEC事務をAIエージェントがこなす10年を考えると、ここに過去の成長率を延ばせない。中立ではアクセルジャパンの小幅な契約増を、メディアの掲載縮小と受託業務の減少が相殺する。
2026年10月公表の通期予想は純利益が大きいが、投資有価証券の売却益が主因だ。持続する営業利益と混同しない。純現金に加えて換金可能な証券にも価値を認めたうえで、10年の確率加重本質価値は約66億円となり、基準時価総額約141億円を約53%下回る。大切なのは話題性より、継続契約と実質的な値上げの証拠である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が買うのは、証券口座の含み益ではなく、顧客が毎年自発的に支払いを続ける商売である。アクセルジャパンは許諾済みの著名人の肖像を分け合うため、利用企業の広告制作費を下げている。広告効果と価格の差が十分なら、販売先を開拓する資金の収益率は高くなる。2025年の事業利益率と更新契約の伸びは、その可能性を実際に示す。
一方、1年更新の契約と紹介ルートは、顧客を永久に縛るものではない。タレント本人の人気と広告主の支出意欲は変わり、競合も似た仕組みをまねられる。価格が物価に追いつかなくても利益が増えた過去の局面を、10年先の持続的な値上げ力と取り違えたくない。金融機関の紹介件数が増えても、紹介された企業が2年目に更新しなければ営業費用を回収し直すことになる。
事業から生まれる現金も慎重に測るべきだ。給与、広告素材の権利料、営業網維持費、少額の設備更新を差し引いてから、株主の取り分が決まる。会社が持つ有価証券には独立した価値を認めるが、親会社の影響下でそれが必ず全額還元されるとは限らない。投資の成否は利幅より、顧客の更新と資本配分の節度で決まる。
筆者はこの会社を無価値とは見ない。ブランド広告という実物の権利を小口販売できる製品は残り、純現金と売れる資産が破綻リスクを和らげる。ただし堀の幅には不明点が多く、強気の十年が当たらなくても損をしにくい値段、つまり十分な安全域がほしい。現時点の時価総額はその条件を満たしていない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭は「アクセルジャパン」である。著名人の写真や動画を複数の企業が利用できるよう権利を束ね、従来は費用が重かったタレント広告を中小企業にも届ける。最低料金の案内は月額40万円、年間契約で、契約開始時に1年分の収益を計上する仕組みだ。したがって当期の売上と期末の稼働契約数にはずれが生じる。2025年9月末の利用契約461件に対し、同事業の売上は約20.6億円、事業利益は約9.1億円だった。
利用者は地方のサービス業、飲食店、EC事業者、自治体などである。営業担当だけに頼らず、地域金融機関やSBI・NEXYZとの紹介網を通じて経営者へ接触する。この販売網の拡充は新規契約を取りやすくするが、顧客は著名人を交代させたり他社の類似サービスへ移ったりできる。顧客が広告を作る労務と、本人が本当に許諾した肖像を使える権利は、別の価値として見る必要がある。
メディア事業は「旅色」「GOODA」「マドリーム」など無料の電子雑誌を編集し、宿泊施設、飲食店、地方自治体から広告掲載料と制作費を受け取る。旅色の掲載広告は約7,400件で、2025年の事業売上は約20.6億円、利益は約3.0億円。取材・編集・自治体との企画力は残るが、検索流入が減れば広告主が払う対価も細る。ソリューション事業は約3,000のECサイトの運営支援、制作、販売促進、TikTok Shop支援を担い、売上は約10億円である。成果を直接売る物流や販売支援と、AIに替えられやすい運用・制作の工数を分けて考える。
その他には台湾など海外の制作受託が含まれる。小さい部門であり、全社の成長をここへ無理に割り当てない。事業別利益の合計から本社共通費を控除すると2025年の連結営業利益約11.5億円となる。権利の仕入れ、営業人員、編集者の給与は継続的に必要で、粗利の高さをそのまま株主が自由に使える現金とは呼べない。
優良さと弱いところ
いちばん価値があるのは、著名人の肖像を中小企業向けに販売できる契約網と、営業先への到達力である。本人の許諾を得た広告素材はAIが勝手に複製してよいものではない。金融機関の紹介は信頼の低い広告代理店に比べて意思決定者への接点を持ちやすく、更新契約が増えると営業費用の回収も進む。2025年のプロモーション支援事業は利益率44%台に達した。資産を大きく増やさずに伸ばせる点は、増分投資に対する収益性の強みだ。
ただし、これは独占的な堀ではない。競合の「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」や「Skettt」も著名人を複数企業へ提供する。会社は累計契約と期末契約を示すものの、解約率5%未満の証拠、規制で保護された共同基盤、継続的な値上げ実績は示していない。長期契約による顧客の囲い込みも弱い。「旅色」は長寿媒体だが、広告の入口をGoogle、Meta、旅行予約サイトが支配する以上、自社だけで価格を決められない。
