結論
ヒューマンホールディングスは、人材派遣を主力に、職業教育、日本語教育、介護、保育まで営む会社である。筆者の結論は「割安」だ。ただし、現在の稼ぎ方を十年間続けられるからではない。事務系の派遣や業務受託はAIエージェントに仕事を奪われると考えても、介護の現場と資格に結び付いた教育には残る価値がある。
2026年3月期の売上高は約1,025億円、営業利益は約36億円だった。売上の約六割を人材関連事業が占めるため、AIによる工数の減少は避けて通れない。一方、介護事業の利用者と単価は伸びており、外国人向け日本語教育も拡大している。主力の縮小を周辺事業がどこまで埋められるかが、この会社の十年を決める。
強みは、学ぶ人と働く人の両方に接点を持つことだ。専門学校、資格講座、ロボット教室、外国人向け教育の基盤は、一朝一夕には作れない。ただし、そのつながりがグループ全体の高い利益率や顧客の囲い込みに結び付いた証拠は乏しく、全社を強い堀のある会社とは評価しない。
もう一つの支えは財務である。純有利子負債は約マイナス198億円だが、受講料の前受金や給与の未払金を伴うため、全額を株主の余剰資金とは扱えない。そこを慎重に区分しても、十年後の利益と株主還元を現在の資本コストで評価した価値は約235億円となる。基準時価総額約167億円に対して約41%上回る。割安という判断は、AIへの楽観ではなく、下振れを相応に認めても残る事業価値によるものだ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、この会社の魅力は単に利益が出ていることではない。人が技能を身に付けること、外国人が日本で学び働くこと、高齢者が介護を受けることは十年後にも必要とされる。こうした需要を支える複数の事業を、長年かけて築いたブランドと拠点で営んでいる点には価値がある。
しかし、需要が残ることと株主に高い利益が残ることは別問題だ。派遣労働の請求単位が人の時間である限り、AIエージェントは顧客の必要工数を減らす。教育でも、講座を配信するだけなら新規参入は容易になっていく。会社が利益を再投資するなら、単なる拠点数の増加でなく、利用者が継続し、値上げを受け入れ、資本コストを超える利益を生む領域に絞る必要がある。
介護と日本語教育は、その候補になる。介護は現場の人員配置と稼働率が利益を決め、日本語教育は学校認可、実際の授業、就労支援が収入を支える。ただし介護は公定価格と賃金負担、日本語教育は在留政策と入学者数の変動に縛られる。広く深い堀があるとまでは言えず、十年を通して平均以上の増分投資利回りを維持する証拠もまだ足りない。
資金の見方も厳しくしたい。純現金の多さは破綻を遠ざけるが、受講料の前受けや職員への支払いを差し引かずに株主の資産とみなせば錯覚になる。将来の買収や設備投資が期待した収益を生まなければ、積み上がった自己資本は株主価値に結び付かない。現在の時価総額に対して安全域があると判断するのは、全額の現金を足しているからではない。人材関連事業の縮小を見込んだ後でも残る利益、限定的な余剰資金、一定の配当還元を合わせると、なお支払価格を上回るからである。
何で稼ぐ会社か
事業の中心はヒューマンリソシアの人材関連サービスである。派遣社員が顧客企業で働いた時間に応じて請求し、給与や社会保険料などを差し引いた差額を稼ぐ。人材派遣だけで年間約504億円の売上があり、DX導入支援、業務受託、人材紹介も手掛ける。国内27拠点、年間取引先5,100社以上、登録者約56万人という営業基盤を持つ。ただし、登録者は実際の年間稼働人数ではない。
この領域で最も怖いのは、顧客企業が人を追加せずに業務を処理できるようになることだ。派遣は工数、業務受託は受託処理量、DX支援は導入案件を収入の源泉とする。顧客の必要人員が減れば、ヒューマン側がAIを使って生産性を上げても、請求できる人数や案件が減りうる。2026年3月期には派遣契約単価が前期比2.7%上がったが、数量の減少を長期にわたり補えるほどの値決め力は確認できない。
教育は、ヒューマンアカデミーを軸とする社会人向け講座、専門教育、児童向けロボット教室、日本語教育、保育施設で構成される。社会人向け講座は受講契約数と受講単価、全日制教育は在校生数と学費、ロボット教室は受講生と本部が受け取る収入によって稼ぐ。全国104の教育拠点や約184万人の累計修了生は認知獲得に役立つが、実際の継続受講率や値上げ後の離脱率は公開情報から確かめられない。
日本語教育は、来日留学生や日本で働く人の日本語能力向上を支える。対面授業、在留資格に関わる学校運営、企業への就労接続は単なるオンライン教材より複雑で、一定の参入障壁がある。一方、介護はヒューマンライフケアが177事業所で展開し、利用者数、稼働率、介護報酬、職員配置によって利益が決まる。保育は74施設、約2,730人の園児を抱え、自治体の給付と地域の定員充足が収益を左右する。
スポーツでは大阪エヴェッサのスポンサー収入、興行、関連商品を得る。ネイル事業ではサロンの施術回数と客単価が収入源となる。どちらも人材や教育ほど大きくないが、現場でサービスを提供する点では事務系のAI代替とは性質が異なる。グループ全体は多角化しているものの、現段階では複数の小さな堀を束ねた会社と見るのが適切だ。
優良さと弱いところ
最大の長所は顧客と受講者への接点の広さである。人材派遣では年間5,100社以上の顧客、教育では多数の資格・専門講座を持ち、教育と就労支援を同じ企業集団で提供できる。外国人の育成から国内での就労、介護施設での採用までつなぐ構想には事業上の合理性がある。しかし、グループ内での送客件数や獲得費用の削減額は開示されておらず、構想をそのまま高い資本効率に読み替えることはできない。
本物の競争上の強みは、むしろ個々の教育分野にある。児童向けロボット教室は全国二千教室超、受講生約2万7千人の基盤を持つ。日本語教師養成では認定校のネットワークと指導実績があり、制度変更への対応も必要になる。こうした部分はブランドと拠点網が効く。しかし、派遣契約や一般的な研修・DX受託は乗り換えの手間が小さく、顧客に大幅な値上げを受け入れさせる力は弱い。
過去十年で売上は着実に伸び、自己資本も増えた。近年の営業利益率は三%台に改善し、ROEもおおむね二桁を確保してきた。ただし、売上に対して営業利益の薄い事業であることは変わらない。教育の全日制部門では在校生減少が業績を傷め、介護では利用者が増えても職員の確保と賃金上昇が利益を圧迫しやすい。
財務の見かけほど自由に使える資金があるわけでもない。2026年3月期末の純現金は約198億円と厚いが、現金預金には前受受講料や事業運営上の支払いに備える部分が含まれる。約65億円を当面の余剰部分とみなし、それ以外は運転資金と固定的な支払義務への備えを優先する。資金繰りが直ちに危うい会社ではないが、現金を丸ごと買収余力や株主還元原資として数えるべきではない。
経営の課題は、新しい領域への投資が既存事業より高い増分利益を生むかどうかだ。ロボット教室と日本語教育には再投資先としての魅力がある一方、人材派遣の拡大だけではAI時代の超過収益を生みにくい。現時点の堀は全社的には普通であり、広がるか狭まるかは事業構成の転換次第である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の人材サービスは大きな市場だが、ヒューマンホールディングスの取り分は小さい。厚生労働省の調査による2024年度の労働者派遣事業の売上高は約9.9兆円であり、同社の直近派遣売上を比べると約0.5%に当たる。競争相手はパーソル、リクルートスタッフィング、スタッフサービスなどである。全国の派遣市場が伸びても、それがそのまま同社の稼働人数増加につながるわけではない。
人手不足は従来、派遣単価を上げる材料だった。しかし今後十年は需要側も変わる。事務作業、書類処理、初級の情報システム開発、問い合わせ対応はAIエージェントが直接処理できるようになる。人材派遣、業務受託、DX導入支援、一般的な研修は、いずれも人月や案件数で売る部分が大きい。中立でもこれらの数量は十年間でおおむね六〜七割程度に縮むと考える。派遣単価の上昇が確認できても、請求時間そのものを維持できる保証はない。
対照的に、介護はサービスを受ける高齢者の身体が現場にある。国内介護保険市場は年間十二兆円規模に達しており、同社の介護売上約129億円は約0.1%にすぎない。ツクイ、ニチイ、SOMPOケアなどとの競争はあるが、全国シェアよりも個々の施設の稼働率と職員確保が勝敗を決める。AIによる記録や配車の効率化は有益でも、入浴、移動、見守りを丸ごと代替することは難しい。一方で介護報酬は公定価格なので、物価三%の上昇をそのまま請求単価に転嫁することはできない。
