結論
サイバー・バズは、企業とインフルエンサーを結び、SNS広告の制作・運用を請け負う会社である。長く持つ株主の立場では、足元の黒字回復を認めても、現在の時価総額には十分な安全域がなく、割高と判断する。顧客の広告予算がSNSへ移る流れは続くが、その予算から代理店が受け取れる取り分まで増えるとは限らない。広告制作、運用、報告の多くはAIエージェントが代行できるため、仕事の量と単価を別々に検証する必要がある。
2024年9月期には広告取引先の債権回収問題で巨額の貸倒費用を計上し、自己資本が急減した。2025年9月期には営業黒字へ戻り、2026年10月には2026年9月期の売上予想86億円、営業利益予想6.68億円への上方修正も示された。ただし利益の上振れには戦略投資の翌期への繰り延べが一部含まれる。回復の速さと財務が堅いことは同義ではない。
さらに、自治体のふるさと納税運営を支援するアースコーポレーションと地域商社ワンエイトの取得を決めた。取引実行は2026年10月31日の予定であり、現時点の実績に買収先の売上を混ぜてはいない。地域事業を新しい柱にできれば上振れするが、買収先の足元の利益は薄く、案件ごとの人手と資金負担が増える。
10年後に残る強みは、有力クリエイターとの関係とファンが料金を払うWithLIVEにある。一方、主力のSNS広告は顧客の内製化とAI代替を受けやすい。大株主への支配集中と配当実績の乏しさも、利益が少数株主の手に戻る確度を下げる。事業が存続することと、今の値段を正当化することは分けて考えたい。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社の最も大きな問題は「広告市場が伸びるか」ではなく、「その成長を所有者の現金として受け取れるか」である。インフルエンサー網の構築と長年の取引関係には価値がある。だが、広告主が直接クリエイターに発注し、SNS自体が広告を最適化するようになれば、仲介会社の働きは簡単に代わりうる。顧客が切り替えをためらうほどの仕組みと、値上げを認めた証拠がない以上、過去の売上成長を将来へ引き伸ばせない。
WithLIVEは少し違う。ファンが実在の出演者と話すために払う代金には、単なる画面の操作を超える価値がある。出演者との契約が続けば、小さくても独特の収益源になりうる。しかし出演者の人気は変動し、長期の独占契約を保証する数字も見当たらない。広告の弱い堀を補えるかどうかは、継続契約と一人当たり利用回数を開示してから評価したい。
株主の立場では、稼いだ利益の再投資先を厳しく問う。2024年の貸倒損失は、企業がいったん得た現金を失うとどれほどの年月を費やすかを教えた。2026年の地域企業買収も、売上を増やすことより取得資金に対していくらの自由現金が残るかが本質である。現金の使い道を少数株主が決められず、配当の約束も乏しいため、会計上の自己資本をそのまま株主価値に足し切るのは危うい。
本物の堀があるなら、将来の利益に相応の値段を払える。しかし今は、AIへの適応、買収の実績、与信管理という重要な問いの答えがまだ揃わない。事業が成長する可能性を評価することと、高い確信度で保有を続けられるかは別である。安全域を優先し、回復途上の利益を永久に続く収益とは見なさない。
何で稼ぐ会社か
収益の柱はSMM、すなわちSNSを使った企業の販促支援である。2025年9月期の売上は約66億円で、全社の9割強を占める。NINARY、Ripre、Be One Agentを通じたインフルエンサーの起用で19.44億円、企業の公式アカウントの投稿企画と運用で5.42億円を稼いだ。顧客は主に化粧品、食品、日用品などのブランド企業であり、広告効果の改善に応じて新たな案件を獲得する。
SNS広告は33.94億円を売り上げ、最大の商品である。広告主から予算を受け、TikTok、Instagram、YouTubeなどで動画や広告を配信する。自社で企画する「to buy」「MYPE」も使うが、SNSそのものと配信の仕組みは外部の大手プラットフォームが握る。インターネット広告販売の7.29億円は他社広告枠の販売が主体で、媒体費を含む売上と自社の手数料収入を同じ強さの収益と見ない方がよい。
SNS公式アカウントの運用はおおむね半年以上の契約を結び、月額で仕事を請ける。継続契約は一見安定しているが、投稿作成や効果分析はAIエージェントに置き換えられやすい。NINARYなどの登録者網は実在のクリエイターを探す手間を減らすものの、広告主が直接発注する道も広がる。顧客が費用を払うのはプラットフォームへの参加資格ではなく、商品が売れる成果である。
子会社WithLIVEは、ファンがアーティストやタレントとのオンラインでの交流機会にお金を払うサービスで、2025年9月期の売上は約4.25億円だった。実際の出演者とファンの関係は広告運用とは違いAIに代えにくいが、人気タレントとの契約と催事の頻度に左右される。人材関連事業の0.97億円はその後売却を決めたため、10年後の売上には含めない。
2026年10月に取得を決めた自治体支援と地域産品の事業は既存事業と別に見る。アース社の2026年5月期の総額売上は29.68億円だが、返礼品の仕入れを差し引いた純額換算では約10.50億円である。ワンエイトの売上は9.74億円で、こちらは現物の加工・販売に結びつく。広告以外の収益源となる半面、数字の見かけの大きさほど利益は厚くない。
優良さと弱いところ
同社の強みは、広告主とインフルエンサーの双方との関係を蓄積してきたことにある。NINARYやRipreでは参加者を選び、企画、配信、審査を一括して扱う。広告主が複数のSNSを同時に使うほど外部委託の窓口としての便利さは増す。自社メディア「to buy」が持つ視聴実績も提案力を支えるが、それを持続的な値上げの権利とみなすことはできない。
決定的な弱点は、切り替えに法的な手続きも長年のデータ移行も要らないことである。解約率が年5%未満といった客観的な数字も見当たらず、顧客の価格受容力を示す継続的な値上げ実績も確認できない。業界の記録の正本を握る事業とは異なるため、堀、つまり長期間の高収益を守る仕組みは弱いと評価する。SNS大手が広告制作と最適化を自動化すれば、代理店を介する理由はさらに薄れる。
財務面の教訓は重い。2023年まで安定していた自己資本は、2024年の約22億円の貸倒費用で一気に毀損した。2025年9月期の自己資本は5.8億円、自己資本比率18.8%にとどまる。純有利子負債は小幅な純現金であるものの、総額の現預金には借入金と運転資金の裏付けが必要であり、買収に自由に使える余剰資金が豊富という意味ではない。
