結論
リベロは、転居する人を不動産会社や企業から紹介してもらい、生活インフラの契約取次ぎと社宅管理で稼ぐ会社だ。筆者の結論は「やや割高」である。成長そのものを疑うのではない。2035年までに社宅管理の実数が増えても、大口の送客手数料への依存と新株予約権による既存株主の取り分の薄まりを考えると、今の時価総額には十分な安全域が見いだせない。
2025年の売上は約44億円、営業利益は約8億円に達した。2026年上期には社宅の実管理戸数が2万7千戸を超え、会社は2028年の営業利益20億円を目指す。不動産会社から転居者を紹介してもらう一過性の手数料より、会社名義で借り上げる社宅の管理料と福利厚生サービスのほうが、長い株主にとって質の高い利益である。ところが公表される約6万戸の転貸戸数には将来の見込み分も含まれ、全戸から毎月管理料を得ているわけではない。
2025年の売上の約4割はラストワンマイルとソフトバンクの2社に集中していた。電気・ガス・通信の取次ぎは、AIエージェントが消費者の代わりに契約を選ぶ時代には仲介料を守りにくい。社宅の運営にはなお人が負う責任が残るが、事務の自動化は料金を押し下げる。
中立の2035年には売上約85億円、営業利益約19億円を見込む。5つの筋書きの確率を加え、資本コストで割り戻した価値は約89億円で、今の111億円を約2割下回る。上場維持のための流通株式比率改善も未確定である。長く持つ株主は成長計画の達成だけでなく、継続収入の比率と持分希薄化がどう変わるかを見極める必要がある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、毎年の転勤と住み替えはなくならない、という需要の確かさがまず評価できる。社宅を貸し借りする当事者となり、敷金管理から退去精算までを請け負う業務は、単なる画面の使いやすさよりも契約を正しく履行することに価値がある。企業の人事担当者が困ることを一括で引き受ければ、地域ごとの不動産会社をつなぐ網を広げられる。そこには長期の顧客関係を築く余地がある。
だが、持ち続けるための決定的な強さはまだ確認できない。解約率や管理手数料の引上げ実績が開示されておらず、現状は紹介の便利さに依存する部分が大きい。料金を支払う通信・電力の事業者が手数料を下げれば、転居者が増えてもオーナー利益は減る。2025年の売上の約4割を2社が占めた事実は、顧客が分散しているように見える事業の裏側を示している。
利益を全額自由に使えるとも考えない。社宅の拡大には家主への前渡金や敷金が必要で、2025年のソフトウエア投資も約1.4億円あった。会計上は償却がゆっくり進んでも、新しい仕組みを作る現金は先に出る。人件費は物価上昇に追われる。貸借対照表上の現金23億円余りから、転貸の履行や運転資金として拘束される部分を外すべきだ。
経営陣が配当を始めたのは前進であり、2028年の目標は魅力的だ。しかし、子会社管理の失敗、上場維持対応、潜在株式の行使が同時に起きる局面で、少数株主の持分が守られるかは見通しにくい。継続課金の社宅管理を大きくできても、周辺の手数料がAIに侵食されれば長期の成長率は高くならない。会社の努力を高く評価することと、その会社に今いくら払うかは別の判断である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎは3種類に分かれる。第一の不動産会社向け「新生活ラクっとNAVI」は、賃貸の入居者に電気・ガス・通信・引越しの手続きを案内する。不動産仲介会社が利用者を紹介し、成約した事業者から取次報酬を得る。その一部を紹介元へ支払うので、利用者が増えても報酬単価と分配条件で利益が変わる。2025年の利用者は約22万7千人、売上は約22億円であった。
第二の法人企業向け「社宅ラクっとNAVI」「ワンコイン転貸」「ベネフィット社宅」は、人事総務の転勤手配、物件探し、借上社宅の管理を請け負う。2025年の利用者は約3万9千人、売上は約19億円となる。2026年6月時点で実際の管理戸数は2万7千戸余りで、別に入居・転貸開始前の見込戸数が存在する。月額管理料は契約が続く限り入るが、電気・保険などの紹介料も同じ区分に含まれるため、売上全体を継続課金とみなしてはならない。転貸で動く家賃などの取扱高を会社の純売上に混ぜてもいけない。
第三の引越会社向け「HAKOPLA」は、繁忙期の引越依頼を提携事業者間で融通する。業者の稼働に空きがあればマッチングが成約し、手数料が入る。業務ソフト「HAKO-Tec」とダンボール広告もあるが、2025年の同区分の売上は約3億円にとどまる。これらは荷物を運ぶ会社ではなく、転居という出来事を起点に顧客と事業者を結び付ける仲介と運営の事業だ。
2025年の連結報告は「移転者サポート事業」という単一セグメントで、3区分別の営業利益は非開示である。したがって各区分の利益は粗利と業務負担から推計し、本社費を別に引いた。社宅の敷金・前渡金・預り金が貸借対照表を大きくするため、現金残高だけを見て資産の厚い軽資産事業と呼ぶのも正確ではない。
優良さと弱いところ
