結論
ユニバーサル園芸社は、オフィス・商業施設・飲食店・ホテルに観葉植物を貸し、スタッフが定期的に通って水やりや入れ替えをする会社だ。大阪府茨木市に本社を置く。筆者の結論は、今の値段はほぼ適正。事業の質は良く、現金が厚いが、現金の使い方を決めるのが少数株主ではない点を割り引いた。
2026年6月期は売上225億円、営業利益32億円。利益率は14%で、過去12年の帯(11〜16%)の上のほうにある。純利益は15億円と前の期より減ったが、これは2025年4月に一括で買った会社の一つ、大多喜ハーブガーデンののれんを8億円ほど減損したためで、本業の稼ぎは伸びている。2027年6月期の会社予想は営業利益38億円、純利益25億円だ。
財布は厚い。現金は63億円で、借金はほとんどなく、自己資本比率は78%。一方で配当性向は8%と低く、自社株買いはない。稼いだ現金は、国内外の園芸会社の買収に回っている。
10年後の中立は、営業利益55億円、純利益39億円。売上は物価と買収でほぼ1.7倍になる。確率で重みを付けた本質価値は、今の時価総額を5%ほど上回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は『質の良いストック収益を持ち、現金を溜めているが、現金を株主に配らない会社』だ。
商売は良い。関東と関西のレンタルは、継続課金で、利益率が2割を超える。客が替わりにくく、燃料費と賃金を値上げで吸収できる限り、毎年の稼ぎは読みやすい。過去12年の営業利益率に赤字はない。
資本の使い方は、評価が分かれる。余った現金を買収に回す姿勢は、分散した市場では筋が通る。ただ、2025年に9社をまとめて買った結果、のれんの減損が出た。これは、買う値段の規律が試されている印だ。筆者がいちばん気にしているのは、買収した海外と小売で、稼ぐ力が資本コストを超えるかどうかだ。
安全域は現金にある。現金が時価総額の2割を占め、負債がないため、悲観の筋書きでも事業と現金で床がある。ただ、配当性向8%の会社の現金は、満額の値打ちでは見られない。戻り方を半分にした分だけ、割り引いて見る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの7割近くはグリーン事業だ。関東、関西、海外の3エリアで、観葉植物のレンタルと植栽の管理を行う。2026年6月期のグリーン事業の売上は155億円、セグメント利益は27億円。関東は利益率23%、関西は26%と高いが、米国などの海外は売上41億円で、利益は赤字に近い。
レンタルは月額課金で、契約すれば会社が植物を貸し、枯れれば替える。顧客はオフィス、商業施設、飲食店、ホテルの法人が中心で、大手の生花店やビルメンテナンス会社を通した受注もある。特定の元請への依存はないと会社は説明する。拠点は東京・大阪の本社のほか、東京に9支店、名古屋・神戸・京滋などに支店を置く。
小売事業は売上60億円、利益2億円と薄い。店舗と通販で切り花や鉢物を売るほか、フラワーデザイナーのブランド『ニコライ バーグマン』を2023年に子会社化した。卸売事業は造花の輸入や観葉植物の卸で、外部への売上は10億円。
連結子会社は22社。2025年4月に埼玉の造園会社や千葉の植物園などを一括で取り込み、同年9月には米国オハイオ州でもレンタル事業を譲り受けた。従業員は997人、臨時雇用が547人いる。
優良さと弱いところ
堀は、あるが狭い。レンタルは、定期の訪問と植物の入れ替えが一体で、顧客が一度頼むと業者を替えにくい。これが関東23%、関西26%の利益率を支える。だが、植物の販売を超えた特許や規制の壁はなく、地場の造園会社や花店、ビルメンテナンス会社との競争は続く。
弱いのは値決めと規模の差だ。会社は燃料や原料の値上がりと価格競争をリスクに挙げる。海外は売上の2割弱を占めるが、利益は赤字で、米国の現地会社の整理が要る。小売は利益率が3%台で、拡大中の事業が利益を薄めている。
財務はきわめて堅い。自己資本比率78%、営業利益は支払利息の300倍を超え、有利子負債はほぼない。営業利益率は過去12年で11%台から16%の帯にあり、赤字の期はない。
資本の使い方は、積極だが読みにくい。2025年4月に9社をまとめて買い、その一つで8億円の減損が出た。のれんの償却は年4億円あり、純利益を押し下げる。ただ、買収が失敗ばかりとは言えない。関東と関西のグリーン事業は伸びている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
観葉植物のレンタルは、人口が減る国で、事務所と店の数に縛られる市場だ。オフィスの床面積は在宅勤務で伸びず、飲食店や商業施設は人手不足で閉店も出る。数量は成熟し、10年で0.9〜1.05倍が中立の置き方になる。ただ、オフィスの緑化は居心地の良さを求める流れで底堅く、新築ビルやホテルの需要が支える。
