結論
ピアズは携帯電話販売の現場を支え、オンライン接客、企業研修、IT人材、接客ソフトへ事業を広げてきた会社である。結論は「やや割高」だ。現金を持ち、買収で新しい顧客を増やしている点は評価できるが、売上の約3分の2を占めるNTTドコモグループとの取引を、今後も同じ条件で維持できるという確証がない。さらに、AIが人間の接客、営業の補助、研修、ソフトの画面操作を代替する速度は、従来の市場成長率だけでは読めない。
2025年9月期の売上61億円、営業利益約6億円に対し、翌期は増収・営業減益を会社が見込む。2026年6月までの累計でも売上は増えたが、営業利益は前年並みにとどまった。新しい買収先の売上を取り込んでも、のれん償却や営業体制の再構築が利益を押し下げているためだ。顧客に使われ続ける仕事と、AIで消えていく請求単位とを分けて考える必要がある。
2035年9月期の中立では、店頭支援の数量が緩やかに減り、遠隔接客や研修・SESの人手請求はさらに縮む。値上げでその一部を吸収しても、名目売上はほぼ横ばい、営業利益は約5億円に落ち着くとみる。5つの筋書きで評価した現在価値は約26億円で、足元の時価総額約36億円より約28%低い。強い自社プロダクトが証明されれば見直せるが、構想と実際に残る利益を混同しないことが長期保有の出発点になる。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が欲しいのは、10年後も顧客から必要とされ、稼いだ利益をもう一度高い利回りで投じられる会社である。ピアズにはその芽がある。携帯ショップの現場で培った接客のノウハウを遠隔営業へ移し、さらに研修とソフトウェアを組み合わせる発想は合理的だ。2026年10月の個人向けAIエージェント構想も、実際の人とサービスをつなぐ役割まで担えれば新しい収益源となる。
しかし、この会社の利益の多くは他社の販売政策と人員配置から生まれる。固定費を要する接客センターは、稼働率が落ちれば利益が急に薄くなる。発注者がAIを内製化した場合、ピアズ自身が優れたAIを使って工数を削減しても、請求する工数が減れば売上の取り分は増えない。成果に対して顧客が喜んで高い対価を払う仕組みに変わった証拠が必要だ。
買収についても同じである。買い取った売上の合計ではなく、そのために使った現金とのれんを含む資本に対し、将来どれだけの利益が残るかを重視する。2025年の研究開発費は約0.32億円で、顧客基盤を守りつつ新たな独自技術を築く規模としてはまだ小さい。巨大なソフトウェア企業と同じ切り替え障壁は認めにくい。一方、純現金と継続的な還元は保有者の安全域を広げる。事業の先行きには幅があるからこそ、堅い現金と守れる利益を基礎に価値を測り、まだ収益化されていないAI構想には大きな値札を付けない。
何で稼ぐ会社か
収益の出発点は通信会社と携帯販売代理店の店頭である。販売員の派遣だけでなく、売り場の運営、事務局業務、営業改善の提案まで引き受ける。成果や業務量に応じた報酬と、月額の固定報酬が混在する。主要取引先であるNTTドコモグループの販売政策が変われば、会社の仕事量も変わる。ここは広告枠を売る広告代理業ではなく、販売現場を動かす業務受託と捉えるべきである。
第2の柱は「ONLINX+」などを使うオンライン接客・セールスである。店舗と遠隔の担当者をつなぎ、通信契約や関連サービスの案内を支える。2025年6月の会社発表は従来のONLINXで月6万件以上の接客実績をうたっている。1件ごとの料金だけでなく、ブースの運営費や固定の保守料が収益に含まれる。ベルフェイス事業の取得後は金融機関向けの非対面営業にも接点が広がったが、処理する人員を減らせば顧客単価が下がる可能性もある。
第3の柱はAIを使った営業研修とIT技術者の提供である。対話型の「mimik AI」は営業練習を繰り返せる利点があり、2026年にはJ:COMへの本格導入も発表した。一方、研修設計・現場伴走・SESは、成果ではなく講師の工数や技術者の人月で請求する部分を含む。生成AIが作業時間を縮めれば、同じ成果でも請求できる数量が減る。
第4の柱はmimik、ONLINX、取得したbellFaceなど、利用IDや保守契約に対して課金できるソフト群である。これは人を直接配置する仕事より粗利を伸ばしやすいが、画面を人が操作する価値だけでは競合AIエージェントに置き換えられる。会話ログを分析する取り組みはあるものの、低解約率や法令上の記録保存義務に裏づけられた独占的なデータ基盤とはまだ言えない。2026年10月に始動した「NAJIM Personal Agent構想」も、現段階では高齢者向けサービスの開発着手であり、既存収益と別に評価すべき将来の選択肢だ。
優良さと弱いところ
最大の強みは、通信の販売現場を長く経験してきたことである。販促の設計、販売員への教育、遠隔接客の運営を組み合わせて提案できる。単なる派遣会社より、顧客が抱える問題を解く範囲が広い。店頭の運営には人員確保、教育、シフト管理などの実務が伴い、顧客が一夜で全業務を内製化するのも簡単ではない。実際にNTTドコモとの関係は深まり、2025年9月期には同グループ向けの売上が約39億円に達した。
ただし、関係が深いことと値決め力があることは別である。1社への依存度は2024年の45.6%から翌年63.6%に高まり、発注側が予算・販売政策・単価を握る。契約を失う時の負担はピアズの方が大きい。どの部門についても、価格を引き上げても解約が低い実績、年単位の切り替え障壁、規制上不可欠な記録の正本という、強い堀の証拠は2つ以上確認できない。顧客接点のノウハウは利点だが、確実な超過利益の保証ではない。
