結論
ダイレクトマーケティングミックスは、電話営業だけでなく、オンライン商談や新サービスの運営まで請け負う営業支援会社である。長く持つ株主の立場では、現時点の評価は「割高」と判断する。顧客の売上を増やす仕事は10年後も残るが、その手段として大量の人を配置する必要は細り、いま稼いでいる利益の持続性に割り引くべき部分が大きい。
2025年の売上収益は約227億円、営業利益は約21億円だった。2022年の約347億円、約58億円という高収益から一度大きく後退し、2025年にようやく持ち直した段階だ。2026年上期は単価の改善で営業利益が増えた半面、マーケティング売上はほぼ横ばいで、派遣を担うオンサイト事業は前年同期から2割以上縮んだ。回復をそのまま長期成長と呼ぶのは早い。
前向きな材料もある。顧客の契約継続率は95%以上で、年間8千万件超の架電実績と営業教育の仕組みを持つ。オンライン相談と契約までをつなぐハイブリッド業務には、人間による信頼形成が残るだろう。しかし顧客の約18%をNTTドコモが占め、2023年には子会社の過大請求問題も起きた。乗り換えが困難な独占的基盤ではない。
10年後の中立では有人業務の数量が縮み、値上げで補っても営業利益は現在を下回るとみる。2030年の売上500億円という会社目標は、買収による上積みを含む挑戦的な目標であって、既存の稼ぎだけから確実に導ける数字ではない。想定した還元も含めて現在に引き直した価値は約97億円となり、基準時価総額約157億円を約38%下回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、安い設備で顧客の売上を増やせる会社には魅力がある。コールセンターは巨額の工場を必要とせず、成約率が少し改善するだけで収益が大きく変わる。高い顧客継続率と2026年の単価改善を見る限り、営業現場で積み上げた手順や教育には実用的な価値がある。人間同士の相談が必要な金融や複雑な契約は10年後も残るだろう。
しかし、長く持ちたい会社かという問いでは、利益の守り方に不安が残る。会社が保有するのは代替不能な法的台帳ではなく、人員と顧客との関係に主として根ざした営業能力だ。顧客企業がAIエージェントを直接導入すれば、同じ成果をより少ない委託費で得られる。会社自身がAIを使って人件費を減らしても、その効率化益を契約更新時に顧客へ渡さずに済む保証はない。
オーナー利益は純利益と等しくない。2025年は営業キャッシュフロー約28億円を得たが、投資キャッシュフローで約19億円を使っている。新規事業の買収が必要な限り、表面上の利益のすべてを自由に配ることはできない。増分投下資本の利回りが資本コストを継続的に上回って初めて、買収の連続に価値がある。
自己資本149億円という数字にも注意が要る。その約9割はのれんであり、事業の競争力が崩れた時に現金へ替えられる資産ではない。2023年の請求問題は、受注の前提である信用も絶対ではないと示した。利益、還元、買収の質を分けて評価すると、今の時価総額には見通しの誤りを吸収する十分な安全域がない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心はマーケティング事業である。2025年の外部売上は約212億円、報告上のセグメント営業利益は約33億円だった。顧客企業に代わって見込み客へ架電するアウトバウンドが売上の約36%、電話とウェブ、SNS、オンライン面談を結ぶハイブリッドが約39%、新しいデジタルサービスの立ち上げや運営を支えるDXフルフィルメントが約13%を占める。取引先は通信、インフラ、金融、モビリティなどで、契約の成約や顧客獲得の実績に応じた報酬を得る仕事も多い。
アウトバウンドとハイブリッドの合計で、会社は年間8千万件超の架電と1日2,500人超の稼働人員を示している。この件数を生かして営業の話法、教育、成約率の改善を繰り返すことが競争力の源だ。ただし電話1件を処理しただけで一定額をもらうとは限らない。成約に結び付くか、顧客の利益を増やせるかで、同じ架電件数の収益は変わる。
残るマーケティング領域には、主に公的案件を扱うインバウンド約2%と、市場調査や周辺事務を担うリサーチ・その他BPO約4%がある。2025年に買収したマネーペディアのオンラインFP相談、サイヨウブの採用代行、既存のアーキテクトの調査業務も、営業接点に隣接する仕事だ。金融サービス仲介の登録を生かした申込支援には付加価値の余地があるが、法的な記録の正本を独占しているわけではない。
もう一つの法定セグメントがオンサイト事業である。顧客のコールセンターに人材や管理者を派遣し、2025年の外部売上は約15億円、セグメント利益は約0.8億円にとどまる。顧客による内製化が進み、2026年上期の売上は約24%減った。全社営業利益には両事業以外の本社費用など約12.5億円の控除が必要であり、現場の利益率だけでは会社全体の稼ぐ力を測れない。
優良さと弱いところ
この会社の強みは、営業という成果が測りやすい業務を大量に回し、改善する能力にある。契約継続率95%以上、年間約30社の新規顧客獲得という開示は、サービスの品質が一定の支持を得ている証拠だ。2026年上期には人件費上昇を転嫁し、実際に顧客単価を上げた。価格交渉力を全く持たない人材会社とは異なる。
ただし、長く続く堀、つまり競争相手が容易にまねできない壁は厚くない。継続率の高さは1つの証拠だが、法令対応のために数年かかるシステム移行、業界共通の基幹台帳、独占的な顧客データなど、記録の正本を守る追加の証拠が2つ以上そろっていない。顧客企業には自社内製や大手BPOへの切り替えがあり、成果報酬も発注者が手数料を引き下げる余地を残す。
信頼を巡る傷も軽視できない。2023年、子会社マケレボで稼働履歴を不適切に作り、取引先への請求額が過大となった問題が明らかになった。是正後も、営業支援の委託では内部統制への信用が受注の前提になる。大口顧客の集中と合わせると、継続率だけを根拠に将来の利益を確信することはできない。2018〜2025年の営業利益増分約4.5億円を税引後に直し、自己資本と純負債の増分約43億円で割ると、増分投下資本利回りは粗く7%台にすぎない。景気の山谷を含む比較とはいえ、資本コスト8%を安定して超えた証拠はまだない。
