結論
メディア総研は、高専生と採用企業を結ぶ就職イベントを中核に、専門の採用情報サイトと企業向け制作を営む会社である。筆者は長期の本質価値を現在の時価総額より二割強高く見ており、「やや割安」と判断する。価値の土台は単なる求人サイトではなく、全国の高専教員との継続的な関係と、借入金をほとんど持たず蓄えた現金にある。
高専は全国58校しかないが、製造業や社会インフラに必要な技術者を送り出す重要な教育機関だ。会社は年間およそ50件の採用イベントを開き、学生14,209人、掲載企業594社を「高専プラス」でつなぐ。学校への進路支援システムも40校に入り、新参企業が一度に再現できない接点を築いた。主催イベントでは実際に値上げを実施し、顧客がなお出展したことも値決め力の小さな証拠である。
ただし、売上と利益の将来を会社の中期計画どおりには考えない。2026年7月期は高専向けが堅調だった一方、買収したWEB制作子会社が赤字を出し、営業利益は会社計画を下回った。AIエージェントが採用コンサルティングやサイト制作を内製化させるため、過去の増収率を10年先まで引き延ばすのは危険だ。2027年に急増する「高専プラス」売上も、既存イベント料金からの付け替えを含む。
そのため中立では2036年の売上を約19億円、営業利益を約3.8億円と見込む。今後の留保利益から生じる現金も株主が全額受け取れるとは考えず、控えめに値引きする。それでも、事業が長く存続すれば現金の厚みが効く。最大の論点は、学校との関係が守れるかと、蓄えた資金を株主のために使う規律が定着するかである。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主として最も欲しいのは、顧客が毎年戻り、巨額の設備投資をせずに現金を生み続ける商売である。この意味で高専との接点を基にしたイベント事業には魅力がある。学校が就職指導を続ける限り、採用企業は学生に会う必要があり、先生の協力を得て集客できる会社は一定の手数料を取り続けられる。設備ではなく信用の蓄積が資本である。
ただし、会社が儲かった年の利益を丸ごとオーナー利益としてはいけない。採用企業の新規開拓、社員の人件費、学校への継続訪問、プラットフォームの機能更新が必要で、近年は買収も行っている。企業サイトや動画制作はAIに標準化されやすく、収入を守るための投資が以前より多くなりかねない。何に投じても資本コストを超える利益が出る会社ではない。
価格決定力の証拠は慎重に評価する。主催イベント料金の値上げ実績は実在するが、10年にわたり物価を超える値上げができるとまでは言えない。高専プラスには学校導入や独自の学生情報があるものの、解約率や法的な切り替え障壁が開示されておらず、企業が必ず利用する『記録の正本』とは認めない。収益力を高く評価するのは対面イベントの部分だけでよい。
価値を左右する第二の柱は現金だ。借金がほとんどなく、将来の配当原資を積み上げやすい。しかし、支配株主がいる会社で、資金が必ず株主に渡ると決めつけるのは危険である。将来の現金も回収可能性を割り引き、AIの影響が強い部分は長期の成長を認めない。それでも事業が残る限り現在の値段には小幅な安全域があるが、買収の失敗が続けば簡単に失われる程度の余裕だ。
何で稼ぐ会社か
収入の柱は、企業から出展料を受け取る「高専生のための仕事研究セミナー」と、各学校の合同企業説明会を受託するキャリア支援事業である。就職する高専生は全国で年約6千人にすぎないが、企業からの求人倍率は20倍を超える。学生に会える限られた機会を設計し、企業の採用費から収益を得る仕組みだ。イベント開催数だけでなく、1回当たりの出展企業数と参加料金が収入を左右する。
会社はこの接点を「高専プラス」に広げている。2026年7月末には登録学生14,209人、掲載企業594社を抱え、学校向けの学内進路支援サイトは40校に導入された。求人票を学校ごとに管理する企業約14,000社は将来の見込み客だが、無料利用者を有料契約者と同一視してはいけない。2027年のプラットフォーム有料化では、既存のイベント出展料を調整して料金を分けるため、両事業の売上を足した増分だけが実質的な伸びである。
キャリア支援には採用コンサルティング、就活手帳、大学生向け説明会も含まれる。前者は経験ある担当者の工数で成果が決まり、手帳とガイドブックは広告・制作物として対価を受け取る。2026年7月期のキャリア支援売上は13.73億円で、セグメント利益は6.35億円だった。ただし、この数字には本社費用が十分配賦されていない。ここから全社共通費を引いて、初めて株主に帰属する稼ぎが分かる。
もう一方のWEBコンテンツサービスは、2024年に買収したアドウィルを中心に、採用サイト・動画・企業ホームページを受託制作する。2026年7月期売上は2.60億円だが、セグメント営業損失は0.22億円である。制作過程にはAIによる原稿生成、動画字幕、自動編集が入りやすく、顧客自身による制作の増加が手数料の価値を薄める。大型案件を得るための営業力は残るが、同じ工数に過去と同額が支払われ続ける保証はない。
優良さと弱いところ
最も模倣しにくい資産は高専の先生との人間関係である。全国58校という限られた学校群に対し、説明会の運営だけでなく、共同授業、進路指導、教員の取材や学内求人管理を長年提供してきた。教師が推薦する催しは学生の参加率を上げ、参加学生が多いから企業が出展し、出展が充実するから学校が再び任せる。この循環はネット広告の出稿だけでは買えない。
具体的な裏付けとして、就職情報サイトの登録者14,209人と、学校向け進路支援システムの導入40校がある。2026年のイベントでは出展料金の引き上げにより収益を伸ばした。一方、法定の独占権はなく、学校からの解約率や企業の更新率、値上げ後の同一顧客の継続率は公表されていない。学校の進路データを預かることと、企業が高い利用料を支払い続けることは別問題だ。
資本効率の評価にも注意がいる。2025年までのROEは8%台から二桁まで揺れ、2026年は有価証券評価損で純利益が落ち込んだ。現預金は16.59億円あり、有利子負債はほぼない。それでも買収先のWEB制作が赤字で、投資有価証券の評価損も出した。高専向けの高利益率を、会社全体の増分資本利益率だとみなすことはできない。