強みは転居の瞬間に顧客と接触できる二面の紹介網である。2025年末の不動産会社登録は約1,500社、2026年6月時点の法人取引先も4千社を超える。紹介を受ける側と引越・通信・電力を供給する側を同時に集めたことで、新参会社は一社ずつ取引を開拓しなければならない。さらに社宅の転貸契約には敷金精算、原状回復、貸主との調整という面倒な実務が残り、企業の総務が簡単には乗り換えない部分もある。
ただし堀、すなわち他社がまねしにくい強さは、まだ広いとは言えない。過去の値上げを契約更新のたびに貫いた証拠、年間解約率5%未満の実績、複数年かかるシステム移行の証拠は開示から確認できない。大手のリログループやサンネクスタグループは管理戸数で同社を大きく上回る。個人の契約取次ぎは、ソフトバンクやラストワンマイルなど報酬の支払側が単価を握る構造で、値決め力が弱い。
2022年に営業利益率が3%近くまで落ち、2025年には17%超まで回復した。社員採用と固定費の扱いで利益が大きく振れるため、高い増分利益率が毎年続くと信じるのは危険だ。一方、2023年末から2025年末に自己資本が約8億円増える間、営業利益は約6億円伸びた。既存取引網に新サービスを載せる限り、追加投資の採算は優れている。
2026年には内部の契約確認にAIを使い、年4,500時間相当の作業削減を公表した。費用削減の実績として評価するが、AI製品の販売収入や低解約の証明ではない。社宅業務の実体が残ることと、取次手数料が守られることは分けて評価したい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の引越需要は人口減少の影響を受ける成熟市場である。総務省の住民基本台帳人口移動報告では、2025年の市区町村間移動は約519万人で、前年から微減した。家計が増えても人口移動が同じ勢いで増えるわけではない。リベロの不動産向け年間サポート約23万人をこの519万人と並べれば約4%に相当するが、前者は利用者、後者は住民移動者で、同一の市場分母ではない。正確な全国シェアとしては扱えない。
法人向けの主戦場は借上社宅の管理だ。会社が示す転勤社宅約109万戸を参考市場とすると、同社が2026年上期に実際に管理する約2.7万戸は2〜3%程度の位置にある。競合のリログループは約28万戸、サンネクスタグループは約32万戸を管理しており、リベロは規模で一桁小さい。集計時期や契約範囲は完全には一致しないが、少なくとも寡占の主役ではなく、既存大手から一部を奪う立場だ。社宅制度のない企業が使える「ベネフィット社宅」は新しい入口になる一方、税・社会保険上の制度変更を受けやすい。
引越会社向けにはサカイ引越センター、アート引越センターなど実運送会社の自社配車があり、仲介では「引越し侍」やSUUMOの比較サービスも競う。HAKOPLAは配車の融通に価値があるが、運送の許認可や車両を持つわけではない。参加事業者が別の連携網に移る余地も大きい。正確な成約シェアは会社・競合とも整った開示がなく推計の限界がある。
10年先の数量は、全国の引越総数が横ばいから微減でも、法人社宅の管理シェアを高めれば増える。ただし物価が年3%上がる世界で、取次ぎ単価を同じ率で上げられるとは考えない。AIエージェントが光回線や電力を自動で比較・契約すると、紹介料の原資が細る。企業の転勤事務も自動化が進み、ソフトの操作や手続き工数に対する課金は縮む。転貸という契約当事者の責任だけが相対的に残り、同じ会社の中でも成長する業務と淘汰される業務が分かれる。
資本政策と M&A
資本配分には良い変化と課題が同居する。会社は2024年に配当方針を改め、成長投資を優先しながら配当性向30%を目安とした。2025年の配当総額は約1.6億円で、2026年も増配を予想する。自社株買いで株数を大きく減らした実績はなく、10年の還元は基本的に利益の3割の配当と株主優待で考える。優待は100株以上に対するQUOカードで、2025年の引当額約0.12億円を毎年の費用とみなし、継続する筋書きで10年合計約1.2億円を還元に含めた。
経営目標は2028年の営業利益20億円である。一方、その時点の売上高、ROE、DOE、総還元性向、自社株買い額については数量の約束がない。2025年に設立した開発・広告の子会社TANTでは2026年に不正支出が発覚し、同年7月に解散・清算方針が示された。金額の大小よりも、拡張投資の監督能力を問う出来事である。大型買収による利益の上乗せは筋書きに含めない。
2026年9月のHITENによる約6.6%の取得は相対の株式移転で、株主への公開買付けではない。流通株式比率は2025年末21.2%、2026年8月時点も約22%で、基準25%への適合が課題だ。役員の持分放出が進めば改善するが、未達なら上場廃止に至る条件付きの制度上の期限がある。新株予約権の行使による既存株主の希薄化も、純利益の成長とは別に差し引いて見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
社宅の管理は単なる電話の取次ぎではない。会社が借主となり、従業員の転勤時には物件探しから契約、敷金の管理、退去精算まで引き受ける。経理と人事に分かれた作業を一本化できるため、福利厚生担当者は毎回業者を選び直す必要がない。2026年半ばの実管理戸数は約2.7万戸で、全国の転勤用社宅のごく一部にすぎない。リログループやサンネクスタに比べると小さいが、裏を返せば大手からシェアを少し取るだけでも増収余地がある。
