結論
ネイスは子ども向け体操教室を直営とフランチャイズで展開し、発達支援施設も運営する会社である。筆者の結論は「割安」だ。少子化という逆風の中でも、競合から利用者と出店場所を奪い、直営の月謝と加盟店の継続収入を増やせる余地が大きい。2026年8月期末には体操教室195店、発達支援12店となり、体操教室の会員は53,685人に達した。まだ全国で十分に浸透したブランドではなく、成長の中心は市場全体の拡大ではなくシェア獲得である。
強みは、子どもが実際に体を動かすサービスを、標準化された指導法とフランチャイズによって多店舗展開できる点にある。経験のない人材を指導員に育てる仕組みがあり、ショッピングセンターという保護者の生活動線を押さえている。2026年には料金改定を実施し、売上総利益率も改善した。ブランドと店舗運営の仕組みが競争上の強みになり始めた証拠だが、値上げ後の退会率や既存店の会員増加率は十分に開示されていない。
最大の注意点は、足元の利益をそのまま成長の出発点にできないことだ。2026年8月期の売上高は36.54億円、営業利益は5.11億円だったが、直営店を加盟店へ譲渡した利益が含まれる。会社は2027年8月期に43.50億円の増収を見込む一方、営業利益を3.80億円へ減らす計画を示した。人員増強、海外展開、新規事業への投資が先行するためである。
10年後の中立的な姿は、店舗数が増えながらも中期目標の達成が遅れ、本社費用も膨らむ会社である。それでも継続収入が積み上がれば、現在より大きな利益を残せる。強気の実現には加盟店の収益性、講師の採用、価格改定の継続が必要だ。大株主による支配と無配継続も考慮し、積み上がる現金がすべて少数株主の手に戻るとは評価していない。5つの筋書きの現在価値は約71億円となり、最新株数で計算した時価総額約41億円を大きく上回る。ただし、開示の歴史が短いため確信度は高くない。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の見方では、ネイスの魅力は「子どもに体の使い方を教える」という需要のわかりやすさにある。指導そのものがAIに置き換わる可能性は低く、家庭が対面の安全管理や仲間との体験を求める限り、サービスの核は残る。直営で実証した授業をFCへ移し、加盟社の資本で店舗網を広げられれば、少ない自己資本で継続的なロイヤルティを得られる。再投資の利回りを高く保てる余地がある事業だ。
もっとも、店舗が多いだけでは堀にならない。保護者は教室の場所、指導員、子どもの反応、料金を見て選ぶ。卒業までの利用期間も限られるため、新しい子どもを常に集めなければならない。店舗の看板を全国に広げても、講師の質が落ちればブランドは傷む。ネイスには研修制度と初期の値上げ実績があるが、長期の解約率、既存店の会員維持率、加盟社の投資回収実績はまだ不足している。成熟企業に与えるような強い堀の評価は早い。
株主が受け取れる利益も会計上の純利益とは異なる。新店には設備費がかかり、店舗の賃貸借契約は利用者が減っても残る。家賃はすでに損益計算書に反映されているが、資金繰りにとっては固定の支払い約束である。FC中心に転換すれば資本負担は軽くなる反面、加盟社の収益性が悪化すれば次の出店が止まる。成長のための現金と、株主に帰属する余剰現金を混同してはいけない。
現在の評価で安全域が生じるのは、会社が530店という目標を完全に達成しなくても、今より大きな継続利益を生む筋書きが成立するからだ。それでも、短い上場歴、創業者への権限集中、無配、講師の採用難、先行投資による減益は軽くない。長期間保有する価値は認めるが、将来のすべての店舗が成功すると信じるのではなく、失敗しても残る利益と資産を重視する。
何で稼ぐ会社か
収益の中心は「ネイス体操教室」である。未就園児から小学生を中心に、マット、跳び箱、鉄棒、トランポリンなどの運動を教える。通常の体操教室クラスが会員の約9割を占め、キッズクラスとバク転教室が残りを分け合う。直営店では保護者から月謝、入会金、年会費、用品代などを受け取る。2026年8月期末の直営店は54店、会員は16,871人だった。店舗ごとの家賃、講師人件費、集客費用を負担する代わりに、月謝収入を自社で獲得する。
フランチャイズは別の経済性を持つ。加盟店は施設への投資と現場の運営を担い、ネイスはブランド、指導法、器具、採用研修、運営支援を提供する。加盟店からは売上に応じたロイヤルティ、広告分担金、システム利用料、用品代などが入る。会社資料では売上に対するロイヤルティと広告分担金の合計を約10%としている。2026年8月期末のFC店は141店、会員は36,814人だった。加盟店の売上すべてがネイスの売上になるわけではないため、教室網全体の売上と会社の会計上の売上は分けて考える必要がある。
新規加盟店の開設時には、加盟金、開業支援、器具などによる一時的な売上が発生する。さらにネイスは、育てた直営店をFC加盟社に譲渡することがある。2026年8月期には6店を譲渡したが、これは毎年同じ額を期待できる収益ではない。会社が売上を継続的なベース売上とスポット売上に分けているのは、この違いが大きいためだ。
もう一つの事業が「ネイスぷらす」である。児童発達支援と放課後等デイサービスを、運動療育を中心に提供する。こちらは国の制度に基づく報酬が収入源で、体操教室のように自由に料金を決められない。2026年8月期の売上高は3.18億円、期末施設数は12店である。体操教室の指導ノウハウを共用できる一方、専門職の配置、行政の指定、報酬制度への対応が必要となる。身体を使った対面サービスが本体であり、人月課金のコンサルティングや席課金ソフトを売る会社ではない。
優良さと弱いところ
この会社の堀、すなわち競合が簡単には複製できない強みは、特許よりも店舗運営の仕組みと出店網にある。未経験の指導員を約20日間で現場に立たせる研修体系を持ち、独自の運動器具と授業の進め方を組み合わせている。会社が開示した退会時アンケートでは、講師への満足または非常に満足という回答が約9割だった。ただし退会した利用者を対象とした調査であり、退会率の低さや長期継続率を直接証明する数字ではない。