資産面では純有利子負債がマイナスで、配当を始める余力がある。しかし自己資本の増減には保有有価証券の評価差額が混じり、ROEだけで本業の再投資利回りを判断できない。2018年と2020年には赤字があり、新規事業で損失を被る危うさも経験した。2025年は営業利益が伸びたのにROEが11%前後まで下がった。投資家には、金融資産の時価変動を除いた営業資産の効率と、契約更新の利益率を分けて追う姿勢が必要だ。
本物の広い堀なら価格を上げても顧客が残るはずだが、そこまでの証拠はない。著名人の入替えと販売代理店の紹介に依存するため、10年後の優位は強い堀でなく、築き直しを要する弱い堀として扱う。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の広告費は伸びているが、広告費の伸びがそのままブランジスタの契約増になるわけではない。電通による2025年の総広告費は8兆623億円、うちインターネット広告費は4兆459億円で過半を占めた。大きな予算はGoogle、Meta、Amazon、TikTokなど配信基盤へ向かい、旅色のような編集媒体は旅行者への到達力と広告主への成果を示さなければ予算を奪えない。メディア売上約20.6億円はネット広告全体の約0.05%に相当するにすぎず、旅行・地域広告だけの市場占有率とは同一視できない。
アクセルジャパンの潜在顧客は数百万社ある中小企業の一部だが、実際に年数百万円を宣伝へ支払える企業は限られる。仮に中小企業337万社の2%が年480万円を利用する市場なら、年約3,200億円という机上の容量になる。これは公表された市場規模ではなく、価格と支出可能な顧客割合を仮定した感応度である。競合の累計導入件数は1,000社程度に達する例もあるが、会社ごとの稼働契約が公表されず、正確なシェアは算定できない。さらに安い競合や自社制作への代替が進めば、顧客数が増えても単価には圧力がかかる。
10年後も本人の肖像利用権は必要とされる。AIが映像制作を低廉化するほど、真正な本人の許諾という権利の価値は残り得る。ただし制作受託、広告運用、ECショップの事務作業はAIエージェントが人手を減らし、顧客企業の内製化を助ける。自社媒体も検索結果をAIが要約してしまえば訪問数が減る。実際、2026年のソリューション事業は大型スポット案件の減少で売上が落ちており、EC流通額そのものが伸びても受託売上は連動しない。
競争の分かれ目は、著名人を揃える数でなく、契約更新時の広告効果と手数料率である。中立ではプロモーション事業が競合から一定の顧客を取るが、メディアと運用受託は徐々に実質数量を失う。楽観でもAIが自社の売り物として生む金銭的な売上実績は確認できないため、AI導入自体を数量増の理由にはしない。
資本政策と M&A
2024年12月公表の中期経営計画は、2027年9月期の売上高70億円、営業利益18.5億円、営業利益率26.4%を目標とした。2025年実績は売上約52億円、営業利益約11.5億円で、2026年10月の修正予想は売上53.8億円、営業利益14.5億円となる。計画の収益改善は進むが、売上の道筋は当初より弱い。中計にROE、DOE、配当性向、総還元性向、自社株買い額の定量的な数字の約束はない。
2025年に配当を開始し、2026年には普通配当の増配と保有証券売却に伴う特別配当を示した。還元へ踏み出した事実は前進だが、1回限りの特別配当を毎年のオーナー利益と考えてはならない。純利益が2026年に急増する理由も有価証券売却益であり、長年の営業力が急に数倍になったわけではない。過去の自己株取得とその後の自己株式処分を混同しない。2025年10月のSBI側への115万株処分と2026年3月の親会社への50万株処分は、株主還元ではなく資本・提携の取引である。
NEXYZ.Groupが過半を握り、SBIグループも買集めによる持分拡大を発表した。紹介網が増えれば営業面に利点があるが、上場会社の少数株主にとって関連当事者取引や余剰資金の使途を点検する必要がある。2026年6月末には親会社に対する短期貸付もある。台湾EC支援企業との資本提携や事業譲受は将来の選択肢だが、見合う投下資本利益率が開示されるまで上振れを約束しない。現在、正式なTOBやMBO、上場廃止の決定は確認できない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
アクセルジャパンの価値は、AIが制作できない「本人が広告使用を許している」という権利の真正性にある。実在する著名人を中小企業が年単位の定額で使える仕組みは従来の高額な出演契約に比べて安く、販売先はまだ広い。地域金融機関との連携が全国に広がり、SBIの紹介網も加われば、広告代理店が接触できなかった地元企業を継続的に獲得できる。2025年のプロモーション事業利益率が44%台に乗り、更新契約の採算がさらに良くなっていることは、仕組みがすでに利益を生んでいる証拠だ。
旅色には旅行企画、自治体への営業、著名人を使った編集という長年の蓄積がある。単なる検索サイトではなく、地域の観光誘客を企画できるため、検索エンジンがAIに変わっても発注する自治体は残りうる。EC支援には新しい販路としてTikTok Shopや台湾との提携があり、動画販売の物流や顧客サポートなど物理的な仕事は完全自動化されない。これらが主力の高利益率を補い、2027年計画で掲げた営業利益率の改善を継続できる。