財務面では2025年9月期末の自己資本約28億円、純現金約10億円が下支えとなる。過去には2022年に赤字を経験したが、その後黒字に戻り、2025年には約6億円の営業利益を出した。ただし、2024年の純利益には事業売却の一過性要因があり、過去最高のROEをそのまま増分投資の利回りとはみなせない。2026年には買収に伴ってのれんと償却負担が増加した。高い投資利回りが続くかどうかは、買収先の売上ではなく、償却後の利益と追加投資に対する現金創出額で判定したい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
通信販売支援の母市場は縮んでいる。MCAによれば国内のキャリアショップは2022年2月の8,026店舗から、2025年3月には6,999店舗へ減少した。オンライン手続きの普及と端末の買い替え期間の長期化が背景にある。販売現場では慢性的な人手不足が続くため、外注比率が上がればピアズの仕事は残りうる。しかし、店舗そのものの数が減る局面で、単純な販売員派遣の量が長期に伸びるとは考えにくい。競合には通信系の大型販売代理店やヒト・コミュニケーションズ、ウィルオブ・ワークなどがいる。
需要が増えるのは外注・非対面化の側である。矢野経済研究所の2024年度の国内BPO市場は約5兆786億円で、非IT系だけでも約1兆9,567億円ある。コールセンターの外注市場も1兆円規模に達するが、トランスコスモス、ベルシステム24、アルティウスリンクといった大型の運営会社が競う。オンライン接客システムにはGenesysやSalesforce、Microsoftなどの機能も重なる。ピアズの2025年の遠隔接客売上を仮に13億円とすれば、1兆円規模のコンタクトセンター外注市場に対する比率は0.1%程度で、特定の細分市場での正式なシェアではない。
企業向け研修の市場は2025年度に6,075億円、2026年度は6,300億円との調査がある。人への教育投資は増えても、資料作成、研修の実施、評価の一部はAIで自動化される。インソースやアルーなどの研修企業、IT人材派遣会社との競争は避けられない。会社が顧客別の件数と単価を開示していないため、ピアズや競合の厳密なシェアは不明だ。長期の数量は業界全体の名目成長ではなく、店舗の減少、遠隔化による一人当たり処理量の増加、AIによる人月削減を考慮する。物価3%の効果は数量ではなく料金に入れる。各市場の定義は重なるので、金額を足して総市場とはしない。
資本政策と M&A
経営は事業を買い、組み合わせることで成長を速めようとしている。2024年にはWired PackageのSES事業を取得し、2025年にはbellFace事業を子会社化した。2026年にはGroovesからForkwell事業を引き継いだフォークウェル社の株式81%を取得し、開発・人材の領域を広げた。金融業界への顧客開拓は望ましいが、買収価額の回収期間と、のれん償却後の利益が見えなければ株主にとっての成功とは言えない。
中期計画は、2027年9月期に売上120億円・営業利益4億円、2028年9月期に売上180億円・営業利益10億円を想定する。以前の2027年の営業利益10億円という目標を4億円へ見直した事実は重い。未確定の買収を通期予想へ織り込まない姿勢は妥当だが、目標の達成には追加買収と統合作業が伴う。ROEやDOE、総還元性向、自社株買い額について将来の数字の約束はない。
株主還元では配当性向30%を基本とし、中長期には引き上げを志向する。2024年10月から2025年4月に57万500株、総額4億円を市場買付し、2026年にも約1億円の買い付けを実行した。2026年9月期には増配を発表している。これは現金を少数株主へ還元する意思の証拠であり、余剰現金の評価では重視する。ただし、自己株式を将来の株式交換に使えば持分希薄化を招くため、買い戻しと買収用の再交付を分けて監視する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
店頭販売の仕事が減っても、販売の質を上げるサービスは消えない。通信会社の料金や付帯サービスが複雑になるほど、販売員の育成や顧客対応には専門性が必要になる。ピアズには長年の店頭運営の知見と、月6万件を超える遠隔接客の実績がある。ONLINX+が電話・店舗・オンラインをつなぎ、顧客が契約するところまで引き受ければ、単なる人材派遣より高い対価を得られる。
bellFaceの取得で銀行・証券会社にも販路を得た。Forkwell事業やSESの取得は技術者の採用と自社開発力の向上に寄与し、外注コストを削る効果も期待できる。J:COMへのmimik AI導入は、接客教育が通信会社以外にも売れることを示す。NTTドコモとの関係を保ったまま別の顧客を増やせれば、最も弱かった顧客集中は薄まる。
財務には純現金があり、2025年に4億円、2026年に約1億円の自己株式取得を実行した。成長投資をしながら株主に現金を返す規律は評価できる。AIによる新しい売上が金額で確認できるまでは急拡大を先取りしないとしても、既存の顧客接点と売る力を組み合わせた事業の伸びしろは残る。
慎重な見方
最大の発注者が売上の63.6%を占める会社に、独立した値決め力があるとは言いにくい。NTTドコモが店舗網の整理、代理店報酬の変更、問い合わせ対応のAI内製化を進めれば、同社は単価にも数量にも打撃を受ける。国内のキャリアショップは約3年で千店以上減っている。オンライン接客へ移る仕事もあるが、遠隔の担当者が一人で処理できる件数が増えれば、ピアズに残る工数は必ずしも増えない。
人月で売るSESと研修は、生成AIが最も大きく変える領域だ。作業の時間が半分になっても従来の月額料金を維持できるという証拠はない。接客ソフトのID課金も、顧客が人の操作画面を経由せずにAIエージェントへ依頼すれば値下げ圧力を受ける。mimikの導入事例だけで、十年続くデータ独占や解約率の低さを証明できたわけではない。