「ベネフィット社宅」は、転勤を命じない企業にも社宅制度を導入できる入口だ。現金で払ってきた住居手当を制度設計で見直す経済的な動機があり、総務の負担軽減と社員の福利厚生が一致する。契約を管理する戸数が増えれば、引越しや電気、火災保険などの周辺取引も生まれる。商品を増やしても紹介元の不動産会社と企業との関係を一から作り直さなくてよいことが強みだ。
2025年には約44億円の売上に対して約8億円の営業利益を生んだ。2026年上期の利益進捗は力強く、社内のAI活用で契約確認の手間を実際に削減している。事務コストを減らして人員を社宅の獲得に回せれば、売上の伸びより利益の伸びが速い時期が続く。2028年営業利益20億円は到達可能な通過点となり、その後も転貸契約の管理料が積み上がる。高い再投資利回りを維持できれば、10年先には今よりはるかに多くの利益を株主にもたらす。
慎重な見方
事業の中心には脆い手数料の流れがある。賃貸契約をした入居者に電気、ガス、通信を紹介するだけなら、契約先の比較はAIエージェントが数秒で済ませられる。紹介元の不動産会社にも、料金を払う通信事業者にも交渉の選択肢が増え、仲介会社の取り分が細る。既に2025年の売上の40%超をラストワンマイルとソフトバンクの2社が占めていた。一方が報酬体系を改めれば、利用者数を増やしても利益が消える。
法人の社宅管理にも競争上の限界がある。大手のリログループとサンネクスタは実管理戸数でリベロの約10倍前後の規模を持ち、管理体制や取引実績が大きな購買企業ほど重視される。AIが物件検索や申請を代行し始めれば、面倒な事務を一括で引き受けること自体の値段も下がる。数万戸の潜在転貸戸数はその時点ではまだ利益を生んでおらず、受注残と契約稼働中の管理数を混同すれば成長を過大評価する。
財務も表面的な無借金だけでは判断できない。預かった家賃や敷金、貸主への前渡金が膨らむので、現金の多くは取引を止めてもすぐには株主に配れない。子会社TANTの不正支出は監督の弱さを示し、2026年末の流通株式比率の適合には期限がある。上場を維持できず整理銘柄となれば、事業が生き残っても既存株主には著しい不利益が生じる。従業員向け新株予約権も既存株主の取り分を薄める。好調な数年が続いたとしても、それが2035年の高い利益率を保証するわけではない。
どちらに重みを置いたか
社宅管理の契約実数が伸びている点では強い見方に理がある。しかし現在の事業は、堅い管理料だけではなく、外部事業者が払う取次ぎ手数料にも大きく依存する。中立では社宅のシェア拡大を認めつつ、手続きの自動化と単価交渉を織り込んだ。確率は上側28%、中立32%、下側40%と慎重な側に寄せた。AI代替による業務縮小は各事業の数量と長期成長率で数え済みであり、確率で重ねて罰してはいない。下側を厚くした追加の理由は、売上上位2社への集中、上場維持期限と子会社管理の実績である。価値は現時点の時価総額を約2割下回り、今は安全域が十分でない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,846 円152 億円(+ 還元の換算額還元の合計 571 円30 億円)。 今の値に割り戻すと 1,672 円89 億円、今との差 −24.2%、 期待の年率 +4.9%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 7,509 円401 億円 | 1,154 円62 億円 | +292.7% | +16.3% | 866 円46 億円 |
| やや楽観 | 18% | 5,071 円271 億円 | 862 円46 億円 | +169.0% | +11.5% | 1,068 円57 億円 |
| 中立 | 32% | 2,892 円154 億円 | 641 円34 億円 | +60.1% | +5.4% | 1,130 円60 億円 |
| やや悲観 | 25% | 932 円50 億円 | 306 円16 億円 | −43.9% | −6.3% | 310 円17 億円 |
| 悲観 | 15% | 159 円9 億円 | 125 円7 億円 | −87.1% | −21.5% | 43 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,846 円152 億円 | 571 円30 億円 | +54.9% | +4.9% | 3,417 円182 億円 |
今の株価時価総額 2,206 円118 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 社宅制度が拡張し継続料が主役 利益 34 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7,509 円401 億円
社宅制度のない企業へ「ベネフィット社宅」が広まり、借上社宅の実管理戸数は大幅に増える。新たな法人契約から電気、保険、引越しの紹介も発生し、2028年の営業利益目標は早期に通過する。リログループやサンネクスタが得意とする大企業だけでなく、中堅企業の福利厚生を独自の販売網で開拓して法人向け年間利用者が12万人に達する。