今後の利益率が改善するなら、追加の契約による収益が既存の学校ネットワークに上乗せされ、本社費をほとんど増やさずに稼げた時である。逆に「高専プラス」の利用料がイベント料金の付け替えにとどまれば、増分利益は見かけほど増えない。堀は高専イベントには明瞭だが、受託制作や採用代行には薄いため、全社としては並みの堀と評価する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
高専採用市場は就職者の人数よりも、理工系人材を必要とする企業の採用予算で決まる。文部科学省によると高専は58校、在学者53,305人、直近の卒業就職者5,681人であり、10年間で学生数が倍になる市場ではない。それでも半導体、防衛、建設、電力などは技術者不足が続き、採用に苦戦する中堅企業が学校との接点を求める構図は残りやすい。物価の上昇はイベント会場費や人件費も押し上げるため、売値を上げられるかが利益を分ける。
会社の学内求人管理サイトを利用する企業は約14,000社と公表されている。仮にその1割が年60万円を払うなら年間8.4億円、全社を対象にすれば84億円という条件付きの支出余地になる。ただし、これは同業団体が測った市場規模ではなく、無料ユーザー全員に購買意思があるわけでもない。現在の会社のキャリア支援売上13.73億円は既存の取引実績であり、この仮想市場と単純に割り算してシェアを出すべきではない。
学校へのシステム導入率40校/58校は約69%で、かなり強い接点を示す。しかし、これは有料採用支援の市場シェアではない。直接競合には高専生専用の「高専Link」などがあり、間接競合にはマイナビやリクナビ、学校が自ら運営する学内説明会がある。高専Linkの公開検索には数百社の企業情報があり、専用サイトの競合が実在する以上、会社側の『直接競合はほぼない』という説明を独占の証拠には使えない。
2036年には学生母数が横ばいから緩やかに減る一方、企業側の採用手段はAIによる候補者探索や直接接触へ移ると見る。会場で教員・学生と顔を合わせる価値は残るが、掲載情報の検索、原稿作成、採用計画の助言は低価格化しやすい。2026年の市場浸透度は学校側では高く、これからの成長は新規の学校を大きく増やすことより、既存学校に接する企業への追加販売から生まれる。その範囲を過大評価しない。
資本政策と M&A
2026年10月公表の5年間の事業計画は、2031年7月期に売上25.67億円、営業利益7.13億円、営業利益率27.8%、当期純利益5.20億円を掲げている。2027年は売上18.53億円、営業利益3.95億円、純利益2.98億円を目標とする。営業利益率20%以上を重視する一方、ROE、DOE、配当性向、総還元性向や自社株買い金額について数値の約束はない。計画を上回る現金還元は、経営陣の判断に委ねられている。
配当は2025年7月期に始まり、2026年7月期には総額約0.30億円となった。2027年の予想は総額約0.34億円で、配当性向は11.5%にとどまる。株主優待もあり、2026年7月期末の優待引当金0.071億円を年額の仮置きに使えば10年で約0.7億円が株主に提供される計算だ。優待費用は既に営業費用に入るため、還元にも数える時は実質的な二重評価に注意する必要がある。
現金をためる能力は高いが、すべてが少数株主の自由になるとは限らない。上位株主への持分集中が強く、過去5年間に大規模な自己株買いは確認できない。ただし増配実績があるので、余剰現金の回収可能性を半分にまでは切り下げず、帳簿の75%を株主価値として扱う。現時点の現預金16.59億円から未払債務と事業運営資金を除き、当面の余裕資金は11億円と考える。
2019年のマグネッツ統合、2024年のアドウィル買収は制作領域を広げたが、買収先の赤字から見て成果はまだ不十分である。2026年は投資有価証券評価損0.86億円も生じた。さらに創業者が会長に移り、2026年10月に新社長が就任したばかりだ。今後は新規買収よりも既存事業の黒字化と配当規律を優先できるかで、資本配分の評価が変わる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
高専の採用は一般の新卒市場と異なり、全国の学校がわずか58校に限られる。教員との信頼を長年かけて築き、学校主催の説明会まで受託する会社は、広告の予算を増やしただけの新規参入者に簡単には負けない。高専生の登録が14,209人に達し、学校向け進路サイトも40校に広がった事実は、学校と学生の双方を結ぶ接点が育っている証拠である。
製造業の人手不足は今後も簡単には解消しない。半導体・防衛・インフラ企業が地域を越えて高専人材を求めれば、イベントごとの参加企業が増え、会社は出展料金を改定できる。学校当たりの年間開催数は有限でも、協賛企業の単価や、会場の外で接する年間契約から収入を増やせる。2026年に主催イベントの値上げを実現したことは、採用市場の強さがすでに価格に表れた例だ。
高専プラスの有償化も長い目では成果を生む。2026年の掲載企業594社に対し、学校向け無料サイトには約14,000社の利用企業が接している。すべてが購入する必要はなく、うち数%が継続契約に転じるだけで、会場の制約を受けない現金収入が増える。従来イベント代金に含まれていた分を外して考えても、実際の新規契約が定着すれば収益源は厚くなる。
WEB制作についてもAIを自前で使って原価を下げ、業界別の高品質な作品に絞れば、赤字から小幅な黒字へ転じる余地はある。資本支出は小さく、余剰現金を配当で戻し始めた点も安心材料だ。会社の2031年計画ほど急な利益増加を前提にしなくても、学校ネットワークと資本効率が守られれば、今の評価を上回る株主価値は十分あり得る。
慎重な見方
高専という市場が小さいことは、堀であると同時に成長の天井でもある。年間に就職する学生は約6千人で、学校数も大幅には増えない。すでに40校に進路システムが入り、会場開催も多い以上、新しく攻略できる学校は限られる。採用企業は景気や設備投資の変化に応じて出展料を削るため、2026年の値上げが毎年繰り返せる保証もない。
サイト上の掲載企業や学校との取引件数を、そのまま有料会員の数とみるのは危険だ。新しい会社計画では「高専プラス」が急伸するが、その一部は企業の実質負担を変えないイベント料金の付け替えである。無償利用企業約14,000社は大きく見えるものの、無料だから求人票を出している企業も多い。学校独自の進路管理や高専Link、採用側のAI検索が便利になれば、情報掲載に別料金を払う理由は弱まる。