2025年以降の回復と2026年のAIを使った労働時間削減は、危機後の経営改善として評価する。ただし、社内工数が減ったことと、顧客が継続して高い価格を払うことは別問題である。2022年のWithLIVE買収と、2026年の人材子会社売却、地域事業買収は資本配分が積極的であることを示す。買収後の増分投下資本利益率が資本コストを超えたか、実績をまだ示せていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のSNSマーケティング市場は、サイバー・バズとデジタルインファクトの2024年調査で約1兆2,038億円と推計された。内訳はSNS広告1兆727億円、インフルエンサーマーケティング860億円、企業アカウントの運用支援283億円である。2029年には全体で2兆1,313億円の予測がある。ただし、これは広告主が支出する名目の市場であり、代理店の営業利益や実質の案件数が同じ割合で増えることを保証しない。
2025年9月期の同社のインフルエンサー売上19.44億円は、2024年の市場860億円との単純比較で約2.3%に相当する。アカウント運用は約1.9%、SNS広告は約0.3%であり、全SMM売上と総市場の比は約0.55%となる。市場の年度や媒体費を含む範囲が一致しないため、いずれもシェアを知るための粗い目安であり、公式の確定シェアではない。競合のサイバーエージェント、セプテーニ、トレンダーズなどについて、同じ基準で比較できるサービス別シェアの開示は乏しい。
広告主はインフルエンサーの本物の発信力を今後も求めるが、起用候補の探索、動画編集、広告運用、効果測定の大半はAIエージェントが担えるようになる。MetaやGoogle、TikTokなどの広告配信事業者が自動運用を広げるほど、広告代理店への発注件数と手数料に圧力がかかる。市場全体の拡大の中で、仲介業者の数量だけが減る逆転が起きうる。広告主による内製化も同じ方向に働く。
WithLIVEはファンと実在の出演者の権利関係が価値の源であり、広告運用よりAIに代えにくい。一方で出演者の取り合い、ファン需要の変動、他のチケット・配信サービスとの競争がある。新たな自治体支援では、ふるさと納税の年間寄附額が1兆円を超す規模でも、自治体が支払う運営委託料や地域産品の売上はその一部にすぎない。競争相手はさとふる、トラストバンク、自治体向け運営受託業者であり、制度変更と自治体の再入札が数量と単価を左右する。中立では広告市場の実質規模は伸びても、同社の受託件数はAI代替で縮むと見る。
資本政策と M&A
2024年の貸倒損失は、資本配分を論じる前に回収管理の難しさを示した。売上の大きさよりも顧客の支払能力、与信限度、債権の回収期間を重視すべきである。継続企業の前提に関する注記は2025年5月に解消され、2026年10月時点で上場廃止を伴う公開買付けやMBOの予定は確認されていない。財務上の危険が消えたわけではない。
同社は2022年にWithLIVEを買い、2026年には人材子会社BuzzJobの売却を決めた。さらに10月16日にはアースコーポレーションとワンエイトの取得を公表し、31日の実行を予定している。取得価額は費用込みで約5.8億円に加え、業績に連動する追加対価を含む。両社の直近期の営業利益は合計約0.10億円で、採算改善と返済が課題となる。
2026年9月期については売上86億円、営業利益6.68億円、純利益5.20億円への上方修正がある。戦略投資約0.70億円の翌期への繰り延べを含み、持続的な利益とは切り分ける。買収先アース社には2027年5月期に売上総額35.5億円、営業利益約1.16億円という計画があるが、親会社全体の確約された複数年中期計画ではない。独立した3~5年計画の売上・ROE目標、配当性向・DOE・総還元性向・自社株買い額については数字の約束なし。
配当実績はなく、2026年9月基準から100株以上に年1,000円相当の株主優待を設けた。優待費用は年0.01~0.02億円と推計し、10年の還元に含める。2025年の上位10株主の保有比率は約80.7%であり、増配・大規模な自社株買いも見られない。利益が溜まっても少数株主に戻る確度を保守的に扱う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
危機を経験した会社だからこそ、次の10年は従来より効率的に稼げる可能性がある。2024年の巨額貸倒を受け、与信管理と原価管理を見直した結果、2025年には営業黒字へ戻り、2026年にも上方修正を発表した。社内でAIによる工数削減が進み、クリエイティブ制作や配信の補助作業を少人数でこなせるようになれば、売上が大きく伸びなくても利益率を高められる。
さらにインフルエンサーは機械が生成した文章とは違い、人間に支持される個人である。NINARYやRipre、Be One Agentに参加するクリエイターの選別と企業との関係を築く仕事は、すべてが自動化されるわけではない。to buyやMYPEという自社の発信拠点を持ち、広告主が動画による認知から購買までをまとめて頼める点にも価値がある。TikTok Shopや成果報酬型の販売支援で中間コストを取引成果へ置き換えれば、限られた案件数からも高い利益を得られる。
WithLIVEはファンが実際のタレントとの会話を楽しむサービスであり、SNS広告より代替されにくい。人気のある出演者が増え、オンライン催事の開催回数が伸びれば、同社にとって利益の厚い事業となる可能性がある。アース社の自治体ネットワークに販促能力を組み合わせれば、返礼品の魅力を伝える仕事も増やせる。取得直前の薄い利益率を改善し、地域商品の加工・販売まで広げることに成功すれば、売上の構成が多様化し、2024年のような一社への依存も減らせる。
慎重な見方
最大の危険は、同社が得意とする仕事のうち大きな部分がAIエージェントに置き換えられることである。広告主は、候補者の発掘、投稿の下書き、動画の制作、運用の最適化、成果報告を社内の少数の担当者とAIで済ませられるようになる。広告プラットフォームも直接広告主に自動化機能を提供する。市場全体の広告費が増えても、間に入る代理店の案件数は縮み、手数料の値上げも難しくなる。
インフルエンサーの人間らしさは残っても、広告主との仲介権を長期で独占できるわけではない。自社メディアの視聴回数はSNS側の推薦アルゴリズムに依存し、登録者の数字がそのまま乗り換え費用になることもない。公式アカウント運用には継続契約があるが、解約率や実際の値上げ実績の開示は乏しい。利益を守る強い堀として扱う証拠が不足している。
財務の失敗を繰り返す可能性も無視できない。2024年の約22億円の貸倒は、規模の小さな会社には致命的に近い損失だった。改善後も2025年の自己資本は約6億円にすぎず、外部資金や大口取引先への依存が残る。今回取得する地域2社は売上総額に比べて利益が薄く、ワンエイトは直近で営業赤字かつ債務超過である。自治体からの委託料は制度変更や入札競争で揺れ、将来の追加取得対価が利益を吸収することもある。成長のための買収が、むしろオーナー利益を壊す筋書きは現実的だ。
どちらに重みを置いたか