不動産会社の新規加盟も増え、転居母数が緩やかに減っても年間紹介利用者45万人を獲得する。HAKOPLAは運送会社の繁閑差をならすインフラとして使われるが、AI製品の販売が新収益源になるとの想定はしない。むしろ既存の事務省力化が人件費の上昇を吸収する。大口の手数料支払先とも取引条件を保ち、営業利益率は約35%まで上がる。
子会社の監督を立て直し、上場維持基準も満たす。持分が新株予約権で薄まっても、事業自体が生む利益は大きくなる。管理契約の継続課金が主役となり、追加投資に高い利益率が付く理想的な成長である。
- 不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI:数量 450,000(年間サービス利用者数(人/年、実数))× 価格 11,800(利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額))→ 売上 53 億円・営業利益 14 億円。実質利用者数は現状の1.98倍。報酬単価は名目1.24倍で物価1.34倍を下回る。
- 法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅:数量 120,000(年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別))× 価格 68,000(年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む))→ 売上 82 億円・営業利益 37 億円。社宅利用者約3.09倍、単価1.41倍。管理契約の継続比率上昇で構成単価も改善。
- 引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec:数量 160,000(年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年))× 価格 6,500(マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。マッチング16万件、単価は名目1.30倍。
倍率:k8.25%、g_long0%の正当化PER上限は1÷0.0825=12.12倍。余剰現金70億円の税後運用益を純利益から0.98億円控除した事業利益33.27億円に12.12倍を掛け、現金の株主帰属価値70×0.75=52.5億円を別に足す。事業ROEは現金控除後約29%でkを上回る。現在や同業のPERは未使用。
確率:2028年の営業利益目標を通過点として、社宅の導入企業と実管理戸数がともに大幅増となる条件が揃う場合。大手から継続的にシェアを取る必要があり、10%に限る。
やや楽観 18% 法人の新規導入が順調に続く 利益 23 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,071 円271 億円
「ワンコイン転貸」と「ベネフィット社宅」の導入が中堅企業へ定着し、法人向け年間利用者は10万人に増える。大手社宅管理会社との価格差が広がらず、稼働中の管理契約が増えることで紹介料に頼らない利益が厚くなる。2028年には営業利益20億円に届き、その後も新規契約の増加が利益を押し上げる。
不動産会社向けの利用者は36万5千人へ増加するが、通信と電力の取次ぎ単価は物価の上昇ほど上がらない。HAKOPLAは引越会社の連携先を増やし、12万件を扱う。AIエージェントによる手続き代替は進むものの、成果型の紹介と転貸契約の運営という実務の拡大がこれを上回る。料金を払う大口事業者との関係も維持できる。
会社は大きな買収に踏み込まず、余った利益の一部を配当し、残りをシステムと運転資金に投じる。経営の監督体制を立て直し、社宅の契約運営が長く収益を支える会社へ進化する。
- 不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI:数量 365,000(年間サービス利用者数(人/年、実数))× 価格 11,500(利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額))→ 売上 42 億円・営業利益 10 億円。利用者1.61倍、単価名目1.21倍。
- 法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅:数量 100,000(年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別))× 価格 63,500(年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む))→ 売上 64 億円・営業利益 25 億円。法人利用者2.57倍。物価以上の単価上昇は管理料を伴う契約構成変化の分。
- 引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec:数量 120,000(年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年))× 価格 6,100(マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額))→ 売上 7 億円・営業利益 2 億円。案件1.85倍、単価名目1.22倍。