会社が保有してきた証券は実際に売却・特別配当に向かい、配当ゼロの企業ではなくなった。保有現金を成長性の低い事業に固定せず、株主へ返す規律が続けば、帳簿の金融資産にも価値がある。著名人との契約、地方金融機関の紹介、制作機能を組み合わせた総合サービスは、表面だけをコピーした競合より信頼が厚くなり、新規参入との違いを保つ。
慎重な見方
見栄えのよい利益率は、著名人の広告利用権を安く仕入れ、広告主が更新して初めて維持できる。契約期間は1年で、顧客が離れる時に高いシステム移行費用は発生しない。代理店と金融機関に販路を頼るほど、手数料や紹介者との利益配分も増える。競合がタレントの幅を広げて価格を下げれば、会社が営業利益率40%台を守れる保証はない。累計契約数が増えても同じ企業が続いているかを示す解約率がないことは、長期の投資家には大きな情報の欠落だ。
旅色の広告を買う企業は、実際の予約につながるかをGoogleや楽天トラベルの広告と比較する。AI検索が旅行記事の要点だけを表示し、電子雑誌への訪問を減らせば、媒体の広告料金を物価並みに上げることすら難しくなる。EC運営受託ではAIが商品登録、画像作成、在庫連携、問い合わせ対応を代行し、サイト数が増えても人月契約が縮む。自社開発ソフトの乗り換え障壁が低いままなら、顧客企業の内製化と価格下落が同時に進む。
経営はかつての新規サービスで赤字を経験し、現在は保有株の売却益で最終利益が膨らんでいる。株式の評価差額や親会社関連取引がBSに大きく作用するため、営業上の成長を数字が美しく見せる危険がある。金融資産の還元と紹介網の拡充には利点があるが、その先の持続利益を保証しない。弱い事業が資金を食い始めた場合、売れる資産は全額株主に届かず、稼ぐ力の価値も急に小さくなる。
どちらに重みを置いたか
著名人の正式な肖像利用権と金融機関経由の販路は確かに差別化であり、現在の利益率も実績を伴う。しかし最も稼ぐ契約が1年更新であること、継続率が公表されないこと、残りの事業がAIと広告配信基盤の影響を受けることを重く見る。下振れ41%はAIを二重に罰した確率ではなく、権利供給元・競合への依存と少数株主への還元の不確かさを表す。中立でも契約数の小幅増加を認めたうえで、稼ぐ力だけから評価する。資産を含めても本質価値は現時価総額を大きく下回り、慎重な見方が優勢である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 724 円105 億円(+ 還元の換算額還元の合計 224 円32 億円)。 今の値に割り戻すと 487 円71 億円、今との差 −46.4%、 期待の年率 +0.5%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 1,376 円199 億円 | 428 円62 億円 | +98.3% | +8.3% | 144 円21 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,172 円170 億円 | 346 円50 億円 | +66.7% | +6.0% | 273 円40 億円 |
| 中立 | 33% | 833 円121 億円 | 249 円36 億円 | +18.9% | +2.0% | 357 円52 億円 |
| やや悲観 | 27% | 339 円49 億円 | 131 円19 億円 | −48.3% | −7.2% | 127 円18 億円 |
| 悲観 | 14% | 259 円37 億円 | 69 円10 億円 | −64.0% | −10.6% | 46 円7 億円 |
| 加重平均 | 100% | 724 円105 億円 | 224 円32 億円 | +4.1% | +0.5% | 947 円137 億円 |
今の株価時価総額 910 円132 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 銀行販路が実り、正規肖像権が定着 利益 14 億円 · PER 13.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,376 円199 億円
地方金融機関を通じた紹介が全国で機能し、アクセルジャパンは広告費を払える中小企業の定番の選択肢になる。本人による許諾がある肖像素材の真正性が重視され、競合の値下げを受けても継続顧客が広告効果を認める。年契約に依存する弱さは残るものの、既存顧客の更新と新規開拓を両立し、最低料金換算の契約数は650件まで増える。事業利益率は採算の良い更新分で上がり、原価が高騰しても対応できる。
旅色では自治体が観光誘客を企画するための編集機能が残り、広告掲載数は現状程度を維持する。広告料は観光需要と企画力で上がるが、GoogleやMetaに対する市場支配力は得ない。EC受託はAIの制作・運用代替が進むので、楽観でも現在以上のサイト相当数量を増やさない。台湾提携の恩恵は控えめにとどまり、M&Aは過大な買収額を避ける。
利益率の改善と機動的な配当により資本効率は高い。支配株主の資本政策が少数株主にも公正で、金融資産の一部が段階的に返る。事業からの利益を核に価値は増えるが、著名人のライセンスが絶対的な独占に変わるわけではない。