保育は需要の地理的な偏りが大きい。こども家庭庁の2026年集計では、利用児童数より定員が相当に多く、全国一律の待機児童需要を前提にした増設は危険である。保育施設は人口が増える地域への選別投資と、既存園の充足率改善を中心に考えるべきだ。保育士の賃金上昇も、給付改定が遅れれば収益を削る。
教育では二つの流れがぶつかる。生成AIによって知識を教えること自体の希少性は下がり、単なるオンライン研修の単価は上がりにくい。一方、制度上の資格、対面実習、学校運営、就労につながる日本語教育には残る価値がある。日本学生支援機構の調査では外国人留学生の在籍者数が増えており、国際人教育には追い風がある。ただし在留政策の変更や送り出し国の所得水準によって、学校の入学者数は大きく振れる。
同社が十年で市場シェアを大幅に奪える確証はない。派遣ではむしろシェア横ばいでも市場数量が細ると考え、日本語教育と介護では施設・教室単位の稼働改善と限定的な拠点増を見込む。人材市場全体の名目成長率を全事業に機械的に当てはめないことが、この会社の評価では特に大切だ。
資本政策と M&A
資本配分では、事業の拡大より利益率と現金の使い道を重視する。会社は2026年5月の決算説明資料で「利益率向上と賃金UP」を掲げ、中期経営計画を策定中としていた。数値が明示されている中期目標は、2028年3月期までに賃金を2023年3月期比25%引き上げることだ。売上高、営業利益、ROEについては、策定済みの中期計画として確認できる数値の約束はない。2027年3月期の単年度会社予想は売上高1,060億円、営業利益33.5億円、純利益24.5億円である。
株主還元には具体的な目安がある。会社は連結配当性向30%を基本とし、2026年3月期には創業40周年の記念配当も実施した。2027年3月期には記念配当の反動を除いた普通配当を増やす方針であり、配当を放棄して成長を追う経営ではない。2023年には自己株式の公開買付けで50万株を約4.57億円で取得し、その後は保有自己株式を消却した。これは既存株主の持分を高める判断だったが、十年間の継続的な自社株買いを約束するものではない。
大株主上位十名の合計保有比率は64.23%で、経営への影響力は集中している。少数株主にとっては買収や余剰資金の使途を直接決められない点に注意が要る。ただし支配が強いという理由だけで現金価値を半分にすることはしない。配当と過去の自社株取得は評価しつつ、還元実績が十分厚いわけではないため、将来の余剰現金が株主に帰属する割合は慎重に考える。
事業面では、2026年にAI研究所を設け、AI開発を手掛けるソフィエイトの株式取得を決定した。これは派遣・DX事業の変化に備える合理的な一歩だが、買収対価、投下資本に対する利回り、新製品売上の継続性はまだ評価できない。買収を成功と決め付けず、人件費削減、顧客維持、売上単価の改善という実績が出るかを見たい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
最も評価すべきなのは、教育、人材、介護を同時に持つ事業構成である。人手不足が深まる日本では、専門技術を教え、外国人を受け入れ、働く先を紹介し、さらに高齢者を支える機能が切り離せなくなる。ヒューマンは教育拠点と法人顧客の両方を持ち、競合が個別の市場を取りに行く間に、学習から就労までの接点を増やせる。
現に2026年3月期は、派遣単価の引き上げと介護施設の稼働率改善が営業利益の増加につながった。全日制教育の在校生減少は痛いが、国際人教育と保育が伸びたことは事業構成の変化を示している。派遣労働の数量が減っても、介護と日本語教育が大きく育てば全社の利益を維持できる。介護の職員採用に自社の教育・人材機能を活用できれば、外部の採用会社に支払う費用も抑えられる。
AIエージェントの登場も、すべてが逆風とは限らない。2026年にAI研究所を設け、AIを活用した開発企業の買収を決めたことは、経営が変化を認識している証拠だ。派遣人数の減少を避けることより、少ない社員で質の高いサービスを提供し、成果に応じて収入を得る方向へ移行できれば収益率は上がりうる。もちろん、現時点で新しいAI事業の売上実績が十分開示されていないため、その成功を既成事実にはできない。
株主の側から見ると、継続的な黒字、厚い手元資金、配当性向の目安、過去の自己株式取得が支えになる。競合に比べて地味な会社だが、介護と専門教育で堅実な利益を積み増せれば、現在の時価総額は十年の稼ぐ力を過小評価している。
慎重な見方
最大の欠点は、会社の売上の六割近くがAIによって必要な人数や工数を減らされうる人材関連事業であることだ。顧客が派遣社員を使っていた事務処理をAIエージェントに任せれば、派遣単価を上げても請求できる時間が失われる。DX導入支援やBPOも、顧客の業務がAIに内製化されるほど外部への委託額が減りかねない。人手不足が続くから派遣市場は必ず伸びる、という従来の前提が通用しなくなる。
教育の強みも過大評価できない。ロボット教室の拠点網は立派だが、少子化によって対象となる子供の人数は減る。生成AIで個別指導や教材作成が安くなると、受講料を大きく上げることは難しい。全日制教育は実際に在校生が減っており、教室や講師の固定費を短期間では減らせない。日本語教育は好調でも、留学生の受入政策が変われば収益環境は急変する。
介護にも安心はできない。介護報酬は政府の改定に依存し、職員の賃金が先に上がってもすぐに請求額へ転嫁できるとは限らない。施設の稼働率が低いまま建物の賃料と職員配置を維持すれば、売上減少は利益を大きく傷める。保育も同様で、定員を満たせない地域への出店や、撤退の遅れは資本を浪費する。
純現金約198億円を時価総額と単純比較することも危険だ。顧客から先に預かった受講料や未払給与は、いつかサービス提供や現金支払いが必要になる。経営陣が資金を低採算の買収へ使えば、少数株主が受け取れる価値は減る。AI事業への買収も成果報酬型の収益が立証されておらず、既存の受託開発を別の名前で続けるだけなら、根本的な事業リスクは消えない。
どちらに重みを置いたか
事業の先行きには慎重な見方が優勢である。人材関連事業の請求工数が細ることは中立の数量に織り込んだうえで、転換の遅れ、教育施設の固定費、介護報酬の制約が重なる追加的な失敗にも十分な重みを置く。したがって確率は楽観側22%に対し、やや悲観と悲観を合わせて43%と下方に寄せた。
それでも評価の結論は割安になる。介護・国際人教育の残存需要と、運転資金を差し引いた現金価値を無視する理由はない。中立だけでも十年後の事業価値は一定規模を保ち、好転時の取り分も大きい。下振れの可能性は高いが、その可能性と現在の支払価格は分けて判断すべきである。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 3,734 円387 億円(+ 還元の換算額還元の合計 583 円60 億円)。 今の値に割り戻すと 2,265 円235 億円、今との差 +46.1%、 期待の年率 +11.9%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 9,170 円952 億円 | 1,214 円126 億円 | +570.0% | +23.3% | 727 円75 億円 |
| やや楽観 | 15% | 6,524 円677 億円 | 935 円97 億円 | +381.2% | +18.9% | 1,119 円116 億円 |
| 中立 | 35% | 4,478 円465 億円 | 703 円73 億円 | +234.3% | +14.2% | 1,814 円188 億円 |
| やや悲観 | 27% | 1,314 円136 億円 | 328 円34 億円 | +5.9% | +0.6% | 443 円46 億円 |
| 悲観 | 16% | 1,195 円124 億円 | 145 円15 億円 | −13.6% | −1.5% | 214 円22 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,734 円387 億円 | 583 円60 億円 | +178.5% | +11.9% | 4,317 円448 億円 |