倍率:現金55億円を控除した事業ROEは約25%、k8.25%を上回る。g_long0%なので上限PER=1÷k=12.12倍。純利益22.76億円から現金利息0.77億円を除いた事業利益21.99億円の価値に、現金55億円×戻り方0.75=41.25億円を足す。過去の株価倍率は参照しない。
確率:現在の法人顧客の積み上がりと中堅企業の制度導入を延長した上振れ。単価維持と収益性改善の継続が必要だが、企業の管理業務には実需があり18%とした。
中立 32% 社宅のシェア拡大と紹介料圧縮が相殺 利益 13 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,892 円154 億円
全国の転居件数は人口減少に沿って微減する。それでも不動産会社の加盟と法人の福利厚生導入が進み、リベロが扱う転居者と社宅契約のシェアは上がる。法人向け年間利用者は8万人に達し、不動産会社向けの利用者は30万人になる。社宅の実管理契約は拡大するが、会社発表の潜在戸数がすべて稼働中になるとは見ない。
AIエージェントが手続きの多くを担い、人的BPOの実質作業量は現状の約65%、画面を操作するソフトの利用量は約80%に縮む。一方、転貸契約の当事者としての責任と成果型の紹介網は残るため、会社全体の取扱利用者数は増える。利用者当たり手数料の上昇率は物価を下回り、法人も顧客を増やすための価格競争を受ける。
2028年の営業利益20億円という目標には接近するが、その後は送客報酬の圧縮と人件費の上昇で利益成長が一服する。大型買収を前提とせず、配当性向30%を続ける。2035年には売上約85億円、営業利益約19億円と、量は増えても高成長企業から着実な管理事業へ変わった姿になる。
- 不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI:数量 300,000(年間サービス利用者数(人/年、実数))× 価格 10,900(利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額))→ 売上 33 億円・営業利益 6 億円。利用者1.32倍。人的取次ぎ部分0.65倍を紹介網シェア拡大で補う。単価1.15倍はCPI1.34倍を下回る。
- 法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅:数量 80,000(年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別))× 価格 58,000(年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む))→ 売上 46 億円・営業利益 15 億円。法人利用者2.06倍。転貸実契約が拡大する一方、BPO作業量0.65倍とSaaS画面0.80倍を反映。単価1.20倍。
- 引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec:数量 100,000(年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年))× 価格 5,700(マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。案件1.54倍、SaaS部分0.80倍・人手調整0.65倍、成果連携の取扱増を反映。単価1.14倍。
倍率:資本コスト8.25%、g_long名目0%、moat normalのRONIC=k+0.5×(事業ROE−k)。正当化PER=(1−0/RONIC)/(k−0)=12.12倍を上限どおり採用。余剰現金33億円の税後受取利息0.462億円を純利益12.9億円から控除し、12.438億円×12.12倍+33億円×0.75=約175.50億円。事業ROEは現金控除後約15.5%。現在の株価・過去のPERとは無関係。
確率:管理戸数の増加は直近実績と社宅制度の拡張から妥当だが、全国の転居母数は伸びず、紹介手数料を物価以上に上げる力も乏しい。会社計画を無条件に延ばさない中心ケースとした。
やや悲観 25% 紹介料単価が低下し管理料で補い切れない 利益 5 億円 · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 932 円50 億円
国内の住み替えは緩やかに減る。リベロは社宅の導入企業をなお増やすが、リログループとサンネクスタは大口顧客を守り、管理料の値下げ競争が起こる。法人向け年間利用者は5万5千人にとどまり、転貸件数の増加に必要な敷金と運転資金が重くなる。
ラストワンマイルやソフトバンクとの取引条件が見直され、不動産会社向けの利用者単価はインフレ分をほとんど取れない。AIエージェントの浸透で手続きの有人対応が減り、ソフトの席数課金も圧迫される。HAKOPLAは地域の引越会社をつなぐ機能を残すものの、事業者が自ら調整できる範囲が広がり、案件は7万5千件にとどまる。