ショッピングセンターを中心とする立地戦略にも意味がある。子どもの習い事は保護者の送迎が必要で、買い物と送迎を同時に済ませられる場所は選ばれやすい。商業施設側も空き区画を埋め、家族客を呼ぶテナントとして体操教室に関心を持つ。この関係を全国に広げられれば、地元の小規模教室より有利な出店交渉ができる。ただし、物件ごとの賃貸条件や家賃更新によって利益は変わる。
値決め力には改善の兆しがある。2026年6月の料金改定が利益に寄与し、全社の売上総利益率は45.6%から50.1%へ上がった。月謝を引き上げても会員数の伸びが続いたことは評価できる。しかし、新店の増加が退会者を隠している可能性もあり、既存店だけで値上げを受け入れられたかは未確認だ。競合の地域教室や総合スポーツクラブに対して恒久的な価格優位があるとまでは判断しない。
資本効率も慎重に見る。2025年8月期のROEは極めて高かったが、当時の自己資本が3.1億円と小さかった影響が大きい。2026年の上場と増資で自己資本は10.8億円に増えたため、過去のROEを将来の再投資利回りとして使うのは誤りである。FC方式なら新店投資を加盟社が負担できるが、直営店と発達支援施設には設備費、敷金、採用費が必要だ。増分の投資利益率が資本コストを上回るかを、店舗の成熟後に確認する必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
会社が示した国内市場の推計は、子ども向け習い事全体が7,450億円、スポーツ系習い事が3,650億円、体操教室の獲得可能市場が約750億円である。最後の750億円は会社推計であり、第三者が監査した体操教室市場の実績値ではない。また、会社は体操教室を全国約1,200拠点と推計している。ネイスの195店をそのまま割れば拠点数の比率は約16%となるが、非常設教室と常設教室が混在しており、売上シェアを表す数字ではない。
売上シェアのもう一つの目安は会員数だ。期末会員53,685人が全員、月額9,800円を12か月支払うと仮定すれば、教室網の年間月謝総額は約63億円となる。これは市場750億円に対し約8%の規模である。ただし、実際にはコースや店舗によって月謝が異なり、期末会員数を年間平均として使っているため、あくまで市場浸透度を考える参考値だ。さらにFC店の月謝は原則として加盟社の売上であり、ネイス自身の売上ではない。
競合にはコナミスポーツ、セントラルスポーツなどの総合スポーツクラブ、専門の体操教室、地域の個人教室がある。総合スポーツクラブは設備と既存会員基盤を持つが、体操専門の小型店舗とは運営構造が異なる。専門教室には競技実績や指導力で優れる事業者も多い。競合各社の体操教室だけの売上や拠点数が統一基準で開示されていないため、競合の市場シェアを精密に順位付けすることはできない。ネイスは高い指導技術だけでなく、未経験者の育成とFC展開の速さで市場を取りに行く会社だ。
10年先の最大の構造変化は少子化である。対象年齢の子どもが減れば、既存店の近隣で新しい会員を集めるのは難しくなる。会社が成長するには、地域教室からの乗り換え、体操以外の習い事からの予算の移動、未出店地域への進出が必要だ。全国の需要が増えるから伸びるのではない。中立では教室網の会員数が増える一方、業界全体の実質需要は緩やかに縮むと考える。
発達支援は別の市場である。会社資料によれば、児童発達支援と放課後等デイサービスを含む障害福祉サービスの関連費用は2024年度に8,826億円へ拡大した。ネイスの売上3.18億円はそのごく一部であり、施設数でも大手のLITALICOなどに比べて小さい。利用者の認知が高まり需要が増えても、報酬単価は行政の制度改定に左右される。専門職の採用競争も激しく、対象児童が増えるだけで利益が伸びる業界ではない。
資本政策と M&A
会社が2026年6月に示した中期的な目標は、4~5年後の総店舗数530店である。内訳は体操教室500店、発達支援30店を目指す方針だ。既存FC加盟社の増店と年間4社程度の新規加盟社獲得を柱としている。一方、中期計画には530店達成時の売上高、営業利益、ROE、配当性向、DOE、自社株買い額について数字の約束はない。店舗数目標と株主価値の目標は同じではない。
2026年8月期は営業キャッシュフロー8.33億円に対し、投資キャッシュフローがマイナス2.55億円だった。上場時の資金調達もあり、現預金は19.44億円まで増えた。設備投資を本業の現金で賄えている点は好ましい。ただし、将来の新店は人員、器具、家賃、原状回復費用を必要とする。現金のすべてを株主へ分配できる余裕資金と見ることはできない。
2027年8月期の会社計画は売上高43.50億円、営業利益3.80億円、純利益3.00億円である。減益の主因として、直営店譲渡益を計画に含めないこと、本部機能の増強、新規事業と海外事業への投資が挙げられている。マレーシア事業や新しい教育プログラムは成長の選択肢だが、現時点で収益性が確立した資産とは扱わない。M&Aも検討対象とされているものの、買収価格と投下資本に見合う利益の実績はまだ評価できない。
配当実績はなく、2027年8月期も無配予想である。経営陣は将来の還元を検討するとしているが、配当性向などの数字の約束はない。上場後も創業者と資産管理会社の共同保有は約66%と推定され、少数株主が余剰資金の使途を決める力は弱い。過去5年間に増配や実質的な自社株買いの実績もないため、余剰現金の株主への戻り方は慎重に評価する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ネイスは、一般的な学習塾とも大手フィットネスクラブとも異なる運営形態を持つ。子どもの体操に特化し、ショッピングセンターの小型区画を活用できる。高額なプール設備は不要で、FC加盟社の初期投資は会社資料で約1,500万円と説明されている。加盟社が追加出店しやすく、投資回収期間の標準も約3.5年と示されている。これが実績として積み上がれば、国内の分散した体操教室市場をまとめる有力な事業者になれる。
値上げと会員増加を同時に実現したことも強い材料だ。2026年8月期は店舗数、会員数がともに増え、売上総利益率も改善した。幼児期の運動はオンライン教材で完全には置き換えられない。特に都市部で共働き世帯の送迎負担が重いほど、商業施設内の立地は競争上の利点となる。2026年11月にはスタジオアリス系の加盟社による北海道初出店も予定されており、既存の商圏外へ進む仕組みが実際に働き始めている。