今の株価時価総額 1,550 円161 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 介護と国際教育が主力の縮小を超えて伸びる 利益 62 億円 · PER 14.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 9,170 円952 億円
十年後、人材派遣の稼働人数は今より少ないが、専門性の高いスタッフの配置と単価改定が進み、残った仕事の採算は改善する。DX支援とBPOも従来型の工数を大きく増やさず、顧客の高度な案件を取り込む。ソフィエイトの技術を使う投資は成果を生み、社内の業務効率化が利益を押し上げる。ただし、AI商品の新規販売が成長の主因になるとは見込まない。
成長を引っ張るのは介護と国際人教育である。介護は既存事業所の稼働率改善と選別的な施設増設が重なり、利用実績が大きく増える。日本語教育は留学生の受入れ拡大と学校の運営力向上によって在籍者を増やし、全日制教育も新しい専門分野へ学科を切り替えて赤字を脱する。ロボット教室は国内の少子化をシェア拡大と継続率改善で補う。
高い利益率を維持するには、買収の価格規律と賃金上昇に見合う生産性改善が欠かせない。施設の賃料や教職員の固定費を吸収し、介護・教育の収益改善が全社へ波及する。純利益の拡大に応じて配当を増やしながら余剰現金も積み上がる、かなり理想的な十年になる。
- 人材派遣:数量 9,800(年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計))× 価格 0.07(常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円))→ 売上 661 億円・営業利益 33 億円。稼働人数は98%にとどめ、高度人材への構成転換と単価改定で収益率改善。
- DXソリューション・導入支援:数量 900(年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計))× 価格 0.06(案件一件当たり平均売上(億円))→ 売上 54 億円・営業利益 5 億円。案件数量は横ばい。高付加価値化と内製効率改善が成功する場合。
- 業務受託・BPO:数量 735(年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計))× 価格 0.06(常勤換算一人・年当たり受託売上(億円))→ 売上 46 億円・営業利益 3 億円。処理工数は縮むが行政・高度受託の構成比が上がる。
- 人材紹介・求人関連:数量 747(年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計))× 価格 0.04(成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。紹介決定件数はほぼ横ばい。専門職案件へ移行。
- 社会人教育・資格講座:数量 30,000(年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計))× 価格 0.00(受講・研修契約一件当たり売上(億円))→ 売上 105 億円・営業利益 8 億円。受講件数は横ばい。資格性の高いコースへ構成を転換。
- 全日制専門教育:数量 6,000(年間換算の在校生人数(人年、推計))× 価格 0.01(在校生一人・年当たり学費等売上(億円))→ 売上 73 億円・営業利益 3 億円。在校生を回復させ、校舎集約と学科刷新で黒字化。
- 児童教育・ロボット教室:数量 30,510(ロボット教室等の年間受講生数(人))× 価格 0.00(生徒一人・年当たり会社計上売上(億円))→ 売上 28 億円・営業利益 2 億円。ロボット教室のシェア拡大と本部収入改善。
- 国際人教育・日本語学校:数量 7,500(日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計))× 価格 0.01(在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円))→ 売上 93 億円・営業利益 9 億円。留学生数の増加と高い学校稼働率が定着。
- 保育施設運営:数量 3,276(運営施設に在籍する園児数(人))× 価格 0.04(園児一人・年当たり会社計上収入(億円))→ 売上 117 億円・営業利益 7 億円。需要地域への移転・増設で園児数を二割増加。
- 介護サービス:数量 156,550(年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数))× 価格 0.00(年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円))→ 売上 269 億円・営業利益 22 億円。介護需要と事業所の稼働改善で利用量が大幅増加。
- スポーツ興行・スポンサー:数量 36.6(年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計))× 価格 0.90(興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 4 億円。スポンサー基盤と興行収益を拡大。
- ネイルサロン・美容:数量 96,786(年間サロン利用・施術回数(回))× 価格 0.00(施術一回当たり会社計上平均売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。利用回数と客単価の双方が増加。
倍率:k7.25%、g_long0.5%、moat normalによる超過ROE残存割合1/2を使用。事業純利益は62−130×1.4%=60.18億円、余剰現金を除く事業自己資本は492−130=362億円、事業ROEは16.62%、RONICは11.94%。正当化PER=(1−0.005÷0.1194)÷(0.0725−0.005)≒14.19倍。市場の現行倍率からは導かず、上限そのものを使う。余剰現金130億円の75%を別に加算する。
確率:事務系人材需要が縮小しても、介護拠点の高稼働、日本語学校の大幅拡張、教育ブランドの収益化、固定費の抑制を同時に成功させる強い上振れである。全社営業利益率が過去の最高水準を超えるため、実現確率は7%に限定する。AI事業の売上実績が未開示なので、派遣や受託の数量増加は前提にしない。
やや楽観 15% 事業転換が進み、教育と介護が収益を支える 利益 42 億円 · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 6,524 円677 億円
人材派遣は、事務系の単純業務をAIエージェントが担うようになり、常勤換算の稼働人数が減る。しかし単価改定を通した専門職への移行が進み、売上の減少ほど利益は傷まない。BPOとDX支援も従来型の案件数が減るが、複雑な要件定義や現場での導入支援が残り、高付加価値案件へ人員を絞ることで採算を保つ。
介護ではデイサービスの稼働率改善が続き、採用と職員教育の仕組みが安定する。高齢化に伴う利用回数の増加を取り込み、同時に不採算施設の整理を進める。国際人教育では留学生数が伸び、既存校の定員充足と適度な学費改定によって利益を増やす。全日制教育も赤字が縮まり、社会人教育は資格分野に重点を移すことで利益を維持する。
買収は小型案件に限られ、余剰資金を大きく損なわない。会社全体は急成長企業にはならないものの、売上構成を変えながら利益率を引き上げる。物価上昇による人件費と校舎賃料の増加は残るが、現場の稼働率と管理業務の効率化がその負担を上回る十年になる。
- 人材派遣:数量 8,000(年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計))× 価格 0.07(常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円))→ 売上 532 億円・営業利益 23 億円。派遣数量八割、高単価業務への構成転換。
- DXソリューション・導入支援:数量 720(年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計))× 価格 0.06(案件一件当たり平均売上(億円))→ 売上 43 億円・営業利益 3 億円。案件数は八割だが、複雑な導入案件が残る。