高専イベント以外の資本配分には不安が残る。アドウィルのWEB制作は2026年も赤字で、会社全体の営業利益も計画未達となった。AIエージェントは文章、動画、企業サイト、候補者探索を自動化し、顧客は今まで外注していた作業を社内で済ませられる。制作費を節約するために会社がAIを使ったとしても、顧客に請求できる単価まで維持されるとは限らない。
2026年の投資有価証券評価損は、手元資金が安全な国債だけに置かれているわけではないことも示した。配当は始まったばかりで、自己株買いによる回収実績は乏しい。創業者の影響が大きい会社では、現金が将来また効果の薄い買収に向かう可能性を否定できない。流動性の薄い小型株だからこそ、帳簿上の現金と少数株主が実際に手にするお金を厳しく区別すべきだ。
どちらに重みを置いたか
高専イベントの学校ネットワークと現金の厚みは、慎重な見方でも簡単には否定できない。一方、WEB制作の赤字とAIによる受託業務の代替はすでに数字と事業構造に表れている。確率は楽観側31%、中立31%、やや悲観と悲観の合計38%と、やや下方に寄せた。中立の受託案件数を既に縮めているため、AIを口実に資本コストを重ねて上げない。現金が将来株主に戻る割合を75%に制限しても、確率加重の現在価値は約29.4億円となり、基準時価総額約23.7億円に対して二割強の余地が残る。よって結論は「やや割安」だが、安全域の大部分は事業の高成長より資金の扱いに依存している。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/07 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 4,147 円51 億円(+ 還元の換算額還元の合計 318 円4 億円)。 今の値に割り戻すと 2,388 円29 億円、今との差 +23.5%、 期待の年率 +9.2%(資本コスト 6.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 7,754 円96 億円 | 568 円7 億円 | +330.5% | +16.6% | 999 円12 億円 |
| やや楽観 | 19% | 6,042 円74 億円 | 446 円6 億円 | +235.7% | +13.5% | 1,233 円15 億円 |
| 中立 | 31% | 4,612 円57 億円 | 325 円4 億円 | +155.4% | +10.3% | 1,530 円19 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,889 円23 億円 | 219 円3 億円 | +9.1% | +0.9% | 527 円6 億円 |
| 悲観 | 13% | 1,283 円16 億円 | 73 円1 億円 | −29.8% | −3.6% | 176 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,147 円51 億円 | 318 円4 億円 | +131.0% | +9.2% | 4,465 円55 億円 |
今の株価時価総額 1,933 円24 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 学校接点から高専採用の年間契約へ広がる 利益 5 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7,754 円96 億円
学校との協力関係が続き、半導体・防衛・電力・建設向けの採用ニーズが企業の出展意欲を押し上げる。全国の高専は増えないが、主催イベントを毎年58件ほど開催し、1回のスポンサー収入が増える。教員・学生に実際に会える催しの価値はAIの文章生成では代替できず、手数料の値上げが徐々に定着する。
高専プラスは学校との無料連携を入口に、年間で契約する企業との関係を深める。企業掲載数は3,000社まで広がるが、無料掲載やイベント料金の付け替えを除いた純増分しか増収に見込まない。学校との関係を足場に大学向けサービスにも安定した取引が残る。
採用コンサルの相談件数とWEB制作の案件数はAIによる内製化を受けても現状並みにとどまる。アドウィルが標準化と短納期化で小幅黒字に転じ、売上の伸びが本社費の増加を上回る。買収の追加失敗を避け、留保利益を運転資金以上に積み上げた後は配当にも振り向けるため、2036年までに余剰現金が大きく積み上がる。
- 高専向け主催・学校受託イベント:数量 58.0(年間開催回数(回))× 価格 0.28(1回当たり企業出展・受託売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 9 億円。出展企業数を含む1会場当たりの売上と開催回数の積。現場運営と価格改定を反映。
- 高専プラスの企業向け掲載・年間利用:数量 3,000(年度末の掲載企業数(社))× 価格 0.00(掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。掲載企業数は有料顧客数を確定しない。イベント代金からの名目振替分は全体比較で除外。
- 高専生向けイベントガイドブック:数量 55.0(対応する年間イベント数(回))× 価格 0.01(イベント1回当たりガイド収入換算(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。高専イベント回数を冊子広告の数量代理変数とし、広告単価はインフレ以下。
- 高専人材採用プロジェクト:数量 25.0(年間支援契約数(社・推計))× 価格 0.06(1契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により中立数量は現在の0.68倍。強気でも25件を超えない。
- 大学生向け理工系就職イベント:数量 12.0(年間開催回数(回・推計))× 価格 0.04(1開催当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手求人媒体・学校直営のイベントと競合し、件数を選別。