FCは本部にとって資本効率が高い。加盟店が店舗の投資を負担すれば、ネイスは指導法、ブランド、集客支援に資金を集中できる。加盟店からの継続収入が増えるにつれて、新規出店時の加盟金や直営店売却益への依存も下げられる。発達支援では運動療育の指導ノウハウを共通利用でき、既存施設の稼働率向上も利益に結び付いている。
中期目標の530店は野心的だが、必ずしも不可能ではない。2026年8月期だけで総出店47店を実現しており、次期は58店を予定する。全国的な知名度がまだ低い段階でこのペースを維持できれば、会員数と加盟社数には大きな伸びしろがある。上場後の財務改善により、講師育成や本部の管理システムへ先行投資する力も増した。現在の株式価値は、成長の仕組みが長期の高収益へつながる可能性を十分に映していない。
慎重な見方
ネイスの成長は、全国の子どもが増えるからではなく、減少する子どもの奪い合いに勝つことを前提としている。体操教室は受験資格や公的な独占権を与えるサービスではなく、家庭は水泳、ダンス、サッカー、英語、学習塾とも支出を比較する。体験入会で集まった会員が何年残るか、値上げしたあとに退会する家庭がどれほど増えるかは十分にわかっていない。2026年に会員が過去最高でも、新店効果を取り除いた既存店の成長が示されなければ、競争力が定着したとは言えない。
本部を拡大するほど固定費も増える。2026年8月期には計画を上回る販管費が発生し、利益は会社予想に届かなかった。2027年8月期には売上が伸びるのに営業利益が減る見通しである。直営店のFC譲渡益を外した場合の稼ぐ力は、見かけほど強くない可能性がある。加盟店の投資回収が長引けば新規加盟が止まり、開業支援収入も一斉に減る。直営店では家賃と人件費が残るため、会員減少時の損失は急に深くなる。
会社の競争優位は店舗の数と人の質に依存する。未経験者を短期間で育てる仕組みは拡大の武器だが、指導員の離職が増えれば研修の負担が大きくなる。子どもの事故や施設火災は金銭面だけでなく、ブランドと出店先との関係も傷つける。2026年には実際に直営店舗の火災が開示された。規模が増すにつれて安全管理と監督体制への投資を続けなければならない。
発達支援には行政の報酬改定と専門職不足がある。海外事業や新規教育事業はまだ試行段階であり、成功した既存事業の利益を投じても回収できる保証はない。さらに創業者側の持分が大きく、無配が続いているため、利益が積み上がっても少数株主の取り分として実現する時期は読みにくい。上場前の薄い自己資本から生じた高ROEを魅力の中心に置くべきではない。530店という計画に引きずられず、既存店の収益と株主還元を確かめる必要がある。
どちらに重みを置いたか
10年後にも事業が必要とされる確度では強い見方が優勢である。AIによる対面指導の直接代替も限定的だ。ただし、530店の早期達成、値上げの継続、加盟社の採算改善が同時に進む確率は高く見積もれない。2027年8月期の減益計画と本部費用の増加を重く見て、楽観側26%に対し、やや悲観と悲観を合わせて38%とした。それでも中立的な店舗網と利益が現在の水準を十分上回るため、確率加重後の結論は割安となる。新興企業ゆえの不確実性を認めつつ、成長を一切評価しない判断も適切ではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/08 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 3,133 円140 億円(+ 還元の換算額還元の合計 195 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 1,693 円76 億円、今との差 +67.2%、 期待の年率 +13.2%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 10,849 円486 億円 | 580 円26 億円 | +1,028.2% | +29.0% | 914 円41 億円 |
| やや楽観 | 18% | 6,080 円272 億円 | 379 円17 億円 | +537.7% | +21.5% | 1,163 円52 億円 |
| 中立 | 36% | 2,950 円132 億円 | 179 円8 億円 | +208.9% | +12.4% | 1,126 円50 億円 |
| やや悲観 | 24% | 412 円18 億円 | 67 円3 億円 | −52.7% | −7.6% | 115 円5 億円 |
| 悲観 | 14% | 69 円3 億円 | 0 円0 億円 | −93.2% | −23.5% | 10 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,133 円140 億円 | 195 円9 億円 | +228.5% | +13.2% | 3,328 円149 億円 |
今の株価時価総額 1,013 円45 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 全国ブランドとなりFC網を一段と拡大 利益 26 億円 · PER 17.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 10,849 円486 億円
ネイス体操教室は全国の商業施設と駅前立地で存在感を増し、既存FC加盟社が継続的に店舗を増やす。保護者の認知が高まり、新しい教室では短期間で定員に近い会員を獲得できる。直営の平均会員は47,000人、FCの平均会員は150,000人となり、国内の体操教室市場では有力な全国チェーンに成長する。価格改定を続けても子どもの指導体験が評価され、単価は物価上昇をやや上回る。
FCの新規開設は年間75店程度に広がり、加盟社の初期投資の回収実績が次の加盟希望者を呼ぶ。独自の器具や研修の価値が維持されるため、本部ロイヤルティの利益率も高くなる。直営店の譲渡は補助的に続くが、売上の中心は月謝とロイヤルティになる。海外事業と新規教育事業は大きな赤字を生まず、国内本部の仕組みを活用した小規模な成功にとどめる。未確認の海外大型収益は織り込まない。