資本効率にも二つの顔がある。かつてROEは20%台を超えたが、2025年は約9%まで下がった。自己資本約149億円のうちのれんが約131億円に達し、買収で投じた資本がどれだけ追加利益を稼いだのか、継続的な証明が要る。2026年上期の最終増益にも子会社清算による税効果が含まれ、オーナー利益の増加と同一視できない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のコールセンターサービス市場は、矢野経済研究所によれば2024年度に約1兆517億円となり、前年より3.5%減った。コロナ禍の大型公共案件が終わった一方、民間企業には人手不足から外部委託を増やす力が働く。ダイレクトマーケティングミックスのマーケティング売上約212億円は、この広い市場を分母にすると約2%に当たる。ただし営業獲得代行やDX運営を含むため、厳密な同一商品市場のシェアではない。
競争相手はアルティウスリンク、ベルシステム24、トランスコスモスなどだ。アルティウスリンクの連結売上は約2,270億円、ベルシステム24は約1,436億円で、広い市場に対する売上規模比はそれぞれ約22%、14%となる。ただし両社の連結売上には別事業も混ざるため、これは同一商品市場の厳密なシェアではない。両社の人員・設備基盤と比べて同社が支配的事業者でないことは明らかだ。通信会社の商流変更だけでも案件が動く市場だ。
隣接市場も一様ではない。非IT系BPOは2024年度約1兆9,567億円、人材派遣全体は約9兆9,005億円、日本の市場調査は2025年度約2,775億円である。同社のDX運営、オンサイト、リサーチの各事業は、これらを分母にするとそれぞれ約0.15%、約0.02%、約0.35%に相当する。重複や対象業務の違いがあり、三つを足し合わせて総市場にすることはできない。
10年後の争点は、外部委託市場の名目成長ではなく、顧客1件を獲得するために人間を何人使うかだ。音声AI、対話エージェント、顧客管理ソフトの連携は、問い合わせ対応だけでなく架電、日程調整、見込み客の選別にも及ぶ。成約が複雑な金融相談には人が残るが、単純な接触件数は減る。中立では有人数量を各領域で今の55〜75%程度に縮め、成果報酬型の単価上昇がその一部を補うと考える。市場全体が名目で増えても、当社の広義の売上比率は約2%から縮むとみる。
資本政策と M&A
2025年公表の中長期ビジョン「DmMiX Vision 500」は、2030年に売上収益500億円、営業利益50億円、ROE15〜20%、配当性向40%超を掲げる。翌2026年の当初売上目標270億円に対し、2026年8月時点の会社予想は240億円、営業利益23.5億円である。中長期の目標は野心的だが、そこまでの増収が既に受注で裏付けられたわけではない。
還元では直近の総還元性向40%を目標とし、2025年は配当と自社株買いの合計で46.5%を実行した。2026年上期にも約3億円を自社株買いに使い、増配方針を示している。一方、2026年の説明資料では配当性向30%の早期達成を優先する記述もあり、2030年の40%超とは時間軸を区別すべきだ。10年間の還元は業績に比例させ、好況の水準を不況にまで延長しない。
成長投資の柱はM&Aだ。2023年のアーキテクト、2025年のサイヨウブとマネーペディアの取得で、調査、採用、金融相談に広がった。会社は買収価格の目安をEBITDA8倍以下とし、3期連続の貢献利益赤字なら撤退を検討する。だが既存ののれんが約131億円ある以上、買収後の増分利益が資本コスト8%を上回るかを実績で確かめたい。
インテグラル系投資家の持分が大きく、上位10株主の持分は約72%に及ぶ。将来の持分売却や再編は選択肢だが、公表済みのTOBやMBOを既成事実にはしない。買戻しと増配の実績があるため余剰現金の株主還元価値を半分に切り捨てる理由はなく、他方で大きな買収投資を優先する方針もあるため、還元される割合は75%と見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強みは単に大量の電話を掛けることではなく、顧客が必要とする成約を実現する能力にある。会社が持つ年間8千万件超の架電実績と営業教育の仕組みを使えば、AIによって単純な連絡業務を減らす一方、難しい商談へ人員を集中できる。成果報酬型契約なら、担当人数が減っても成約件数と歩合単価を維持できる可能性がある。2026年上期には、賃金上昇の転嫁に加え、生産性への評価を背景とした単価引き上げが実際に進んだ。
顧客継続率95%以上という数字は、既存顧客が業務を一度委ねれば翌年も任せる傾向が強いことを示す。通信中心だった営業基盤から金融、保険、採用、デジタルサービス運営へ拡張できれば、NTTドコモへの依存も下がる。オンラインFP相談や金融サービス仲介業務には、複雑な説明、適合性の確認、信頼の形成という人間が最後まで担う部分がある。AIによる問い合わせ対応だけに事業を閉じ込めるべきではない。
経営陣はM&Aの買収倍率に目安を設け、不採算事業からの撤退基準を公表している。2026年には自社株買いを実行し、配当も引き上げる方向だ。買収した調査、採用、金融関連の事業が互いに見込み客を紹介し合い、追加の資本を大きく要さずに顧客獲得効率を高めれば、かつての収益性に近づく。会社が目指す2030年の営業利益50億円は容易ではないが、業務構成の改善によって利益面だけなら到達可能な余地がある。
慎重な見方
主力事業の弱点は、人が行う接触と処理の工数が収益の土台であることだ。現時点で会社がAIエージェントによる有償売上を金額付きで示した事実は確認できず、試験導入段階の技術を新しい収益の柱として評価するのは早い。顧客企業がAIを使って架電、見込み客の選別、日程調整、顧客管理をつなげれば、外部の営業人員を大量に抱える必要そのものが減る。成果報酬の委託先でも、発注者が効率化分の手数料引き下げを求めるだろう。
この業界は強い価格決定権を持つ少数の会社で閉じていない。アルティウスリンクやベルシステム24のような大手が設備、顧客基盤、AI投資で競い、通信会社の発注方式が変われば既存の契約は失われる。NTTドコモ1社で売上の17.6%を占め、オンサイト派遣はすでに顧客の内製化で縮小している。高い継続率は過去の契約の粘りを語っても、10年先に同じ委託額が残る証明にはならない。