市場全体の規模は、開示や公開資料から読めなかった。国内の園芸需要は、個人消費が約8,200億円、業務需要が約2,800億円という古い推計がある。業務需要の中のレンタルは、その一部にすぎない。競争は分散していて、地場の造園会社や花店、ビルメンテナンス会社が各地域でレンタルを手がける。この分散がM&Aの余地を生み、会社は買い手に回っている。
費用は燃料と人件費で決まる。車で通う商売なので、ガソリンと運転手の賃上げが利益に直結し、最低賃金は年3%で上がる前提だ。値上げが顧客に通るかは、植物の鮮度と訪問の質が決める。
海外は、米国で地場のレンタル会社を買い足している。ただ、米国の現地会社は利益が薄い。現地の賃金上昇と為替が重しになる。
資本政策と M&A
還元は薄い。配当は年に1回で、2026年6月期は総額1.2億円。性向は8%、株主資本配当率は1%に満たない。方針は『安定的・継続的な配当を基本に、利益水準に応じて引き上げを検討』とあるが、引き上げの基準は示されない。自社株買いはない。株主優待は確認できなかった。
現金は63億円で、事業に要るのは売上の1か月余りの運転資金に、税と賞与の支払いを足した約25億円とみた。残る約38億円が余った現金だ。借入は事実上なく、リース債務も小さい。
使い道は買収と設備だ。2026年6月期の設備投資は10億円で、うち小売が7億円。投資有価証券は3億円取った。政策保有株は『該当なし』と開示している。M&Aは2025年4月に9社をまとめて取り込み、9月に米国の事業を買った。減損の経験もある。
株の構成は、個人株主が上位を占め、集計サイトの推計で主要株主の合計は約69%。経営と主要株主の距離が近いため、現金の戻り方は半分とみた。10年の還元は、配当性向10%で置いた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
レンタルは月額課金で、解約が少ない。関東で利益率23%、関西で26%を出し、2026年6月期のグリーン事業は売上が15%、利益が13%伸びた。2025年4月に取り込んだ造園会社や植栽会社が通期で効き、2027年6月期は営業利益38億円と2割増える予想だ。会社の中期目標は、2028年6月期に売上300億円、純利益30億円。2026年6月期の売上225億円は、その75%にあたる。
現金は63億円で、自己資本比率は78%。借金がないため、金利が上がっても利払いは増えず、受取利息が増える。この現金をさらに地場の園芸会社の買収に使えば、分散した市場で顧客のネットワークが広がる。米国では、事業の譲受を重ねて拠点を増やしている。
小売は、2026年6月期にセグメント利益が2.3倍になり、改善が進む。ブランドを持つ『ニコライ バーグマン』は、花の高級業態として単価を上げられる。買収したのれんの償却は年4億円あるが、償却が終われば純利益は営業利益に近づく。10年後に営業利益が75億円に届く筋書きも立つ。
慎重な見方
純利益は2026年6月期に15億円と、前期の18億円から減った。8億円の減損は、2025年4月の買収の質を問う。9社をまとめて取り込み、のれん償却が年4億円。買収の数を急ぎすぎた感がある。海外の営業利益は赤字で、売上41億円が重い。
人口が減る国で、オフィスの床面積は増えず、在宅勤務が定着している。飲食店や商業施設は人手不足で数が細る。レンタルの数量は成熟市場の10年で1倍前後しか伸びない。伸びは買収で買う必要があり、買収が続かなければ、売上は物価の分しか増えない。
燃料と賃金の上昇は、車で通う商売の利益を削る。値上げが通らなければ利益率は下がる。さらに、現金の使い方は少数株主が決められない。配当性向は8%、自社株買いはなく、現金が積み上がるだけで、買収の失敗がまた出れば価値が消える。AIや新規参入が植物の手配を安く代替する動きは、緑化の仲介マージンを削る恐れもある。
加えて、2027年6月期の純利益予想25億円は、減損が消えた分の戻りが大きい。営業利益で見れば2割の増加にとどまり、会社の中期目標である純利益30億円は、買収の上乗せが続くことを前提にしている。買収は、買う側の値段の規律と、買った後の統合の力で成否が決まる。減損を一度出した会社が、同じ速さで買い続けてよいのかは、まだ答えが出ていない。
どちらに重みを置いたか
レンタルの質と現金の厚さは、強気の見方を支える。しかし買収の規律と、現金が戻らない構造は、慎重な見方が突く点だ。確率は中立を最も厚く置き、強気側とやや悲観を同じ程度にした。計算の結論は、ほぼ適正。鍵は、2025年4月に買った会社群と米国の事業が、買った値段に見合う稼ぎを出すかと、余った現金を戻すか使い切るかだ。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した株価時価総額 9,087 円837 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 325 円30 億円)。 今の値に割り戻すと 5,079 円468 億円、今との差 +55.3%、 期待の年率 +11.2%(資本コスト 6.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 14,054 円1,294 億円 | 499 円46 億円 | +345.1% | +16.1% | 1,164 円107 億円 |