2026年の利益回復とWithLIVEの成長余地は認めるが、10年の投資判断では慎重な見方が優勢である。主力事業ではAIエージェントが受託件数と手数料を同時に圧迫し、固有の解約率や値上げの実績という反証がない。下振れ確率を合計43%とし、上振れ28%より厚くした。中立の案件数にもAIによる縮小を織り込んだので、確率を下に寄せる追加理由は2024年の信用損失、薄い自己資本、地域企業の買収実行と会計表示の不確実性である。評価は現在の時価総額を明瞭に下回り、回復基調だけで安全域は生まれない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 462 円38 億円(+ 還元の換算額還元の合計 5 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 207 円17 億円、今との差 −56.6%、 期待の年率 −0.2%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 1,753 円143 億円 | 17 円1 億円 | +270.3% | +14.1% | 177 円14 億円 |
| やや楽観 | 18% | 928 円76 億円 | 10 円1 億円 | +96.2% | +7.0% | 169 円14 億円 |
| 中立 | 29% | 358 円29 億円 | 2 円0 億円 | −24.6% | −2.8% | 105 円9 億円 |
| やや悲観 | 25% | 37 円3 億円 | 2 円0 億円 | −91.9% | −22.5% | 10 円1 億円 |
| 悲観 | 18% | 36 円3 億円 | 1 円0 億円 | −92.4% | −22.8% | 7 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 462 円38 億円 | 5 円0 億円 | −2.4% | −0.2% | 467 円38 億円 |
今の株価時価総額 478 円39 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% AIで生産性を高め、ファンと自治体を新しい利益源に 利益 10 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,753 円143 億円
広告費はSNSへ集まり続けるが、広告制作や媒体買付けの人手はAIエージェントに代わり、受託案件は現状をわずかに下回る。それでも、有力クリエイターとの直接関係を保ち、NINARYとBe One Agentが成果につながる案件を選別できるようになる。広告主にとっての費用対効果が改善し、案件当たりの粗利益が保たれる。to buyやMYPEも広告キャンペーンの一部として有効に使われ、他社のSNS配信への依存はあるが品質で評価される。
WithLIVEでは出演者との契約を広げ、オンライン交流の開催回数が増える。実際のファンが金銭を払うサービスはAIによる制作業務の代替とは違い、出演者の人気を長く維持できれば収益が積み上がる。アース社は自治体との契約を多く保ち、ワンエイトは高単価の地域産品を加工・販売するため、2026年の薄い利益率から脱する。
回収管理を強化した結果、2024年型の貸倒は繰り返さない。買収にかかるのれんや追加取得対価は増えても、新たに投じた資本が資本コストを超える収益を生む。もっとも、実需の伸びは出演者と現物商品であり、AIを外部の有料商品として大きく売り出す実績を仮定しない。
- インフルエンサー企画・起用:数量 616(広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件))× 価格 0.04(1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円))→ 売上 22 億円・営業利益 6 億円。AI代替型。広告主からのクリエイター起用案件。
- 企業のSNS公式アカウント運用:数量 63.0(月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件))× 価格 0.09(1年間の平均契約売上(億円、12か月相当))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替型。月額のSNS公式アカウント運用。
- SNS広告の制作・配信運用:数量 808(広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件))× 価格 0.05(1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み))→ 売上 37 億円・営業利益 9 億円。AI代替型。媒体費込みの広告キャンペーン。
- インターネット広告の販売:数量 693(外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件))× 価格 0.01(案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。AI代替型。媒体買付け・広告代理販売。
- WithLIVEオンライン有料交流:数量 1,150(有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回))× 価格 0.01(イベント1回相当の取扱収入(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 3 億円。出演者とファンの有料交流。人間の出演者が不可欠。
- その他・人材関連(売却対象):数量 0.0(年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件))× 価格 0.03(1件当たり平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。BuzzJob売却決定を反映して数量0。
- 買収予定:自治体ふるさと納税運営受託:数量 95.0(自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示))× 価格 0.14(1受託規模換算口あたり純額収入(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。買収予定、純額表示の自治体BPO。2026年の受託規模100を基準とする。
- 買収予定:地域産品の加工・販売:数量 120(地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定))× 価格 0.13(商品ロット換算口あたり年間売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。買収予定の地域産品製造・販売。AIによる物理的代替はなし。
倍率:資本コストk=8.5%、広告制作・運用および自治体BPOのAIエージェント代替で2035年以降の名目成長g_long=0%。弱い堀でもg=0なら正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.085=11.765倍となる。2025年の事業価格や株価倍率は参照せず、2035年純利益10.272億円から本業の稼ぐ力を測る。買収資金の利払いは純利益に含む。