信用面でも楽観できない。2023年の過大請求問題は、一度の統制不備で発注者との関係や収益を傷つけ得ることを示した。純現金ではなく約8億円の純負債を抱え、自己資本の大半はのれんである。AIで市場構造が変わる局面に買収を重ねれば、従来の人手を買った代金が後から減損に変わりかねない。2030年の売上500億円を達成するために割高な買収を急ぐことこそ、長期株主が最も警戒すべき資本配分だ。
どちらに重みを置いたか
成果報酬契約と単価転嫁の実績は尊重するが、法的な台帳や独占的ネットワークのような強い堀は認めにくい。AIによる作業量の縮みは中立の数量と長期成長率ゼロに反映し、確率側で同じ理由を繰り返し減点しない。下側43%、上側23%に寄せたのは、2023年の統制問題、大口顧客への依存、買収資本の回収不確実性という固有の事情による。最もありそうな経路は、単価改善で一定の利益を保ちながら規模は細るというものだ。確率加重の現在価値は約97億円で、基準時価総額を約38%下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 319 円145 億円(+ 還元の換算額還元の合計 97 円44 億円)。 今の値に割り戻すと 190 円87 億円、今との差 −47.2%、 期待の年率 +1.6%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 997 円454 億円 | 220 円100 億円 | +237.8% | +14.8% | 85 円39 億円 |
| やや楽観 | 16% | 670 円305 億円 | 165 円75 億円 | +131.9% | +10.0% | 134 円61 億円 |
| 中立 | 34% | 361 円165 億円 | 105 円48 億円 | +29.6% | +3.0% | 159 円72 億円 |
| やや悲観 | 27% | 55 円25 億円 | 55 円25 億円 | −69.5% | −13.9% | 30 円14 億円 |
| 悲観 | 16% | 27 円13 億円 | 26 円12 億円 | −85.1% | −20.6% | 9 円4 億円 |
| 加重平均 | 100% | 319 円145 億円 | 97 円44 億円 | +15.4% | +1.6% | 416 円189 億円 |
今の株価時価総額 360 円164 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 成果報酬と難易度の高い商談が残る 利益 33 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 997 円454 億円
営業支援の価値が、架電件数ではなく成約の質によって選ばれる。人間が提案し、AIが見込み客の選別と記録を助ける仕組みが定着するが、AIを新たな単独の商品として売る収益は見込まない。金融相談やオンライン面談は、顧客が最後の判断を人に任せたい場面で需要が残る。大口通信案件の一部を失っても、新規領域からの顧客獲得が補う。
年間の有人接点は今よりやや少ないが、成約率と成果報酬単価が大きく改善する。2026年に確認された単価転嫁が続き、アウトバウンドとハイブリッドの収益性は改善する。アーキテクトやマネーペディアなどの買収先が取引先を紹介し合い、投下した資本がようやく稼ぐ力に結びつく。
2036年の営業利益は約51億円に達するが、売上は約311億円と、会社の2030年売上500億円目標を自動的に実現した姿ではない。規模ではなく採算の改善による上振れである。10年間で配当と自社株買いを計100億円行い、企業内に残る余剰現金の一部も株主に帰属する。
- アウトバウンド営業支援:数量 4,888(万架電/年)× 価格 0.02(億円/万架電)→ 売上 113 億円・営業利益 25 億円。実質数量は現在の0.94倍、名目価格は1.48倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率22.0%。
- ハイブリッド営業・オンライン相談:数量 2,744(万顧客接点/年)× 価格 0.05(億円/万顧客接点)→ 売上 129 億円・営業利益 31 億円。実質数量は現在の0.98倍、名目価格は1.50倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率24.0%。
- DXフルフィルメント・運営受託:数量 118(年間受託案件換算件数)× 価格 0.32(億円/案件年)→ 売上 38 億円・営業利益 7 億円。実質数量は現在の0.98倍、名目価格は1.34倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率19.0%。
- インバウンド・受電業務:数量 70.0(万受信件/年)× 価格 0.05(億円/万受信件)→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.70倍、名目価格は1.22倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率14.0%。
- リサーチ・その他BPO:数量 800(年間調査・事務案件換算件数)× 価格 0.01(億円/案件年)→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現在の0.80倍、名目価格は1.34倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率10.0%。
- オンサイト派遣:数量 261(常勤換算人年/年)× 価格 0.07(億円/常勤換算人年)→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現在の0.85倍、名目価格は1.34倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率7.0%。