- 大学別就活手帳・その他キャリア支援:数量 22.0(年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計))× 価格 0.05(1契約当たり合算売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。大学の手帳・受託契約の件数代理。編集制作のAI代替を織り込む。
- WEBコンテンツ制作・保守・広告運用:数量 60.0(年間制作・保守の案件換算数(件・推計))× 価格 0.06(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによるサイト・動画・広告制作の代替。強気でも案件量は現状以下。
倍率:資本コストk6.75%、AI代替を反映した2036年以降の名目g0%、会社全体の堀normalで超過利益の持続割合は2分の1とする。g0なら正当化PER=(1-g÷RONIC)÷(k-g)=14.8148倍であり、上側の筋書きは約14.81倍を使う。余剰現金30億円の税後利息相当0.42億円を純利益から控除し、帳簿現金の75%を加える。
確率:高専の教員接点に加え、企業の単体有料契約が数千社に広がり、WEB制作もようやく黒字化するという複数の成功を必要とするため12%。AI代替領域は好調でも現在の案件数量を超えない。
やや楽観 19% 学校基盤が着実に拡張しWEBも採算改善 利益 4 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,042 円74 億円
高専との協働は競合の参入後も続き、仕事研究イベントの開催は53回程度に増える。少子化で学生が急増するわけではないが、理工系技術者の採用難を背景に、企業が地域外から人材を探す動きは続く。実際に見学し、教員と話すことのできる会場には一定の価値があり、出展料金は物価上昇に近い速度で改定される。
高専プラスの単体契約は2,200社相当まで広がり、学校向け進路管理の浸透が営業費用を抑える。2027年に予想されるイベント料からの付け替えと真の新規課金は区別し、デジタルの売上だけが突然事業価値を増やすとはしない。採用助言やWEB制作では工数の代替が進むものの、顧客の重要案件が一部残り、業務の標準化によって制作部門が小さな黒字を確保する。
大型のM&Aは行わず、現金を増やしながら緩やかに配当を積み重ねる。中期計画の営業利益率目標に近づくものの、2031年の売上・利益の急成長をすべて先取りするほどの強さはない。
- 高専向け主催・学校受託イベント:数量 53.0(年間開催回数(回))× 価格 0.28(1回当たり企業出展・受託売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 8 億円。出展企業数を含む1会場当たりの売上と開催回数の積。現場運営と価格改定を反映。
- 高専プラスの企業向け掲載・年間利用:数量 2,200(年度末の掲載企業数(社))× 価格 0.00(掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。掲載企業数は有料顧客数を確定しない。イベント代金からの名目振替分は全体比較で除外。
- 高専生向けイベントガイドブック:数量 52.0(対応する年間イベント数(回))× 価格 0.01(イベント1回当たりガイド収入換算(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。高専イベント回数を冊子広告の数量代理変数とし、広告単価はインフレ以下。
- 高専人材採用プロジェクト:数量 22.0(年間支援契約数(社・推計))× 価格 0.06(1契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により中立数量は現在の0.68倍。強気でも25件を超えない。
- 大学生向け理工系就職イベント:数量 10.0(年間開催回数(回・推計))× 価格 0.04(1開催当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手求人媒体・学校直営のイベントと競合し、件数を選別。
- 大学別就活手帳・その他キャリア支援:数量 21.0(年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計))× 価格 0.04(1契約当たり合算売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。大学の手帳・受託契約の件数代理。編集制作のAI代替を織り込む。
- WEBコンテンツ制作・保守・広告運用:数量 52.0(年間制作・保守の案件換算数(件・推計))× 価格 0.06(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによるサイト・動画・広告制作の代替。強気でも案件量は現状以下。
倍率:k6.75%、g_long0%の正当化PER上限14.8148倍そのものを使う。学校向け対面接点の堀は残るが全社の追加投資はnormalの持続割合2分の1に限定する。現金28億円に対する税後受取利息0.392億円を利益から控除して14.81倍をかけ、現金は75%だけ加算。
確率:企業との新規取引は十分あり得るが、200社の単体有料契約増を長年持続させ、同時に制作赤字を解消する必要があるため19%。
中立 31% 対面の高専支援は残り、AIに弱い領域は縮む 利益 3 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,612 円57 億円
高専生の人数は全国で大きく増えず、学校に密着した就職イベントは現在より少し少ない48回ほどで定着する。企業の出展料金は会場費と人件費の物価上昇をおおむね転嫁できるが、価格だけを高くし続ける力はない。高専の採用先を探す会社にとって、教師と学生が同じ場に集まる仕組みは残り、主力事業は維持される。
高専プラスの掲載企業は1,500社に広がる。学内求人管理サイトの無料ユーザーとの連携で顧客獲得の余地はあるが、AI検索によってサイトを直接操作する回数が減るため、企業当たりの支払額は低めに抑えられる。2027年のイベント料金再配分を新たな顧客支出と取り違えず、両方の販売額をまとめて判断する。