確率:高品質なクリエイター起用を維持しながらSNS広告の処理費用を下げ、WithLIVEで出演者とファンの参加が大きく伸び、地域企業買収でも粗利が改善する必要がある。複数の条件が揃うため10%に抑える。
やや楽観 18% 広告の単価を守り、買収の無駄を減らす 利益 5 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 928 円76 億円
国内のSNSマーケティング市場は名目で拡大を続ける。サイバー・バズは案件の質を選び、インフルエンサー起用の独自性を保つことで、仕事の量が縮んでも利益の落ち込みを抑える。顧客は広告制作を内製化するが、話題になる施策の企画やクリエイターとの交渉は引き続き外部へ任せる。広告の購買・運用は自動化され、受託件数は2025年より減るものの、制作補助に要する人件費も下がる。
WithLIVEでは有料交流の開催数が徐々に増え、利益率も改善する。2026年に取得する自治体運営支援は、契約口数がやや減っても事務の標準化と値上げによって利益を維持する。ワンエイトの加工・販売は返品や配送の管理が良くなり、利益が僅かに出る構造になる。
追加買収を急がず、2024年の信用損失の反省を与信管理に定着させる。財務改善が続けば利益の一部を株主へ返せるが、従来の無配方針が大幅に変わることまでは前提にしない。2035年後のAI代替を考えると、長期の名目成長は高く見込めない。
- インフルエンサー企画・起用:数量 551(広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件))× 価格 0.03(1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円))→ 売上 19 億円・営業利益 5 億円。AI代替型。広告主からのクリエイター起用案件。
- 企業のSNS公式アカウント運用:数量 56.0(月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件))× 価格 0.09(1年間の平均契約売上(億円、12か月相当))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。AI代替型。月額のSNS公式アカウント運用。
- SNS広告の制作・配信運用:数量 722(広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件))× 価格 0.04(1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み))→ 売上 32 億円・営業利益 7 億円。AI代替型。媒体費込みの広告キャンペーン。
- インターネット広告の販売:数量 620(外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件))× 価格 0.01(案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。AI代替型。媒体買付け・広告代理販売。
- WithLIVEオンライン有料交流:数量 875(有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回))× 価格 0.01(イベント1回相当の取扱収入(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。出演者とファンの有料交流。人間の出演者が不可欠。
- その他・人材関連(売却対象):数量 0.0(年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件))× 価格 0.03(1件当たり平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。BuzzJob売却決定を反映して数量0。
- 買収予定:自治体ふるさと納税運営受託:数量 85.0(自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示))× 価格 0.13(1受託規模換算口あたり純額収入(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。買収予定、純額表示の自治体BPO。2026年の受託規模100を基準とする。
- 買収予定:地域産品の加工・販売:数量 110(地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定))× 価格 0.13(商品ロット換算口あたり年間売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 0 億円。買収予定の地域産品製造・販売。AIによる物理的代替はなし。
倍率:資本コスト8.5%、2035年以降の長期名目成長率0%。新しい投資の稼ぎRONICを考慮した正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)はg=0のため11.765倍となる。AIエージェントが制作・運用・媒体買付けを代替する事実を10年の数量とg_longに入れ、倍率を過去の市場評価に寄せない。
確率:2026年の利益改善とAIによる工数削減が数年間続く可能性はあるが、広告案件がAI代替で減るのを完全には防げない。買収先の営業利益率改善を一部認め、上振れ18%とする。
中立 29% 市場は成長するが仲介数量が減り、収益率は低下 利益 2 億円 · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 358 円29 億円
SNSに使われる広告費の総額は10年後も大きい。しかし広告主はクリエイティブ制作、運用の入稿、効果測定の大部分をAIエージェントに移し、必要な外注先を絞る。サイバー・バズのインフルエンサー案件とSNS広告案件は実質で約7割、公式アカウント運用は約3分の2になる。残った案件の請求額は名目でわずかに増えるが、代理店の手数料が物価並みに上がる力はない。
WithLIVEは有料交流の催事を増やす。人間の出演者とファンの接点は残るが、出演契約費と集客費も増えるため収益率は緩やかな改善にとどまる。自治体支援では業務の一部がAIと自治体の内製化に移り、2026年の受託規模換算口数よりも3割弱縮小する。ワンエイトは現物の販売量を概ね維持できても、仕入れと配送の費用が増えてほぼ収支均衡にとどまる。
全社の売上は名目で大きく減らないが、会計上の売上が増えることと稼ぎが増えることは別である。過去の損失から回収管理は改善する一方、新たな資本を投じて高い利回りを得る機会は乏しくなる。大株主への支配が続き、利益の多くが留保されるため、自己資本は増えても所有者の利益率は低下する。