倍率:資本コストk=8.0%、2036年以降の成長率g_long=0%。営業支援・BPO・派遣はAIエージェント代替で人員課金の数量が縮む。RONIC=k+残る割合0.5×(事業ROE−k)、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.5倍となり上限そのものを採用。2036年の余剰現金70億円には株主への戻り方0.75を掛け、税後利息を年1.4%として純利益から控除する。時価総額=(純利益33.1億円−余剰現金70億円×0.014)×12.5+70億円×0.75。現時点の市場PERは参照しない。
確率:成果報酬単価の強い上昇と人間が受け持つ複雑な商談の継続をともに実現する必要があり、会社の現場力を高く評価しても限定的な確率にとどめる。
やや楽観 16% 専門商談を残しながら単価が上がる 利益 21 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 670 円305 億円
定型的な架電と受電はAIに移るが、契約の比較や説明を要する相談では人が使われ続ける。ハイブリッドではオンラインFPや高難度の商談が中心になり、通信案件への依存度も下がる。顧客企業は外注先を減らしつつ、実績の良い会社に案件を集めるため、契約継続率の高さが受注残を支える。
業務量は全体として減るものの、成果報酬案件の平均単価と人件費転嫁が収益を補う。2023年の請求問題を再発させず、買収した会社の業務管理も改善できる。高収益案件への集中で、販管費負担を吸収できる構造が続く。
2036年の売上収益は約257億円、営業利益は約33億円である。2030年目標には届かなくても、利益の質は2025年より良くなる。10年間の配当と自社株買いは75億円を見込み、買収後の財務余力も維持する。
- アウトバウンド営業支援:数量 4,264(万架電/年)× 価格 0.02(億円/万架電)→ 売上 92 億円・営業利益 18 億円。実質数量は現在の0.82倍、名目価格は1.38倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率20.0%。
- ハイブリッド営業・オンライン相談:数量 2,436(万顧客接点/年)× 価格 0.04(億円/万顧客接点)→ 売上 107 億円・営業利益 22 億円。実質数量は現在の0.87倍、名目価格は1.40倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率21.0%。
- DXフルフィルメント・運営受託:数量 98.4(年間受託案件換算件数)× 価格 0.32(億円/案件年)→ 売上 31 億円・営業利益 5 億円。実質数量は現在の0.82倍、名目価格は1.34倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率17.0%。
- インバウンド・受電業務:数量 62.0(万受信件/年)× 価格 0.05(億円/万受信件)→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.62倍、名目価格は1.20倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率12.0%。
- リサーチ・その他BPO:数量 720(年間調査・事務案件換算件数)× 価格 0.01(億円/案件年)→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現在の0.72倍、名目価格は1.30倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率8.0%。
- オンサイト派遣:数量 215(常勤換算人年/年)× 価格 0.07(億円/常勤換算人年)→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現在の0.70倍、名目価格は1.32倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率5.5%。
倍率:資本コストk=8.0%、2036年以降の成長率g_long=0%。営業支援・BPO・派遣はAIエージェント代替で人員課金の数量が縮む。RONIC=k+残る割合0.5×(事業ROE−k)、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.5倍となり上限そのものを採用。2036年の余剰現金70億円には株主への戻り方0.75を掛け、税後利息を年1.4%として純利益から控除する。時価総額=(純利益21.2億円−余剰現金70億円×0.014)×12.5+70億円×0.75。現時点の市場PERは参照しない。
確率:金融・デジタルサービスの専門案件で価格転嫁を続ける筋は十分考えられるが、大口通信顧客の更新と買収先の統合を続けて成功させる必要がある。
中立 34% 有人数量は縮み、値上げで一部を補う 利益 10 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 361 円165 億円
営業支援の外注需要は残るが、必要な人員と接点件数が減る。顧客企業は対話AIや営業管理エージェントを使い、見込み客の選別、初回連絡、資料案内を内製する。有人契約は難しい商談と例外処理に寄り、受電、調査、派遣の数量は一段と細る。NTTドコモを含む既存顧客の契約は続いても、発注金額までは守られない。
単価は物価上昇をおおむね反映し、成果報酬型のハイブリッドでは若干の上積みを得る。ただし営業人員の稼働減を完全には埋められず、売上は約207億円となる。本社費を削り切れないため、2036年の営業利益は約16億円まで下がる。
M&Aは実行されても、既存業務の縮小を打ち消すほどの利益増を生まない。積み上がる自己資本に対して利益が伸びず、ROEは低下する。配当と自社株買いは累計48億円、余剰資金は60億円ほど残るが、買収余力を含めてそのすべてを株主が直ちに受け取れるとは考えない。