買収では、売上を増やすと同時にのれん償却が純利益を削る。2027年の営業利益目標は10億円から4億円に下がった。さらに株式報酬の潜在的な希薄化もある。いま手元にある純現金は頼りになるが、次の買収で使ってしまえば、過去の現金残高は株主の価値を守らない。
どちらに重みを置いたか
事業拡張の芽は評価するが、現時点の証拠では慎重な見方がやや強い。中立の事業数量にはAIエージェント代替の縮小を既に織り込み、同じ理由で資本コストや確率を重ねて悪化させない。下側43%が上側28%を上回るのは、顧客集中と買収実行の不確実性のためだ。株主への還元実績は良いが、独占的なデータ基盤と増分投資の高い利回りが確かめられるまでは、大きな安全域を認められない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 430 円39 億円(+ 還元の換算額還元の合計 122 円11 億円)。 今の値に割り戻すと 288 円26 億円、今との差 −29.0%、 期待の年率 +3.6%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 913 円82 億円 | 211 円19 億円 | +177.6% | +12.3% | 135 円12 億円 |
| やや楽観 | 16% | 676 円61 億円 | 172 円15 億円 | +109.3% | +8.8% | 136 円12 億円 |
| 中立 | 29% | 475 円43 億円 | 142 円13 億円 | +52.5% | +4.9% | 179 円16 億円 |
| やや悲観 | 26% | 205 円18 億円 | 84 円8 億円 | −28.5% | −3.8% | 75 円7 億円 |
| 悲観 | 17% | 123 円11 億円 | 33 円3 億円 | −61.5% | −9.9% | 27 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 430 円39 億円 | 122 円11 億円 | +36.2% | +3.6% | 551 円50 億円 |
今の株価時価総額 405 円36 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 非対面販売で成果報酬を獲得 利益 6 億円 · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 913 円82 億円
通信販売の現場は縮小するが、ピアズは他キャリアと金融業界への横展開を進め、残る店舗における受託比率を上げる。国内の店頭業務総量が減っても、新規顧客の開拓と単価改善で店頭支援の人日を維持・微増できる。ONLINX+は接客品質と成約率を示し、顧客が人員配置の削減だけでなく営業成果に対して対価を払う契約を増やす。
ベルフェイスの金融顧客基盤が稼働し、mimik AIの導入も通信以外へ広がる。SESは工数圧縮を避けられないが、専門性の高い開発工程に絞り、浮いた外注費を自社ソフトの改良へ回せる。NAJIM構想が将来の新しい事業につながる可能性は認めるものの、金額の確認できない売上はまだ積み上げない。買収先の統合は順調で、のれん償却後の営業利益も伸びる。
株主への現金還元を維持し、追加買収に使う資本の利回りが資本コストを超える。NTTドコモへの集中も徐々に薄まり、弱い堀が少し改善する上振れである。
- 通信販売現場・セールスプロモーション:数量 129,231(販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年))× 価格 0.00(人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分))→ 売上 50 億円・営業利益 6 億円。他キャリア・金融で契約を増やし、店頭請求人日が5%増
- オンライン接客・セールスBPO:数量 612,000(人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年))× 価格 0.00(接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。AIによる人手削減はあるが成果報酬で高い単価を確保
- AI営業研修・教育支援:数量 18,000(研修受講の延べ修了人数(人/年、推定))× 価格 0.00(受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。人による研修は1割減、付随するAI道具も競争を受ける
- SES・受託開発の技術者役務:数量 720(請求対象の技術者人月(人月/年、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たりの請求売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。技術者の人月は1割減だが高付加価値案件へ移る
- 接客・研修ソフトのID・保守課金:数量 855(年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定))× 価格 0.00(有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。有償IDは増加させず95%、金額未確認のAI収益は加えない