発達支援施設は45店規模になり、既存の運動療育ノウハウを生かした稼働率の改善が進む。行政報酬の改定と専門職賃金の上昇はあるが、品質管理によって利益を確保する。全社では大幅な増収と本部費用の増加が両立し、再投資に使える現金が厚くなる。創業者側が支配を維持しても、利益規模の拡大に伴って一定の株主還元が始まる。
- 体操教室・直営店の継続収入:数量 47,000(年間平均の直営教室在籍会員数(人))× 価格 0.00(会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み))→ 売上 95 億円・営業利益 23 億円。直営平均会員47,000人、年単価20.2万円。指導の標準化と値上げで利益率を改善。
- FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入:数量 150,000(年間平均のFC加盟店在籍会員数(人))× 価格 0.00(FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み))→ 売上 39 億円・営業利益 21 億円。FC平均会員15万人。加盟社の出店成功率が高く、本部の固定費を吸収。
- 新規FC開設・加盟金・開業支援:数量 75.0(年間新規FC開設件数(店))× 価格 0.16(新規FC開設1件当たり本部売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 3 億円。年間75店のFC新設。器具・加盟金等を含む1件約1,577万円。
- 直営体操教室のFC加盟社への譲渡:数量 3.0(年間FC譲渡店舗数(店))× 価格 0.47(1店当たり譲渡売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。直営店からFCへの転換は年間3店で、成長の主役にはしない。
- ネイスぷらす・児童発達支援:数量 45.0(年間平均稼働施設数(店))× 価格 0.40(1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等))→ 売上 18 億円・営業利益 3 億円。平均45施設が安定稼働し、公定報酬と稼働率が改善。
倍率:資本コスト7.25%、10年後ROE約24.7%、通常の堀で超過収益力の半分が残るとするRONIC約16.0%、2036年以降の名目成長率2.5%から、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)は約17.76倍となる。現在の株価や同業PERは参照しない。現金6億円については利益中の税後受取利息相当0.084億円を控除し、株主への戻り方50%を別に足す。
確率:既存加盟社による増店が連続して成功し、出店余地のある全国の商業施設を押さえ、講師の品質と値決め力も維持できる場合である。少子化の中で高い市場シェアを獲得する必要があり、実現の難度が高いため8%とする。
やや楽観 18% 出店目標に近づき、継続収益が主役になる 利益 15 億円 · PER 16.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,080 円272 億円
ネイスは都市部でのドミナント戦略を成功させ、未進出県にもFC加盟店を広げる。既存加盟社が2店目、3店目を持つ例が増え、講師の採用、開業研修、会員獲得の仕組みが安定する。直営店の年間平均会員は33,000人、FC加盟店の平均会員は107,000人となる。全国の子どもの数は減少するが、体操に特化した教室として他社から利用者を集め、会社の実質的な提供数量は増える。
月謝と加盟店ロイヤルティは、おおむね物価に沿って増える。ショッピングセンターだけでなく駅前や路面店でも採算の取れる立地が見つかり、既存物件の賃料改定も会費の値上げでかなり吸収できる。FC新店は年間55店、直営からFCへの譲渡は年間2店程度で、譲渡益への依存は2026年より低下する。加盟社の投資余力には地域差が残るため、全店が同じペースで増えるわけではない。
発達支援は32施設に広がり、専門職の採用と行政対応を維持する。本部は品質監査、安全管理、採用支援への支出を増やすが、ロイヤルティ収入の伸びがそれを上回る。海外展開と新規事業は全社利益の中心にはならず、既存事業の現金を大きく損なわない。成長投資を優先しながらも、後半には利益の一部が株主へ還元される。資本の厚みが増したためROEは過去の極端な高さから低下するが、資本コストを上回る状態が続く。
- 体操教室・直営店の継続収入:数量 33,000(年間平均の直営教室在籍会員数(人))× 価格 0.00(会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み))→ 売上 65 億円・営業利益 15 億円。直営平均会員33,000人、年単価19.6万円。
- FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入:数量 107,000(年間平均のFC加盟店在籍会員数(人))× 価格 0.00(FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み))→ 売上 26 億円・営業利益 13 億円。FC平均会員107,000人。継続料率と用品販売を維持。
- 新規FC開設・加盟金・開業支援:数量 55.0(年間新規FC開設件数(店))× 価格 0.15(新規FC開設1件当たり本部売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 2 億円。年間55件の新規FC開設。単価は物価上昇をやや下回る。
- 直営体操教室のFC加盟社への譲渡:数量 2.0(年間FC譲渡店舗数(店))× 価格 0.45(1店当たり譲渡売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。年間2件の譲渡。
- ネイスぷらす・児童発達支援:数量 32.0(年間平均稼働施設数(店))× 価格 0.38(1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。発達支援の平均32施設。稼働率改善が続く。