採用コンサルの年間支援件数は17件、WEB制作の案件換算は40件となる。AIエージェントが構成案や動画、採用情報整理を低価格で作り、従来の人的作業が減るからだ。WEB事業はかろうじて損益分岐点に近づくが、本社費は賃金上昇で膨らむ。会社は低い配当性向を徐々に改善するにとどまり、残りの利益が現金となって積み上がる。
- 高専向け主催・学校受託イベント:数量 48.0(年間開催回数(回))× 価格 0.27(1回当たり企業出展・受託売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 7 億円。出展企業数を含む1会場当たりの売上と開催回数の積。現場運営と価格改定を反映。
- 高専プラスの企業向け掲載・年間利用:数量 1,500(年度末の掲載企業数(社))× 価格 0.00(掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。掲載企業数は有料顧客数を確定しない。イベント代金からの名目振替分は全体比較で除外。
- 高専生向けイベントガイドブック:数量 48.0(対応する年間イベント数(回))× 価格 0.01(イベント1回当たりガイド収入換算(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。高専イベント回数を冊子広告の数量代理変数とし、広告単価はインフレ以下。
- 高専人材採用プロジェクト:数量 17.0(年間支援契約数(社・推計))× 価格 0.06(1契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により中立数量は現在の0.68倍。強気でも25件を超えない。
- 大学生向け理工系就職イベント:数量 8.0(年間開催回数(回・推計))× 価格 0.04(1開催当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手求人媒体・学校直営のイベントと競合し、件数を選別。
- 大学別就活手帳・その他キャリア支援:数量 20.0(年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計))× 価格 0.04(1契約当たり合算売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。大学の手帳・受託契約の件数代理。編集制作のAI代替を織り込む。
- WEBコンテンツ制作・保守・広告運用:数量 40.0(年間制作・保守の案件換算数(件・推計))× 価格 0.06(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによるサイト・動画・広告制作の代替。強気でも案件量は現状以下。
倍率:2036年の全社ROE2.92÷35.35=約8.3%だが、余剰現金25億円を外した事業のROEは(2.92−0.35)÷(35.35−25)=約24.8%。k6.75%、通常の堀の残存2分の1、g_long0%で正当化PERの上限14.8148倍。現金利息0.35億円を除く事業純利益2.57億円×14.81倍に、現金25億円の回収割合75%を加算。
確率:学校のネットワークを守りながら成長を緩やかにする最もありそうな筋書きとして31%。会社計画の大幅なシェア拡大やWEB制作の成長は織り込まない。
やや悲観 25% 学校接点は残るが案件が細り利益率低下 利益 1 億円 · PER 14.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,889 円23 億円
景気の停滞と少子化が重なり、採用企業は説明会への出展を一部取りやめる。学校が催しを必要とする事実は変わらず年間42回程度のイベントは開けるが、会場の出展社数と料金の伸びは弱い。既存の学校から新しい代理店に替わる例も現れ、長年の信頼がそのまま独占的な権利ではないことが明らかになる。
高専プラスの掲載は900社にとどまる。学内サイトの企業情報にアクセスできることと、有料の年間契約を結ぶことは別であり、無料の学校ネットワークを十分に収益化できない。掲載広告や求人説明の一部はAIの要約と自動マッチングに代替されるため、企業当たりの料金も上がらない。
採用コンサルの件数は15件へ減り、WEB制作の案件数は36件に減る。営業担当の固定費と学校への継続営業費は残り、WEB部門の赤字も続く。過去に蓄えた現金が倒産を防ぐが、新たな買収を抑えなければその厚みは失われる。配当は支払能力に合わせて小さくなり、株主価値は主力イベントの採算と現金の回収可能性に依存する。
- 高専向け主催・学校受託イベント:数量 42.0(年間開催回数(回))× 価格 0.25(1回当たり企業出展・受託売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 4 億円。出展企業数を含む1会場当たりの売上と開催回数の積。現場運営と価格改定を反映。
- 高専プラスの企業向け掲載・年間利用:数量 900(年度末の掲載企業数(社))× 価格 0.00(掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。掲載企業数は有料顧客数を確定しない。イベント代金からの名目振替分は全体比較で除外。
- 高専生向けイベントガイドブック:数量 40.0(対応する年間イベント数(回))× 価格 0.01(イベント1回当たりガイド収入換算(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。高専イベント回数を冊子広告の数量代理変数とし、広告単価はインフレ以下。
- 高専人材採用プロジェクト:数量 15.0(年間支援契約数(社・推計))× 価格 0.05(1契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により中立数量は現在の0.68倍。強気でも25件を超えない。
- 大学生向け理工系就職イベント:数量 7.0(年間開催回数(回・推計))× 価格 0.04(1開催当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手求人媒体・学校直営のイベントと競合し、件数を選別。