- アウトバウンド営業支援:数量 3,432(万架電/年)× 価格 0.02(億円/万架電)→ 売上 72 億円・営業利益 12 億円。実質数量は現在の0.66倍、名目価格は1.34倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率16.0%。
- ハイブリッド営業・オンライン相談:数量 2,016(万顧客接点/年)× 価格 0.04(億円/万顧客接点)→ 売上 87 億円・営業利益 16 億円。実質数量は現在の0.72倍、名目価格は1.37倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率18.0%。
- DXフルフィルメント・運営受託:数量 84.0(年間受託案件換算件数)× 価格 0.31(億円/案件年)→ 売上 26 億円・営業利益 3 億円。実質数量は現在の0.70倍、名目価格は1.32倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率12.0%。
- インバウンド・受電業務:数量 57.0(万受信件/年)× 価格 0.04(億円/万受信件)→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.57倍、名目価格は1.15倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率8.0%。
- リサーチ・その他BPO:数量 610(年間調査・事務案件換算件数)× 価格 0.01(億円/案件年)→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.61倍、名目価格は1.29倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率5.0%。
- オンサイト派遣:数量 175(常勤換算人年/年)× 価格 0.07(億円/常勤換算人年)→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.57倍、名目価格は1.30倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率3.5%。
倍率:資本コストk=8.0%、2036年以降の成長率g_long=0%。営業支援・BPO・派遣はAIエージェント代替で人員課金の数量が縮む。RONIC=k+残る割合0.5×(事業ROE−k)、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=12.5倍となり上限そのものを採用。2036年の余剰現金60億円には株主への戻り方0.75を掛け、税後利息を年1.4%として純利益から控除する。時価総額=(純利益10.4億円−余剰現金60億円×0.014)×12.5+60億円×0.75。現時点の市場PERは参照しない。
確率:2026年の営業支援では価格転嫁の実績がある半面、オンサイト需要はすでに低下している。成果報酬型の一定の持ちを認めながらAIエージェント代替の数量減を中心に据える。下に寄せる理由:2023年の過大請求、NTTドコモ向け17.6%の顧客集中、約131億円ののれんを抱えたM&Aの回収不確実性があるため、下側43%・上側23%とする。AIを確率で二重に減点していない。
やや悲観 27% 大口案件と営業工数の二重縮小 利益 3 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 55 円25 億円
大手通信顧客が案件の一部をAIエージェントと別の受託会社に移し、電話を使う獲得営業の効率化が急速に進む。既存の契約継続率は高くても更新時の人員削減が常態化し、新規顧客を増やしても総受注量が減る。競合のアルティウスリンクやベルシステム24も自動化投資を進め、成約1件当たりの委託単価が抑えられる。
単価の伸びは物価を下回り、2036年の売上は約150億円、営業利益は約4億円にとどまる。顧客ごとの利益採算が厳しくなり、固定的な本社費を削っても収益率は戻らない。従来の営業研修や人員管理への投資は十分な利回りを生まなくなる。
既存買収事業ののれんなど約40億円を期間中に減損する。純利益と配当を積み上げても自己資本の見かけの厚みは増しにくい。10年間の還元は25億円程度に抑え、余剰現金を別資産として高く評価することは避ける。
- アウトバウンド営業支援:数量 2,704(万架電/年)× 価格 0.02(億円/万架電)→ 売上 52 億円・営業利益 7 億円。実質数量は現在の0.52倍、名目価格は1.22倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率13.0%。
- ハイブリッド営業・オンライン相談:数量 1,596(万顧客接点/年)× 価格 0.04(億円/万顧客接点)→ 売上 63 億円・営業利益 9 億円。実質数量は現在の0.57倍、名目価格は1.25倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率14.0%。
- DXフルフィルメント・運営受託:数量 66.0(年間受託案件換算件数)× 価格 0.30(億円/案件年)→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。実質数量は現在の0.55倍、名目価格は1.24倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率9.5%。
- インバウンド・受電業務:数量 45.0(万受信件/年)× 価格 0.04(億円/万受信件)→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.45倍、名目価格は1.08倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率4.0%。