倍率:ROE約18.4%、k7.25%、超過収益の残存割合1/2からRONIC約12.8%。長期名目成長率2.5%を用いる正当化PERの上限約16.94倍を採用する。中立以上の筋書きで恣意的に上限から割り引かない。余剰現金に係る受取利息と戻り方を別途調整した会社全体の時価総額とする。
確率:既存加盟社の増店が続く一方で、出店立地と講師供給の制約は残る。現在のFC網と会員増加実績に裏付けがあるため、強気の中では最も現実的な経路とするが、目標達成を当然とはしない。
中立 36% 出店計画は遅れるが、店舗網と利益は着実に大きくなる 利益 8 億円 · PER 16.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,950 円132 億円
体操教室の店舗網は広がるが、中期目標の530店への到達は予定より遅れる。人口の減少と都心の有利な立地の取り合いで、新店1店当たりの会員獲得は次第に難しくなる。それでも既存加盟社の増店と全国の未出店地域への展開が続き、直営の年間平均会員は24,500人、FCの平均会員は74,000人へ増える。会員数の伸びは過去5年より鈍化するが、会社の規模は現在より大きくなる。
直営店の会費は物価におおむね連動して上がる。FC継続収入も増えるが、加盟社の人件費と家賃の上昇を考慮し、本部が受け取る会員当たり収入の伸びは月謝ほど強くない。新規FC開設は年間35件前後を保つ。直営店からFCへの譲渡は年間1店にとどまり、売上や利益を押し上げる一時収益への依存は小さくなる。2026年のような譲渡益を毎年積み上げる想定ではない。
発達支援は平均26施設となる。需要は増えるものの、行政の報酬改定と専門職不足が利益率の上限になる。全社では本部の採用、研修、安全管理、情報システムの費用が現在より増える。10年先の本社費用には物価による上昇と店舗数増加に伴う管理負担を織り込み、直近の低い費用水準を固定していない。海外事業や新規事業は大きな利益源として評価しない。
この結果、売上高は約78億円、営業利益は約11億円へ増える。利益の蓄積で自己資本が厚くなるため、ROEは約13.5%へ正常化する。配当と自社株買いは成長投資が優先されて限定的だが、事業の再投資利回りが資本コストを上回る状態を保つ。強い独占企業ではないものの、国内の有力な体操教室チェーンとして事業を続ける姿である。
- 体操教室・直営店の継続収入:数量 24,500(年間平均の直営教室在籍会員数(人))× 価格 0.00(会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み))→ 売上 46 億円・営業利益 10 億円。直営平均会員24,500人、年単価18.8万円。会費は10年で約1.34倍。
- FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入:数量 74,000(年間平均のFC加盟店在籍会員数(人))× 価格 0.00(FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み))→ 売上 18 億円・営業利益 8 億円。FC平均会員74,000人。会員当たり本部収入は約1.25倍。
- 新規FC開設・加盟金・開業支援:数量 35.0(年間新規FC開設件数(店))× 価格 0.14(新規FC開設1件当たり本部売上(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。年間35店のFC新設。開業支援の価格競争を踏まえ単価は約1.23倍。
- 直営体操教室のFC加盟社への譲渡:数量 1.0(年間FC譲渡店舗数(店))× 価格 0.43(1店当たり譲渡売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。年間1店の譲渡のみ。2026年の6店を繰り返さない。
- ネイスぷらす・児童発達支援:数量 26.0(年間平均稼働施設数(店))× 価格 0.35(1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。平均26施設。報酬単価は10年で約1.21倍と物価を下回る。
倍率:2036年中立のROEは7.54÷56.0で約13.5%。k7.25%、通常の堀の超過収益残存割合1/2を使うRONICは約10.4%。2036年より先は少子化による会員数の伸び鈍化を反映して名目成長率g2.5%。正当化PER=(1−0.025÷RONIC)÷(0.0725−0.025)の約15.97倍を上限として採用。市場の過去のPERを使わない。余剰現金6億円から生じる税後利息相当0.084億円を利益から控除し、戻り方50%を加算する。
確率:市場全体は少子化で縮む一方、ネイスの既存FC網、値上げ実績、商業施設との関係には実績がある。中期目標の530店をそのまま前提にせず、加盟店の採算と講師採用に制約を置いた中心シナリオとする。
やや悲観 24% 新店の採算が悪化し、本部費用を吸収しきれない 利益 1 億円 · PER 11.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 412 円18 億円
ネイスの教室は存続するが、新店を開けば会員が集まる時代は終わる。商業施設の好条件の区画が減り、出店した教室の会員が定員に届くまで長い時間を要する。FC加盟社では人件費と家賃が上昇し、当初説明された投資回収期間が長くなる。既存加盟社の増店は減り、新たな加盟希望者の獲得も難しくなる。直営の年間平均会員は16,000人、FCの平均会員は43,000人で、現在からの大きな飛躍は起きない。
月謝を一部引き上げても、競合に合わせた値引きやキャンペーンが必要となる。本部のロイヤルティ収入は増えず、講師研修、安全管理、店舗監督の費用が重荷となる。新規FC開設は年間12店へ落ち込み、直営からFCへの譲渡先も見つからなくなる。事業が完全に消えるわけではないが、成長モデルとしての魅力は弱まる。既存会員を守るための宣伝費が増え、利益率は下がる。
発達支援施設は17店程度まで増えたところで採用難と報酬改定の影響を受ける。物価上昇に対する報酬単価の引き上げは不十分で、施設利益は薄くなる。会社は採算の低い事業や海外事業への投資を縮小し、本部人員を整理するが、それでも規模に見合った費用構造へ戻すには時間がかかる。