- 大学別就活手帳・その他キャリア支援:数量 16.0(年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計))× 価格 0.04(1契約当たり合算売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。大学の手帳・受託契約の件数代理。編集制作のAI代替を織り込む。
- WEBコンテンツ制作・保守・広告運用:数量 36.0(年間制作・保守の案件換算数(件・推計))× 価格 0.05(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによるサイト・動画・広告制作の代替。強気でも案件量は現状以下。
倍率:営業利益約1.05億円へ低下し、余剰現金18億円を外した事業の実質ROEは資本コスト6.75%を下回り得る。したがって稼ぐ力のPER上限1÷k=14.81倍を超えず、継続的な採用案件の縮小で14.0倍を採用。現金の税後利息0.252億円を純利益から外し、回収可能75%の現金価値を足す。
確率:学校の強い関係が維持されても採用企業の出展予算は削られ得る。さらにAIが制作と採用支援の案件量を減らすため25%を配分した。
悲観 13% 学校の集客優位が失われ、事業価値は資産床へ 利益 −1 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,283 円16 億円
企業の高専採用は続くが、学校主催の説明会が自前のオンライン運営や他社の低価格運営に切り替わる。年間イベントは32回まで減り、出展社が減るため1回当たりの売上も下がる。学校に蓄えた信頼は残っても、採用予算を集める独自の窓口ではなくなり、主力事業は価格を決める力を失う。
高専プラスの掲載企業は500社へ減る。AIエージェントによる直接応募や高専Linkなどへの利用者分散が進み、無料の学内進路情報は残っても有料で提供する機能が少なくなる。採用コンサルとWEB制作は他社の自動化サービスと顧客内製化に押され、案件を安く取り、制作事業の赤字が深まる。
経営陣がかつての成長を取り戻そうと事業買収や新システムに投じても、新しい利益にはつながらない。最終年度には営業赤字となり、将来利益を永久に資本化する理屈は成り立たない。なお現金と換金資産がなお残り、清算に近い価値が下支えする一方、少数株主が直ちに清算を要求できるわけではない。この条件では10年間の株主還元も極めて小さい。
- 高専向け主催・学校受託イベント:数量 32.0(年間開催回数(回))× 価格 0.22(1回当たり企業出展・受託売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 2 億円。出展企業数を含む1会場当たりの売上と開催回数の積。現場運営と価格改定を反映。
- 高専プラスの企業向け掲載・年間利用:数量 500(年度末の掲載企業数(社))× 価格 0.00(掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。掲載企業数は有料顧客数を確定しない。イベント代金からの名目振替分は全体比較で除外。
- 高専生向けイベントガイドブック:数量 30.0(対応する年間イベント数(回))× 価格 0.01(イベント1回当たりガイド収入換算(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。高専イベント回数を冊子広告の数量代理変数とし、広告単価はインフレ以下。
- 高専人材採用プロジェクト:数量 12.0(年間支援契約数(社・推計))× 価格 0.05(1契約当たり年間売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により中立数量は現在の0.68倍。強気でも25件を超えない。
- 大学生向け理工系就職イベント:数量 4.0(年間開催回数(回・推計))× 価格 0.03(1開催当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大手求人媒体・学校直営のイベントと競合し、件数を選別。
- 大学別就活手帳・その他キャリア支援:数量 12.0(年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計))× 価格 0.04(1契約当たり合算売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大学の手帳・受託契約の件数代理。編集制作のAI代替を織り込む。
- WEBコンテンツ制作・保守・広告運用:数量 33.0(年間制作・保守の案件換算数(件・推計))× 価格 0.05(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AIエージェントによるサイト・動画・広告制作の代替。強気でも案件量は現状以下。
倍率:本業が営業赤字へ落ち込むため、純利益にPERを掛けずPBRで資産の残存価値を評価する。基準に使うのはfactsの2025年7月期の現在自己資本15.2億円であり、2036年悲観ケースの自己資本21.85億円は倍率の分母にしない。現在自己資本15.2億円×PBR1.04倍=時価総額15.808億円とし、純現金と換金資産から負債・処分費を控除した税後の床13.50億円を上回ることを確認した。1.04倍は過去の市場PBRの谷から決めておらず、学校との接点が一部残る可能性を限定的に認めた評価である。
確率:高専をめぐる深い教員関係と無借金の現金が同時に消えることは稀だが、デジタル代替と採用不況、買収失敗が重なると本業の価値が乏しくなるため13%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
高専向け主催・学校受託イベント
学校と連携した合同企業説明会と仕事研究セミナー。企業の出展料と学校の委託料を得る。
| 数量年間開催回数(回) | 価格1回当たり企業出展・受託売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 50.0 | 0.22 | 11 | 5 |