- 業務受託・BPO:数量 600(年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計))× 価格 0.06(常勤換算一人・年当たり受託売上(億円))→ 売上 37 億円・営業利益 2 億円。工数八割、管理効率改善。
- 人材紹介・求人関連:数量 650(年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計))× 価格 0.04(成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 1 億円。採用成約は減るが専門職単価を維持。
- 社会人教育・資格講座:数量 24,600(年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計))× 価格 0.00(受講・研修契約一件当たり売上(億円))→ 売上 85 億円・営業利益 5 億円。研修件数縮小と資格講座への転換。
- 全日制専門教育:数量 5,580(年間換算の在校生人数(人年、推計))× 価格 0.01(在校生一人・年当たり学費等売上(億円))→ 売上 66 億円・営業利益 1 億円。在校生を九割超まで戻し小幅黒字。
- 児童教育・ロボット教室:数量 27,540(ロボット教室等の年間受講生数(人))× 価格 0.00(生徒一人・年当たり会社計上売上(億円))→ 売上 24 億円・営業利益 2 億円。受講生を維持し本部収入を改善。
- 国際人教育・日本語学校:数量 6,500(日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計))× 価格 0.01(在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円))→ 売上 74 億円・営業利益 6 億円。在籍者三割増、学校稼働率上昇。
- 保育施設運営:数量 2,976(運営施設に在籍する園児数(人))× 価格 0.03(園児一人・年当たり会社計上収入(億円))→ 売上 103 億円・営業利益 4 億円。利用需要の強い地域へ集約。
- 介護サービス:数量 144,430(年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数))× 価格 0.00(年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円))→ 売上 237 億円・営業利益 14 億円。利用量四割増と人員配置の最適化。
- スポーツ興行・スポンサー:数量 33.0(年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計))× 価格 0.85(興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円))→ 売上 28 億円・営業利益 3 億円。スポンサーと観客の維持・拡大。
- ネイルサロン・美容:数量 88,370(年間サロン利用・施術回数(回))× 価格 0.00(施術一回当たり会社計上平均売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。客数微増と単価改定。
倍率:事業純利益は42−150×1.4%=39.90億円、余剰現金除外後の自己資本266億円に対するROEは15.0%。k7.25%、moat normalの残存割合1/2からRONIC11.125%、g_long0.5%を使用して正当化PER14.149倍。倍率を現行株価に合わせず、事業純利益の稼ぐ力の式から求める。余剰現金150億円の75%を別計上。
確率:介護稼働率、日本語教育、教育拠点再編の改善が同時に進むが、派遣と受託の稼働数量には縮小圧力が残る。会社の既存事業と開示された改善策に沿う上振れである一方、利益率の安定的な上昇を必要とするため15%とした。
中立 35% 事務系派遣は縮小し、介護と日本語教育が穴を埋める 利益 27 億円 · PER 14.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,478 円465 億円
人材派遣では事務処理の自動化が当たり前になり、同社の常勤換算稼働人数は十年で約三割減る。派遣単価の改定と専門性の高い人材への移行が続いても、売上は大きく伸びない。DX導入支援とBPOも顧客の内製化が進み、必要な工数が減る。一般研修ではAI教材による低価格化が進み、受講契約数が細る。
介護は高齢化を背景に利用量が増える。施設の稼働率を改善し、新設は慎重に行うことで、介護利益が現在より拡大する。ただし介護報酬の上昇は物価三%に届かず、人件費の増加を完全には転嫁できない。日本語教育は留学生の増加に合わせて在籍者を増やし、教育事業を支える。全日制教育は在籍者減少と校舎費用が響き、小幅な赤字にとどまる。
ロボット教室と保育は少子化の影響を受けるが、既存拠点の整理と地域別の需要選別によって大幅な利益悪化は避ける。買収は小規模で、AIへの対応費用を負担しながらも財務の健全性を維持する。十年後の売上は名目では現在を少し上回るが、利益の柱は人材派遣から介護・国際教育へ少しずつ移っている。
- 人材派遣:数量 6,800(年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計))× 価格 0.07(常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円))→ 売上 445 億円・営業利益 16 億円。AIエージェント代替で数量0.68倍、請求単価は約1.30倍。
- DXソリューション・導入支援:数量 576(年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計))× 価格 0.06(案件一件当たり平均売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 2 億円。顧客内製化で案件数量0.64倍、単価約1.10倍。
- 業務受託・BPO:数量 488(年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計))× 価格 0.06(常勤換算一人・年当たり受託売上(億円))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円。事務処理自動化で数量0.65倍、価格は約1.28倍。
- 人材紹介・求人関連:数量 537(年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計))× 価格 0.03(成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。直接マッチングの普及で件数0.716倍。
- 社会人教育・資格講座:数量 21,000(年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計))× 価格 0.00(受講・研修契約一件当たり売上(億円))→ 売上 71 億円・営業利益 2 億円。一般研修のAI代替で契約件数0.70倍。
- 全日制専門教育:数量 4,980(年間換算の在校生人数(人年、推計))× 価格 0.01(在校生一人・年当たり学費等売上(億円))→ 売上 55 億円・営業利益 0 億円。少子化で生徒数減少、固定費が残り小幅赤字。
- 児童教育・ロボット教室:数量 23,760(ロボット教室等の年間受講生数(人))× 価格 0.00(生徒一人・年当たり会社計上売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 1 億円。受講生0.88倍、教材構成と本部収入を見直す。
- 国際人教育・日本語学校:数量 5,800(日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計))× 価格 0.01(在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円))→ 売上 62 億円・営業利益 4 億円。在籍者1.16倍、学費と稼働率が改善。
- 保育施設運営:数量 2,703(運営施設に在籍する園児数(人))× 価格 0.03(園児一人・年当たり会社計上収入(億円))→ 売上 90 億円・営業利益 2 億円。全国人口減少と拠点選別が相殺し、園児数はほぼ横ばい。