- インフルエンサー企画・起用:数量 467(広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件))× 価格 0.03(1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 3 億円。AI代替型。広告主からのクリエイター起用案件。
- 企業のSNS公式アカウント運用:数量 46.0(月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件))× 価格 0.09(1年間の平均契約売上(億円、12か月相当))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。AI代替型。月額のSNS公式アカウント運用。
- SNS広告の制作・配信運用:数量 612(広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件))× 価格 0.04(1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み))→ 売上 26 億円・営業利益 5 億円。AI代替型。媒体費込みの広告キャンペーン。
- インターネット広告の販売:数量 496(外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件))× 価格 0.01(案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。媒体買付け・広告代理販売。
- WithLIVEオンライン有料交流:数量 725(有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回))× 価格 0.01(イベント1回相当の取扱収入(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。出演者とファンの有料交流。人間の出演者が不可欠。
- その他・人材関連(売却対象):数量 0.0(年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件))× 価格 0.03(1件当たり平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。BuzzJob売却決定を反映して数量0。
- 買収予定:自治体ふるさと納税運営受託:数量 72.0(自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示))× 価格 0.13(1受託規模換算口あたり純額収入(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。買収予定、純額表示の自治体BPO。2026年の受託規模100から縮小。
- 買収予定:地域産品の加工・販売:数量 98.0(地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定))× 価格 0.13(商品ロット換算口あたり年間売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。買収予定の地域産品製造・販売。AIによる物理的代替はなし。
倍率:通常の資本コスト7.5%に景気循環と値決め力で1.0%を足してk=8.5%。10年後の事業ROEは約4.8%で資本コストを下回るため、成長による超過価値は認めない。AIエージェント代替による名目長期成長率g_long=0%から正当化PERの上限1÷k=11.765倍を使う。過去や競合のPERには依存しない。
確率:市場調査が示すSNSの広告主支出は名目で増えても、制作・運用を担う代理店の実質案件数はAIエージェントの普及で3割前後減るとみる。買収の純額会計と保守的な利益率を置いた中心の29%。
やや悲観 25% 内製化と収益悪化で縮小し、再建に追われる 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 37 円3 億円
広告主がSNS広告の制作・運用を内製化し、外部代理店に残るのは限定された大型案件だけになる。インフルエンサーとの連携にも直接契約の仕組みが普及して、NINARYなどを通す案件数が大きく減る。競争上の優位を失ったSNS広告の粗利率は低下し、公式アカウント運用は小さな規模しか残らない。インターネット広告の買付け業務も、広告主のAIエージェントへ移る。
WithLIVEの出演者契約は維持するが、催事回数は2025年と同程度にとどまる。自治体支援では再入札による受託範囲の縮小や、自治体自身による受付業務の内製化が進む。ワンエイトは仕入れと加工の固定費を吸収できず、買収先を合わせた利益が赤字化する。
経営は人員と本社経費を大幅に減らし、赤字の深まりを防ごうとする。とはいえ事業維持に必要な審査・法務・管理費は残る。買収に伴うのれんの減損と債権回収の損失が過去の留保利益を食い、株主還元はごく少額の優待だけになる。収益力を根拠とした評価ではなく、今売れる資産の税後価値が下支えになる段階である。
- インフルエンサー企画・起用:数量 356(広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件))× 価格 0.03(1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 2 億円。AI代替型。広告主からのクリエイター起用案件。
- 企業のSNS公式アカウント運用:数量 35.0(月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件))× 価格 0.08(1年間の平均契約売上(億円、12か月相当))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。月額のSNS公式アカウント運用。
- SNS広告の制作・配信運用:数量 468(広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件))× 価格 0.04(1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み))→ 売上 18 億円・営業利益 2 億円。AI代替型。媒体費込みの広告キャンペーン。
- インターネット広告の販売:数量 364(外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件))× 価格 0.01(案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。媒体買付け・広告代理販売。
- WithLIVEオンライン有料交流:数量 500(有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回))× 価格 0.01(イベント1回相当の取扱収入(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。出演者とファンの有料交流。人間の出演者が不可欠。