| 10 年後 中立 | 48.0 | 0.27 | 13 | 7 |
取り方:2026年10月の会社資料では主催・受託イベント売上1,078百万円。開催は年間約50件を会社の説明から概算し、平均売上10.78÷50=0.2156億円/回と逆算した。1社当たり出展料ではなく複数企業を含む1会場当たり売上であり、学校数58校は開催可能数の参考。対面で人を集める現場業務を主たる型とし、運営事務だけAIで効率化する。なお細目ごとの営業利益は非開示のため推定配賦であり、キャリア支援6区分の合計を公式営業利益6.34658億円に一致させ、本社共通費を別途控除する。
高専プラスの企業向け掲載・年間利用
学生向け自社媒体と企業向け情報掲載。イベントとのセット提供から単体契約への移行段階にある。
| 数量年度末の掲載企業数(社) | 価格掲載企業1社当たり認識売上換算(億円/年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 594 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,500 | 0.00 | 1 | 1 |
取り方:会社資料に掲載企業594社、学生登録14,209人、「高専プラス」売上35百万円と明記。35百万円÷594社=年約58.9万円を会計上の平均として用いるが、2026年には無料でイベントに付帯された利用企業もおり、実際の有料契約単価ではない。2027年の有償化は出展料との再配分を含み、売上281百万円をそのまま純増収としない。AI分類は自社利用者を持つ媒体・広告プラットフォーム型で、業務SaaSや記録の正本には認定しない。営業利益0.175億円は推定配賦である。
高専生向けイベントガイドブック
企業の求人情報やスポンサー情報を載せる高専生向け冊子・企画物の制作販売。
| 数量対応する年間イベント数(回) | 価格イベント1回当たりガイド収入換算(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 50.0 | 0.01 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 48.0 | 0.01 | 0 | 0 |
取り方:会社資料のイベントガイドブック売上41百万円をイベント約50回で割った平均0.0082億円を採用。冊子の発行部数・広告ページ単価は非開示なので開催回数を代理数量としており、冊子1冊の価格とは異なる。自社媒体のスポンサー広告枠だが、編集制作部分はAIの代替圧力がある。営業利益0.16億円は推定配賦である。
高専人材採用プロジェクト
企業の高専採用に関する設計、候補者への接点づくり、採用業務支援を請け負う。
| 数量年間支援契約数(社・推計) | 価格1契約当たり年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 25.0 | 0.04 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 17.0 | 0.06 | 1 | 0 |
取り方:採用コンサル売上109百万円は会社の開示。契約先数と単価は非開示のため、年間25社と仮定して109百万円÷25社=436万円/社と分けた推定である。顧客の採用担当者と工数で売る型なので、AIエージェント代替を前提に中立件数を10年で25→17件、単価は物価1.34倍以下とする。営業利益0.25億円は推定配賦である。
大学生向け理工系就職イベント
大学生向けの合同企業説明会・理工系採用イベントを開催する。
| 数量年間開催回数(回・推計) | 価格1開催当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 10.0 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 8.0 | 0.04 | 0 | 0 |
取り方:会社資料の大学生向けイベント売上30百万円を使用。開催数は非開示につき年間10件と仮定して1回300万円と逆算。高専より大手求人媒体・学内行事との競争が強く、中立で開催数が減る。イベントは現場型だが集客・運営事務はAIで効率化される。営業利益0.10億円は推定配賦である。
大学別就活手帳・その他キャリア支援
大学向け就活手帳、学校関連の制作物、周辺企画・受託をまとめた小規模事業。
| 数量年間大学等の手帳・制作契約数(件・推計) | 価格1契約当たり合算売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 20.0 | 0.04 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 20.0 | 0.04 | 1 | 0 |
取り方:会社資料の大学別就活手帳56百万円、その他18百万円、イベント周辺費用と百万円単位の表示丸め差約6.22百万円を合算し、2026年キャリア支援セグメント売上13.73221億円に整合させた。受注件数は非開示のため20件で割った代理平均約401万円/件。冊子の枚数・印刷単価とは異なる推計。AIに代替されやすい編集制作を含むため数量の大幅増は見込まない。営業利益0.36158億円は推定配賦である。
WEBコンテンツ制作・保守・広告運用
アドウィルなどによる企業サイト、採用動画、DTP、保守、広告代理業務。
| 数量年間制作・保守の案件換算数(件・推計) | 価格1案件当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 60.0 | 0.04 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 40.0 | 0.06 | 2 | 0 |
取り方:2026年有価証券報告書のWEBセグメント売上260,283千円、営業損失22,477千円が起点。案件件数や制作単価は開示されず、年間60件換算を仮定した約434万円/件のモデル上の単価で、保守契約・広告代理も込み。AIエージェント代替の人月・広告制作運用型なので中立数量は60→40件(0.67倍)、単価0.04338→0.055億円(1.27倍)とする。営業損失は会社が開示した公式セグメント実績である。