- 介護サービス:数量 131,300(年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数))× 価格 0.00(年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円))→ 売上 205 億円・営業利益 9 億円。利用量1.30倍、介護報酬単価は約1.22倍で物価に届かない。
- スポーツ興行・スポンサー:数量 30.6(年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計))× 価格 0.80(興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円))→ 売上 25 億円・営業利益 2 億円。興行機会横ばい、物価に沿う関連収入の増加。
- ネイルサロン・美容:数量 79,954(年間サロン利用・施術回数(回))× 価格 0.00(施術一回当たり会社計上平均売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。施術回数0.95倍、客単価は約1.30倍。
倍率:事業純利益は27−155×1.4%=24.83億円。余剰現金を除いた事業自己資本は366−155=211億円で、事業ROEは11.77%。k7.25%、超過ROEの残存割合1/2でRONIC9.51%となり、g_long0.5%を用いる正当化PERは14.04倍。十年後の成長を過度に見積もらず、現在や同業の市場倍率は根拠としない。余剰現金155億円は75%だけ別に加える。
確率:AIエージェントが事務系派遣・業務受託・研修の人員や案件数を減らす一方、介護需要と外国人教育の拡大が続くという中心的な見通し。工数型の数量を十年で0.64〜0.72倍程度まで下げ、価格上昇は物価並み以下にとどめる。好調な介護にも報酬改定と職員不足の制約を入れる。
やや悲観 27% 事務系業務の縮小に教育施設の低稼働が重なる 利益 8 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,314 円136 億円
事務系派遣では顧客が自らAIエージェントを管理するようになり、外部スタッフを必要とする時間が大幅に減る。DX開発も従来の受託作業が単価競争に巻き込まれ、事務処理のBPOは案件を失う。AI導入支援という新しい看板を掲げても、従来型の請求工数の減少を十分には埋められない。派遣人数を減らす際の採用・配置調整にも費用がかかり、利益率は低下する。
教育では全日制の在校生がさらに減り、社会人向け講座は安価なAI教材との競争で縮小する。ロボット教室も児童数の減少が響く。日本語教育は需要が残るものの、入国・在留政策の変化で新規在籍者の伸びが止まる。保育は地域によって定員割れが広がり、園舎の賃料と職員配置が負担になる。
介護は高齢化による需要が続くが、介護報酬改定が賃金上昇に追い付かず、既存事業所の利益率を保てない。会社は投資と配当を縮小して現金を守るものの、不採算教室や施設の閉鎖には一時費用がかかる。事業を継続しながらも資本効率が著しく低下し、株主に帰属する利益が細る十年となる。
- 人材派遣:数量 5,000(年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計))× 価格 0.06(常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円))→ 売上 297 億円・営業利益 7 億円。派遣稼働人数が半減、単価上昇も限定的。
- DXソリューション・導入支援:数量 405(年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計))× 価格 0.05(案件一件当たり平均売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 0 億円。受託案件数0.45倍、値決め力を喪失。
- 業務受託・BPO:数量 360(年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計))× 価格 0.05(常勤換算一人・年当たり受託売上(億円))→ 売上 19 億円・営業利益 0 億円。自動化で必要工数0.48倍。
- 人材紹介・求人関連:数量 395(年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計))× 価格 0.03(成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。採用企業の直接マッチングが普及。
- 社会人教育・資格講座:数量 15,000(年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計))× 価格 0.00(受講・研修契約一件当たり売上(億円))→ 売上 44 億円・営業利益 0 億円。一般研修の低価格化で講座契約半減。
- 全日制専門教育:数量 4,200(年間換算の在校生人数(人年、推計))× 価格 0.01(在校生一人・年当たり学費等売上(億円))→ 売上 42 億円・営業利益 −1 億円。生徒数減少と校舎固定費が利益を圧迫。
- 児童教育・ロボット教室:数量 18,900(ロボット教室等の年間受講生数(人))× 価格 0.00(生徒一人・年当たり会社計上売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 0 億円。少子化と競争で受講生0.7倍。
- 国際人教育・日本語学校:数量 4,100(日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計))× 価格 0.01(在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円))→ 売上 38 億円・営業利益 1 億円。留学生流入鈍化、学費値上げ限定。
- 保育施設運営:数量 2,375(運営施設に在籍する園児数(人))× 価格 0.03(園児一人・年当たり会社計上収入(億円))→ 売上 70 億円・営業利益 0 億円。定員充足率が悪化、利益消失。
- 介護サービス:数量 111,100(年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数))× 価格 0.00(年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円))→ 売上 154 億円・営業利益 2 億円。利用量は増えるが人件費が報酬改定を上回る。
- スポーツ興行・スポンサー:数量 24.9(年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計))× 価格 0.66(興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 0 億円。スポンサー収入と興行需要が弱含む。
- ネイルサロン・美容:数量 60,597(年間サロン利用・施術回数(回))× 価格 0.00(施術一回当たり会社計上平均売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。施術件数が約三割減る。
倍率:余剰現金85億円の利息相当1.19億円を純利益7.5億円から除くと事業純利益6.31億円。事業自己資本221億円に対するROEは約2.86%でk7.25%を下回るため、長期の成長に超過価値を認めない。1÷kの13.79倍を上限とし、構造的な採算悪化と利益変動を考慮して11.5倍とする。余剰現金は85億円の75%を別に計上する。
確率:下に寄せる理由:会社の主力である人材派遣・DX・BPOはAIエージェントによって顧客内製化が進む可能性が高い。中立にも数量の縮小を入れたうえで、この筋書きでは顧客の直接契約への移行や校舎・介護施設の固定費負担が追加的に顕在化する。複数の事業で低稼働が重なるため27%とした。
悲観 16% 派遣の競争力を失い、教育・介護の撤退費用も重なる 利益 −13 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,195 円124 億円