| やや楽観 | 22% | 12,228 円1,126 億円 | 380 円35 億円 | +285.6% | +14.4% | 2,774 円255 億円 |
| 中立 | 38% | 10,656 円981 億円 | 347 円32 億円 | +236.5% | +12.9% | 4,181 円385 億円 |
| やや悲観 | 22% | 4,924 円454 億円 | 282 円26 億円 | +59.2% | +4.8% | 1,145 円105 億円 |
| 悲観 | 10% | 1,407 円130 億円 | 76 円7 億円 | −54.6% | −7.6% | 148 円14 億円 |
| 加重平均 | 100% | 9,087 円837 億円 | 325 円30 億円 | +187.9% | +11.2% | 9,413 円867 億円 |
今の株価時価総額 3,270 円301 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 6.5% を下回るほど割高。
楽観 8% レンタルの値上げが通り、米国と国内の買収が積み上がって利益が1.3倍になる 利益 51 億円 · PER 22.9 倍 · 株価時価総額 14,054 円1,294 億円
レンタルの顧客が新築ビルとホテルで増え、値上げも燃料と賃金の上昇を超えて通る。グリーン事業の数量は1.65倍、価格は1.4倍で、利益率は18〜19%に上がる。2025年4月に買った会社群が戻り、米国の事業は黒字化する。営業利益は74億円、純利益は51億円。配当は性向12%に引き上がるが、現金は積み上がり続け、使い道が試される10年になる。
(名目の前提)稼働鉢数・販売点数・取扱量は実質で置き、価格は物価(10年で1.34倍)に近い値で置いた。費用は燃料・賃金・本社費を物価並みに増やした。減価償却は約5億円とレンタル用資産と店舗の設備が中心で、今ある設備の償却は取得した時の値段のまま、新しく買う分だけ新しい値段で足されるものとして扱い、のれんの償却(年4億円)は営業利益に含まれたまま10年続くとみた。
(買収の支出)筋書きごとに年1〜6億円を、買収と設備の純投資として現金から引いた。
(自己資本の流れ)今の自己資本149.5億円に、10年間の純利益の合計を足し、配当性向10%の還元を引いて流した。出発点の純利益は、2026年6月期の15億円が8億円の減損を含むため、2027年6月期の会社予想25億円を使った。
- グリーン(観葉植物レンタル・緑化):数量 165(稼働鉢数(万鉢、推定))× 価格 2.17(万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定))→ 売上 358 億円・営業利益 66 億円。数量 1.65 倍・価格 1.40 倍(名目)・営業利益率 18.5%
- 小売(切り花・鉢物・通販):数量 210(販売点数(万点、推定))× 価格 0.40(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 85 億円・営業利益 5 億円。数量 1.05 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 6.0%
- 卸売:数量 110(取扱量(万点、推定))× 価格 0.14(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 15 億円・営業利益 3 億円。数量 1.10 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 18.0%
倍率:事業の純利益 47 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 23.9% が k 6.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 15.2%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 22.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 22.9 倍 + 余った現金(戻り方込み)214 億円。全体の PER 22.93 倍、時価総額 1,294 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収が当たり、米国が黒字化して全体の利益率が16%台に乗る筋書き。過去12年の最良の営業利益率(約16%)を超える必要があり、条件が重ならないと届かないので8%に置いた。