- プロモーション支援(アクセルジャパン):数量 650(最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算))× 価格 0.06(1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件))→ 売上 41 億円・営業利益 19 億円。本人肖像の契約年換算650件。正規権利の需要拡大がAI制作の代替損失を上回る。
- メディア(旅色等):数量 7,400(旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似))× 価格 0.00(広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件))→ 売上 27 億円・営業利益 5 億円。掲載数を維持し観光企画・自治体案件の複合単価が上昇。
- ソリューション(EC運営・制作):数量 3,000(運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当))× 価格 0.00(サイト相当1件あたり年商(億円/年))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。AI受託代替があるためサイト数量は現状を超えず、付帯物理サービスの収益性が向上。
- その他(台湾等の海外制作受託):数量 100(海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量))× 価格 0.01(換算案件単位あたり外部売上(億円/件))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。海外制作受託の数量は現状に抑制。
倍率:資本コスト8%、弱い堀の超過収益持続1/3、10年後の事業ROEを用い、新規投資のRONICから正当化PERを算出。事業利益では余剰金融資産25.00億円の税後利息1.4%を除外し、PER12.9538倍を掛ける。余剰資産には戻り方0.75を掛けて別に加算し、二重計上しない。
確率:年契約の更新が好調なまま競合と差別化でき、金融機関の新しい販売先を増やせる場合。ただし更新率の定量開示がまだなく、長い連続成功の確度は低い。
やや楽観 18% 更新率を保ち販路を広げる 利益 12 億円 · PER 12.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,172 円170 億円
アクセルジャパンが地方金融機関との協業を着実に伸ばし、紹介成約が一段と増える。契約更新が安定することで広告主1社当たりの獲得コストを回収でき、販売店をさらに広げる余力が生まれる。正規の肖像権はAIが勝手に生成して使う素材と差別化され、契約年換算の数量は610件まで増える。もっとも、競合の参入に対抗するため平均料金の上昇は物価に追いつかず、権利調達費も増える。
旅色の民間広告は競争が厳しいが、地方自治体の企画広告で不足分を補い、掲載数はやや減る程度に踏みとどまる。EC受託は受注・制作の一部がAIに置き換わり、サイト相当の案件量は今より減る。それでもTikTok Shopなど新しい販路への販売支援が一部の仕事を補い、赤字にはならない。台湾提携や新規事業では一件ずつ採算を確かめ、無理な大型買収は控える。
配当と証券売却による資金の戻りは続き、純利益は平準化した事業利益に見合う規模になる。高利益率の事業が主軸だが、大手プラットフォームに影響される広告の弱さが残り、企業全体を優良な独占事業とは評価しない。
- プロモーション支援(アクセルジャパン):数量 610(最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算))× 価格 0.06(1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件))→ 売上 37 億円・営業利益 16 億円。契約数と更新売上の増加、競合対抗で物価未満の単価上昇。
- メディア(旅色等):数量 7,000(旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似))× 価格 0.00(広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件))→ 売上 24 億円・営業利益 4 億円。自治体の企画力が一部の広告単価を支える。
- ソリューション(EC運営・制作):数量 2,700(運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当))× 価格 0.00(サイト相当1件あたり年商(億円/年))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。人月型受託のAI代替を見込み、数量は今の9割。
- その他(台湾等の海外制作受託):数量 90.0(海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量))× 価格 0.01(換算案件単位あたり外部売上(億円/件))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。海外受託も工数削減・自動化で量が減る。