企業がAIエージェントを標準的な業務手段として採用し、事務系派遣、受託処理、初級のDX開発に外部人員を使わなくなる。派遣稼働人数は現在の四割を下回り、紹介サービスも顧客が直接マッチングする仕組みに置き換わる。会社がAI開発企業の買収で対応を試みても、顧客の取引額の減少は止まらず、取得した事業の収益性にも問題が生じる。
教育では少子化と安価なAI教材により受講者が減り、全日制校や講座拠点の統廃合が遅れる。日本語学校も政策変更により新規入学者を失い、施設の費用が残る。介護では職員不足によって事業所を十分稼働させられず、介護報酬も人件費上昇を補えない。保育は児童数減少で定員割れが広がり、赤字施設の閉鎖費用が発生する。
会社は不採算事業の撤退と資産売却を迫られる。利益剰余金の一部は減損や事業再編費用で失われ、配当も早い段階で縮小する。教育と介護の需要自体は消えないが、ヒューマンがそれを利益に変える能力を大きく損なう。最後に残るのは将来の高い利益ではなく、債務、前受金、撤退費用を差し引いた売却可能資産である。
- 人材派遣:数量 3,600(年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計))× 価格 0.05(常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円))→ 売上 196 億円・営業利益 1 億円。派遣数量0.36倍、残存業務も価格競争。
- DXソリューション・導入支援:数量 243(年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計))× 価格 0.04(案件一件当たり平均売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 −1 億円。案件数0.27倍、受託開発の採算悪化。
- 業務受託・BPO:数量 233(年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計))× 価格 0.05(常勤換算一人・年当たり受託売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。必要工数0.31倍、単価上昇なし。
- 人材紹介・求人関連:数量 264(年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計))× 価格 0.03(成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。直接マッチングが仲介手数料を侵食。
- 社会人教育・資格講座:数量 9,900(年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計))× 価格 0.00(受講・研修契約一件当たり売上(億円))→ 売上 26 億円・営業利益 −1 億円。研修・講座需要が現在の三分の一程度に縮小。
- 全日制専門教育:数量 3,480(年間換算の在校生人数(人年、推計))× 価格 0.01(在校生一人・年当たり学費等売上(億円))→ 売上 32 億円・営業利益 −4 億円。在校生減少、校舎・講師固定費が残存。
- 児童教育・ロボット教室:数量 14,040(ロボット教室等の年間受講生数(人))× 価格 0.00(生徒一人・年当たり会社計上売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。児童数減少と教育サービスの低価格化。
- 国際人教育・日本語学校:数量 2,750(日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計))× 価格 0.01(在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 0 億円。留学生受入制限で在籍者が大幅減少。
- 保育施設運営:数量 2,048(運営施設に在籍する園児数(人))× 価格 0.03(園児一人・年当たり会社計上収入(億円))→ 売上 55 億円・営業利益 −3 億円。定員割れと職員配置義務で赤字。
- 介護サービス:数量 85,850(年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数))× 価格 0.00(年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円))→ 売上 107 億円・営業利益 −2 億円。職員不足と公定報酬の抑制が重なる。
- スポーツ興行・スポンサー:数量 18.0(年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計))× 価格 0.58(興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 −1 億円。スポンサー収入減と興行費用の固定化。
- ネイルサロン・美容:数量 47,131(年間サロン利用・施術回数(回))× 価格 0.00(施術一回当たり会社計上平均売上(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。利用回数と客単価がともに悪化。
倍率:事業が営業赤字・純損失となるため永続利益のPERは使わない。今の自己資本195.3億円を基準とし、純現金のうち前受受講料や給与支払いに必要な部分を除き、売掛金の回収可能額、換金可能な設備等を保守的に加える。のれん約0.45億円、ソフトウェア約12.5億円、繰延税金資産約7.35億円は清算価値を原則認めず、賃借施設の原状回復や撤退費用も控除した売却可能資産の概算124億円を床とした。124÷195.3≒0.635倍で、過去の市場PBRは参照しない。余剰現金30億円はこの床に含め、再加算しない。
確率:下に寄せる理由:同社は人月で売る人材関連事業が大きいだけでなく、全日制教育、保育、介護で教室・施設と人員配置の固定費を抱える。AIによる追加的な直接取引化と、施設の低稼働、介護報酬の不足、買収失敗が重なる構造的な負けを16%とした。破綻を必須条件とせず、残る現金と売却可能資産を価値の床として考える。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
人材派遣
ヒューマンリソシアが事務職、専門職、IT関連などの派遣スタッフを企業に供給する。派遣稼働人数と年間請求額の積が売上の源泉となる。
| 数量年間派遣稼働者の常勤換算人数(人年、推計) | 価格常勤換算一人・年当たり派遣請求売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10,000 | 0.05 | 504 | 21 |
| 10 年後 中立 | 6,800 | 0.07 | 445 | 16 |
取り方:会社の2026年3月期の人材派遣売上503.63億円を使用。厚生労働省の派遣事業統計にある派遣料金の日額約2.63万円(税込)を税抜換算し、年間約210日の稼働を想定すると、常勤換算一人当たり約500万円となる。この単価で売上から稼働人数約1万人を逆算した推計であり、会社公表の登録者約56万人とは異なる。直近の契約単価上昇実績は2.7%。個別営業利益は非開示のため、人材関連事業の利益を事業特性に応じて配分した分析上の概算。AIエージェント代替の人月・工数型に分類。
DXソリューション・導入支援
企業へのRPA、AI、システム開発、業務改善の導入・運用支援を提供する。多くは案件や開発工数に連動する受託型の収益である。
| 数量年間DX導入・開発案件の換算件数(件、推計) | 価格案件一件当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 900 | 0.05 | 47 | 3 |
| 10 年後 中立 | 576 | 0.06 | 33 | 2 |
取り方:会社開示のDXソリューション売上47.03億円を起点に、年間900件の導入・開発案件に換算した。実際の案件数や平均契約額は非開示であり、五百万円程度の案件と大規模案件を合わせた換算件数にすぎない。会社が示すRPA導入支援の累計千社超は年間案件数ではない。営業利益は人材部門合計からの推計。AIエージェント代替の人月・工数型に分類し、AI開発企業買収を理由に数量成長を先取りしない。
業務受託・BPO
行政や企業から事務処理、運営、各種バックオフィス業務を受託する。業務量と担当人員に依存する部分が大きい。