- その他・人材関連(売却対象):数量 0.0(年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件))× 価格 0.03(1件当たり平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。BuzzJob売却決定を反映して数量0。
- 買収予定:自治体ふるさと納税運営受託:数量 58.0(自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示))× 価格 0.12(1受託規模換算口あたり純額収入(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。買収予定、純額表示の自治体BPO。受託契約縮小で赤字。
- 買収予定:地域産品の加工・販売:数量 80.0(地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定))× 価格 0.12(商品ロット換算口あたり年間売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。地域産品の加工・販売。物流費と固定費を吸収できない。
倍率:2035年は営業赤字でPERに安定した意味がない。今の2025年9月期自己資本5.8億円を基準に、事業存続の不確実性と現金化できない資産を控除した価値をみる。5.8億円×0.52倍で3.016億円とし、10年間に積み上がる利益を悲観の床の倍率に掛けていない。中立のPBR約0.565より低く、税後換金可能資産2.8億円を上回る。
確率:広告主のAI導入に加え、自治体の再入札とWithLIVEの出演契約更新の失敗が重なる可能性を見積もる。2024年の与信損失を再発させずとも資本が細る展開として25%とする。
悲観 18% AI代替と地域買収の失敗で本業の価値をほぼ失う 利益 −3 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 36 円3 億円
広告主の運用をAIエージェントがほぼ一貫して担うようになり、代理店には独自の関係がある限られた案件しか残らない。主力のSNS広告案件は2025年から3分の2近く減り、インフルエンサーの起用も直接契約へ移る。手数料率は競争で下がり、採算の悪い広告販売は縮小する。動画媒体の利用は続いても、企業が間に入る役割は大きく失われる。
WithLIVEでは有力な出演者との契約を維持できず、有料イベント数が減る。アース社ではふるさと納税制度の再改定と自治体の入札変更が重なり、受付代行案件が急減する。ワンエイトの工場や在庫には維持費が残り、買収で手に入れた販路の収益力は期待ほど高くない。多額の追加のれんを支えていた利益も消える。
経営は組織を縮め、不採算事業を売却するが、回収不能債権と管理固定費によって最終年も営業赤字が続く。利益を積み上げて自己資本の価値を作る筋道はなくなり、株主に返るものは残る金融資産や換金可能な事業資産に限られる。必要な資金調達で既存株主が希薄化する余地もあるため、取得原価を当然に回収できるとは考えない。
- インフルエンサー企画・起用:数量 227(広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件))× 価格 0.03(1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。直接契約の普及で代理案件が急減。
- 企業のSNS公式アカウント運用:数量 18.0(月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件))× 価格 0.07(1年間の平均契約売上(億円、12か月相当))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。公式アカウント受託の採算が崩れる。
- SNS広告の制作・配信運用:数量 298(広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件))× 価格 0.04(1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。広告媒体の自動運用で代理手数料が細る。
- インターネット広告の販売:数量 219(外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件))× 価格 0.01(案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AI代替型。広告枠の代理買付けが採算割れ。
- WithLIVEオンライン有料交流:数量 325(有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回))× 価格 0.01(イベント1回相当の取扱収入(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。出演者契約の喪失で有料交流数が減る。
- その他・人材関連(売却対象):数量 0.0(年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件))× 価格 0.03(1件当たり平均売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。BuzzJob売却決定を反映して数量0。
- 買収予定:自治体ふるさと納税運営受託:数量 35.0(自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示))× 価格 0.11(1受託規模換算口あたり純額収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。自治体からの委託を失い、固定費が残る。
- 買収予定:地域産品の加工・販売:数量 60.0(地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定))× 価格 0.11(商品ロット換算口あたり年間売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。地域産品の加工・物流費を回収できない。
倍率:本業の最終年純利益が赤字であるため、利益にPERを掛けない。2025年9月末の今の自己資本5.8億円を基準とし、そこから実体のない無形資産と回収困難な債権を控除する。5.8億円×0.50倍の2.9億円は税後換金可能資産の推定床2.8億円を上回る。10年間の累積利益を積み上げた将来自己資本に床の倍率を掛けておらず、中立とやや悲観よりPBRは低い。
確率:再度の信用損失や買収のれんの毀損が起き、広告代理の受託件数が半分以下に落ちる複合悪化を18%と見込む。企業が消えるとは断定せず、売れる資産の床を認める。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