倍率:資本コスト8%、弱い堀の超過収益持続1/3、10年後の事業ROEを用い、新規投資のRONICから正当化PERを算出。事業利益では余剰金融資産25.00億円の税後利息1.4%を除外し、PER12.8139倍を掛ける。余剰資産には戻り方0.75を掛けて別に加算し、二重計上しない。
確率:足元の更新契約の好調と金融機関提携が続く一方で、価格競争と新規案件の獲得費用が利益の一部を相殺する現実的な上振れ。
中立 33% 肖像権は伸びても周辺受託が縮む 利益 7 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 833 円121 億円
中核のアクセルジャパンは、正規の著名人肖像を安く利用したい中小企業の需要をつかみ続ける。金融機関との協業が支えになり、2025年を上回る契約年換算510件を確保する。ただし年契約で解約は容易であり、同種のライセンスを売る競合も増える。名目の平均契約価格は上がるが物価上昇より遅く、権利調達費と販売パートナーの費用で事業利益率は40%へ低下する。
旅色は旅行者との接点を一部維持するが、AI検索や大手予約サービスに広告主を奪われる。掲載数は7400件から6200件へ減り、複合単価の伸びでは数量の落ち込みを埋められない。EC運営受託は商品登録・画像制作・問い合わせ対応をAIエージェントが代替し、案件相当数は3000から2100へ低下する。料金は物価より大幅に低い伸びにとどまり、利益率も1桁台に縮む。
台湾などの海外制作案件は小さく、ここから大型の利益は得ない。事業の営業利益は現在と大差ないが、給与や共通費が上がり、余剰資金の保有によってROEは徐々に低下する。金融資産は一部が還元され、親会社との資本取引にも特別な上乗せ価値を認めない。
- プロモーション支援(アクセルジャパン):数量 510(最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算))× 価格 0.06(1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件))→ 売上 28 億円・営業利益 11 億円。正規ライセンス契約増と制作のAI代替を合わせた中立数量。単価は10年で約15%増と物価未満。
- メディア(旅色等):数量 6,200(旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似))× 価格 0.00(広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件))→ 売上 20 億円・営業利益 3 億円。AI検索・大手予約媒体へ広告主が移動、掲載数減。
- ソリューション(EC運営・制作):数量 2,100(運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当))× 価格 0.00(サイト相当1件あたり年商(億円/年))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替の工数型数量0.70倍、単価1.05倍。
- その他(台湾等の海外制作受託):数量 70.0(海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量))× 価格 0.01(換算案件単位あたり外部売上(億円/件))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。海外制作受託も数量0.70倍、単価伸びは約9%。
倍率:資本コスト8%、弱い堀の超過収益持続1/3、10年後の事業ROEを用い、新規投資のRONICから正当化PERを算出。事業利益では余剰金融資産25.00億円の税後利息1.4%を除外し、PER12.5334倍を掛ける。余剰資産には戻り方0.75を掛けて別に加算し、二重計上しない。
確率:主力の既存更新と地方金融機関の販路強化を認める一方、旅色の広告競争とEC受託のAI代替が進み、3事業の景色が分かれる中心の見込み。
やや悲観 27% 契約更新が鈍り広告も後退 利益 2 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 339 円49 億円
著名人の出演素材を他社も安く提供し始め、アクセルジャパンの新規獲得に多くの営業費用がかかる。金融機関の紹介が増えても成約率と更新率が落ち、広告効果を測る企業は更新を見送る。契約年換算の数量は360件に減り、平均契約価格も今の水準からほぼ上がらない。権利料と人件費を十分に下げられず、プロモーション事業の利益率は30%へ縮む。
旅色は大手検索と予約サービスへの広告集中に押され、取材と編集に必要な固定費が残ったまま掲載数が落ちる。地方自治体案件も予算の変動にさらされ、利益率は1桁台になる。EC運営受託はAIエージェントの導入で約4割の案件相当数を失う。物流や実店舗向けの仕事が少し残るものの、価格は物価を下回り、全社の利益を支えない。