| 数量年間受託業務に従事する常勤換算人員(人年、推計) | 価格常勤換算一人・年当たり受託売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 750 | 0.05 | 35 | 1 |
| 10 年後 中立 | 488 | 0.06 | 29 | 1 |
取り方:2026年3月期の業務受託売上34.77億円を、常勤換算750人の運営に相当すると仮定して単価を算出。稼働人数と工数別売上は会社非開示である。行政受託増により直近期の売上は伸びたが、これを十年先の数量増加には延長しない。営業利益は人材関連事業の開示利益からの配賦推計。AIエージェント代替の人月・工数型。
人材紹介・求人関連
人材紹介の成約手数料と付帯する求人・情報サービスの売上である。採用決定件数や利用企業からの収入に連動する。
| 数量年間人材紹介成約・関連サービス換算件数(件、推計) | 価格成約・関連サービス換算一件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 750 | 0.03 | 21 | 1 |
| 10 年後 中立 | 537 | 0.03 | 18 | 1 |
取り方:人材紹介16.91億円と付帯・求人関連約4.23億円をまとめた。紹介手数料が年収の約30〜35%となる業界慣行を参照し、案件構成の違いをならして年間750件の成約換算とした推計であり、正確な成約件数の開示ではない。営業利益も分析上の配分。求人企業と求職者の直接マッチングが進むAI代替リスクを数量に入れる。
社会人教育・資格講座
職業資格、リスキリング、各種専門講座、法人研修などを販売する。受講契約数とコース当たりの受講料が収入を決める。
| 数量年間社会人講座・研修の契約換算件数(件、推計) | 価格受講・研修契約一件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 30,000 | 0.00 | 79 | 4 |
| 10 年後 中立 | 21,000 | 0.00 | 71 | 2 |
取り方:会社開示の社会人教育売上78.70億円から、短期・長期講座や企業研修を混合した年間3万件の契約換算を仮定。単価は約26.2万円で、実際の受講人数や個別授業料の会社開示ではない。営業利益は教育セグメント合計からの配賦推計。一般研修・講座はAIエージェント代替の人月・工数型に準じて扱い、学校認可を伴う資格教育の持続性は個別に考慮する。
全日制専門教育
専門課程や全日制スクールで学費を得る。校舎・教職員の固定費があるため在籍者数の減少に利益が敏感である。
| 数量年間換算の在校生人数(人年、推計) | 価格在校生一人・年当たり学費等売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,000 | 0.01 | 53 | −1 |
| 10 年後 中立 | 4,980 | 0.01 | 55 | 0 |
取り方:全日制教育の2026年3月期売上53.02億円と前年比18%減という開示を起点に、年間在校生約6千人と学費等約88.4万円を試算した。実際の在籍者数や学費の内訳は非開示。教育部門の減益要因であることを踏まえ、個別営業損失を推計配賦した。AIによる教材の低価格化に加え、少子化と校舎固定費を考慮する。
児童教育・ロボット教室
ヒューマンアカデミージュニアのロボット教室などを展開する。生徒数と本部が受け取る教材・教室関連収入が収益を決める。
| 数量ロボット教室等の年間受講生数(人) | 価格生徒一人・年当たり会社計上売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 27,000 | 0.00 | 17 | 1 |
| 10 年後 中立 | 23,760 | 0.00 | 20 | 1 |
取り方:会社が公表するロボット教室の受講生約2万7千人、全国2千超の教室を数量の代理指標とし、児童教育全体の売上17.26億円を一人当たり会社計上売上に換算した。フランチャイズ教室が受け取る総授業料とは一致しないため、価格欄は本部の売上単価である。営業利益は教育事業合計からの配賦推計。物理的な教室網には堀があるが、教材制作・講師補助にはAI代替が及ぶ。
国際人教育・日本語学校
来日外国人向けの日本語教育と関連サービスを行う。主な収益源は実際の在籍者数と学費である。
| 数量日本語学校等の年間在籍者換算人数(人年、推計) | 価格在籍者一人・年当たり授業料等売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 5,000 | 0.01 | 42 | 1 |
| 10 年後 中立 | 5,800 | 0.01 | 62 | 4 |
取り方:国際人教育売上41.80億円を年間在籍者約5千人、学費等約83.6万円に換算した推計。会社はこの分類に留学関連なども含めるため、全額を学校の授業料とみなすものではない。JASSOが公表する日本語教育機関在籍者約14万人を比較対象にすると、推計人数ベースで市場の約3〜4%に相当するが、公表シェアではない。営業利益は配賦推計。学校運営・認定対応・対面授業は一般的な研修受託とは区別する。
保育施設運営
認可保育園、企業内保育施設などを運営し、園児数と一人当たり給付・利用料に応じて収入を得る。
| 数量運営施設に在籍する園児数(人) | 価格園児一人・年当たり会社計上収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,730 | 0.03 | 73 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,703 | 0.03 | 90 | 2 |
取り方:会社が公表する74施設、園児約2,730人を数量とし、保育売上72.82億円から園児一人当たり約267万円を算出した。価格は家庭の自己負担だけでなく自治体からの給付・運営受託収入を含む。営業利益は教育部門合計からの配賦推計。保育は身体と施設を要するためAIエージェントによる直接代替には分類しない。
介護サービス
デイサービス、グループホーム、居宅・訪問介護などを営む。利用人数、サービス利用回数、施設稼働率、介護報酬が売上と利益の決め手となる。
| 数量年間延べ介護サービス利用者数(会社公表の延べ人数) | 価格年間延べ利用者一人当たり会社計上収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 101,000 | 0.00 | 129 | 3 |
| 10 年後 中立 | 131,300 | 0.00 | 205 | 9 |
取り方:会社が公表する177事業所と2025年度の年間延べ利用者約10万1千人を数量に採用し、介護売上129.41億円を除して収入を算出。これは延べ利用者一単位当たりの会計上の売上で、個々の利用者の年間自己負担額でも介護報酬の日額でもない。営業利益3.17億円は介護セグメントの開示実績。公定料金であるため将来の単価上昇は物価率を下回らせる。身体介助の現場部分はAI直接代替の対象外。
スポーツ興行・スポンサー
大阪エヴェッサなどのスポーツ事業でスポンサー、入場券、物販などの収入を得る。興行機会と一興行当たりの関連売上に依存する。
| 数量年間ホーム興行等の換算開催数(試合換算、推計) | 価格興行一回当たりスポンサー等を含む関連売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 30.0 | 0.60 | 18 | 2 |
| 10 年後 中立 | 30.6 | 0.80 | 25 | 2 |
取り方:スポーツ事業の開示売上17.96億円を、年間30試合相当の興行換算で表現した分析上の数量。価格はチケットの一枚単価ではなくスポンサー、配信、物販を含む年間収入の試合換算である。会社は直近期にスポンサー収入の増加と興行収益の改善を開示。個別営業利益はその他セグメントから配賦推計。物理的な興行はAIエージェントの直接代替には当てはまらない。
ネイルサロン・美容
ネイルサロン運営と美容関連商材の販売を行う。年間施術回数と平均客単価が売上の基本となる。