倍率:資本コスト7.75%、弱い堀の超過利益残存率3分の1、AIエージェント代替を反映した10年超の名目成長率上限1%を用いる。終点ROE11.11%、増分再投資利回りRONIC8.87%に基づき、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を上限そのままとした。事業純利益は余剰現金3億円に係る税引後利息0.042億円を除いて算定し、現金3億円を別途足す。
確率:金融・他キャリアへの拡大と営業成果連動契約への移行が同時に成功する上振れ。AIを自社商品として受注金額の開示がまだないので、研修・SES・有人接客の数量は現状以下にとどめ、確率は12%に限定。
やや楽観 16% 他業界展開が縮小を補う 利益 5 億円 · PER 13.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 676 円61 億円
通信会社の店頭網は引き続き整理されるが、残存店舗の運営支援を受け持つ比率が上がる。遠隔接客の対応者数はAIによる生産性向上で減る一方、金融・通信の顧客数拡大で低下を抑える。強い値上げ力までは得られないが、人件費上昇の一部を固定業務委託料へ転嫁できる。
mimik AIの教育需要とSES事業の技術者需要は続く。ただし、AIにより人月で請求できる数量は昔より小さく、ID課金も既存システムの画面操作が不要になる圧力を受ける。買収したベルフェイスとグルーヴス関連事業は既存の人材と販売チャネルを生かし、追加投資に見合う営業利益を生む。
配当性向30%を軸に還元を続ける。主要顧客への集中は残るが、他業界の案件増加で突然の契約喪失を受け止める余地が広がる。2025年より売上も利益もやや高くなるが、技術基盤の独占を前提にするほどの強い筋書きではない。
- 通信販売現場・セールスプロモーション:数量 123,077(販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年))× 価格 0.00(人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分))→ 売上 45 億円・営業利益 5 億円。他業界開拓で現場請求人日を維持
- オンライン接客・セールスBPO:数量 540,000(人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年))× 価格 0.00(接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。AIの効率化で有人件数は75%に縮小
- AI営業研修・教育支援:数量 15,000(研修受講の延べ修了人数(人/年、推定))× 価格 0.00(受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。研修人月の代替を織り込み75%の受講量
- SES・受託開発の技術者役務:数量 600(請求対象の技術者人月(人月/年、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たりの請求売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。SES人月を75%に縮小
- 接客・研修ソフトのID・保守課金:数量 810(年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定))× 価格 0.00(有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。席課金は90%、単価は物価以下の上昇
倍率:資本コスト7.75%、弱い堀の超過利益残存率3分の1、10年後以降の名目成長率上限1%を用いる。終点ROE8.59%、増分再投資利回りRONIC8.03%から正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を計算し、上限そのままとする。事業純利益から余剰現金3億円の税引後利息0.042億円を除き、現金を別に足す。
確率:店舗の減少を顧客分散で補い、買収先の統合も進む筋書き。新しい製品が独占的な料金支配力を持つ証拠まではないため、上側の中では控えめな16%とする。
中立 29% 実務は残り、人月は減る 利益 3 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 475 円43 億円
国内のキャリアショップは数を減らし、ピアズの販売現場の人日もゆっくり縮む。NTTドコモ向けの仕事は維持されるが、従来ほどの伸びはない。派遣・運営支援の料金は賃金上昇に合わせて上がるものの、買い手が強いため物価上昇の全額を上回る値上げは難しい。
ONLINX+の遠隔接客は必要とされ続けるが、AIが会話の準備、本人確認、問い合わせの多くを処理する。人が対応して請求できる件数は減り、固定料金を含む実効単価の上昇も物価に届かない。mimikの研修設計とSESも同じ構造にあり、人月・受講者に換算した仕事量は十年でそれぞれ65%程度に低下する。ソフトのIDも人が画面を使う前提が弱まり、年課金数量は約8割となる。
追加買収は売上を積み増すが、統合費・のれん償却を賄う程度の利益しか残らない。手元の現金を守りつつ配当と買戻しを継続しても、再投資利回りは資本コストを超えず、自己資本が厚くなってROEは下がる。独自データが永続的な料金支配力に変わるとはまだ考えない。
- 通信販売現場・セールスプロモーション:数量 108,308(販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年))× 価格 0.00(人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分))→ 売上 37 億円・営業利益 4 億円。店舗の減少で人日88%、売り手の値決め力は限られる