紹介網を維持するための営業費と、転貸契約の管理体制を支える人件費が利益を圧迫する。営業利益は約7億円で、ROEは資本コストを下回る。配当は減益に応じて縮め、株主優待も徐々に見直す。事業は存続しても追加投資の利回りが低く、長く持った資本の価値は大きく傷む。
- 不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI:数量 250,000(年間サービス利用者数(人/年、実数))× 価格 10,500(利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額))→ 売上 26 億円・営業利益 3 億円。利用者数1.10倍だが紹介料単価は物価を大きく下回る名目1.10倍。
- 法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅:数量 55,000(年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別))× 価格 55,000(年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む))→ 売上 30 億円・営業利益 7 億円。利用者1.41倍、単価1.14倍、管理事務の競争で粗利益率低下。
- 引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec:数量 75,000(年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年))× 価格 5,100(マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。案件1.15倍、単価横ばい、手配を自動化した事業者との競争。
倍率:純利益4.68億円から余剰現金12億円の税後利息0.168億円を除き、事業利益4.512億円とする。余剰現金控除後の事業ROEは約7%で資本コスト8.25%未満のため、正当化PERの上限は1/k=12.12倍。管理契約の値下げと再投資の採算悪化が続くケースの稼ぐ力としてPER10倍で評価し、現金12億円×戻り方0.75=9億円を加算する。
確率:2025年の報酬支払先2社への売上集中と、拡大中の社宅サービスに資金が拘束される弱点を重視した。個別企業への依存が残るため、構造的な利益率低下には4分の1の確率を見込む。
悲観 15% 送客の仲介機能を失い社宅も再編 利益 −3 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 159 円9 億円
AIエージェントが入居者の電力・通信契約を直接取り次ぐようになり、送客事業者に支払う報酬が大幅に減る。紹介元の不動産会社も成果報酬の高い別のサービスへ乗り換え、利用者は12万5千人まで減る。社宅管理では価格競争とシステムの標準化が進み、大手に主要顧客を奪われる。法人向け年間利用者は2万人に縮む。
引越会社の配車は運送会社自身のシステムで連携され、HAKOPLAが扱う案件も大きく減る。転貸の契約当事者として敷金を返し、家主への支払いを続ける負担は事業縮小後も残る。人件費とシステムの最低限の維持費を削り切れず、営業損失が定着する。大きな買収で事業を救う余力は使わない。
上場維持を巡る条件が満たせなかった場合には取引市場からの退出も起こりうるが、会社が必ず清算されると決め付けない。悪化した継続事業に高い倍率を掛けず、預り金と転貸契約の返還・撤退費を精算した後に回収可能と考える現金と売掛金の価値だけを見る。過去の株価の底値ではなく、換金できる資産による床の筋書きである。
- 不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI:数量 125,000(年間サービス利用者数(人/年、実数))× 価格 8,500(利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額))→ 売上 11 億円・営業利益 −1 億円。利用者現状比0.55倍、単価0.89倍。有人仲介が失われ固定費負担で赤字。
- 法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅:数量 20,000(年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別))× 価格 50,000(年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。年間利用者0.51倍、低価格管理だけが残り営業利益率3%。
- 引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec:数量 25,000(年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年))× 価格 5,000(マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。案件0.38倍、単価ほぼ横ばいだが維持費負担で赤字。