- リサーチ・その他BPO:数量 480(年間調査・事務案件換算件数)× 価格 0.01(億円/案件年)→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.48倍、名目価格は1.18倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率2.5%。
- オンサイト派遣:数量 138(常勤換算人年/年)× 価格 0.06(億円/常勤換算人年)→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.45倍、名目価格は1.20倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率2.0%。
倍率:市場の倍率には依存しない。k=8.0%かつg_long=0%なので、事業の稼ぐ力の上限は1/k=12.5倍。大口顧客喪失と固定費が残り、将来の収益維持に不安が強いため、悲観側では上限を下回る10.0倍とする。追加の余剰現金は独立評価しない。
確率:顧客の内製化が2026年のオンサイトの減収に既に現れ、NTTドコモへの依存と2023年の統制問題が残る。契約の集中による中程度の敗北として十分に重みを与える。
悲観 16% 信用失墜と自動化で収益基盤が壊れる 利益 −4 億円 · PBR 0.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 27 円13 億円
主要通信顧客の案件を大幅に失い、顧客企業がAIエージェントを使った営業接点を自社に取り戻す。音声対話だけでなく顧客選別、予約、契約後のフォローも自動化される。営業現場のノウハウは急速に陳腐化し、会社が保有する顧客別運用データは発注者の自社システムに取り込まれていく。2023年のような管理不備が再び起きれば、品質を理由に残っていた取引も離れる。
2036年には売上が約91億円まで減り、事務所や本社組織の維持費が売上減に追い付かない。営業損失が約6億円、最終損失が約4億円となる。調査や人材派遣でも需要は回復せず、積極的な買収は価値回復策にならない。
過去の買収に伴うのれん約131億円とその他無形資産の大部分を減損し、自己資本はおおむね52億円まで細る。10年間の還元は12億円にとどめる。株式価値はかつてのROEや簿価の満額ではなく、現金、回収債権など売れる資産を負債と相殺した保守的な床から考える。
- アウトバウンド営業支援:数量 1,820(万架電/年)× 価格 0.02(億円/万架電)→ 売上 32 億円・営業利益 3 億円。実質数量は現在の0.35倍、名目価格は1.12倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率9.0%。
- ハイブリッド営業・オンライン相談:数量 1,064(万顧客接点/年)× 価格 0.04(億円/万顧客接点)→ 売上 38 億円・営業利益 3 億円。実質数量は現在の0.38倍、名目価格は1.13倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率8.5%。
- DXフルフィルメント・運営受託:数量 45.6(年間受託案件換算件数)× 価格 0.27(億円/案件年)→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。実質数量は現在の0.38倍、名目価格は1.12倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率5.0%。
- インバウンド・受電業務:数量 30.0(万受信件/年)× 価格 0.04(億円/万受信件)→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.30倍、名目価格は1.00倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率0.0%。
- リサーチ・その他BPO:数量 320(年間調査・事務案件換算件数)× 価格 0.01(億円/案件年)→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.32倍、名目価格は1.08倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率-1.5%。
- オンサイト派遣:数量 92.2(常勤換算人年/年)× 価格 0.06(億円/常勤換算人年)→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。実質数量は現在の0.30倍、名目価格は1.10倍。AIエージェント代替を数量に反映。ドメイン別営業利益率-2.0%。
倍率:2036年の最終赤字ではPERが使えないため、現在の自己資本148.8億円に対する回収可能資産の価値を床とする。2025年末自己資本148.8億円から売却不能ののれん130.6342億円、その他無形資産5.8628億円を控除すると約12.303億円。回収債権・現金・他の売れる資産と負債を相殺した保守的な床にやや余裕を持たせ、12.5億円、現在の自己資本に対するPBR約0.084倍とする。2036年の自己資本51.8億円に倍率を掛けず、借金とリース負債を二重控除しない。
確率:過大請求問題で示された信用上の弱さ、大口通信顧客への集中、のれんを厚く抱える買収政策が同時に裏目へ出る複合シナリオ。直ちに倒産とはみないが、事業の継続価値が実物資産の回収価値に近づく。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
アウトバウンド営業支援
電話営業による顧客獲得や契約更新。成果・稼働に連動する委託料を受け取る。
| 数量万架電/年 | 価格億円/万架電 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,200 | 0.02 | 82 | 14 |
| 10 年後 中立 | 3,432 | 0.02 | 72 | 12 |