- オンライン接客・セールスBPO:数量 468,000(人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年))× 価格 0.00(接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替で有人対応65%、価格は物価未満
- AI営業研修・教育支援:数量 13,000(研修受講の延べ修了人数(人/年、推定))× 価格 0.00(受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。研修の講師・設計の請求数量を65%へ縮小
- SES・受託開発の技術者役務:数量 520(請求対象の技術者人月(人月/年、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たりの請求売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。SI・SES人月を65%、名目単価は1.25倍
- 接客・研修ソフトのID・保守課金:数量 720(年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定))× 価格 0.00(有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。席課金IDを80%、料金は1.08倍にとどめる
倍率:終点ROE6.72%が資本コスト7.75%に届かず、超過利益を生む増分投資を前提にできない。この場合の正当化PER上限は1÷k=12.90倍とし、現在のPERを根拠に割り引いたり引き上げたりしない。中立のAIエージェント代替は各部門の数量・単価に反映済み。純利益3.3億円から余剰現金3億円の税引後利息0.042億円を除き、現金3億円を別に足す。
確率:店頭の一部が残る一方、AIエージェント代替で工数・IDが減るという事業構造の中心ケース。数量・単価に縮小をすでに入れ、確率で同じAIリスクを再度上乗せしない。
やや悲観 26% 主要顧客の契約が縮む 利益 2 億円 · PER 11.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 205 円18 億円
NTTドコモが販売代理店の再編と顧客対応のAI化を進め、店頭の委託数量を段階的に削減する。販売員が必要な場面は残るが、価格競争のため人件費の増加を料金に十分転嫁できない。ピアズは他の通信会社へ販路を広げようとするものの、主要顧客の取引減を補えない。
遠隔接客の人手を要する対応件数は半分になる。AIが一次対応だけでなく申込手続きまで受け持ち、接客センターには賃借料、運営管理、回線などの固定費が残る。研修やSESでは請求できる人月が55%程度となり、mimikのID課金も顧客側の統合ソフトとの競争で減少する。ベルフェイスの顧客基盤は残るが、想定した利益成長は実現しない。
買収関連の無形資産を約4億円減損し、営業利益率は低下する。財務は直ちに危機に陥らないが、配当と自社株買いの額を利益に合わせて絞る。事業が継続しても、残された稼ぐ力の価値は大きく下がる筋書きだ。
- 通信販売現場・セールスプロモーション:数量 92,308(販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年))× 価格 0.00(人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分))→ 売上 29 億円・営業利益 2 億円。主要発注者の削減で人日75%
- オンライン接客・セールスBPO:数量 360,000(人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年))× 価格 0.00(接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。遠隔有人対応が半減し、固定費が残る
- AI営業研修・教育支援:数量 11,000(研修受講の延べ修了人数(人/年、推定))× 価格 0.00(受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。研修実施量を55%へ縮小
- SES・受託開発の技術者役務:数量 440(請求対象の技術者人月(人月/年、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たりの請求売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。技術者の請求人月を55%へ縮小
- 接客・研修ソフトのID・保守課金:数量 630(年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定))× 価格 0.00(有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。画面操作を経由するIDは70%へ縮小
倍率:主要顧客の数量・粗利率の低下と買収関連無形資産の減損後、ROEは3.9%と資本コスト7.75%を下回る。持続的に稼ぐ力は1÷k=12.90倍が上限であり、競争悪化が続くため11.7倍とした。悲観側に残す余剰現金は今の3億円の75%である2.25億円とし、その利息0.0315億円を純利益から除く。
確率:下に寄せる理由:2025年に売上の63.6%をドコモグループ1社に依存し、2027年営業利益目標が以前の10億円から4億円へ見直された。主要取引先の発注条件悪化と買収不振が重なる蓋然性を独立に織り込む。