やや楽観 22% 買収が利益に結びつき、グリーン事業の利益率が17%台に乗る 利益 45 億円 · PER 22.6 倍 · 株価時価総額 12,228 円1,126 億円
国内の買収が当たり、数量は1.55倍、価格は1.37倍に伸びる。グリーン事業の利益率は17〜18%。小売は利益率が5%に乗る。営業利益は64億円、純利益は45億円。会社の中期目標を超える水準で進むが、成長の半分は買収と物価で、中身は並みの成長だ。余った現金は配当と買収に使われ、積み上がりは緩やかだ。
(名目の前提)稼働鉢数・販売点数・取扱量は実質で置き、価格は物価(10年で1.34倍)に近い値で置いた。費用は燃料・賃金・本社費を物価並みに増やした。減価償却は約5億円とレンタル用資産と店舗の設備が中心で、今ある設備の償却は取得した時の値段のまま、新しく買う分だけ新しい値段で足されるものとして扱い、のれんの償却(年4億円)は営業利益に含まれたまま10年続くとみた。
(買収の支出)筋書きごとに年1〜6億円を、買収と設備の純投資として現金から引いた。
(自己資本の流れ)今の自己資本149.5億円に、10年間の純利益の合計を足し、配当性向10%の還元を引いて流した。出発点の純利益は、2026年6月期の15億円が8億円の減損を含むため、2027年6月期の会社予想25億円を使った。
- グリーン(観葉植物レンタル・緑化):数量 155(稼働鉢数(万鉢、推定))× 価格 2.12(万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定))→ 売上 329 億円・営業利益 58 億円。数量 1.55 倍・価格 1.37 倍(名目)・営業利益率 17.5%
- 小売(切り花・鉢物・通販):数量 200(販売点数(万点、推定))× 価格 0.40(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 79 億円・営業利益 4 億円。数量 1.00 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 5.0%
- 卸売:数量 105(取扱量(万点、推定))× 価格 0.13(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。数量 1.05 倍・価格 1.32 倍(名目)・営業利益率 16.0%
倍率:事業の純利益 41 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 22.2% が k 6.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 14.3%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 22.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 22.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)208 億円。全体の PER 22.6 倍、時価総額 1,126 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2025年4月に買った会社群が通期で効き、会社の中期目標(2028年6月期に売上300億円・純利益30億円)に近い形で進む筋書き。2022年6月期以降は営業利益率が13〜16%で動いた実績があり、2割強に置いた。
中立 38% 数量は買収で6割近く伸び、利益率は14%台に落ち着く 利益 39 億円 · PER 22.3 倍 · 株価時価総額 10,656 円981 億円
グリーン事業の数量は買収で1.45倍、価格は物価並みの1.34倍に伸び、売上は300億円を超える。利益率は16〜17%で、現在より少し下がる。小売は店の整理が進んで利益率が4%台に乗り、卸売は横ばい。営業利益は55億円、純利益は39億円。配当性向は10%で、現金は買収の支出を引いても300億円を超えて積み上がる。ROEは事業の分で見て20%台だが、現金を含めた全体では9%にとどまる。
(名目の前提)稼働鉢数・販売点数・取扱量は実質で置き、価格は物価(10年で1.34倍)に近い値で置いた。費用は燃料・賃金・本社費を物価並みに増やした。減価償却は約5億円とレンタル用資産と店舗の設備が中心で、今ある設備の償却は取得した時の値段のまま、新しく買う分だけ新しい値段で足されるものとして扱い、のれんの償却(年4億円)は営業利益に含まれたまま10年続くとみた。
(買収の支出)筋書きごとに年1〜6億円を、買収と設備の純投資として現金から引いた。
(自己資本の流れ)今の自己資本149.5億円に、10年間の純利益の合計を足し、配当性向10%の還元を引いて流した。出発点の純利益は、2026年6月期の15億円が8億円の減損を含むため、2027年6月期の会社予想25億円を使った。