倍率:営業損失が続き最終年度の純利益は-3.20億円のため、赤字にPERを掛けない。現在の自己資本26.46億円に対し、事業撤退後に回収可能な純現金・売掛金等の税後床約8.5億円に一致するPBR約0.32124倍を適用し、時価総額8.50億円とした。2035年の自己資本21.87億円には床のPBRを掛けず、過去の市場PBRも使わない。
確率:報酬の支払側が仲介を飛ばして契約を獲得し、社宅管理の大型顧客は大手へ移るという構造敗北。債務超過までは至らないが、失敗時の回収価値に重大な不確実性がある。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
不動産会社向け・新生活ラクっとNAVI
不動産会社から紹介された入居者に電気、ガス、通信、引越を案内し、成立した事業者から成約報酬を受け取る。人手の取次ぎと成果報酬型プラットフォームが混在する。
| 数量年間サービス利用者数(人/年、実数) | 価格利用者1人当たり年間売上(円/人、紹介手数料の総額) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 227,070 | 9,516 | 22 | 2 |
| 10 年後 中立 | 300,000 | 10,900 | 33 | 6 |
取り方:2025年会社決算説明資料の不動産会社向け売上21.6078億円と利用者227,070人を対応させ、成約1件当たりの単価ではなく1利用者当たりの実現売上を約9,516円と逆算。連結単一セグメントのため営業利益2.16億円は粗利11.66億円から顧客対応・紹介元営業などの費用約9.50億円を試算した非開示推計。AIエージェント代替の判定用に、売上の約2割を人手BPO(中立の実質数量0.65倍)、約8割を成果報酬型の紹介網(取引先増で中立約1.49倍)と仮定したモデル内訳であり、会社公表の区分ではない。2025年の住民基本台帳上の市区町村間移動約519万人との比較は単位が異なるためシェアではない。
法人企業向け・社宅ラクっとNAVI/ベネフィット社宅
企業の転勤手配、転貸契約、社宅管理と福利厚生型社宅を提供し、事務手数料・管理料・周辺契約の取次ぎ報酬を得る。毎月の現物契約管理とBPOが混在する。
| 数量年間法人向けサービス利用者数(人/年、実数。管理戸数とは別) | 価格年間利用者1人当たり売上(円/人、管理料・取次手数料を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 38,895 | 48,278 | 19 | 6 |
| 10 年後 中立 | 80,000 | 58,000 | 46 | 15 |
取り方:2025年決算説明資料の法人向け売上18.7778億円と年間利用者38,895人で1人約48,278円。会社は社宅の管理料と紹介手数料の売上構成・各々の利用者当たり収入を出していない。2026年6月の実管理27,358戸×公表サービス料金月500円×12月=約1.64億円は管理料の一部の検算であり、売上に二重計上しない。公表の総転貸59,580戸には転貸予定31,087戸などが含まれる。粗利約16.90億円から部門費約10.70億円を推定して営業利益6.20億円とした。AI分類のための非開示推計は転貸と成果契約65%、BPO30%(中立数量0.65倍)、画面操作中心5%(0.80倍)で、法人サービス全体の数量増は成長する転貸65%が支える。
引越会社向け・HAKOPLA/HAKO-Tec
提携引越会社の案件を相互に融通するマッチング、業務ソフト、梱包広告などから収益を得る。実運送は引越事業者が担う。
| 数量年間HAKOPLA案件マッチング件数(件/年) | 価格マッチング1件当たりの引越会社向け区分売上(円/件、ソフト・広告を均した額) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 64,946 | 5,018 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 100,000 | 5,700 | 6 | 1 |
取り方:2025年会社資料の引越会社向け売上3.2592億円をHAKOPLA年間マッチング64,946件で割り、ソフト利用料・広告売上も件数へ均したモデル上の実現単価約5,018円とした。実際の純粋な成約手数料は非開示で同額とは限らない。粗利約2.79億円から推計費用約2.37億円を引き営業利益0.42億円。AI判定用の非開示推計では成果連携7割、人的調整BPO2割(中立数量0.65倍)、操作画面SaaS1割(中立数量0.80倍・単価1.00~1.15倍)と分ける。
リスクと懸念
AIエージェント代替と仲介手数料の圧縮
個人の電気・ガス・通信契約の紹介は、AIエージェントが比較と申し込みを直接行えば取次ぎの労務価値が薄れる。法人の転勤手配も事務工程が省力化される。成果報酬の市場拡大だけで過去の利益成長を延長せず、人手BPOの実質案件数は中立で10年0.65倍、画面型ソフトは0.80倍、2035年以降の名目成長率は0%とした。
特定の報酬支払先への集中