取り方:会社が示すアウトバウンドとハイブリッドの年間発信8千万件超を、売上構成と両業務の接点密度から5,200万件と2,800万件に仮配分した。5,200万件は推定であり会社開示ではない。2025年の全社売上226.94億円×売上構成35.9%≈81.5億円をベースに、単価は収益÷架電数で逆算する。成約報酬も含む売上換算単価であり、通話ごとの請求料金ではない。矢野の国内コールセンターサービス市場1兆517億円に対する約0.78%は異なるサービスを含む粗い比率。出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3953 。 AIエージェント代替の型:人月・工数型のBPOと成果報酬の混合。正本型には当たらない。中立数量0.66倍、名目単価1.34倍。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
ハイブリッド営業・オンライン相談
ウェブ流入顧客を電話、SNS、ビデオ面談、オンラインFP相談などへつなぐ。
| 数量万顧客接点/年 | 価格億円/万顧客接点 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,800 | 0.03 | 88 | 16 |
| 10 年後 中立 | 2,016 | 0.04 | 87 | 16 |
取り方:年間発信8千万件超の残余を仮に2,800万件の接点とした。オンライン対応も含めた契約ベースの実際の接点件数は未開示で、架電とその他の接触を概念的に合わせた推定量である。2025年全社売上×構成38.7%≈87.8億円から約87.91億円を配分し、単価を逆算した。コールセンター1兆517億円を仮の分母とした約0.84%は市場シェアの確定値ではない。出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3953 。 AIエージェント代替の型:人月・工数型BPOと成果報酬の混合。正本型ではない。中立数量0.72倍、価格1.37倍。成果改善型契約の価格転嫁実績を反映。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
DXフルフィルメント・運営受託
デジタルサービスの販売立ち上げ、申込・事務処理、運用を一括で請け負う。
| 数量年間受託案件換算件数 | 価格億円/案件年 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 120 | 0.24 | 29 | 3 |
| 10 年後 中立 | 84.0 | 0.31 | 26 | 3 |
取り方:会社はこのドメインの販売額構成12.6%を開示するが、契約数・工数は非開示。継続型を含む年間受託案件の換算数を仮に120件として、約28.62億円÷120件=1件約2,385万円とする推定であり実取引単価ではない。矢野の非IT系BPO約1兆9,566億円に対する約0.15%は広い参考分母。出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3973 。 AIエージェント代替の型:業務運営の人月・工数型BPO。正本型ではない。中立数量0.70倍、名目単価1.32倍。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
インバウンド・受電業務
公共案件等の問合せ受電とそれに付随する事務処理。
| 数量万受信件/年 | 価格億円/万受信件 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.04 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 57.0 | 0.04 | 3 | 0 |
取り方:構成比1.7%から2025年度約3.86億円を取り出す。受信件数は未開示のため、年間100万件・1件当たり約386円という受電代行の採算を想定した推計値とし、成約金や単純な時給とは区別する。コールセンター市場1兆517億円に対する約0.04%という参考シェア。出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3953 。 AIエージェント代替の型:純粋な事務系BPOの人月・工数型。中立数量0.57倍、名目単価1.15倍。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
リサーチ・その他BPO
市場調査、モニター調査、周辺事務、採用代行などの受託。
| 数量年間調査・事務案件換算件数 | 価格億円/案件年 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 0.01 | 10 | 0 |
| 10 年後 中立 | 610 | 0.01 | 8 | 0 |
取り方:会社の構成比4.2%から2025年約9.64億円を推計。調査・事務案件数は会社非開示なので年間1,000件相当、1件約96万円と便宜的に割り、時間給受託と成果型が混じる点を明記する。JMRAによる2025年度国内調査市場2,775億円に対し約0.35%相当だが、その他BPOが含まれるため上限的な比較である。出典:https://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/20260722.html 。 AIエージェント代替の型:調査・情報提供と事務系BPOの混合型。中立数量0.61倍、名目単価1.29倍。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
オンサイト派遣
顧客のコンタクトセンターにスタッフ・SV管理者を派遣する。
| 数量常勤換算人年/年 | 価格億円/常勤換算人年 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 307 | 0.05 | 15 | 1 |
| 10 年後 中立 | 175 | 0.07 | 11 | 0 |