- グリーン(観葉植物レンタル・緑化):数量 145(稼働鉢数(万鉢、推定))× 価格 2.07(万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定))→ 売上 301 億円・営業利益 50 億円。数量 1.45 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 16.5%
- 小売(切り花・鉢物・通販):数量 194(販売点数(万点、推定))× 価格 0.39(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 76 億円・営業利益 3 億円。数量 0.97 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率 4.5%
- 卸売:数量 100(取扱量(万点、推定))× 価格 0.13(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。数量 1.00 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率 15.0%
倍率:事業の純利益 35 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 20.7% が k 6.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.6%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 22.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 22.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)200 億円。全体の PER 22.28 倍、時価総額 981 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収と物価で売上が伸び、利益率は14%台、過去12年の中央値に近い水準で落ち着く筋書き。最も重く置いた。
やや悲観 22% 買収の成果が乏しく、燃料と賃金で利益率が10%近くに下がる 利益 28 億円 · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 4,924 円454 億円
買収の成果が出ず、燃料と賃金の上昇を値上げで取り返せない。グリーン事業の数量は1.25倍にとどまり、価格も1.3倍。利益率は14%に下がる。小売は店の閉鎖で数量が1割減り、利益率は2〜3%。営業利益は38億円、純利益は28億円で、会社予想の水準が10年続く形になる。成長は物価の分が中心で、実質では後退する。現金の積み上がりは緩やかだ。
(名目の前提)稼働鉢数・販売点数・取扱量は実質で置き、価格は物価(10年で1.34倍)に近い値で置いた。費用は燃料・賃金・本社費を物価並みに増やした。減価償却は約5億円とレンタル用資産と店舗の設備が中心で、今ある設備の償却は取得した時の値段のまま、新しく買う分だけ新しい値段で足されるものとして扱い、のれんの償却(年4億円)は営業利益に含まれたまま10年続くとみた。
(買収の支出)筋書きごとに年1〜6億円を、買収と設備の純投資として現金から引いた。
(自己資本の流れ)今の自己資本149.5億円に、10年間の純利益の合計を足し、配当性向10%の還元を引いて流した。出発点の純利益は、2026年6月期の15億円が8億円の減損を含むため、2027年6月期の会社予想25億円を使った。
- グリーン(観葉植物レンタル・緑化):数量 125(稼働鉢数(万鉢、推定))× 価格 2.01(万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定))→ 売上 252 億円・営業利益 35 億円。数量 1.25 倍・価格 1.30 倍(名目)・営業利益率 14.0%
- 小売(切り花・鉢物・通販):数量 176(販売点数(万点、推定))× 価格 0.38(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 66 億円・営業利益 2 億円。数量 0.88 倍・価格 1.25 倍(名目)・営業利益率 2.5%
- 卸売:数量 90.0(取扱量(万点、推定))× 価格 0.13(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。数量 0.90 倍・価格 1.25 倍(名目)・営業利益率 10.0%