2036年には営業利益が約1.7億円まで縮み、利益の多くは再投資と固定費に消える。自己資本は過去の留保利益によって残るものの、ROEは資本コストに届かない。2036年以降の高い成長を期待せず、既存店舗が小さな利益を生み続ける価値を中心に評価する。
- 体操教室・直営店の継続収入:数量 16,000(年間平均の直営教室在籍会員数(人))× 価格 0.00(会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み))→ 売上 27 億円・営業利益 5 億円。直営平均会員16,000人。競争で値上げ幅を抑える。
- FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入:数量 43,000(年間平均のFC加盟店在籍会員数(人))× 価格 0.00(FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み))→ 売上 9 億円・営業利益 3 億円。FC平均会員43,000人。加盟社の収益悪化で料率交渉が強まる。
- 新規FC開設・加盟金・開業支援:数量 12.0(年間新規FC開設件数(店))× 価格 0.13(新規FC開設1件当たり本部売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。新規FC開設は年間12件へ減る。
- 直営体操教室のFC加盟社への譲渡:数量 0.0(年間FC譲渡店舗数(店))× 価格 0.40(1店当たり譲渡売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。直営店の譲渡益は見込まない。
- ネイスぷらす・児童発達支援:数量 17.0(年間平均稼働施設数(店))× 価格 0.31(1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。発達支援17施設。報酬据え置きと専門職の人件費上昇。
倍率:ROEは約3.4%で資本コスト7.25%以下。追加投資が価値を増やすと評価せず、稼ぐ力による上限1÷kの約13.79倍より低い11倍を採用する。弱った事業の将来の伸びは評価しない。余剰現金には保守的な戻り方50%を適用し、純利益との二重計上を調整する。
確率:下に寄せる理由:2026年8月期に本部費用の計画超過が発生し、2027年8月期には増収減益を見込む。少子化、賃料、講師の採用難が同時に効く可能性を重視し、単なる景気後退ではなくFC加盟社の出店鈍化まで含める。
悲観 14% 出店モデルが破綻し、残る資産の価値だけになる 利益 −2 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 69 円3 億円
少子化の進行と競争の激化により、ネイスが新しい地域で十分な会員を集められなくなる。既存FC加盟社の一部は採算が合わず撤退し、残る加盟社も新規出店を見送る。講師の離職と指導品質のばらつきがブランドを傷つけ、保護者の口コミによる集客も弱まる。直営店の年間平均会員は10,500人、FCの平均会員は19,000人に縮小する。事業の知名度は残っていても、全国へ広げる力は失われる。
月謝は費用の上昇ほど引き上げられず、家賃と講師人件費が固定費として残る。会社は不採算の直営店を閉じるが、退店時の原状回復費用や解約費用が発生する。FCの新規開設はほぼ止まり、直営店を高い値段で譲渡することもできなくなる。継続ロイヤルティは小さくなり、本部の規模を大幅に縮小する必要が生じる。
発達支援も行政の報酬改定と専門職不足に苦しむ。運動療育の独自性は残るが、十分な施設稼働率を維持できず、利益を確保できない。海外事業や新規教育事業は撤退し、設備と人員の整理が進む。2036年の営業損益は約3億円の赤字となり、現在の経営モデルは継続できない状態になる。
この筋書きでは赤字の事業利益に将来のPERを掛けない。上場後に増えた現金も損失、閉鎖費用、家賃契約の原状回復に充てられ、2036年の自己資本は3.1億円まで減少する。売れる資産の税後価値は、そのうち換金性に乏しい無形資産0.1億円を除いた約3.0億円と見る。2025年8月期の自己資本3.1億円を悲観のPBRの基準とし、増資後の自己資本を二重に評価しない。これは清算時の残余額を保証する数字ではない。
- 体操教室・直営店の継続収入:数量 10,500(年間平均の直営教室在籍会員数(人))× 価格 0.00(会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。直営会員は減少し、賃料と人件費に利益を圧迫される。
- FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入:数量 19,000(年間平均のFC加盟店在籍会員数(人))× 価格 0.00(FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。加盟店の撤退により継続料が縮む。
- 新規FC開設・加盟金・開業支援:数量 1.0(年間新規FC開設件数(店))× 価格 0.12(新規FC開設1件当たり本部売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。新規FC開設は年1件にとどまる。
- 直営体操教室のFC加盟社への譲渡:数量 0.0(年間FC譲渡店舗数(店))× 価格 0.35(1店当たり譲渡売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。直営店の売却による価値創出はない。
- ネイスぷらす・児童発達支援:数量 10.0(年間平均稼働施設数(店))× 価格 0.30(1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。発達支援の施設数も縮み、稼働率不足で赤字。
倍率:10年後の純利益が赤字のためPERは適用しない。床のPBR1.0倍は添付factsに収録された2025年8月期の自己資本3.1億円を基準とし、増資後の自己資本10.8億円や2036年の予測自己資本に掛けない。新店投資の失敗と店舗の整理による資本毀損を想定し、税後に売却可能な純資産は3.0億円と評価する。成長を評価せず時価総額を3.1億円とする。