株主への配当は縮小し、新しい買収に投じる資金を抑える。保有金融資産は事業の立て直しや運転資金にも充てられ、株主に戻る価値は限定的になる。事業の寿命自体は尽きないが、株主のものとなる利益は著しく小さくなる。
- プロモーション支援(アクセルジャパン):数量 360(最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算))× 価格 0.05(1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件))→ 売上 17 億円・営業利益 5 億円。広告効果低下で年更新が減り、平均単価は名目横ばい。
- メディア(旅色等):数量 4,700(旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似))× 価格 0.00(広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。掲載数が約3分の2となり編集固定費が残る。
- ソリューション(EC運営・制作):数量 1,740(運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当))× 価格 0.00(サイト相当1件あたり年商(億円/年))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AI代替で数量0.58倍、単価も実質値下がり。
- その他(台湾等の海外制作受託):数量 60.0(海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量))× 価格 0.01(換算案件単位あたり外部売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。海外制作受託の量と単価がともに減少。
倍率:契約更新とAI代替でROEが資本コスト8%を下回るため、伸びによる追加価値を数えず1/kの12.5倍に制限。事業利益では余剰金融資産18.75億円の税後利息1.4%を除外し、PER12.5000倍を掛ける。余剰資産には戻り方0.75を掛けて別に加算し、二重計上しない。
確率:年契約の解約率が高止まりして正規肖像の集客効果が薄れ、メディア広告にも不況とAIによる訪問減が重なる可能性は無視できない。
悲観 14% 有名人広告の堀が崩れ受託も構造縮小 利益 −1 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 259 円37 億円
アクセルジャパンの競合が著名人の選択肢を増やし、より安い料金と短い契約期間を提示する。広告効果が上がらなくなった利用企業が更新をやめ、金融機関からの紹介成約率も落ちる。売れる契約年換算数は230件に減り、平均価格は現状以下となる。タレントの権利仕入れや営業の固定費は簡単に縮められず、かつての高い利益率は失われる。
旅色は旅行検索の要約機能に読者を奪われ、広告掲載は3400件まで縮む。広告料も低迷し、編集・取材を続けるほど余裕がなくなる。ECサイトの運営受託はAIが定型作業を内製化させるため、数量は半分以下となり赤字化する。台湾の提携事業や新たな子会社買収でも目立った補填はできず、過去に経験した事業転換の失敗に似た展開になる。
2026年の一過性の証券売却益はこの時点の持続利益にはならず、現金も事業再建のために一部減る。既に予定された特別配当の後は還元を最低限に抑えても、続く損失と資産評価損が自己資本を侵食する。倒産を前提にせず、正規の肖像権と売れる資産が残るが、優良企業としての追加価値はほぼ消える。
- プロモーション支援(アクセルジャパン):数量 230(最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算))× 価格 0.04(1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。利用者の解約と競合値下げで数量・単価とも減少。
- メディア(旅色等):数量 3,400(旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似))× 価格 0.00(広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。広告の訪問と単価を同時に失う。
- ソリューション(EC運営・制作):数量 1,400(運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当))× 価格 0.00(サイト相当1件あたり年商(億円/年))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。運用・制作の人月が半分以下で負の採算。
- その他(台湾等の海外制作受託):数量 50.0(海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量))× 価格 0.01(換算案件単位あたり外部売上(億円/件))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。海外受託も半減し利益が消える。