| 数量年間サロン利用・施術回数(回) | 価格施術一回当たり会社計上平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 84,162 | 0.00 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 79,954 | 0.00 | 10 | 1 |
取り方:会社が示す年間サロン利用件数約84,162回を数量に採用し、ネイル事業売上7.76億円から一回当たり約9,226円を算出した。関連商品収入などを含むため施術メニューだけの平均価格とは異なる。営業利益はその他セグメント合計からの配賦推計。対面での施術はAIエージェントによる直接代替には当てはまらない。
リスクと懸念
AIエージェント代替による派遣工数の消失
同社の売上の中心は、企業が外部の人に仕事を依頼することで成立している。AIエージェントが書類処理、情報整理、事務作業、初級開発を代行すれば、派遣社員の人数や請求時間が減る。派遣契約単価の値上げが続いても、利用工数の減少を上回れなければ売上と利益は縮む。中立ですでに数量の縮小を入れており、これを資本コストに重ねていない。
AIによる受託・研修・人材紹介の中抜き
DX開発やBPO、一般研修は、顧客が自社のAIを使うほど外部委託を減らしやすい。人材紹介も採用企業と求職者が直接結び付けば仲介の手数料を失う。2026年のAI研究所設立とソフィエイト買収は対応策だが、AIエージェントの独自商品が継続売上を生んだと確認できる開示はまだ不足している。
全日制教育の在校生減少と固定費
全日制教育の売上は2026年3月期に前年比約18%減少した。学校は生徒が減っても校舎、設備、教職員を直ちに減らせないため、売上の減少が利益を大きく傷める。新講座への転換や校舎集約が遅れれば、教育ブランドがあっても資本を稼げない。減損が必要となる場合は、会計上の自己資本だけでなく将来の現金支出にも注意する。
介護報酬と人件費の不一致
介護は高齢者が増えても価格を自由に決められない。公定の介護報酬改定が人件費や施設賃料の上昇に追い付かないと、利用量が増えても利益は減る。職員不足により定員どおり受け入れられない場合には、施設の固定費を十分に吸収できない。介護をAIに代替されにくい領域と見ることと、高収益事業と判断することは別である。
外国人留学生と日本語教育の政策リスク
国際人教育は留学生数の増加に支えられているが、在留資格審査、入学者受入れ政策、送り出し国の景気や為替に影響される。規制対応は学校運営の参入障壁になる反面、制度が変われば既存校の在籍者数も減りうる。日本語を教える需要の長期的な存在と、ヒューマンの学校が高い稼働率を維持することは同じではない。
厚い純現金と自由に使える現金の違い
純現金は約198億円あるが、事業は前受受講料、未払給与、営業債権、施設賃料などを伴う。帳簿にある現金すべてを配当に回せば、授業の提供や人員の支払いに支障が出る。買収に資金を使う場合も、対象企業の収益が資本コストに届かなければ株主価値は増えない。余剰現金の認定額と、実際に株主へ戻る割合は分けて評価する必要がある。
保育・介護・教育拠点のリース固定費
学校、保育園、介護施設、サロンなどは賃借物件を多く使う。売上が下がっても家賃や原状回復の義務は残り、銀行借入が少なくても固定的な支払負担がある。2028年3月期から日本の新リース会計基準の適用対象となり、使用権資産とリース負債が貸借対照表に現れる見込みだが、会計表示が変わるだけで本来の経済負担が新しく発生するわけではない。
今後の分かれ目
- 派遣契約単価は上昇しているのに、常勤換算稼働人数が継続して減ったら
- AIエージェント代替による数量減少が進んでいると考える。値上げ率だけで業績を判断せず、人材関連の売上と粗利の推移から、中立より悲観寄りの数量を検討する。
- ヒューマンリソシアがAIエージェントを成果報酬型で販売し、継続売上や契約額を公表したら
- 既存の工数売上と区別できる部分だけAI代替の影響を緩める。導入支援の受託売上をAI製品の売上と混同せず、契約継続率と顧客当たり利益を確認する。
- 介護事業の稼働率が改善し、報酬改定後も営業利益率が継続して上がったら
- 介護の増分投資が資本コストを超えている証拠になる。新規事業所の開設費用と定員充足率も併せて確認し、中立の介護利益を引き上げる余地を検討する。
- 全日制教育の在校生減少が止まり、校舎統合後に部門の採算が改善したら
- 教育の固定費問題が解消へ向かっていると見る。単なる授業料引き上げではなく、実際の在校生数と校舎当たり利益の回復を根拠に上方修正する。
- 日本語学校の在籍者数が継続して伸び、学費を上げても定員充足率が維持されたら
- 国際人教育のブランドと認定・運営基盤に値決め力がある可能性が高まる。学校別の在籍者数と営業利益を確認し、同領域に限って堀の評価を強める。
- 余剰資金を使った買収が続く一方、営業キャッシュフローや一株当たり利益が改善しなかったら
- 資本配分の評価を下げ、将来の現金が株主に戻る割合を再検討する。買収した事業の売上増加だけでなく、取得対価を上回る増分利益が生じたかを見る。
- 保育園や介護施設の定員充足率が悪化し、賃貸契約の解消費用や減損が増えたら
- 店舗・施設の固定費リスクが顕在化したと判断する。楽観的な拠点増の前提を削り、やや悲観・悲観の利益率と売却可能資産の床を再検証する。
見ておくもの
- 人材派遣の常勤換算稼働人数、請求単価改定率、稼働率、粗利益率
- DX・BPOの売上構成、AIエージェント製品の継続売上高と契約件数
- 2026年のソフィエイト株式取得後の投下資本、買収後収益、減損の有無
- 全日制教育の在校生数、拠点数、部門採算
- 児童ロボット教室の受講生数、稼働教室数、継続率
- 国際人教育の在籍者数、日本語教育機関の認定・制度変更、学校別収益
- 介護事業所数、デイサービス稼働率、利用者数、介護報酬改定、職員採用数
- 保育施設の定員充足率、園児数と自治体別の保育需要
- 事業別の増分営業利益と設備投資、減価償却費
- 配当性向、自社株式の取得・消却、純現金と前受金・未払金の推移
- 策定中の中期経営計画における営業利益率・ROE・投資回収目標の数値開示
倍率と資本コストの決め方
基準株価と株数から算出した現在の時価総額約166.67億円は、五つの事業シナリオと正当化倍率を決める最後の段階まで参照していない。人材派遣、DX、BPO、研修は数量の減少と名目単価を分離し、介護・保育・日本語教育は実際の利用者や在籍者を単位として売上を推定した。将来の事業利益は余剰現金の税後利息を除き、k7.25%、長期成長率0.5%、増分資本収益率から算出した正当化PERで測った。AI代替は十年間の数量と十年後以降のgに反映し、kの寿命には重ねていない。十年後の五つの時価総額と期間還元を割り引いた加重価値は約235.07億円で、時価総額との差は約+41.0%となる。これは予想株価への寄せではなく、数量、単価、利益、還元、資産の制約から生じた差である。悲観の時価総額約124億円は換金可能資産の床を下回らず、配当込みでも現在の時価総額を下回る。2028年3月期以降の新リース会計基準による負債表示の変化は、将来利益の経済的負担と二重計上せず、家賃を営業費用に含めた同一の基準で比較している。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%を合計した基本7.5%に、事業の循環・価格支配力・財務・寿命から求めたquality−0.25%を加えた。AI代替やM&Aの固有リスクをさらに資本コストへ上乗せせず、数量と筋書きで評価する。
同じ業種(サービス業)の AI 分析
読んだ資料
- ヒューマンホールディングス 2026年3月期決算短信(連結業績、セグメント、財務、継続企業の前提)
- ヒューマンホールディングス 2026年3月期決算説明会資料(2026年5月21日、事業別の変動、価格改定、中期方針、配当)
- ヒューマンホールディングス 事業紹介(2026年3月末の拠点数、顧客数、教育・介護・保育の数量)
- ヒューマンホールディングス 2026年3月期有価証券報告書(大株主、配当政策、資産負債)
- 厚生労働省 労働者派遣事業報告の集計結果(派遣市場売上高、派遣料金)
- 厚生労働省 介護保険事業状況等の統計
- 日本学生支援機構 2025年度外国人留学生在籍状況調査(2026年5月29日公表)
- こども家庭庁 令和8年保育所等関連状況取りまとめ
- ヒューマンホールディングス ソフィエイト株式取得決定(2026年9月11日)
- ヒューマンアカデミージュニア ロボット教室の全国教室・受講生規模