確率:少子化による需要減、加盟店の採算悪化、講師の離職、安全管理上の問題が重なり、新規出店がほぼ止まる複合的な失敗を想定する。2026年までの実績から突然の事業消滅までは想定しないが、回復不能なブランド毀損は無視できない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
体操教室・直営店の継続収入
直営教室での月謝、入会金、年会費、用品販売など。保護者との直接取引であるため売上総額が会社に帰属するが、家賃と講師人件費も負担する。
| 数量年間平均の直営教室在籍会員数(人) | 価格会員1人当たり年間会社売上(億円、月謝と関連売上込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 15,000 | 0.00 | 21 | 5 |
| 10 年後 中立 | 24,500 | 0.00 | 46 | 10 |
取り方:会社開示の2026年8月期の体操教室売上33.36億円と期末直営会員16,871人を起点とする推定。期中の平均会員を約15,000人とし、月謝・入会金・用品などを含めた年間収入を1人約14万円とした。期末会員数は年間平均ではない。直営とFCの売上内訳は金額が開示されていないため、直接開示値ではなくベース売上30.32億円との整合を確認した分析上の分解である。営業利益相当額も会社のセグメント経常利益からの推定配賦である。AIエージェント代替の人月・席課金型ではなく、身体を使った対面指導である。
FC加盟店の継続ロイヤルティ・関連収入
加盟店の月謝売上に連動するロイヤルティと広告分担金、システム利用料、用品販売など。加盟店が教室と講師の費用を負担するため、本部の追加収益性が高い。
| 数量年間平均のFC加盟店在籍会員数(人) | 価格FC会員1人当たり年間本部受取額(億円、ロイヤルティと用品等込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 32,000 | 0.00 | 6 | 3 |
| 10 年後 中立 | 74,000 | 0.00 | 18 | 8 |
取り方:2026年8月期末のFC店141店、会員36,814人を基に年間平均会員を約32,000人と推定。会社資料にはFC店の売上に対するロイヤルティと広告分担金の合計が約10%とあり、ほかに用品販売や利用料がある。年間約19,188円の本部受取額はそれらを合わせた推定で、開示された実際の会員単価ではない。直営との区分額はベース売上との整合から再構成している。FCの価値は加盟社の実店舗と指導ノウハウであり、操作画面を販売するSaaSではない。
新規FC開設・加盟金・開業支援
新しい加盟店の開業時に発生する加盟金、器具、開業支援などの一時収入。新規出店が減ると減少するため、継続ロイヤルティとは分ける。
| 数量年間新規FC開設件数(店) | 価格新規FC開設1件当たり本部売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 35.0 | 0.12 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 35.0 | 0.14 | 5 | 1 |
取り方:2026年8月期のFC新規出店35件という開示を使用。会社のスポット売上約6.22億円から、直営店6件のFC譲渡による推定2.10億円を控除した4.12億円を35件で割った。加盟金、器具代、開業支援を含むため純粋な加盟金単価ではない。FC運営研修のうち座学・書類作成はAIで効率化できるが、独立して人月単価で販売されている事実は確認できず、店の開業と安全指導の現場支援を主要な販売単位とする。中立の単価上昇を物価より低くすることで開業支援部分の価格圧力を見込む。
直営体操教室のFC加盟社への譲渡
育成済みの直営店をFC加盟社に譲渡する取引。譲渡後は直営月謝がなくなり、代わりにFCロイヤルティを受け取るため、同じ店舗の収入を二重計上しない。
| 数量年間FC譲渡店舗数(店) | 価格1店当たり譲渡売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 6.0 | 0.35 | 2 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 0.43 | 0 | 0 |
取り方:会社が開示した2026年8月期の直営店6件のFC譲渡と、翌期の利益予想に織り込まれていない約2.1億円の譲渡効果から推定した。譲渡売上と譲渡益は厳密には異なるため、残存簿価や取引条件の非開示による誤差がある。新規店舗の売上ではなく既存資産の形態転換であり、将来の中立では年間1店程度に抑え、会社の成長の主要因にしない。
ネイスぷらす・児童発達支援
運動療育を中心とする児童発達支援と放課後等デイサービス。国の制度に基づく報酬収入で、施設稼働率と専門職確保が採算を決める。
| 数量年間平均稼働施設数(店) | 価格1施設当たり年間売上(億円、公定報酬等) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 11.0 | 0.29 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 26.0 | 0.35 | 9 | 1 |
取り方:2026年8月期の発達支援売上3.18億円、期末12施設、前期末10施設を使用し、平均稼働数11施設として施設単価を算出した。公定報酬によるため価格は自由に物価連動しない。開示されたセグメント経常利益は0.39億円である。対面での身体的支援が中核であり、AIエージェント代替の人月課金サービスには当たらない。
リスクと懸念
少子化と既存店の会員獲得力
国内の子どもの数は構造的に減少する。ネイスの成長は市場全体の拡大でなく、他社からのシェア獲得と未出店地域への展開に依存する。会社が開示する期末会員数には新店の効果が含まれ、既存店だけの退会率や継続率は十分に確認できない。新しい店舗を開いても会員が集まらなくなれば、成長だけでなく既存店の採算も悪化する。