悲観 17% 人月事業の競争力が崩れる 利益 −1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 123 円11 億円
通信会社の販売改革が一段と進み、ピアズは主要顧客の契約を大幅に失う。キャリアショップの閉店に加え、残る店舗でも人員配置の内製化と契約単価の引き下げが広がる。店頭支援の人日は従来の6割へ縮小し、業務委託の固定費を回収しにくくなる。新しい買収先から売上を得ても、失ったドコモ向け事業の採算を埋められない。
遠隔接客センターはAIエージェントへの置き換えが加速し、人間が請求できる対応件数は従来の35%にとどまる。SESの工数や研修の受講者は4割程度へ減り、単価も十分には上がらない。画面操作を前提としたSaaSの有償IDは半減し、維持費の回収が難しくなる。オンライン接客・研修部門が赤字化し、全社営業損益も小幅赤字へ落ち込む。
買収した事業の収益性が落ち、のれんと顧客関連無形資産の一部を約9億円減損する。長期の累計利益は減損後で赤字となり、株主還元も初期の配当に限られる。価値の床は、実体のない資産を除き、現在の純現金から預り・運転資金を控除して判断する。仮に解散せず事業を続ければ現金も減るため、帳簿上の自己資本はそのまま守られるわけではない。
- 通信販売現場・セールスプロモーション:数量 73,846(販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年))× 価格 0.00(人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分))→ 売上 22 億円・営業利益 1 億円。店頭の請求人日60%、営業利益率4%
- オンライン接客・セールスBPO:数量 252,000(人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年))× 価格 0.00(接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。人手接客35%、運営固定費により赤字
- AI営業研修・教育支援:数量 8,000(研修受講の延べ修了人数(人/年、推定))× 価格 0.00(受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。研修の数量40%、縮小後は赤字
- SES・受託開発の技術者役務:数量 320(請求対象の技術者人月(人月/年、推定))× 価格 0.01(技術者1人月当たりの請求売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。技術者の人月40%、需要喪失で赤字
- 接客・研修ソフトのID・保守課金:数量 450(年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定))× 価格 0.00(有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。有償IDは半分、年料金も名目で下落
倍率:最終年度は営業・純損失のため稼ぐ力のPERは使えない。今の実績自己資本27.6億円(2025年9月期)に対し、のれん6.69億円、顧客関係資産2.25億円の回収不能や今後の現金流出を反映して回収率40%の11.04億円とする。将来に積み上がった自己資本21.6億円には倍率を掛けない。純現金10億円から前受金約1.7億円と最低運転資金約1.3億円を引く税後実現可能額約7億円を上回るため床にも整合。
確率:下に寄せる理由:主要顧客の契約を大きく失い、買収した無形資産が回収できなくなる複合事象を17%とした。AI代替は数量に織り込み、同じ理由を確率で二重計上していない。純現金と還元実績があるため倒産確率そのものは高く置かない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
通信販売現場・セールスプロモーション
携帯ショップの販売員支援、営業改善、販促事務局と現場運営。身体的な接客と手作業のコンサルを併売する。
| 数量販売現場で請求する8時間換算の人日(人日/年) | 価格人日当たり売上(億円、派遣・事務局固定報酬を按分) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 123,077 | 0.00 | 32 | 3 |
| 10 年後 中立 | 108,308 | 0.00 | 37 | 4 |
取り方:2025年の部門別売上は非開示。2024年の既存セールスプロモーション・遠隔接客等44.60億円に、2025年ドコモ向け売上38.84億円の集中を照らし、この事業へ32億円を暫定配賦した。厚労省の派遣料金1日平均26,257円(税込、全業務平均)を参照し、販促事務局・コンサル固定報酬も含むサービス売上を人日当たり税抜みなし2万6,000円へ換算すると約12.31万人日。公表された人日や会社固有の契約単価ではない。国内キャリアショップ6,999店×仮定3人×250日=525万人日という作業需要の約2.35%相当だが、これは仮定上の作業量比であり会社の正式な市場シェアではない。AI代替の判定では現場の身体の仕事を主とし、事務局の自動化は控えめな数量減に含める。
オンライン接客・セールスBPO
ONLINX+の遠隔オペレーター、ブース・コールセンター運営、金融向けbellFace等を介した非対面営業。