インフルエンサー企画・起用
NINARY、Ripre、Be One Agentによる企業のPR案件。
| 数量広告主向けクリエイター起用・PR企画の年間案件数(推定件) | 価格1企画当たり広告主からの平均受託売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 648 | 0.03 | 19 | 4 |
| 10 年後 中立 | 467 | 0.03 | 15 | 3 |
取り方:2025/09決算説明資料のインフルエンサー売上1,944百万円を正とする。国内同領域の2024年市場860億円に対して約2.3%相当。年間648案件×約300万円/案件は価格開示のないための推定値で、起用者数や案件数そのものの開示ではない。営業利益4.10億はSMM報告営業利益11.87億を4サービスへ配分した分析仮定。AIエージェント代替型:広告の企画・仲介工数。
企業のSNS公式アカウント運用
BRIDGE/Owgi等で企業のSNS投稿・コメント対応・分析を継続運用。
| 数量月額契約を年換算した企業公式アカウントの年間契約件数(推定件) | 価格1年間の平均契約売上(億円、12か月相当) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 70.0 | 0.08 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 46.0 | 0.09 | 4 | 1 |
取り方:2025/09会社資料の運用受託売上542百万円から、運用費用の業界目安1アカウント月数十万~100万円前後に照らし年間70契約×約774万円と仮置き。半年契約を含み、実際の顧客数・継続率は非開示。2024年運用支援市場283億円の約1.9%相当。営業利益0.70億はSMM内部利益の分析上の配分。AIエージェント代替型:工数BPOと操作画面の運用。
SNS広告の制作・配信運用
Instagram、TikTok等の広告運用と自社企画メディアto buy・MYPEを通じた配信。
| 数量広告素材制作と配信運用をまとめた年間キャンペーン相当件数(推定件) | 価格1キャンペーンの広告主請求売上(億円、媒体費込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 850 | 0.04 | 34 | 6 |
| 10 年後 中立 | 612 | 0.04 | 26 | 5 |
取り方:2025/09会社資料のSNS広告売上3,394百万円に、1案件約399万円と推定した発注単価を当て年間約850キャンペーン相当とする。件数は非開示で媒体費を含むため正味手数料ではない。2024年のSNS広告市場1兆727億円に対して約0.3%相当。配賦営業利益6.00億は推定。to buyの自社視聴者の独占権・継続解約率を裏づける定量値が不足するので、プラットフォーム型ではなくAI代替型の広告制作・運用で扱う。
インターネット広告の販売
SNS等の外部媒体の広告枠販売・代理販売。
| 数量外部広告媒体の年間掲載・販売案件数(推定件) | 価格案件当たり平均売上(億円、媒体原価込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 729 | 0.01 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 496 | 0.01 | 5 | 0 |
取り方:2025/09会社資料のインターネット広告販売729百万円から、平均約100万円/件の小口換算で729件と推計。実件数・ネット手数料率は会社非開示で、粗売上と粗利は区別する。営業利益1.07億はSMMセグメント利益からの分析配賦。AIエージェント代替型:媒体買付けと代理販売。
WithLIVEオンライン有料交流
実在するタレント・アーティストとファンのオンライン会話機会を販売。
| 数量有料配信・交流イベント換算の年間開催数(推定回) | 価格イベント1回相当の取扱収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 500 | 0.01 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 725 | 0.01 | 8 | 1 |
取り方:2025/09有報セグメント売上425百万円、営業利益約29百万円。イベント回数は会社非開示のため年500回×85万円/回の取扱単位へ換算。実利用件数やチケット単価そのものを公表した値ではない。出演者の権利に価値があるサービスで、AIが広告作業を代行する型とは分ける。
その他・人材関連(売却対象)
BuzzJob等の人材事業。2026年の譲渡決定を将来に反映。
| 数量年間人材紹介・採用支援契約換算件数(推定件) | 価格1件当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 32.0 | 0.03 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.03 | 0 | 0 |
取り方:2025/09有報のその他事業97百万円、営業利益22百万円を仮に人材関連の代表値とみなす。1契約303万円×32件は件数非開示のための推定で、その他投資事業も含む可能性がある。2026年8月に人材子会社BuzzJobの譲渡が決定したため、将来の数量は全ケース0にする。AIエージェント代替型:人材・研修・事務の工数業務。
買収予定:自治体ふるさと納税運営受託
アースコーポレーション。寄附受付事務、自治体運営、返礼品手配、販促を支援。
| 数量自治体向け年間包括運営契約を100とした受託規模換算口数(実件数は非開示) | 価格1受託規模換算口あたり純額収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 0.0 | 0.10 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 72.0 | 0.13 | 9 | 0 |
取り方:2026年10月16日に取得を決議、株式譲渡は同月31日予定。よって2025/09の数量・売上は0。比較のため買収先2026/05売上総額29.682億円ではなく純額表示の試算10.4985億円を採用し、架空の100口換算×0.104985億円を物差しにした。契約100件という実数ではない。公共委託の事務部分はAIエージェント代替型のBPOで、2035中立の100口→72口を仮定。出典:https://assetsalon.online/cyberbuzz-earth-corporation-furusato-acquisition-2026/
買収予定:地域産品の加工・販売
ワンエイト。農産品の調達・加工・販路販売など人と現物が必要な事業。