倍率:事業の ROE 15.8%(余った現金 233 億円を除いた純利益÷自己資本)は資本コスト 6.5% を上回る。RONIC=k+残る割合 1/2×(ROE−k)、g 4.0% から正当化 PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=18.8 倍。買収に頼った成長で、のれんと海外・小売の不安定さがあるため、上限の約 6.1 割の 11.5 倍に置いた。余った現金は戻り方 0.5 で足した。
確率:燃料と賃上げを値上げで取り返せず、米国と小売の整理が長引く筋書き。2018年6月期に営業利益率が10〜11%台だった実績があり、強気側と同じ程度の2割強に置いた。
悲観 10% オフィス需要と米国が崩れ、買収の減損が重なって稼ぎが4分の1に縮む 利益 10 億円 · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 1,407 円130 億円
在宅勤務が定着してオフィスのレンタルが解約され、数量は1割減る。米国の現地会社は賃金と為替で赤字が続き、買収したのれんは3年目に大きく減損して純損失が出る。小売は店を閉め、数量は25%減る。営業利益は14億円、純利益は10億円まで落ちる。配当は止まらないが額は小さく、現金も買収と減損の穴埋めに使われて細る。評価は稼ぐ力と現金の合計で決まる10年になる。
(名目の前提)稼働鉢数・販売点数・取扱量は実質で置き、価格は物価(10年で1.34倍)に近い値で置いた。費用は燃料・賃金・本社費を物価並みに増やした。減価償却は約5億円とレンタル用資産と店舗の設備が中心で、今ある設備の償却は取得した時の値段のまま、新しく買う分だけ新しい値段で足されるものとして扱い、のれんの償却(年4億円)は営業利益に含まれたまま10年続くとみた。
(買収の支出)筋書きごとに年1〜6億円を、買収と設備の純投資として現金から引いた。
(自己資本の流れ)今の自己資本149.5億円に、10年間の純利益の合計を足し、配当性向10%の還元を引いて流した。出発点の純利益は、2026年6月期の15億円が8億円の減損を含むため、2027年6月期の会社予想25億円を使った。
- グリーン(観葉植物レンタル・緑化):数量 95.0(稼働鉢数(万鉢、推定))× 価格 1.78(万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定))→ 売上 169 億円・営業利益 15 億円。数量 0.95 倍・価格 1.15 倍(名目)・営業利益率 9.0%
- 小売(切り花・鉢物・通販):数量 150(販売点数(万点、推定))× 価格 0.35(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 52 億円・営業利益 −1 億円。数量 0.75 倍・価格 1.15 倍(名目)・営業利益率 -2.0%
- 卸売:数量 70.0(取扱量(万点、推定))× 価格 0.11(万円/点(平均単価、推定))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。数量 0.70 倍・価格 1.10 倍(名目)・営業利益率 0.0%
倍率:事業の ROE 7.6%(余った現金 68 億円を除いた純利益÷自己資本)は資本コスト 6.5% を上回る。RONIC=k+残る割合 1/2×(ROE−k)、g 4.0% から正当化 PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.4 倍。買収に頼った成長で、のれんと海外・小売の不安定さがあるため、上限の約 6.3 割の 8.5 倍に置いた。余った現金は戻り方 0.5 で足した。
確率:在宅勤務と店の閉鎖で数量が細り、買収した会社の減損が重なる筋書き。レンタルは解約が少なく崩れにくいため、1割に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
グリーン(観葉植物レンタル・緑化)
オフィス・商業施設・飲食店・ホテルへの観葉植物のレンタルと、定期訪問による管理、植栽・緑化工事。関東・関西・海外(米国・シンガポール・上海ほか)。
| 数量稼働鉢数(万鉢、推定) | 価格万円/鉢・年(レンタル料と工事の混合、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 100 | 1.55 | 155 | 27 |
| 10 年後 中立 | 145 | 2.07 | 301 | 50 |
取り方:グリーン事業の外部売上 154.8 億円(2026/06 期)を、1 鉢あたり年 1.55 万円(推定。開示は無い)で割った稼働鉢数 100 万鉢。セグメント利益 26.8 億円は開示(関東 22.8%・関西 26.0%・海外△1.0%)。国内の数量は成熟し、買収で増やす。
小売(切り花・鉢物・通販)
店舗と通販で切り花や鉢物、ハーブを売る。ニコライ バーグマンなどのブランドを持つ。
| 数量販売点数(万点、推定) | 価格万円/点(平均単価、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 200 | 0.30 | 60 | 2 |