FC加盟社の投資回収と出店停止
FC加盟社は店舗設備、家賃、講師人件費を負担する。会社資料の標準的な投資回収期間は約3.5年だが、すべての加盟社の実績ではない。出店先の賃料や採用費が上がり、入会人数が不足すれば回収期間は延びる。加盟社が次の出店を止めると、本部は将来の継続ロイヤルティだけでなく、その年の加盟金と開業支援売上も失う。
講師の品質、安全事故、店舗賃貸借の固定費
子どもを対象とする体操指導では、安全管理に対する信用が事業の根幹となる。短期間で講師を育てる仕組みが拡大を支える半面、研修が追いつかなければ事故や品質低下につながる。2026年には直営店の火災も開示された。店舗の家賃や原状回復は会員が減っても発生するため、悲観側では売上低下より利益低下が深くなる。
譲渡益と本部投資による利益の変動
2026年8月期の利益には直営店6店のFC譲渡効果が含まれる。会社は2027年8月期予想に譲渡益を含めず、本部機能と新規事業への投資を増やすため、売上成長にもかかわらず減益を見込む。一時利益を恒常的な稼ぐ力と考えたり、開業支援収入を毎年大幅に増やせると仮定したりすると、10年後の利益を過大評価する。
発達支援の報酬改定と専門職の採用
児童発達支援は行政の制度に基づき報酬が決まり、自由な値上げができない。制度改定による報酬の据え置き、職員配置基準の変更、専門職の賃金上昇が重なると、利用者が増えても利益率が下がる可能性がある。障害児支援の社会的必要性は高いが、それだけでは株主資本への収益性が保証されない。
創業者支配、無配、株式希薄化
創業者と資産管理会社による保有は上場後も約66%と推定される。これまで配当は行われておらず、株主還元の数値目標もない。蓄積した資金を海外展開や収益性の不明な新規事業へ投じれば、会計上の利益が株主価値に転換されない。上場時には新株予約権による潜在株式も存在しており、今後の行使や増資によって既存株主の取り分が薄まる可能性がある。
AIエージェント代替による周辺業務の変化
体操教室と運動療育の中心価値は、講師が子どもの身体を安全に動かし、対面で成長を支えることである。人月課金のコンサルティングや席課金型ソフトとは異なり、AIエージェントによる直接代替は限定的と考える。ただしFC開業時の座学、マニュアル、問い合わせ、事務管理は自動化され得る。競合も同じ技術を使えるため、加盟店支援の価格や本部の費用構造に影響する可能性はある。
今後の分かれ目
- 2027年以降、既存店の会員数が新店を除いても増え、値上げ後の退会率が悪化しなければ
- 価格を決める力とブランドの持続性を高く評価できる。中立の会員単価と既存店利益率を引き上げ、やや楽観の確率を増やす。
- FC加盟社の平均投資回収期間が会社の示す標準約3.5年以内で安定し、既存加盟社の増店が加速すれば
- 本部が少ない資本で店舗網を拡大できる証拠となる。新規加盟件数だけでなく継続ロイヤルティの数量を上方修正する。
- 2027年8月期の本部費用増加を経ても、2028年以降に営業利益率が持続的に回復すれば
- 先行投資が回収され始めたと判断し、中立の本部調整費と営業利益率を見直す。ただし直営店譲渡益による改善とは区別する。
- 中期目標の530店に近づく途中で、1店当たり会員数が継続的に減少し、FC退店数が増え始めれば
- 出店可能な市場が想定より早く飽和した可能性が高い。2036年の会員数とFC開業件数を引き下げ、やや悲観・悲観側へ確率を移す。
- 発達支援の報酬改定によって既存施設の利益率が低下し、専門職不足による開設延期が続けば
- 施設数目標を引き下げ、発達支援の価格と利益率をともに下方修正する。体操教室の価値まで機械的に下げず、事業別に影響を測る。
- 余剰資金での買収や海外出店が続く一方、配当も自社株買いも始まらなければ
- 現金の少数株主への戻り方50%を維持し、買収先の増分投資利益率が資本コストを下回る場合は利益と自己資本の見通しを修正する。
見ておくもの
- 直営店とFC店の店舗数、新規出店数、閉店数、直営からFCへの譲渡数
- 直営とFCの会員数、既存店の会員増減、継続率、退会率
- 月謝改定前後の会員動向、客単価、既存店売上総利益率
- FC加盟社の新規獲得数、既存加盟社の増店数、標準投資回収期間の実績
- ベース売上とスポット売上の内訳、および直営店譲渡益を除いた利益
- 本部販管費、講師採用数、育成期間、安全事故、店舗の賃料負担
- 発達支援の平均稼働施設数、稼働率、公定報酬改定、専門職採用状況
- 純現金、設備投資、店舗閉鎖費用、株主還元方針、新株予約権行使による株数変化
倍率と資本コストの決め方
価値の出発点は2026年8月期の教室195店、会員53,685人、発達支援12店であり、株価から逆算した売上目標ではない。開示されていない直営・FC別の売上は、年間平均会員数と年間受取単価に分け、会社のベース売上・スポット売上との整合を確認した。直営店譲渡を毎年6件繰り返す仮定は採用せず、中立では年間1件に減らした。PERは資本コスト7.25%、2036年のROE、資本コストを超える再投資収益の残存割合、2036年以降の成長率2.5%から計算し、現在や同業の市場PERには合わせていない。
2026年10月23日の株価910円に対し、添付の株数4,172,500株は2026年7月時点の途中値である。2026年8月期決算後に確認できる発行済株式4,481,300株を使用したため、現在の時価総額は約40.78億円となる。添付の約38億円のまま比較すると割安度を過大評価する。5筋書きについて、時価総額を10年、途中の株主還元を平均5年で資本コストにより現在価値へ割り引いた確率加重価値は約71.42億円で、差は約プラス75%となる。株価の値動きに合わせて倍率や確率を調整していない。新株予約権については、残存数と行使条件の最新照合が不十分なため追加希薄化を機械的に掛けず、別途確認事項とした。店舗賃借の会計表示が新リース基準で変わっても、10年の利益は家賃を営業費用とする現在の形にそろえている。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。共通の資本コスト7.5%から財務の純現金による0.25ポイントを差し引き、7.25%とする。規模や株価の変動率による上乗せは行わない。