倍率:最終期の純損失のためPERで資本化しない。正規ライセンスの営業上の価値が失われても一部の換金可能な金融資産は残る。資産売却の税・運転資金・親会社貸付の回収条件等を控除した清算価値約36億円と照合し、2035年自己資本52億円に対してPBR0.72倍の37.44億円とする。過去の市場PBRの底値を根拠にしていない。
確率:広告予算流出、競合のライセンス値下げ、AI制作の普及、関連投資の失敗が同時に起きて本業を再建する尾部事象。単なる景気循環の谷ではない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
プロモーション支援(アクセルジャパン)
本人の許諾を得たタレント広告素材の年契約ライセンス。小口広告主へ地方金融機関等の紹介で販売し、制作の付帯部分だけAI代替を受ける。
| 数量最低年額で換算した当期売上計上契約数(件年換算) | 価格1最低料金換算契約あたり年額売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 428 | 0.05 | 21 | 9 |
| 10 年後 中立 | 510 | 0.06 | 28 | 11 |
取り方:2025年有報のプロモーション外部売上20.555億円。会社2024年事業計画の料金は月40万円から、年契約最低480万円=0.048億円。20.555÷0.048=約428の最低料金換算年間契約単位。2025年期末実際の利用契約461件とは収益の計上時点と料金帯が違い一致しない。契約開始で1年分一括計上する。正規ライセンス主体と推定約1割の制作支援を束ねた数量であり制作のみの内訳は非開示。中立数量510は正規ライセンス契約の増加を制作関連のAIエージェント代替による実質数量0.7倍で一部相殺する構成的推計。
メディア(旅色等)
旅行電子雑誌やライフスタイル媒体に宿泊・飲食・自治体の広告・制作を掲載する。自社媒体の訪問・広告契約数が基礎。
| 数量旅色の掲載広告件数(件、掲載契約の近似) | 価格広告1掲載件あたり媒体と自治体制作を含む平均売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 7,400 | 0.00 | 21 | 3 |
| 10 年後 中立 | 6,200 | 0.00 | 20 | 3 |
取り方:会社overviewの2025年9月末「旅色」広告掲載約7400件を観察可能な数量代理指標とし、有報メディア外部売上20.602億円÷7400=0.002784億円。GOODA・自治体タイアップ・編集制作の売上も入るため、実際の旅色掲載単価ではなく複合単価である。自社媒体の広告枠はAI要約による訪問減を数量側に、ネット広告との競争による単価伸び悩みを価格側に分ける。
ソリューション(EC運営・制作)
ECショップ運営受託、サイト制作、販促、TikTok Shop運用や単発の映像演出。実働工数のAI代替リスクが強い。
| 数量運営中ECサイトに相当する年間案件数(サイト相当) | 価格サイト相当1件あたり年商(億円/年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 3,000 | 0.00 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2,100 | 0.00 | 7 | 1 |
取り方:会社overviewによる2025年の運営中ECサイト3000サイトと有報の外部売上9.984億円から年商0.003328億円/サイト相当と逆算。スポットの3Dホログラム・制作収入も含むため契約単価そのものではない。制作・運用BPOが中心で、AIエージェント代替の人月型として中立実質数量0.70倍、単価1.05倍(物価1.34倍を下回る)を採用。物流など現場型の少数部分を別売上に割れないため統合推計である。
その他(台湾等の海外制作受託)
台湾子会社等の海外制作受託を中心とする小規模な取引。内部取引が多いため外部売上だけで測る。
| 数量海外受託の100件換算案件単位(仮の実質受託量) | 価格換算案件単位あたり外部売上(億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 70.0 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:有報の「その他」外部売上0.82567億円を、開示のない実際の案件数と区別して100件の仮想標準受託単位に換算したもの。セグメント利益0.498億円には内部売上相当の収益が含まれるため調整の全社費用と併せて読む。海外制作受託もAIエージェント代替の人月型に近く、中立数量を70件相当に削減する。
リスクと懸念
1年契約の更新率と著名人調達
アクセルジャパンは年契約の開始時に契約年収を一括計上するため、今期の新規契約の増加と来期の更新継続を混同しやすい。解約率を数値で確認できず、利用企業の広告効果が薄れれば更新が減る。芸能事務所や著名人の許諾条件が変われば権利調達の原価も上がり、高い利益率をそのまま維持できない。
AI エージェント代替