取り方:2025年有報の対外売上15.358億円、セグメント営業利益0.799億円を基準とした。派遣人数は開示されていないため、人材派遣協会が示す派遣市場規模と一般的な常勤派遣の年間請求額を踏まえ、1人年当たり500万円という仮定から307.2人年と逆算した。市場9兆9,005億円に対する約0.016%は全職種を含む極めて広い分母である。出典:https://www.jassa.or.jp/know/data/ 。 AIエージェント代替の型:事務系人材派遣の人月・工数型。中立数量0.57倍、名目単価1.30倍。 売上や利益のドメインへの配分は開示された構成比とマーケティングセグメント利益33.03億円を基にする試算で、法定セグメント内の個別利益額は会社未開示。
リスクと懸念
AI エージェント代替
有人の営業支援、事務BPO、受電、調査、派遣のほぼ全域が対象である。人月や工数の請求単位が残っても、顧客はAIの導入で必要人数を減らす。成果報酬型でも、成約率が改善したとき委託者が単価引き下げを求めるため、効率化の利益を全て自社が保持できるとは限らない。AI単独の有償受注額が開示されるまでは成長事業として加点しない。
通信大口顧客への依存
2025年のNTTドコモ向け売上は全体の17.6%であり、通信系の委託方針が変われば顧客継続率の高さとは別に売上が減る。商流統合、代理店政策の変更、営業活動の内製化が起きれば、顧客数が増えても年間取引額は細る。10年間の契約更新時には量と単価を分けて追跡する必要がある。
2023年の過大請求と内部統制
子会社マケレボで顧客指定の業務管理システムのログイン履歴を不適切に作出し、報酬請求が過大となる問題が発覚した。営業受託は実際の成果と稼働の証拠が信用の根幹にある。再発防止策を示しても、大口顧客の監査、契約終了、請求減額という再発リスクを完全には消せない。
のれん減損と買収の投下資本
2025年末の自己資本約149億円に対してのれんが約131億円あり、帳簿の純資産をそのまま売れる資産の床にはできない。金融相談や採用代行へのM&Aは新分野を開くが、人の工数を買うだけならAI時代に買収の利回りが下がる。買収後の増分営業利益と投下資本を継続して照合する必要がある。
派遣先の内製化と固定費の残存
オンサイト事業の2026年上期売上は前年同期から23.8%減り、需要の弱さは仮説ではなく実績として現れている。受注が減れば人件費の変動部分は調整できても、採用・研修・管理部門や賃借オフィスの固定費はすぐには消えない。IFRS16で使用権資産とリース負債はすでに計上されており、見かけの純負債だけで固定負担の軽さを判断しない。
営業規制と顧客情報の扱い
個人情報保護、金融商品の勧誘管理、通信関連の販売説明など、顧客接点を受託する際の法令順守コストは上がりうる。録音や会話要約をAIに渡す際の同意・委託先管理が不十分なら、情報事故は短期間で取引停止に結びつく。許認可を得た金融サービス領域も、運用ルールの変更や顧客の苦情対応から自由ではない。
今後の分かれ目
- 主力3ドメインでAIを使った成果報酬案件の実売上と契約単価が明示され、単価上昇が3期続いたら
- 人員削減が会社の利益改善につながる実証になる。ハイブリッドの数量と単価、営業利益率を上方修正し、やや楽観側の重みを増やす。
- NTTドコモ向け比率が20%を超え、同時に通信領域の発注量が前年より大きく減ったら
- 主要顧客集中が現実の損失へ進むため、アウトバウンドとハイブリッドの実質数量を減らし、やや悲観・悲観の確率を上げる。
- 2026年に減ったオンサイト売上がさらに2期続けて2割以上減少したら
- 派遣事業の構造的縮小として、2036年中立の常勤換算人員と事業利益を切り下げ、関連固定費の削減実績を確認する。
- 2030年に営業利益50億円が買収の一過性益でなく、営業現金収支とROEの改善を伴って達成されたら
- 既存案件の採算と買収先の稼ぐ力が想定以上に強いと認め、10年後の営業利益と資本配分の判断を再評価する。
- のれん減損が40億円以上生じるか、取得事業の貢献利益が3期連続赤字になったら
- 過去の投資資本が回収できない兆候である。会社の撤退基準の実行と追加資金支出を確認し、悲観側の自己資本と株主還元を引き下げる。
- 大口顧客を含む契約継続率が90%未満に落ちるか、新たな請求管理上の不祥事が起きたら
- 業務品質が重要な競争上の土台を失う。受注獲得単価と利益率を下方修正し、信用回復に必要な期間を悲観の筋書きへ反映する。
見ておくもの
- アウトバウンド・ハイブリッド・DXフルフィルメントの売上構成比と実際の受託件数・成約率・顧客単価
- NTTドコモ向け売上比率と通信系商流の変更、顧客継続率95%以上の維持
- 2026年会社予想240億円・営業利益23.5億円の達成状況と2026年下期営業利益率
- オンサイト事業の外部売上と派遣人数、顧客の内製化動向
- AIエージェント単独の有償売上・受注額、AI導入先の労働生産性と値下げ率
- 営業キャッシュフロー・M&A取得支出・のれん130.63億円の回収可能性と増分ROIC
- 2030年売上500億円・営業利益50億円・ROE15〜20%・配当性向40%超への進捗
- 自己株式取得と増配の実績、インテグラル系大株主の持分変動、開示された再編動向
倍率と資本コストの決め方
現在の株価344円と発行済み控除後4555万株から基準時価総額約156.7億円を最後に算出し、各筋書きの売上はドメイン別の実質数量×名目単価から独立に積んだ。2025年の各ドメイン数量と単価は非開示のため、年間8千万件の架電、会社公表の売上構成比、業界市場規模を使って推計し、成約報酬を単純な架電料金と混同していない。倍率は市場PERではなくk8%、将来成長率0%、追加投資利回りの式から導いた。2036年の余剰現金は利益の倍率と二重に数えず、年1.4%の利息控除と75%の還元係数を適用した。悲観の床はのれんと無形資産を控除した今の実体資産に基づく。IFRS16によるリース資産・負債は既に2025年末の数字に含まれ、新リース会計の二重調整はしない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本7.5%に、価格交渉力の弱さ0.5%を加えた。2023年の不正や買収執行リスクは確率・利益率に入れ、個別の上乗せ金利にはしない。