| 10 年後 中立 | 194 | 0.39 | 76 | 3 |
取り方:小売事業の売上 60.1 億円(2026/06 期)を、1 点あたり平均 0.3 万円(推定。開示は無い)で割った販売点数 200 万点。セグメント利益 2.2 億円は開示(利益率 3.7%)。店の整理で数量は細る。
卸売
造花の輸入と観葉植物の卸。ビバ工芸、高島屋植物園などの子会社が担う。
| 数量取扱量(万点、推定) | 価格万円/点(平均単価、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 100 | 0.10 | 10 | 2 |
| 10 年後 中立 | 100 | 0.13 | 13 | 2 |
取り方:卸売事業の外部売上 10.2 億円(2026/06 期)を、1 点あたり平均 0.1 万円(推定)で割った取扱量 100 万点。セグメント利益 2.0 億円は開示(グループ内への売上を含むため利益率が高く出る)。
リスクと懸念
買収の失敗と減損
2025年4月に9社をまとめて取り込み、2026年6月期にその一つ、大多喜ハーブガーデンののれん等を8億円ほど減損した。のれんの償却は年4億円。買った会社の稼ぎが想定を下回れば、減損が続く。
米国など海外の赤字
海外のグリーン事業は売上41億円、営業利益率△1.0%と赤字。現地の賃金、為替、事業譲受の統合が重しになる。会社自身が海外事業の政治・経済・規制のリスクを挙げる。
燃料と賃金の上昇
車で顧客を回るため、ガソリンと運転手の賃上げが利益に直結する。最低賃金は年3%前後で上がる前提で、値上げで取り返せない場合は利益率が下がる。
オフィス需要の減少
在宅勤務の定着、店の閉鎖、人口減少で、レンタルの数量が細る恐れがある。景気が悪化すると企業が経費を削り、新規契約が減る。
現金の使い道と戻り方
現金は63億円で配当性向は8%、自社株買いはない。個人株主が上位を占め、現金は買収に使われるか積み上がるかで、少数株主に戻る保証はない。
人材と交通事故
訪問する運転手とスタッフの確保・育成が成長の制約になる。重大な交通事故が起きれば、信用の低下と行政処分につながる。
今後の分かれ目
- 2027年6月期の営業利益が会社予想の38億円を上回り、40億円に近づいたら
- 2025年4月に買った会社群が戻ったとみて、中立からやや楽観へ確率を寄せる。買収による上乗せか既存の伸びかを区別する。
- のれんの減損が追加で出て、純利益が会社予想の25億円を大きく割ったら
- 買収の規律に疑いを持ち、やや悲観の重みを上げる。小売と海外の営業利益の推移を確かめる。
- 海外グリーン事業の営業利益率が黒字(3%以上)に転じたら
- 米国の統合が進んだとみて、楽観・やや楽観の重みを上げる。
- 配当性向の引き上げや自社株買いが示されたら
- 現金の戻り方を0.5から1.0に近づけて見直す。余った現金の価値の半分が、株主の側に移る。
- 関東・関西のグリーン事業の利益率が20%を割ったら
- 燃料と賃金を値上げで取り返せていないとみて、利益率を下げて置き直す。
- 大株主の持株に大きな動き(売却・贈与)があったら
- 支配構造の変化の合図として、買収の可能性(kabufu の試算で10年内に約23%)と戻り方の見直しを考える。
見ておくもの
- 関東・関西・海外のグリーン事業の売上と営業利益率
- のれん残高と減損の有無
- 小売事業の営業利益率と店舗数
- 現金同等物と配当性向・自社株買いの方針
- 燃料費と運転手の賃金の動き
- 中期目標(2028年6月期に売上300億円・純利益30億円)の進捗
倍率と資本コストの決め方
今の株価やPERから筋書きを作らず、稼働鉢数・販売点数と名目の単価から売上を積み、部門ごとの営業利益率で利益を出した。倍率は利益ベースで、余った現金を除いた事業のROEが資本コスト6.5%を大きく上回る中立以上は正当化PERの約7割強に置き、やや悲観は約6割に置いた。資本コストは基本7.5%に質の調整を足して0%。余った現金は事業に要る約25億円を除いた分で、戻り方は配当性向8%で自社株買いがなく、買収に使われるため0.5にした。市場の見立てとの比較は参考にとどめた。結論は、ほぼ適正。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 17→22.93 倍・やや楽観 PER 16→22.6 倍・中立 PER 15→22.28 倍)。
資本コスト 6.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k は基本 7.5% に quality 0% を足した 7.5%。事業は傾いていないので extra は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 7.50% → 6.50%。