リスクと懸念
AIエージェント代替
採用コンサルティングは依頼企業の社内AIが候補企業・学校の調査、求人票の作成、進捗管理を担えば人手の契約が減る。アドウィルのサイト制作、動画編集、広告原稿や運用も生成AIで内製化しやすい。会社がAIを使って原価を減らしても、顧客の購買単価の低下がそれを上回る可能性がある。中立ではコンサル17件、WEB案件40件へ減る前提とした。
有料化の付け替えと需要の限界
2027年の高専プラス売上増には、これまでイベント出展企業に無償で付けたサービスを別料金にする会計区分の変更が含まれる。会社は企業の実質的な費用負担を変えない方針である。イベントの売上減とプラットフォームの売上増を差し引いて新規支出を捉えなければ、重複評価になる。無料で求人票を届ける約14,000社が有料契約する保証はない。
学校・教員との関係の世代交代
学校教員との継続的な関係が参入障壁だが、個々の先生の転任・退職、学校の予算制度変更、教員の採用活動への関わり方の変化で失われうる。学校自前の説明会や高専Linkなどの専門媒体も実在する。進路支援システムが40校に入っていることと、企業が付加料金を払い続けることは別である。
採用市場の小ささと景気変動
全国の高専は58校、年間の就職者は約6千人で、市場の絶対的な大きさは限られる。好況時は少数の学生を採り合って出展企業が増えるが、景気後退や製造業の設備投資の停滞が続けば、企業が求人自体を絞る。会場費・集客費・本社人件費はすぐには下げられず、売上減が営業利益率を大きく傷める。
買収・投資資金の毀損
2024年に子会社化したアドウィルを含むWEBコンテンツ事業は2026年も営業赤字である。さらに投資有価証券評価損約0.86億円が最終利益を押し下げた。厚い現金は安全域の源泉だが、採算の不確かな買収や制作体制の拡張に使われると、会計上の現金残高だけでは価値を守れない。のれんの減損や追加投資負担にも注意が要る。
支配株主と少数株主への還元
創業者側の影響力が強く、意思決定の速度と引き換えに少数株主が余剰資金の用途を選びにくい。増配は始まったが、近年の配当性向はおおむね1〜2割で、大規模な自己株買いもない。将来の内部留保が株主に還る割合を全額にはせず75%に制限した。新経営陣が成長優先を理由に還元を後回しにすれば価値は下がる。
今後の分かれ目
- 2027年以降、企業の実質支払額が増えた上で高専プラスの単体有料契約が毎年200社以上の純増を続けたら
- イベント料金からの振替を除いてプラットフォームの数量を増やし、楽観・やや楽観の確率を上げる。企業の解約率と顧客単価の実証を条件にする。
- 全国40校の学内進路支援システム採用が減少し、就職イベントの参加学生も継続して減ったら
- 高専ネットワークそのものの堀の縮小として、イベント回数・価格と収益率を下方修正し、悲観側を重くする。
- アドウィルを含むWEB事業の営業損失が2期続けて解消せず、案件単価も下落したら
- AIエージェントによる構造的な代替が想定以上と判断し、WEB事業の数量と利益率を引き下げる。改善の確認なしに会社計画の伸びは取り込まない。
- 学校イベントの開催回数が50件前後を保ったまま、実質の出展単価が毎年上がったら
- 他社が再現しにくい値決め力の新しい証拠として、イベントの価格と増分利益率を引き上げる。WEB制作と採用コンサルには適用しない。
- 手元資金を使ってWEB事業の買収を繰り返す一方、配当性向が20%未満に留まったら
- 将来余剰現金の回収可能割合を75%から引き下げ、事業のRONICも慎重に見る。純現金が厚いだけでは割安と判断しない。
- 営業利益率20%超と純利益の安定を達成し、現金を使った増配または発行株数を5%以上減らす自社株買いを実行したら
- 経営の資本配分が改善した証拠として現金の回収可能割合を100%へ見直し、株主に帰属する現在価値を上方修正する。
見ておくもの
- 高専向け主催・受託イベントの年間開催数、平均出展料金、出展企業数と学生参加人数
- 高専プラスの有料契約社数、純増数、解約率、実質単価とイベント料金からの売上振替額
- 学内進路支援システムの導入校数(2026年9月時点40/58校)と高専プラス登録学生14,209人の推移
- 採用コンサルティングの契約案件数・単価、WEB制作の受注件数・営業利益率
- 2027年営業利益3.95億円、2031年営業利益7.13億円の会社計画に対する各年度の進捗
- 現預金、投資有価証券、のれん、M&Aの対価と買収後の営業損益
- 配当性向、株主優待の費用総額、自社株買い、ROEと増分投下資本利益率
倍率と資本コストの決め方
利益と価値の起点は2026年7月期の実績と企業・学校の実際の活動量であり、2026年10月22日の市場株価から将来売上や倍率を逆算していない。外部資料に基づく事実はイベント主催売上10.78億円、高専プラス掲載企業594社、キャリア支援売上13.73億円、WEB事業営業損失0.22億円などである。非開示のコンサル契約数やWEB制作件数は逆算用の仮定で、実際の成約数ではない。中立ではAI代替の工数縮小を数量に、物価と価格競争を単価に反映し、2036年以降の成長率を0%とした。上側のPERはk6.75%とg0%の利益式の上限14.81倍であり、現在や競合のPERは使っていない。余剰現金は留保利益から増える額を各筋書きに明記し、追加の自動留保価値との二重計上を避ける。悲観はfactsの2025年7月期自己資本15.2億円だけにPBR1.04倍を掛け、2036年の積み上がった自己資本21.85億円には掛けない。資産の床は2026年の現預金・有価証券から負債、換金費用を控除した13.50億円であり、のれん0.91億円には換金価値を認めない。発行済と自己株控除数は依頼の基準株数を使い、最新開示との差約300株は軽微と確認した。新リース基準の形式変更は本質利益を変えないため、費用を現在と同じ家賃控除ベースでそろえた。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。普通の事業の7.5%から、循環の穏やかさ0.5ポイントと現金の厚さ0.25ポイントを控除。創業者支配や買収成否の不確実性はシナリオと回収割合に配分し、kには上乗せしない。