広告制作や広告運用、商品登録、ECショップの受注・顧客対応、編集の定型作業は人員に代わりAIエージェントが実行しうる。受託契約量が減り、顧客が内製化すれば価格も競争にさらされる。10年の中立数量はEC受託を現状の7割、その他受託も7割に縮め、旅色の掲載数も減少する筋とした。正規の肖像利用権だけはそのまま偽造できないが、販促素材の制作部分は無傷でない。
広告配信の寡占と旅色の訪問減
Google、Meta、楽天トラベルや大手予約サイトへ広告予算が集まると、無料電子雑誌の広告掲載には成果の提示がさらに求められる。AI検索の回答によって記事を訪問する動機が減ると、読者数だけでなく広告枠単価にも下げ圧力が及ぶ。自治体向けの観光企画が残っても、取材と制作の人件費を上回る対価を維持できるかは不確かだ。
類似肖像ライセンスの価格競争
中小企業向けにタレント広告素材を共同利用する「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」や「Skettt」などの競合がある。競合がタレント数を増やして料金を下げると、導入件数が伸びても契約単価が物価に追いつかない。本人の許諾が資産になっても、その権利を独占しているわけではない。
親会社の影響と金融資産の扱い
過半を保有するNEXYZ.GroupとSBIグループの資本関係は営業上の利点があるが、関連当事者への貸付や株式処分が少数株主の資本効率を損なわないか監視が必要だ。証券売却の特別利益は継続利益ではない。手元にある現金や有価証券が必ず全額配当される前提を置くと、本質価値を過大評価する。
新規事業・海外提携の資本配分
台湾EC支援企業との資本提携、TikTok Shop関連の受託、新しい自治体向けサービスは成長の選択肢である。他方、かつて新規事業の波に乗れず2018年と2020年には営業利益が赤字に落ちた。新事業を買う価格、撤退条件、投資額が示されないまま、過去の主力の高い利益率を新規案件にも当てはめるのは危険だ。
今後の分かれ目
- アクセルジャパンの稼働契約が600件を超え、2年目更新率と値上げ率が数値で継続開示されたら
- 正規ライセンスが継続課金の堀になり始めた証拠であり、やや楽観以上の確率と長期gを引き上げる検討材料になる。ただし新規契約の前倒し売上ではなく更新コホートで検証する。
- 地方金融機関やSBI紹介経由の契約に対する営業費用が増え、アクセルジャパンの事業利益率が35%を下回り続けたら
- 販売網の拡大が超過利益に結びつかないと判断し、中立の利益率と顧客契約数を下方に見直す。契約単価を保てるかも同時に確認する。
- 旅色の広告掲載数が6000件を下回り、広告単価も下落していると判明したら
- 広告主の流出とAI検索による訪問減が定着した兆候として、メディアの下振れを中立に織り込む。自治体向け制作収益を個別に確認する。
- EC受託の管理サイト数が継続減少し、同時に受託単価が下落したら
- AIエージェント代替と内製化が想定以上に進んでいると判断し、ソリューション事業を悲観側の数量・価格へ近づける。スポット案件の剥落との区別をつける。
- 余剰金融資産の売却後も増配や買戻しが続かず、親会社関連貸付が増えたら
- 株主へ戻る現金の割合を現行の0.75より下げ、金融資産の本質価値への寄与を削る。支配株主との取引条件と少数株主への説明を精査する。
- 台湾提携やTikTok Shopの新規案件で、投下資本と営業キャッシュフローが明示され十分な利回りが確認できたら
- 権利ライセンス以外の第二の利益源として評価し、利益率の上振れを検討する。投資有価証券の一過性の売却益を事業利益に混ぜない。
見ておくもの
- アクセルジャパン期末稼働契約数、1年後の更新率、純増契約数と平均契約価格
- タレントとの新規・更新許諾契約、競合の価格と著名人のラインアップ
- 地域金融機関からの紹介成約件数と、プロモーション支援事業の利益率
- 旅色の広告掲載件数と実際の訪問数、自治体広告と民間広告の構成
- EC運営受託サイト数とサイト当たり実質単価、AIによる顧客内製化
- 投資有価証券売却後の金融資産残高と配当・自己株取得、親会社貸付
- SBI側の買集めの結果と支配株主間のガバナンス
倍率と資本コストの決め方
評価の起点は2025年9月期の4区分の外部売上であり、現在の株価やPERから10年後の利益を逆算していない。広告の数量は掲載件数、EC受託は運営サイト数、アクセルジャパンは月額最低料金に換算した契約年数として、物価上昇とシェア変化を価格と数量に分けた。中立の人月型EC受託はAIエージェント代替で数量7割、価格1.05倍とし、長期名目gも1%に抑える。同じ理由をkの寿命や確率で重ねない。k8%と弱い堀のRONICから楽観から中立のPERは理論上限そのものとし、悲観側は稼ぐ力と売れる資産の床で判定した。証券売却益と未実現益を毎年の純利益へ延長していない。新リース会計によるBS表示変化後も、家賃を費用に含めた損益でそろえる。自己資本は10年累計の正常化純利益と還元の差で積み上げ、2026年の証券売却に伴う評価差額の戻しを重複した利益成長とみなさない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、過去利益の変動0.5%を加える。個別のAI・支配株主リスクは数量と確率で表す。