| 数量人が対応して売上の対象となるオンライン接客・営業件数(件/年) | 価格接客1件当たりの実効売上(億円、月額ブース料を件数按分) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 720,000 | 0.00 | 13 | 1 |
| 10 年後 中立 | 468,000 | 0.00 | 10 | 1 |
取り方:2025年6月のONLINX+発表に、従来プラットフォームは月6万件以上の接客実績との明記がある。6万件×12カ月=72万件を保守的な取扱件数の代理変数とする。部門売上13億円は2024年の既存売上44.60億円と2025年の連結売上61億円を整合させるための推計で、1件当たり約1,806円は固定ブース料・保守料・成果報酬を按分した実効値であり公表単価ではない。オンライン窓口の市場統計(コンタクトセンター外注約1兆円)との単純比較でシェア約0.13%となるが、製品・市場の範囲が一致しないため正式シェアではない。AIエージェント代替の人月・工数型とする。
AI営業研修・教育支援
mimik AIの営業訓練を含む研修設計、講師・導入支援、育成コンサルティングの役務部分。
| 数量研修受講の延べ修了人数(人/年、推定) | 価格受講者1人当たりの役務収入(億円、企業別固定費按分) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 20,000 | 0.00 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 13,000 | 0.00 | 4 | 0 |
取り方:独立した研修売上・修了人数・単価は非開示。旧資料のAIボーディング/買収新事業14.16億円を参照し、2025年のAI研修役務を5億円と推計。1人当たり2万5,000円の法人教育委託料なら延べ2万人で整合するが、実測値ではない。矢野経済研究所の2025年企業研修市場6,075億円に対し約0.08%という広義市場比率に過ぎず、特定のAI研修でのシェアは不明。mimikのソフト利用料部分はseatへ分け、講師・設計の工数型だけをここに含める。
SES・受託開発の技術者役務
Wired Package等から取得したSES、エンジニアの客先業務、受託開発・導入の役務部分。
| 数量請求対象の技術者人月(人月/年、推定) | 価格技術者1人月当たりの請求売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 800 | 0.01 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 520 | 0.01 | 7 | 0 |
取り方:SES別売上と請求人月は会社が非開示。2024年に取得したSES事業と2025年連結61億円の残余を考慮して8億円と仮配分し、業界の技術者契約を月額約100万円と仮定すると年800人月、平均常時約67人の工数に相当する。実際の在籍人数や稼働率を示すものではない。参考市場は厚生労働省の2024年度労働者派遣市場9兆9,005億円だが、SESと法定派遣の定義は異なるため正式シェアを算定できない。AIエージェント代替の人月型とする。
接客・研修ソフトのID・保守課金
mimik AI、ONLINX+のソフト利用料、bellFaceのシステム・ID保守課金部分など。
| 数量年課金換算の有償アクティブID(ID/年、推定) | 価格有償ID当たり年間売上(億円、導入・保守費按分) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 900 | 0.00 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 720 | 0.00 | 3 | 1 |
取り方:2024年の会社資料にID数557との参考KPIがあるが、その後は重要指標として継続開示されない。bellFace取得とAI研修・オンライン接客の伸びを仮定して2025年の年課金換算900ID、1ID年約33.3万円、売上3億円と暫定推計した。異なる製品のIDと月額固定料を同一の年課金へ換算した仮想モデルで、実際のID数・ライセンス料金・解約率の開示とは異なる。AIエージェントが画面操作を代行する席課金型と判定し、独自データや法定記録の堀を立証する資料がないため「記録の正本」型にはしない。
リスクと懸念
NTTドコモへの依存と契約単価
2025年9月期の同グループ向け売上は全社の63.6%である。通信料金・端末政策、販売代理店の再編、発注する業務の内製化が同時に進むと、販売員配置の数量だけでなく、運営委託の料金も下がる。関係の長さは信用の証しだが、買い手側に価格決定権があることと区別する必要がある。
AIエージェント代替
店舗の身体的な接客は残るが、遠隔オペレーター、研修講師、SES開発人月はAIで必要時間が減る。mimikやbellFaceの画面を人が操作すること自体の価値も下がりうる。成果報酬に切り替えられた金額実績や、解約率・価格維持の実績が開示されるまでは、単にAIを製品名に含むことを堀とはみなさない。
M&Aとのれんの回収
開発人材と金融顧客の獲得は成長の近道になるが、買収価額を稼ぎで回収できなければ資本は減る。2026年の業績見通しでは買収に伴うのれん償却が減益要因になっている。受託事業の採算が落ちたときには減損が重なり、帳簿上の自己資本を下回る清算価値しか残らない可能性がある。
キャリアショップの閉店と労働力不足
国内キャリアショップは2022年から2025年にかけて千店舗以上減少した。営業支援を外注する需要が高まっても、店舗そのものが減れば派遣日数と販売機会は失われる。働き手の不足で採用費・賃金が上がり、発注者へすべて転嫁できないと店頭支援の利益率が低下する。
潜在株式と資本配分