| 数量地域産品の年間商品ロット換算口数(2026年に100とする推定) | 価格商品ロット換算口あたり年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 0.0 | 0.10 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 98.0 | 0.13 | 13 | 0 |
取り方:2026年10月16日に子会社化を決議し、実行は31日予定なので2025/09は連結していない。対象の2026/05売上9.7419億円を架空の100ロット換算としたもので、実際の出荷ロットは非開示。実体のある食品加工・販売はAIエージェントが物理的に置き換えないため、中立は数量98/100、価格は物価約1.31倍。2026/05営業赤字0.276億円を踏まえ利益率を慎重に想定。出典:https://shoukeinews.jp/media/news/cyberbuzz20261016/
リスクと懸念
AIエージェント代替と手数料の低下
制作、広告配信の調整、レポート作成、インフルエンサー候補の検索は、広告主の社内AIが担当できる。MetaやTikTokが自動入稿機能を強化すれば、広告費そのものが増えても同社への発注件数と手数料が縮む。独自のファン基盤や継続課金の証拠が揃わない限り、中立の工数売上は減る。
売掛債権と与信管理
2024年の大口取引先にかかわる約22億円の貸倒引当は、2025年の自己資本を約6億円に押し下げる原因となった。今後も媒体費を立て替えて広告取引先から代金を回収する形が残るため、売上計上と入金の時間差、取引先別債権残高、与信限度を継続的に点検する必要がある。
自治体事業の買収と会計表示
アース社とワンエイトの取得には約5.8億円の初期資金と将来の追加対価が要る。アース社の返礼品売上を総額か純額かで表示すると約3倍の違いが生じ、売上成長を誤認しやすい。直近の両社の営業利益は合計約0.10億円で、効率化が進まなければ資本コストを回収できない。
新株の希薄化と還元の乏しさ
2025年の自己資本比率は18.8%と低く、買収資金の借入や追加損失が重なれば増資が必要になりうる。上位10株主が8割ほどを保有する一方、普通配当の実績はない。留保した利益が株主へ戻らず、株式の新規発行で既存株主の取り分が薄まる危険を見落とせない。
SNSプラットフォームの規則変更
Instagram、TikTok、YouTube、Xの広告単価、広告審査、推薦アルゴリズムはそれぞれの運営会社が決める。「to buy」などの自社動画への視聴流入も外部の配信基盤に依存する。規則の改定や広告の安全性に関する問題が起きれば、視聴回数や受注の持続力が急低下する。
WithLIVEの出演者依存と著作権
ファンとのオンライン交流は人間の出演者だから成り立つが、その権利は人気タレントや所属事務所との契約に支えられる。契約更新の失敗、ライバル配信サービスの独占獲得、出演者の活動停止などで催事数が減れば、プラットフォームの固定費が利益を圧迫する。
ふるさと納税制度と地方商社の利益率
自治体の委託案件は寄附に対する総務省のルールや入札の影響を受け、ワンエイトの加工・配送には現場の費用が残る。食品の仕入れ価格や物流費が上がる中、価格へ十分に転嫁できないと買収先の増収は現金の増加に結びつかず、のれんの減損を招く。
今後の分かれ目
- SMMの広告主別解約率と継続単価が開示され、広告主の内製化が進んでも実質案件数が維持されたら
- AIエージェントによる数量減少を緩め、中立から上のSMM収益と堀の評価を引き上げる。開示がないだけの高成長は先取りしない。
- 2027年のアース社連結で純額売上、営業利益、売上債権、追加対価が明らかになったら
- 総額の売上だけではなく、現金回収と投下資本に対する営業利益を見て自治体支援の量・単価・利益率を更新する。
- 本体の売掛金回転期間が長期化し、貸倒引当金の追加計上または大口債権の遅延が発生したら
- 一過性でない信用リスクとしてやや悲観と悲観の確率を増やし、純現金の安全性を再点検する。
- WithLIVEの出演者契約数と有料イベント件数が継続的に増え、利益率も改善したら
- AI代替の対象外の売上構成比が上がるため、楽観とやや楽観の見込みを高める。単発の人気出演者だけでは判断しない。
- 2026年9月期の上方修正で翌期へ延ばした約0.70億円の費用が2027年に再計上され、利益が減少したら
- 2026年の収益を恒常的な収益力とみなさず、平準化した税後利益と本社費で中立の評価を見直す。
- 配当性向や自社株買い額を数値で約束し、5年間で実際に還元が増えたら
- 累積利益が少数株主に戻る比率を0.5から引き上げ、事業利益に加えられる余剰資産の価値を再評価する。
見ておくもの
- 2026年10月31日予定のアース社・ワンエイト株式譲渡の実行、取得資金の借入条件とアーンアウト
- 2026年11月公表予定の2027年9月期見通しとアース社売上の総額・純額表示
- SMMの4サービス別売上、広告主当たり継続率、平均受注単価、売掛金回収日数
- AI導入による工数削減の実現額と同時期の契約件数・代理店手数料率
- WithLIVEの有料イベント数、出演者契約数、プラットフォーム営業利益率
- 大株主上位10名の比率、配当・自社株買い・優待実施の金額
- 貸倒引当、債権譲渡後の回収状況、自己資本比率と買収のれん
倍率と資本コストの決め方
2026年10月22日の株価と最新の純株数は、最後の割安・割高判定だけに使った。2025年のサービス別売上と業界の広告予算を照合し、広告の制作・運用はAIエージェント代替によって中立の実質案件数を10年で概ね0.66~0.72倍へ減らす。値段は名目で、代理店手数料は物価を下回る。自社のクリエイター網を広告費の全額に対する独占収益と扱わない。
倍率は市場のPER、過去の株価、同業の倍率から決めていない。2035年以後の名目成長を0%、資本コストを8.5%とし、楽観から中立の正当化PERは式の上限である11.765倍とする。悲観側は現在の自己資本5.8億円を分母に用い、2035年までの累積利益を悲観の床に再投資しない。2025年の無形資産と回収不安資産を差し引いた税後資産の床は2.8億円で、悲観2ケースの会社全体の時価総額はいずれも上回る。
2026年に決めた買収は2025年の売上に含めず、アース社は本人・代理人の収益認識が未確定なため純額換算の売上を採用した。のれんと配当されない留保利益を二重に価値へ足していない。2027年4月以降開始期のリース会計基準変更があっても、ここでは賃借料を営業費用に含む同じ条件で比較する。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。通常の資本コスト7.5%に、営業利益の変動0.5%と料金決定力の弱さ0.5%を加え8.5%。2025年5月には継続企業の前提に関する注記が解消し、2026年は黒字見通しのため追加の財務危機加算をしない。2024年の事故は確率と損益で表す。