2025年の売上に占めるラストワンマイルは約26.9%、ソフトバンクは約13.4%で、2社合計が40%を超える。利用者は多方面から来ても、報酬を支払う会社が少数なら価格交渉力は弱い。取次条件の改定やチャネル停止は数量と単価を同時に下げるため、社宅の管理料が増えても全体利益を打ち消しうる。
転貸の前受・敷金と資金拘束
2025年末の現金23.2億円は魅力的だが、前受金約19.2億円、長期預り金約11.3億円、預り敷金約7.2億円と、借主としての履行義務を抱える。貸主への前渡金や差入敷金も大きい。管理戸数が増えるほど貸借対照表の両側が膨らみ、現金が全額余剰とはいえない。悲観時は精算遅延と未回収を織り込む。
上場維持基準と大株主の売却
東証グロースの流通株式比率25%に対し、2025年末は21.2%、2026年8月時点の説明も約22%だった。役員による市場への持分移転で改善を進めているが、2026年末までの適合が確定しなければ監理・整理銘柄を経て2027年7月に上場廃止となりうる。現時点で上場廃止決定ではないが、流動性と既存株主の回収価値に直結する。
新株予約権による既存株主の希薄化
2025年有価証券報告書では行使済みを除いた潜在株式が権利確定前後を合わせ約78.5万株あった。2026年上期の発行増加分を勘案しても、現存株式約534万株に対して1割を超える潜在的な増加がある。利益の拡大を時価総額だけで評価すると、同じ株を持つ株主の取り分を過大に見積もる。
TANTの不正支出と経営の監督力
2026年に子会社TANTの不正支出に関する社内調査結果が公表され、同子会社の解散・清算が決められた。現金の損失額だけなら全社を左右しないが、新事業へ再投資した資本を守る内部統制に疑問が残る。今後も利益率向上を成長投資や他社買収へ回すなら、取得後の監督を担えるかが先に問われる。
社宅制度と労働力移動の変化
国内人口の減少に加え、オンライン勤務で転居を伴う転勤が減れば、移転者の年間母数が細る。ベネフィット社宅は税・社会保険上の扱いに依存するため、制度見直しが導入意欲を弱めかねない。大手社宅管理会社の価格攻勢が重なると、管理戸数の増加と管理単価の低下が同時に起こり、投下資金の利回りが悪化する。
今後の分かれ目
- 2027年以降、実際に管理料を払う転貸戸数が5万戸を超え、解約率も低位で開示されたら
- 将来の契約見込戸数ではなく稼働中の実数で評価できる。中立の法人利用者数と継続課金比率を引き上げ、強い堀の証拠が2つ揃えばg_longも再点検する。
- ラストワンマイルまたはソフトバンク向け売上が大幅に減り、他社で代替できなかったら
- 不動産向けの実現単価と粗利益率を下げる。大口依存が解消せず売上全体も減れば、やや悲観・悲観の現実味が増す。
- 2028年の営業利益20億円を達成し、管理戸数と利用者当たり粗利も増えたら
- 単なる経費抑制ではなく数量と単価の両方で収益力が改善した証拠となり、中立の売上・利益率を上方修正する。
- AIによる送客料の値下げが続き、HAKO-Tecの画面課金も減ったら
- 人的BPO・業務ソフト部分の数量を悲観側へ移す。転貸契約の実管理戸数がその分を補えるかで長期の利益率を見直す。
- 2026年末までに流通株式比率25%への適合が確認されたら
- 上場維持の制度上の尾部リスクは後退する。逆に適合が確認されず監理・整理銘柄へ進めば、保有株の回収条件を改めて検討する。
- 追加の新株予約権の発行が続くか、既存の潜在株式の行使が進んだら
- 会社全体の利益ではなく、行使後の株数に対する既存株主の持分比率を更新する。払込資金も反映して希薄化と会社への入金を区別する。
見ておくもの
- 毎月の売上高の前年比と、1~9月累計が単月の鈍化を埋められるか
- 法人向け年間利用者数と実管理戸数の両方。転貸予定戸数を混ぜた公表総数では測らない
- 不動産向け利用者1人当たりの売上と大口2社の売上構成比
- ベネフィット社宅導入企業・管理料の継続率・解約率と値上げ実績
- 2028年営業利益20億円への進捗とソフトウエア開発投資、営業キャッシュフロー
- 2026年12月末の流通株式比率と2027年に向けた東証の指定状況
- 新株予約権の残数・権利行使条件と発行済株式数の増減
- 2026年7月のTANT清算後の内部統制、預り金と差入敷金の増減
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額111.35億円や現在・過去のPERを計算に使わず、2025年の3事業区分の利用者数と実現単価を起点に、2035年の数量・単価・利益率を先に求めた。資本コストは8.25%、AIエージェント代替を勘案した2035年以降の名目成長率gは0%で、楽観から中立までの正当化PERは上限12.12倍そのものとした。やや悲観は低ROEの稼ぐ力、悲観は税後回収資産の床を用いた。実現価値89億円という結果が現在の株価とずれたままでも修正していない。2027年4月以後に始まる年度からの新リース会計による資産・負債の両建ては、家賃を費用に含める現在の利益表示と比較できるよう調整して読む。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。普通の会社の基本7.5%に、循環0.5%・値決め力0.5%・純現金の財務-0.25%・寿命0%を加算した。上場維持や不正支出の個別リスクは確率・筋書きに入れ、kへは足していない。