新株予約権の残数は2025年時点で約135万株相当あり、行使価額や期限によって既存株主の取り分は変化する。買戻しで減った株数が、株式交換や新株予約権の行使で増えれば持分利益は薄まる。自社株買いの実行額だけでなく、完全希薄化後の1株当たりの持分と買収先の営業利益を確かめたい。
固定費と回収できない無形資産
オンライン接客センターは件数が減っても人員・事務所・通信回線の固定費が残る。2025年有報では本社の年間賃借料が約0.83億円と示され、新リース会計基準適用後は負債の見え方が変わる。のれん約6.7億円と顧客関連資産約2.2億円は、売却時に同額で回収できる現金と同一視しない。
今後の分かれ目
- ドコモグループの売上構成比が50%を下回り、利益率も維持されたら
- 契約先の分散が収益の質を改善したとみなし、中立とやや楽観の数量を引き上げる。分母を買収売上で膨らませただけなら据え置く。
- ONLINX+の年間対応件数、1件当たり純収益、運営利益がともに増えたら
- AI活用が人手削減による値下げではなく成果報酬の拡大につながった証拠として、遠隔接客の数量・利益率を見直す。
- mimik AI・NAJIMなどのAIエージェント単独で、金額付きの受注と低解約率が開示されたら
- 将来の独自ソフト事業に持続的な収益が生まれたと判断し、席課金の縮小前提と堀の分類を再評価する。開発着手の発表だけでは変えない。
- 2028年9月期の営業利益10億円目標へ向かい、のれん償却後の利益と営業CFが同時に伸びたら
- 買収の増分投資利回りが改善しているとして、楽観側の営業利益率と確率を引き上げる。EBITDAだけの伸びでは改めない。
- NTTドコモが遠隔接客を内製化し、同グループ向け売上が2期続けて2割以上減少したら
- 店頭と遠隔の数量を同時に引き下げ、やや悲観・悲観のうち契約喪失を原因とする割合を増やす。
- 買収後に大きなのれん減損や新株発行が生じ、純現金も大きく減少したら
- 悲観の資産の床と既存株主の取り分を見直す。帳簿上の自己資本増減だけでなく、実際に回収できる現金を調べる。
見ておくもの
- NTTドコモグループ向け売上高と連結売上に占める比率
- 店頭支援の稼働人日数、派遣単価、国内キャリアショップ数
- ONLINX+の月間接客件数、ブース運営採算、対応1件当たりの実質粗利
- mimik AIとNAJIMの有償顧客数・解約率・単価・AI関連売上の開示金額
- SESの稼働率と1人月当たり請求単価・研修受講者数
- 買収先別の営業利益、のれん償却額、減損、現金流出
- 完全希薄化後株数、自己株式の消却・再交付、配当と自己株取得総額
- 2027年9月期と2028年9月期の中期目標の修正および営業キャッシュフロー
倍率と資本コストの決め方
数量は実際の店頭支援人日・オンライン対応件数・研修受講人数・SES人月・年課金IDで表し、業界の物価分は料金にだけ含めた。2025年のセグメント配分は会社非開示なので推定と明示し、61.0億円・営業利益5.6億円の正本に合わせた。資本コスト7.75%、弱い堀の残存率3分の1、10年後以降の名目成長上限1%から楽観〜中立のPERを決定し、現在のPERや同業の市場倍率は参照していない。正当化PERは楽観約13.15倍、やや楽観約12.97倍、中立約12.90倍である。悲観では今の自己資本27.6億円を起点にした資産床と収益力を突き合わせ、蓄積後の自己資本には床倍率を掛けていない。余剰現金3億円は事業利益から利息を外して足し、増配と自社株買いの実績に基づき戻り方を1とした。新リース基準導入後も賃借料を費用とする旧形態で比較する。2026年の増収予想とAI構想は未確定の10年後利益へ直結させていない。2026年10月時点の開示ではTOB・MBO・上場廃止予定や継続企業の前提に関する注記は確認されていない。5つの時価総額と期間中還元を資本コストで割り引き、潜在株式の取り分を加味した現在価値は25.89億円、現時点の時価総額36.11億円との差は約−28.3%である。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%を足した基本7.5%に、業況・値決め力・純現金の質の合計0.25%を加えた。2022年に赤字を経験したが、その後黒字が続くため存続危機の上乗せは不要。
同じ業種(サービス業)の AI 分析
読んだ資料
- ピアズ「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2025年12月25日)
- ピアズ「2025年9月期有価証券報告書」事業・顧客集中・M&A・財務・配当
- ピアズ2026年9月期第3四半期決算・会社予想(2026年8月14日)
- ピアズ「ONLINX+」リニューアルと月間6万件以上の実績(2025年6月26日)
- 厚生労働省「令和6年度労働者派遣事業報告の集計結果」(2026年3月31日)
- MCA「キャリアショップの展開状況」2025年3月6,999店
- 矢野経済研究所「BPO市場に関する調査」(2025年11月26日)
- 矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場に関する調査」(2026年8月24日)
- ピアズ「NAJIM Personal Agent構想」の始動(2026年10月1日)
- 矢野経済研究所「コールセンターサービス市場・コンタクトセンター市場」(2025年11月11日)
- ピアズ「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2024年11月8日)
- ストライク「ピアズ、Forkwell事業の会社株式81%取得」(2026年2月24日)